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特別な日
ランララ聖花祭、当日。
フィアとフェードは星屑の丘に寝転がり、ゆっくりと星を眺めていた。
「こうしていると、告白された時の事を思い出しますね」
苦笑いを浮かべながら、フィアが昔の事を思い出す。
告白された時は公衆の前だったと言う事もあり、とても恥ずかしかったという記憶が蘇り、『あの時は恥ずかしかったな』とふたりで笑い合う。
だが、いまとなっては、それも良い思い出。
ふたりにとって忘れる事の出来ない記憶として、心にしっかりと刻まれている。
次の瞬間、夜空がキラリと輝き、ふたりの目の前で星が流れた。
それを見たフェードは慌てた様子で起き上がり、『フィアとずっと一緒にいられるますように』と大声で叫ぶ。
その言葉を聞いた途端、フィアが思わず嬉しそうに微笑んだ。
しかし、フェードはフィアに自分の願いを聞かれてしまった事に気づいておらず、彼女の顔を見て不思議そうに首を傾げている。
「一体、どんなお願いしたんですか?」
イタズラっぽい笑みを浮かべ、フィアがフェードに迫っていく。
フェードは恥ずかしそうに頬を染め、わざと大袈裟にコホンと咳をする。
「そ、それは……秘密っ! 秘密だっ! そ、そんな事……、言えるわけがないだろ」
ひどく動揺した様子で両目を泳がせ、フェードが彼女から逃げるようにしてうつ伏せになった。
「今日はあの時と違って、誰も見ていません。だから、今日ぐらいは恥ずかしいことを言わせてください」
さすがにからかい過ぎてしまったと思ったため、フィアが反省した様子でフェードに囁きかける。
「私は……、流れ星にお願いしましたよ。フェードさんと、ずっと一緒にいれますように……って」
薄っすらと笑みを浮かべ、フィアで自分の願いを口にした。
「お、俺も……大好きだぜ。フィアの事……ずっとずっと」
そのため、フェードが素早く飛び起き、自分の思いを告白する。
フィアはその言葉を聞いて幸せな気持ちになり、フェードを見つめてニッコリと笑う。
「私もフェードさんが大好きです。ずっとずーっと、一緒にいましょうね」
改めてフェードが大好きであると告白し、フィアが寄り添うようにして身を預ける。
そして、ふたりは沢山の星々に見守られ、熱い口付けをかわすのだった。
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