*†*ランララ聖花祭*†*〜甘い…甘い・・初めての…〜

● *†*ランララ聖花祭*†*〜甘い…甘い・・初めての…〜

 日も暮れた星屑の丘。
 夕陽にかわって、空を彩るのは、小さな星々。
 その煌きは、優しく恋人たちを祝福するかのように。

 シェルティとイヴは、星屑の丘にたどり着いた。
「この辺で座ろうか」
「はいですぅ」
 そろってちょこんと座る二人。
 イヴは少し緊張していた。
 これからシェルティにする事は、イヴにとっても初めてのこと。
 だからこそ、失敗は許されない。
 こんな素敵な夜なのだから。
「シェル……」
「ん?」
 イヴの声に振り向くシェルティ。
「シェル……大好き、なの………んぅ……」
 二人の唇が重ねられた。
 でも、それはほんの数分。
 僅かな時間だったのに、長く感じるのは気のせいだろうか?
「え……、……わ……」
 離れた唇。そこから漏れる声は、驚きの声であった。
「……えへへぇ……おどろいたゅ?」
「お、驚くよ……突然なんだから………」
 シェルティは気づいた。イヴの頬がほんのりと赤く染まっている事に。
「……ありがとな、イヴ」
 そういって、シェルティは、イヴを抱きしめた。
「どういたしましてなのですよぅ」
 イヴの頬はまだ赤くなったまま。いや、更に赤くなったかのように思える。
「………あの、ね? 甘いお菓子……つくってきたけど……その……もらってくれるゅ?」
 そういって、イヴは持ってきたお菓子を差し出した。
 ピンクの包みと、それに添えられた綺麗な花。
「この花って確か……」
「綺麗だったから、一輪だけもらってきちゃったのv」
 花には可愛らしく小さなリボンまでついていた。
「本当にありがとう、イヴ」
 シェルティはそれらのプレゼントをしっかりと受け取った。
 イヴは嬉しそうにシェルティの側にぴったりとくっついた。
「ずっと……今までも……これからも……シェルが……好き。……時がたてば、たつほど……だい、だい、だ〜い好きなのゅ!!」
 そういって、シェルティの胸に顔を埋める。
 ちょっと恥ずかしかったらしく、なかなかシェルティの顔を見られないようだ。
「俺も好きだよ、イヴ」
 シェルティの言葉にイヴは顔を上げる。
「あ、そうだ。イヴからもらったお菓子、一緒に食べようよ。その……一人よりも二人で食べた方が……美味しいだろうし……」
「いいにゃ? イヴも一緒に食べていいにゃ?」

 こうして、二人の小さなティーパーティが始まる。
 ささやかながらも、幸せいっぱいな素敵なパーティが……。


イラスト: 黄桜伽奈子