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お待たせ、ミル
今日はどきどきのランララ聖花祭。
ミュリックは待ち合わせの場所、女神の木の側でマイトを待っていました。
二人で決めた約束の時間が、少しずつ過ぎていきました。
(「どうしたのかなぁ〜ん?」)
ミュリックはもう一度、辺りを見わたしました。
やはり、マイトの姿はありません。
心配に思いながらも、ミュリックは女神の木の側に座って、マイトが来てくれるのを待つことにしました。
それから、数時間の時が流れました。
まだマイトは現れません。
約束の時間はとっくに過ぎてしまっています。
気が付けば、もう、太陽は沈みかかっていました。
沈む夕陽を眺めながら、ミュリックは、だんだん心細くなってきました。
もしかしたら、来ないのかもしれないと悪い事ばかり浮かんできてしまいます。
「まだかなぁん……」
そう、不安げに呟いたときでした。
「お待たせ、ミル……」
そんなミュリックの言葉に応えるかのように、マイトが現れたのです。
しかし、その姿はランララの試練のせいでボロボロでした。しかも頭にバナナの皮も乗っています。
「わ、わぅ……!? 大丈夫なぁん……!?」
マイトの汚れた服と頭をほろってから、ミュリックはマイトの頭を優しく撫でてあげました。
「大丈夫だよ、ミル」
そんなミュリックの優しさに触れて、マイトも嬉しそうに微笑みます。
「それより、お腹すいたなぁ……」
沢山の試練で体力を使った様子のマイト。彼のお腹は今にも背中にくっ付きそうです。
そこで、ミュリックは笑顔で持ってきた袋をマイトに手渡しました。
「がんばって作ったなぁんよっ」
マイトの受け取った袋の中には、いっぱいのノソリンの形をした小さなチョコレートがありました。
さっそくマイトはその一つを摘んで、ぱくんと口の中へ。
「ありがとうミル、凄く美味しいよ」
マイトはとびきりの笑顔でそう言いました。
ミュリックも嬉しそうに微笑みました。
気が付けば、空には綺麗な星がたくさん輝いていました。
二人は夜空を眺めながら、ミュリックのチョコレートを仲良く分けて食べています。
こうして、二人の楽しいランララ聖花祭の夜は、ゆっくりと幕を下ろしたのでした。
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イラスト:Bee
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