● ランララの祝福 〜星空の下の誓い〜

 星空の下、ラムナはライからのプレゼントを受け取っていた。
「クッキー……クリームがサンドされている……」
 そのラムナの言葉に、ライはこくんと頷いた。
「ありがとう、ライ」
 ラムナはそういって、さっそくライのクッキーを口に運ぶ。
「……美味しい」
 甘いのかと思えば、そうでもない。むしろ、ラムナの口にぴったりな甘さ。
「そのクッキー、昔、母に作ってもらったのを思い出しながら、作ったんです……ラムナんの口にあって、良かったです……」
 ラムナの嬉しい言葉にライも微笑む。

 二人は寄り添い、夜空を見上げていた。
 降ってきそうなほどの星。
「……綺麗です……」
 そんな星を前に、思わずライは呟く。
 と、ラムナはライをそっとライの肩に手を回し、静かに抱き寄せた。
「うん……」
 抱き寄せられながら、ライの心臓の鼓動は早く波打つ。
 そして、真剣な眼差しで、ラムナはライを見つめた。
「今更だが、もう一度だけ聞きたい。……ライは、本当に俺が相手で、良かったのか?」
 それは、ラムナの不安の現われでもあった。
 こうして側にいても、もしかしたら、心では……と不安でたまらないのだ。
 だからこそ、ライの本心を聞きたい。そう思ったのだ。
 ライはくすりと微笑んだ。
「何度聞いても答えは同じですよ〜」
 そして、ライはラムナの胸に顔を埋める。
「世界で一番、ラムナんの事が好きです」
 ライは耳まで真っ赤なのだが、胸に顔を埋めているために、ラムナからはよくわからない。
「そうか……」
 ラムナは安心したように呟く。
 そして、ライを抱きしめた。
「俺も、ライが世界で一番……好きだ……」
 ラムナも顔を真っ赤にさせて、思っていたことをそのまま言葉にする。
「ん……」
 ライは瞳を閉じて、そっと顔を上げた。
 頬を染めるライ。
 そのライの唇に、同じく瞳を閉じたラムナの唇が重ねられた。

「ん……ふあっ」
 唇が離れる。ライは最高の笑顔でラムナを見る。
「これからもずっと、宜しくですよ」
 ラムナも真っ赤になりながらも、満面の笑顔で応えた。
「うん。これからもずっと側にいてほしい。……よろしく、な」
 二人の幸せな時間は、まだ始まったばかり……。


イラスト:摩宮靄羅