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ランララ聖花祭 〜 Sweet Night 〜
「すごく綺麗だな、空」
「……うん」
きらきら輝く夜空を見上げながら、そう振り返ったジェフに、マリアはこくんと頷き返した。
ここは、星屑の丘。
素敵な星空が見れると評判のこの場所に、二人でやって来たものの……。
「……マリア、どうかした?」
「あ……ううん……」
どことなく大人しい様子のマリアを見て、ジェフは怪訝そうに首を傾げた。
その問いかけに答える姿も、どこか力ない。
いつもなら、こういう場面でお喋りを楽しもうとするはずなのに、どうしてだろうと、ジェフが更に不思議そうな顔をした時。
「その、ジェフ。これ……貴方に」
すっとマリアの手がジェフに向けて差し出された。そこには、リボンが掛かった小さな箱と、それに添えられた一枚のカードがある。
「俺に? ありがとう。……そっか、マリアもカード書いたんだ」
恥ずかしそうなマリアの手から、それらを受け取ると、ジェフはすぐ、小さなカードをそっと開く。
そこに書かれていたのは……。
『貴方が、大好き。いつも側にいてくれてありがとう』
その、短くもストレートなメッセージに、ジェフの顔が真っ赤になる。
「私……あ、貴方が好きなの……ッ!」
そんな彼へ、マリアはぐっと勇気を出して思いを告げる。
期待と、不安と、自分の気持ちを伝える恥ずかしさ……それらで胸が一杯のマリアの目尻には、いつしか、じわりと涙が浮かんでいる。
もう、ジェフの顔を直視する事が出来なくて、マリアは俯いて下を見つめるばかり。
「マリア……」
ジェフは彼女を優しげに見つめながら苦笑すると、その頬に両手で触れて、顔を上げさせた。
きっとマリアはたくさんの勇気を出したことだろう。
……なら、今度は自分が勇気を出す番だ。
「俺も、好きだよ」
「え……!?」
息を吸い込んで、そう笑顔で告げたジェフに、マリアは驚きを隠せない。
もしかしたら、とは思っていた。
でも、まさか本当に……?
「ジェフ……」
まだ半信半疑な瞳で見上げるマリアに、ジェフは笑顔のままそっと、彼女の頬にキスをする。
「あ……」
「……ね?」
ぼっ、と耳まで真っ赤になったマリアは、そう笑うジェフを「……もうっ」と恥ずかしそうに見つめるのだった。
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イラスト:ミヨシハルナ
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