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プレゼントを抱いて
ランララ聖花祭の前日。
ティティシアは、ぽんと手を打った。
「そうだ、ソージュさんにいつもの感謝の気持ちを伝えよう!」
にこっと微笑み、さっそく準備に取り掛かる。
「お菓子とか渡したら喜んでもらえるかなぁ」
と、とたんに不安も。
「お菓子……嫌いじゃない、よね?」
緊張しながら、ティティシアは当日を迎えた。
ここは女神ランララの木の下。
そこにティティシアはいた。目の前には、ソージュもいる。
(「ティティシアとこんな所にこれるなんて、私はなんと幸せなのだろうか」)
ソージュの思いは止まる事を知らない。
(「この木の下で二人…この状況、素晴らしいとしか言いようが無い」)
なおも続く、ソージュの妄想(?)。
(「しかし……先ほどから、もじもじしているティティシアはどうしたのだろうか……。まさか、私と来たことを悔やんでいるのか!? それとも何か言いかけているのか?」)
考えは加速しているようだが、表面上、笑顔を見せている。ちょっと額に汗が見えるのは、気のせいだろうか?
一方、ティティシアはというと。
(「ど、どうしよう……いざ渡すとなったらドキドキする……」)
どうやら、彼女も緊張している様子。
少しおずおずとしながら、勇気を出して。
「あ、あの。これ……ランララ、なのでお菓子を……きゃっ!!」
ソージュは、差し出したプレゼントごと、ティティシアをぎゅっと抱きしめたのだ。
「嬉しいよ、ティティシア」
「ちょ、ちょっと待ってください、お菓子が零れてしまっ……あっ」
お菓子もしっかりキャッチ。ソージュ、抜かりは無い。
「本当にありがとう……ティティシア」
「こちらこそ……喜んでいただけて、嬉しいです……」
二人は微笑み合い、もう一度、ソージュはティティシアを抱きしめたのであった。
「美味しいですか?」
「ええ、とっても」
美味しいお菓子を食べながら、二人の甘い幸せな時間は、ゆっくりと過ぎていく。
こうして、二人の胸の中には、素敵な想い出が出来たのであった……。
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イラスト:アズ
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