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あまいくちづけ
こんなにも、どきどきするのはきっと。
セドナはどきどきと隣にいるブラッドを見る。
こんなにも、わくわくするのはきっと。
ブラッドも嬉しそうに微笑み返す。
セドナのしっぽが、ふわふわと嬉しそうに揺れた。
今日はランララ聖花祭。
二人にとって、初めてのランララ聖花祭であった。
「ねえ、見てみて! 初めて来たけど、すっごく綺麗な場所だね」
セドナは初めて来るさえずりの泉に大興奮の様子。バスケットを片手にぱたぱたと、辺りを見ては立ち止まり、立ち止まったと思えば先へと進んでしまう。
そんなうきうきしているセドナにブラッドの視線は釘付けであった。
「こんなにはしゃいでいるセドナを見たのは、初めてかもしれませんね」
「どうかしたの? ブラッド?」
セドナは見上げるようにブラッドを見た。
ブラッドはにこっと微笑み。
「そのしっぽ、さわってもいいですか? さっきからどうも気になって気になって」
「ダーメ♪ でも、俺のいう事、聞いてくれた良いよ」
「本当? というか、セドナのお願いなら、何でも聞いちゃうけど」
そのブラッドの言葉にセドナは。
「それじゃ、ここで休憩!」
「了解、セドナ」
心地よい木陰を見つけたセドナとブラッドは、そこで休憩をする事にしたのである。
がさごそ。がさごそ。
今、セドナは、バスケットから何かをがさごそ準備をしている様子。
「何をしているんですか?」
ブラッドが訊ねても、何も答えない。
「??」
ブラッドの頭の中には沢山のハテナマーク。
「セドナ?」
不安げに訊ねるブラッドに。
「んっ!!」
チョコレートをくわえたセドナ。そのチョコの端をブラッドに向けてもう一度。
「んっ!」
目を瞑って、セドナは待っていた。
「え? た、食べていいんですか?」
思ってもいなかったサプライズにブラッドもどっきどき。
「そ、それでは……お、お言葉に甘えて……」
かぷっと食べて行く。もちろん、セドナも端から食べ始めて……。
ちゅ。
「あ、あのですね、実は他にもいっぱいあるんだけど、食べれる?」
1枚目のチョコを食べ終えて、セドナはブラッドに訊ねた。
「うん、大丈夫ですよ。今日は何だかお腹が空いててね」
そのブラッドの言葉にセドナは嬉しそうに微笑み。
思わずブラッドはぎゅっとセドナを抱きしめた。
「ありがとう、セドナ」
「どういたしまして、ブラッド」
と、セドナは気づく。
「あ、ブラッド、頬にチョコついてる。取ってあげようか?」
「それじゃあ、よろしく」
二人の甘い時間は始まったばかり。
二人の側にはたくさんの動物達が集まってきていた。
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イラスト:ぽちお
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