ランララ聖花祭・プレゼント

● これからもずっと一緒に…

 今日は特別な日。
 だからこそ、アイリスは、苦手な物づくりに挑戦した。
 そう、お菓子作りだ。
 今日はランララ聖花祭。
 お菓子に乗せて、愛の告白をする日なのだから。

 ちょっと寝坊したのは、彼にはないしょ♪

 澄み渡る晴れた青空。
 アイリスは晴れの日に感謝した。
 これも、夜に吊るしたてるてる坊主のお陰。
「良かったね、晴れて」
 アイリスの隣には、恋人であるステファンの姿もあった。
「うん!」
 アイリスはステファンと手を繋いで、朝露の花園を歩く。
 色とりどりの花が、アイリス達を出迎えるように……。
「あ、ちょっと待ってね……」
 突然、ステファンがしゃがみ込む。
「ごめんねお花さん。少しだけ摘ませてもらうよ……」
 そういって、ステファンは、花畑の花を摘んでいく。
「ステファン?」
 ステファンの隣にちょこんと座り、その様子を見守るアイリス。

 そして、数分後。
「出来た♪ ……アイリス……ハイ♪」
「わあ……」
 アイリスの頭に乗せられたのは、綺麗な花冠。
「あ、ありがとう、ステファン……」
 照れたように、嬉しそうに微笑むアイリスに、ステファンも笑う。
「こ、これはわたしからのプレゼント」
 ちょっと緊張しながらも、そういって手渡すのは、アイリスの手作りのチョコレート。
 作ったときに手を怪我してしまったからか、上手に作る事ができた。
 こういう、作るものが苦手なアイリスにとって、上手くできた事自体、奇跡に近いかもしれない。
「えっと、これでもかーってくらい愛情込めて作ったつもりだから、虫歯には注意してね?」
「あ、ありがとう♪」
 でも、これだけじゃ、つまらない。
 もう少し何か……。
 ふと、アイリスの頭の中に良い案が浮かぶ。
(「えいっ♪」)
 大好きの気持ちを込めて。
 ステファンの頬にアイリスの唇が触れる。
 ぼっとステファンの頬が真っ赤に染まった。
 驚きながらも、ステファンは嬉しそうに微笑んだ。
 そして、アイリスを見つめて……。
「これからも……そう、これからもずっと……一緒に居よう……」
 それは、ステファンからの愛の告白。
「う、うん♪」
 アイリスも嬉しそうに微笑み。
 二人はまた手を握り、歩き出す。
「ねえ、今度は何処に行くの?」
「そうだね、アイリスは何処に行きたい?」
 二人のデートは、始まったばかり。


イラスト: 山葵醤油 葱