「らぶの数だけ沢山食べてね♪」「食べきれん…(笑」
● 愛のかたちは盛りだくさん?
「ふふふ♪」
楽しくって、仕方ない。
思わず笑みがこぼれてしまう。
ラスティは、この日の為にたくさんのチョコレートを用意してきた。
服のあらゆるポケットの中に、そして、手にはチョコレートの入った箱も持っている。
「うふふふ、ぐーちゃん、喜んでくれるかな? 喜んでくれるよね?」
ちょっぴり体が重いが、それも平気。
大好きなぐーちゃん、グヱルの為に、いっぱいの愛を込めて。
「ハニー、待っていたよ」
朝露の花園。
そこにある木の下で、グヱルがラスティを出迎える。
時は夕暮れ。
少しずつ風が冷たく感じるが、先ほどの試練で火照っている体には心地よく感じる。
「ごめんね、お待たせしちゃったね」
「いいや、俺もさっき着いたばかりだから、気にしないで」
互いに微笑みあい、木の下で腰を下ろす。
「ぐーちゃん、はい、あーんv」
グヱルに後ろから抱きしめられながら、ラスティは持ってきたチョコレートをグヱルの口に持って行く。
「ありがと、ハニー」
グヱルは、そういって、ラスティのチョコレートを美味しくいただいた。
「うん、美味しいよ!」
「ふふふ、ぐーちゃんへのらぶがたーっくさん詰まってるからね♪ だからたーっくさんたぁーーーっくさん食べてね♪」
そういって、一つ、また一つとチョコレートを渡す。
「うーん、幸せだなぁ〜」
美しい夕暮れ、そんな中で大好きなハニーから、チョコレートを食べさせてもらう。
これ以上に幸せな事はない。
できるのなら、このままずっと……。
「はい、あーんv」
このまま……。
「はい、今度はこれねv」
ずっと…………。
「ふう、これで終わりかな?」
ちょっと名残惜しいけど、ケースに入ったチョコレートが無くなった事を確認するグヱル。
「まだまだぁー♪」
「え?」
ポケットから取り出したるは、別の新しいチョコレート。
「ぐーちゃんへの愛は世界一〜♪ ついでに態度も世界一〜♪」
にっこり微笑みながら、新たなチョコレートを摘むラスティ。
「溢れんばかりのこのらぶ、お見事! やっぱりハニーにはかなわないなぁ」
そして、また新しいチョコレートを口の中に入れてもらった後。
ラスティの耳元でそっと囁く。
「でも俺もらぶの量ならまけてないけどな!」
その言葉にラスティの頬が紅く染まる。
「ところで、ハニー? これだけの量のチョコどこからでてきてるの?」
「えっとね……ないしょ♪」
ちょっぴり、お腹が一杯になってきたグヱル。
それでも頑張るのは、大切な恋人を悲しませないが為に。
「ま、いっか」
こうして、二人だけの甘い甘い時間が続く。
ラスティの用意した、沢山のチョコレートが無くなるまで。
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イラスト: いろは楓
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