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delightful and sweet day
セイカは、女神の木の下で彼女が来るのを待っていた。
「お菓子はちゃんと上手くできたはずですけど……クラウさん喜んでくれるでしょうか……」
綺麗にラッピングしたお菓子を手に、セイカはきょろきょろと辺りを見わたす。
「あ、セイカ〜! 待たせちゃったかしら?」
と、セイカの待ち人であるクラウがやってきた。
「いいえ。さっき着いたばかりでしたし」
「それならいいんだけど」
二人は微笑み合い、無事に合流を果たした。
「クラウさん……その、あそこの木陰に行きませんか?」
「いいけど……何かしら?」
妙に緊張しているセイカの後をクラウが付いて行く。セイカの案内した木陰は、心地良い風が来る、気持ち良い場所でもあった。二人はそこで腰を降ろした。
「あの……その……これ、貰ってくれませんか?」
そういって、差し出したのは、セイカの作った美味しそうな手作りお菓子。
「これを私に? ありがとう」
少し驚いていたが、クラウはすぐさま礼を述べた。
「それじゃ、さっそく一つ……」
「あっ! ちょっと待ってください。私が食べさせてあげますから」
「え?」
クラウの驚く声は。
「はい、あ〜ん」
セイカの有無を言わさぬあーんに阻まれた。
「あ〜んって、せ、セイカ?」
セイカのその積極的な行動に困惑している様子。でも最後には、根負けしたかのように。
「……もう、しょうがないわね」
大人しく、セイカの差し出したお菓子をぱくんと食べた。
「はぅ!?」
セイカの指ごと。もちろん、手加減して甘噛みしたのである。
「あ、や、は、恥ずかしい……」
指ごと食べられてしまって、セイカは恥ずかしそうに頬を染めていた。
「美味しかったよ。セイカのお菓子」
指が離れるのを確認してから、クラウはそう感想を述べる。
セイカのお菓子はとても美味しかった。一口食べただけでほっぺたが落ちそうなくらいの味。
それを、クラウはしっかりと伝えたのだ。
「あ、ああ。良かった。嬉しいです、クラウさん!」
そして、セイカはぎゅっとクラウに抱きついた。
他愛ないおしゃべりと共に、お菓子を食べて行く二人。
二人の幸せなときはまだ続く。
「クラウさん……また来年も、一緒にここへ来てくれますか?」
それはセイカの切実な願いでもあった。
「はいはい」
セイカの頭をぽんぽんと優しく叩きながら、クラウは応える。
「えへへ〜。クラウさん、大好きです♪」
またぎゅっとセイカはクラウに抱きついた。
(「先のことは全然分からないけど、とりあえず今はこれでいいんじゃないかな」)
喜ぶセイカを見て、クラウは優しく微笑みながら思う。
(「この先もずっと、一緒にいられたらいいな」)
微笑むクラウに、なおも喜ぶセイカ。心の中でそっと願う。
二人の幸せなランララ聖花祭は、こうして幕を閉じたのであった。
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イラスト:鳥居ふくこ
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