Catch a shooting star!
●流れ星に願いをかけて
大好きな人との初めてのデート。
楽しいデートはいよいよクライマックス。
気がつけば、星降る夜になっていた。
「せっかくのデートだし………よしっ!」
ワルツの頭の中に良いアイデアが飛び込んできた。
「どうかしたんですの? ワルツ様?」
そう言って、振り返るルーツァ。
「きゃっ」
だが、それは途中で中断されてしまった。
ワルツがルーツァを抱き上げたのだ。
「こういう散歩もいいよな?」
「も、もう……ワルツ様ったら……」
突然の出来事に怒ろうかとも思ったが、そんなルーツァ気持ちは、ワルツの嬉しそうな笑みで消えてしまった。
ワルツの微笑みに敵う訳がない。
ルーツァは抱きかかえられたまま、夜の散歩は続く。
「あっ……」
「何?」
ルーツァが空を指し示す。
「流れ星が……」
「流れ星?」
二人は空を見上げた。
と、そのとき。
きらりとまた、星が流れた。
「確か、流れ星が消える前に、願いを3回唱えるんだったんだよな」
「それができたら、願いが叶うという……お話ですわね?」
そうそうとワルツが頷く。
「よし、また見つけたら」
「一緒に願い事を唱えましょう」
にこりと微笑みあい、空を見る。
また煌き。
二人は目を瞑り、願いをかけた。
果たして、二人は3回唱えられたのか。
それは星に聞かないと分からない。
「なあ、ルーツァ。願い事、何にした?」
「そういうワルツ様は、どんな願い事をなさったのです?」
くすりと笑う。
「「内緒♪」」
この幸せがもっともっと続くように、なんて言えるかよ。
ワルツ様が幸せでありますように。……その幸せを作り出せる存在が、ずっとずっと自分でありますように……。そんなお願いをしたなんて、まだ恥ずかしくて言えませんわ。
「あ、また流れ星」
今度はどんな願い事をかけようか?
二人の願いをかける夜は、まだ始まったばかり……。
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銀鎖・ワルツ
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蜜星貴族・ルーツァ
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イラスト: 玖壱