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Diva Song
のどかな日差しが二人を包み込む。
星屑の丘で、歌が聞こえた。
ちょっぴり変わった、幸せそうな歌が……。
「試練を乗り越えてっ〜♪ そしてーふたりはー♪ むーすーばれーるー♪」
楽しげにリュエルは、そのチョコレートケーキにナイフを入れた。
「ららら〜オンナの〜友情〜うつくーーーしいー♪ ゆーじょーうー♪ オトコなんて〜め〜じゃないわぁ〜♪」
リュゼットも楽しそうに歌いながら、リュエルの切り分けたケーキを受け取る。
「あー♪ こころのままにぃー♪ つ〜き〜すすむ〜の〜よ〜〜♪」
次にリュエルは小さなフォークをリュゼットに差し出した。
「すてきーなーめがみのー♪ しゅくふくー♪」
リュゼットは微笑みながら、そのフォークを受け取る。
「「と〜わ〜に〜つづきます〜よう〜に〜♪」」
最後に二人揃ってハモりながら、同時にケーキにフォークを差し入れたのであった。
そう、この歌は二人の歌。
今日のランララ聖花祭を祝い、作った歌であった。
もちろん、歌の歌詞も二人が作ったものである。
女の友情を歌った歌、それは丘の上からも良く聞こえたことだろう。
もっとも、歌詞の全てを聞き取った者は、そう多くはないだろうが……。
気が付けば、二人のケーキも、持ってきたお菓子も全てなくなっていた。
日も暮れて、空には星が瞬きはじめている。
楽しい時間、幸せな時間の終わりは、すぐそこまで来ているようだ。
「これからも、ずっと仲良くしていただけますか?」
リュエルは微笑みながら、そっと、リュゼットに訊ねる。
「もちろんですわ」
リュゼットもにっこりと微笑み返した。
二人だけの幸せな時間。
ふと見上げた夜空に、一筋の流れ星が見えた。
リュエルは願う。
この静かな楽しい時が続くように、と。
まだ肌寒い風に少し身を震わせながら、リュエルは、隣にいるリュゼットと夜空を楽しむのであった。
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イラスト:飛水 あーや
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