ケーキ、おいしいですか?vv
●美味しいケーキを二人で……
一生懸命作ったケーキ。
ちょっぴりのどきどきを胸に、自分の作ったケーキをフォークに挿した。
「あーんっしてください」
嬉しそうにお願いするシア。
「あーん」
シアの目の前にいるのは、フォレスト。
実はシアがこの日の為にわざわざ練習までしてきてくれていたことを、フォレストは知っていた。
シアがフォレストの為に作ったケーキ。
それと、とろけてしまいそうな甘さ。
そして、胸いっぱいの幸せ。
「おいしかったかな?」
ちょこんと首をかしげて、シアはどきどきする胸を抑えながら訊ねた。
と。
「え? え?」
驚き。
フォレストは、感想を言うかわりに、シアの頬にキスをしたのだ。
「ちゃんと美味しいよ♪」
「えっと、その………」
どきどきする胸は、もう抑えられない。
どうしたら、止まるのかな?
熱くなる頬をどうしたら、止められるのかな?
シアはちょっとしたパニックに陥っている。
「ふふっ」
思わず笑ってしまう。
「あ、笑ったぁ〜」
今度はとたんに機嫌が悪くなるシア。
「だって、シアがあんまり可愛いから……」
「!!…………」
にこりと微笑み、フォレストは続ける。
「あれ? もうケーキはおしまい? じゃあ、今度は俺が食べさせてあげようか?」
その言葉にシアの頭は、ショート寸前。
二人だけのティータイム。
まだまだ、甘い時間は終わらない。
<
純白の癒し姫・シア
&
熊・フォレスト
>
イラスト: 野田みれい