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夢の時間
穏やかな陽だまりの中。
2人は楽しげにお菓子を食べていた。
「ランララ参加も三回目……今日は試練の様子を眺めて、のんびりしましょうか〜」
アヤの膝枕を堪能しつつ、そう呟くのはクーヤ。
「はい、クーヤちゃん。私が食べさせてあげますよ〜♪」
アヤは手に持っているチョコレートをクーヤの口に入れてやる。
ちなみに……彼女達が持ってきたお菓子はチョコレートだけではない。
プリンやクッキー、スティック菓子など、バスケットに溢れんばかりに詰め込んできていた。
「アヤちゃん、今度はこれ一緒に食べましょ〜」
「いいですね、では一緒に」
アヤの咥えたスティック形のお菓子。それをクーヤも咥える。
一緒に食べ始めて、最後にはキス。
「幸せですね〜…本当に」
クーヤは満足げな様子で膝枕を堪能していた。
「あ、アヤちゃん、あーんしてくださいね〜」
「食べさせてくれるんですか、クーヤちゃん」
「もちろん! 食べさせてもらってるんですもの、お返しはきちんとしないとダメですから〜」
はい、あーんしてとクーヤは促す。
「あーん」
アヤの口の中に甘いお菓子の味が広がる。
「美味しいです……」
お互い顔を見合わせながら、楽しそうに微笑んだ。
ランララ聖花祭が終われば、また戦が始まる。
クーヤは思う。
戦いが始まっても、自分の愛は止まらない。それは、女同士の刹那的な愛かもしれない。
(「でも、私は愛しい人を守る為に、愛しい人の元へ帰る為に、私は戦います」)
アヤもまた、思っていた。
冒険者である限り、きっとまた戦いに身を投じる事だろう。
だからこそ……。
(「今のうちに英気を養ってもらって、また私と一緒にがんばるですよっ♪」)
「戦いのない日々が続いて、こんな日ばっかりだといいですね♪」
アヤはのんびりと空を見上げる。晴れ渡った空。
穏やかな日差しが、暖かく感じる。
「今日は気持ちよく眠れそうです〜♪」
クーヤはかなりアヤの膝枕を楽しんでいた。
数時間後、クーヤは大きく伸びをした。
「おはよう、クーヤちゃん」
「おはよう、アヤちゃん」
むくっと起き上がり、クーヤはアヤをしっかりと抱きしめた。
「次は私が膝枕しますね〜♪」
クーヤはアヤの耳元で囁き、彼女の髪を優しく梳いて口付けを交わした。
「く、クーヤちゃんたらっ」
ぽっと頬を染めるアヤ。
「この幸せがいつまでも続きますように〜」
クーヤは願う。女神ランララの木の下で、愛する人と共に甘い時間を過ごしながら……。
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イラスト:Ryoji
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