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はじめてのランララ聖花祭
アレクとふたりで過ごす、初めてのランララ聖花祭。
アリスはいつも以上に気合を入れて、ハート型のチョコケーキを手作りした。
そして、アレクも彼女にはいつもお世話になっていると言う気持ちから、チョコクッキーを買ってきたようである。
数々の試練を乗り越え、さえずりの泉に到着する、ふたり。
さえずりの泉に着いたアリスは、バスケットの中から、チョコケーキを取り出した。
「今日のために作ってきたんです。よかったらいかが……でしょうか?」
少々、控えめにチョコケーキを勧めるアリス。
彼女にとっての自信作なので、美味しい事は間違いないのだが、緊張しているせいで、うまく言葉にする事が出来ない。
「それじゃ、遠慮なく」
彼女にお礼を言いながら、アレクがチョコケーキを食べ始める。
ほんのりと辺りに漂うチョコレートの香り……。
「うん、美味い♪」
満足げな表情を浮かべるアレク。
アリスも手作りのチョコケーキが美味しいと言われ、とても幸せそうに微笑んでいる。
「アリスは料理、上手いよな」
アレクが彼女のチョコケーキを絶賛した。
「そ、それほどでも、ないです」
謙遜しながら、顔を真っ赤にして俯くアリス。
自分なりに自信があったのは事実だが、ここまで喜んでもらえたのは予想外であった。
「買ったやつだけど、食うか?」
チョコクッキーの入った袋を手に取り、アレクが優しくニコリと笑う。
「ありがとうございます」
チョコクッキーを受け取り、アリスがぺこりと頭を下げる。
「そんなにかしこまらなくても」
少し照れた様子で、アレクが恥ずかしそうに頬を掻く。
「でもアレクさんから貰ったものだから……、嬉しいんです。本当にありがとうございます」
チョコクッキーを齧りながら、アリスがふわりと微笑んだ。
初めてのランララ聖花祭……。
それは二人にとって幸せな時間になった。
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