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Cute! Cute! Cute!
緑色と白色の可愛らしいワンピースが並んで揺れる。
ここは朝露の花園。
可愛らしい花々が、人々を喜ばせている素敵な花園。
そんな花園に二人の少女が遊びに来ていた。
二人はちょこんと座り、辺りを見渡す。
「いい匂いだねー」
「ああ、そうだな……」
一人は、緑色のワンピースを身にまとったアンナ。花の匂いが好きなアンナが、この場所を選んだのも、頷けるかもしれない。
ここにはたくさんの花が咲き乱れ、それぞれの花から心地よい香りが風に乗ってやってくる。
瞳からだけでなく、香りも楽しめるのだからと、アンナは思う。
しかも隣には大好きなヴィータまでいる。
アンナは満面の笑みを浮かべて、ふと、隣を見た。
そこにいるのは、今日という日に誘ったもう一人の少女、ヴィータ。
アンナに負けないくらい可愛らしい少女で、白いワンピースを着て、白い帽子を被っている。
ヴィータの手には、お菓子の袋があった。
先ほど、アンナの渡したプレゼント。中には愛情たっぷりのお菓子がいっぱい詰まっている。
ヴィータはアンナと視線が合うと、僅かに微笑んだ。
アンナも微笑まれて、また微笑み返す。
と、ヴィータはお菓子の袋に視線を移した。
袋をあけたとたん、甘い香りがふわっとヴィータの鼻先をくすぐった。
それに思わず、ヴィータは僅かに笑みを浮かべた。
袋の中から一つ、気に入ったお菓子を選んで、口に運ぶ。
ぱあっと、笑顔になるのが、隣に居たアンナにも分かった。
「ん、うまいな、これ」
むぐむぐと美味しそうに、ヴィータはお菓子を頬張った。
「………!!!」
アンナはきゃーっと言わんばかりにヴィータを凝視していた。
そして。
「もー、お菓子を食べるヴィータちゃんが、すっごくかわいいのーっ!」
そういってアンナは、食べているヴィータをぎゅっと抱きしめ、さらには頬擦りまでし始める。
「う……」
突然の恥ずかしい行為にヴィータは、照れてしまい固まっていた。
口にはお菓子をくわえたまま。
「えへへ、ヴィータちゃんは、ほんとかわいいなー」
まだまだ照れるヴィータに、アンナはその勢いのまま、また頬擦りするのであった。
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