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二人のしあわせ
ジフリアにとって、はじめてのランララ聖花祭。
どきどきと緊張しながらも、ジフリアは彼の待つ、女神の木の下へと向かう。
どうやら、互いに同じ時間、ぴったりに来たようだ。
二人は互いの姿を見つけると、すぐさま駆け寄っていく。
「ジフー! 会いたかったよー!」
マラーは、ぎゅっとジフリアを抱きしめると。
「マーくん……今日は、会えて……嬉しぃ、ですぅ」
嬉しそうにジフリアも抱きしめ返した。
大きな木の下。
木漏れ日が心地よく感じる。
二人が見つけたその場所で、ゆっくりと腰を下ろした。
「お菓子、受け取って……くださぃ……」
さっそくジフリアは、そっと持ってきたものをマラーに手渡す。
「わ、お菓子くれるの!?」
手渡されたのは、綺麗にラッピングされたお菓子。
マラーは嬉しくなって、すぐさま。
「ありがとーっ!!」
また、ぎゅっとジフリアを抱きしめた。
しばらく抱きしめ合った後、マラーも思い出したように。
「あ、僕もね、ジフにプレゼントがあるんだ。貰ってくれる?」
ふわりと、ジフリアの目の前に色とりどりの花が差し出された。
そう、マラーのプレゼントは、綺麗な花束。
「わぁ……綺麗……ありがとぅ、ですぅ」
思いがけないプレゼントを受け取りながら、ジフリアも嬉しそうに微笑んだ。
と、隣でマラーがそわそわしている様子。
「ねえねえ、これ食べてもいいかな?」
その言葉にジフリアはにこっと笑って応える。
「ぁ、食べて……いい、ですよぅ……どうぞ、ですぅ」
マラーはごそごそと、袋から香ばしいお菓子を取り出した。
ちょっぴり焦げ目がついた、手作りのカップケーキ。
マラーは嬉しそうに瞳を細めて、ぱくんと一口、口に含んだ。
「んー!! 手作りのカップケーキ、おいしいよ! 最高!!」
そう言うマラーの姿を見て、ジフリアも顔をほころばせたのであった。
「あ、お茶飲む? 中にジンジャーが入っててね、レモンを入れると色が変わるんだよ」
マラーは、持ってきたお茶の入ったカップをそっとジフリアに手渡す。そのカップにマラーはぎゅっとレモンをしぼってやった。
「お茶……色、変わり……ふしぎ」
目を輝かせて、ジフリアはその様子に見とれていたが、愛おしそうにそっとそのお茶を口に含んだ。
「……おいし……ですぅ」
頬を染めてそういうジフリアに。
「ジフは見せ甲斐があって可愛いなぁ〜」
マラーは堪らず、またぎゅっと抱きしめる。
「ジフ、大好き」
彼女の耳元で囁くようにマラーは告げた。
「ぁ、ぁの……わたしも、大好き、ですよぅ」
ジフリアも振り返り、後ろにいるマラーに向かって、微笑んだ。
優しい木漏れ日と、暖かいお茶、そして、互いに交わした素敵な贈り物。
二人の幸せな時間は、まだ、始まったばかり……。
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イラスト:龍胆
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