ランララライヴ

● 新撰組LIVE in RANLALA

 それは突然行われた。
 二人っきりの時間を邪魔するかのように、切り裂くような、弾けたサウンドが響き渡る。
「な、何だ?」
 星屑の丘の上で、急遽、設置された飾り気の無いステージに二人の男が立つ。
 月明かりに照らされ、二人はにっと笑みを浮かべた。
「皆、待たせたなっ! 新撰組ゲリラライブ、とくと聞きやがれっ!!」
 ニルヴァーナがそう叫ぶと、手に持っていたギターを弾き出した。
「今宵は、ニルヴァーナとリリカルに決めるっ!!」
 ニルヴァーナのソウルメイト、スロゥトも声を張り上げる。
 そして、二人の熱き魂をぶつけ合う、激しい曲が流れる。
「寝ても醒めても、生きても死んでもロックだ!!! アオー!!! どこまでもどこまでも一緒に行こうぜ!! 天国の果てでも地獄の果てでも一緒に行こうぜ!!」
 そう叫ぶニルヴァーナは勿論、スロゥトも熱くシャウトしていく。
 その熱気に当てられたかのように、二人のステージを見ていたカップル達も共に声を張り上げ、歌っている。
 激しいギターの曲。
 それに乗せて、二人は歌い出す。


──追いつけないと分かっていても
   一段抜かしで駆け上がる
   君が同じ場所で待っていても
   僕は別の道を行くだけさ
   君が他の誰かに近づいて見せても
   僕はいつも通りさ

   pretext of "I don’t like the meekly love".
   make an excuse to "I bashful to docile love".
   Funny funny funny and joker love song.

   誰のものでもないのさ
   同じ靴しか履けないのさ
   薄っぺらいジャケットを羽織って
   Funny funny funny and pestering love song.


 しかも、ニルヴァーナとスロゥトが、互いに熱きソウルを振るわせ歌う、このラブソングは大いに盛り上がった。
 ステージの周りから、アンコールの声も聞こえてくる。
「ニルヴァーナっ! リリカルに行こうゼ!」
「おうっ! お客サンはまだまだ足りねぇーみたいだからなっ!!」
 二人は顔を見合わせ、悪魔のような笑みを浮かべる。
「「今夜は眠らせないぜっ!!」」
 二人のライブはまだ始まったばかり。
 熱いライブは、夜明けまで続いたのであった。


イラスト: ハニコ