● 花笑み、微笑み

「シュリアさん」
 久しぶりにシュリアと会えた喜びに包まれ、ソアが彼女の名前を呼びながら駆け寄り、思わずぎゅっと抱きしめた。
 シュリアもソアの姿を見て自然と顔が綻び、名前を呼ばれて抱きしめられた事に頬を染める。
「……お誕生日、おめでとう」
 幸せな気持ちに満たされながら、シュリアがソアにプレゼントを渡す。
 それは花々の中央で咲く、薔薇の花を模したショコラ。
 まるで小さな庭園のような贈り物は、見ているだけでも心を和ませてくれた。
「ありがとうですー」
 チョコレートを貰って、ますます幸せな気持ちになったため、ソアが心のまま飛びついて感謝をする。
 その勢いでシュリアを巻き込み、花の絨毯に転がるようにして倒れ込む。
「ごめんなさいです、大丈夫……?」
 心配した様子で声をかけ、ソアがシュリアに顔を見合わせる。
 シュリアは小さくコクンと頷き、クスクスと笑い始めた。
 その姿を見てソアも何だかおかしくなってしまい、彼女につられてふたりで一緒にクスクスと小さく笑う。
「ソア……。いつも、ありがとう」
 そのまま手を繋いでころんと寝転び、シュリアがお揃いのブレスレットに視線を送る。
 寄り添うようにして並んだブレスレットが、まるで自分達のようで何だか嬉しい気持ちに包まれた。
「こちらこそ、一緒にいてくれてありがとう……。ずっとずっと、大好きでいてくれてありがとう。いまは沢山の綺麗なお花に囲まれているけど、お傍のお花さんの笑顔が一番綺麗で素敵だと思ってますよ」
 心からシュリアに感謝をしながら、ソアが最高の笑顔をプレゼントする。
 そして、心を込めて、ゆっくりと……。
「大好きなのです」
 と告白した。
 そのため、シュリアも満面の笑みを浮かべ、
「シュリアも同じ気持ちだよ」
 と迷わず答えを返すのだった。

イラスト:ヤガワ