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ランララ聖花祭・朝露の花園で再び…
去年と同じ場所。
そこにミリィは立っていた。
風が吹くたび、ゆらゆらと花が揺れている。
「う〜ん、ちゃんと来てくれるかな?」
きょろきょろと辺りを見わたしていると、遠くから見知った人影が見えた。
「だから、手加減しろってな……。なんか去年も言った気がするが」
ボロボロになりながらも、ミリィと約束を交わしたヨウだ。
「あ、来た来た♪ お疲れ様〜」
ミリィは嬉しそうにヨウを出迎える。
「お待たせだな。ほんと疲れたよ……」
そういうヨウにミリィはくすりと笑う。
「はい、今年もちゃんと用意してきたよ♪」
そして、持ってきたプレゼントをミリィは差し出した。
愛情いっぱいのチョコレート。
「ありがとさん」
受け取り、ヨウの頭にもやもやとした何かが思い浮かんだ。
ぽわわわ〜ん。
『ヨウ♪』
ミリィは素肌の上に、ラッピングリボンを体に巻きつけていた。
その口には甘いチョコレートが一つ。
そのチョコレートと、自分を差し出すかのように、ヨウの目の前に……。
「……どうせならミリィ自身をラッピングして……」
すっぱーんっ!!
夢見るヨウ。ミリィの強烈なハリセンの一撃で、現実へと戻ってきた。
一撃を食らったところが、とてつもなく痛いのは……きっと気のせいだろう。
「その代わり……というわけじゃないけど……」
ミリィは、ヨウにあげたチョコレートをひとつ摘んで、口にくわえて、背伸びして。
「んっ……」
瞳を閉じて、ヨウにその口にくわえたチョコレートを差し出した。
「おっ!?」
ヨウは驚きながらも、それを口で受け取り、そのまま唇を重ねる。
長くて甘い、二人だけのキスの時間。
「ん、甘くて美味しいよ。チョコと……ミリィもね」
チョコを食べ終わったヨウはそういって、ミリィに微笑む。
「ふふっ……ありがと。まだたくさんあるから、ね?」
ミリィは照れながらも、満面の笑みを見せていた。
さわさわと花が揺れる。
いたずらな風のせい?
それとも……その後、残ったチョコも全部口移しで食べていた、熱い二人のせい?
それは揺れる花と、そこにいる二人だけが知っている。
幸せなランララ聖花祭を、去年と変わらぬ、この場所で……。
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イラスト:たぢまよしかづ
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