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揺蕩う青に映した空の煌めき
きらきらと輝く泉の畔。
「お会いできて嬉しいのですよ〜」
アリシアはそういって、嬉しそうにアデイラにぎゅっと抱きついた。
「あたしもアリシアちゃんと会えて嬉しいわぁ〜」
にこっとアデイラも微笑んで。
「あ、あのですね、これをお渡ししたくて」
そわそわとした様子で、アリシアがそっと差し出したのは、綺麗にラッピングされた包み。
「あは、嬉しい〜♪」
さっそく、アデイラはその包みを開けてみる。
「いやぁ〜! めっちゃ綺麗……! ありがとう、すごくすごく、しあわせ」
アリシアが贈った物。
それは、フォーナ感謝祭のときには用意できなかった、雪の結晶が裾に刺繍された、真っ白なドレスコート。
アデイラはさっそく、貰ったばかりのコートをまとい、くすくすと微笑む。
「おいでおいで? 可愛い甘えっ子さんっ」
「えへへ、気に入ってもらえて良かった〜」
きゅっと抱きしめあい、互いの幸せをかみ締める。
「うふふ、めっちゃ素直に甘えるようになったね」
アデイラにそういわれて、アリシアは照れたように頬を掻く。
「す、素直になってきたかなっ。こう、この前も遠慮したー言われちゃったし、鋭意努力中なんだよね、甘えるの」
「うんうん、何や少しずつ変わってきたやんね〜♪ もっとこう、どーんと! あたしはアリシアちゃんのことが大好きやねんから、『甘えてやるから喜べー!』くらいの態度でもっ!」
その言葉にアリシアは頬を染めていく。
あっと、思い出したようにアリシアは持ってきたバスケットを取り出した。
「あ、そうだ。お菓子や紅茶持って来たの、折角だからどうかな?」
「お菓子と紅茶? あはは、嬉しい〜っ♪ ちょうどおなかすいてきたとこやったんよ、いただけるならぜひ♪」
紅茶はタージリン。お菓子はガナッシュ、チョコクッキー、チョコレートのマフィン……どれもアリシアの手作りだ。
「いやなんか思ってたよりいっぱいある! すご〜い! 豪華!!」
めちゃめちゃしあわせ、と蕩けそうな笑顔でアデイラは瞳を細めた。
少しずつだけれども、成長できた。
そして、それを大切な人に褒めてもらえる。それがまた、嬉しい。
本当は、ただ、大切な人の笑顔が見たかっただけなのに……。
「ん? アリシアちゃん?」
「ピクニック、付き合ってくれて有難う、アデイラさん」
その言葉にアデイラは、にっこりと微笑むのであった。
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