● 三年目の成果

 朝露の花園の芝生で、並ぶようにして座るふたり。
 おもむろにルミナから、ミズチに質問が……。
「チョコの渡し方だけど……。その1、あ〜んして食べさせる。その2、口移し……どっちがいい?」
 ルミナの予想では、間違いなく2を選ぶ……はず。
「1しかない!!!!」
 ……即答。
 思わずルミナもバランスを崩す。
(「ふ、普通に考えたら、2を選ぶはずなのに……」)
 『ひょっとして、恥ずかしいから、1って答えちゃったのかな?』と思ったりもしたが、それならばもう少し悩んでから答えてもおかしくない。
 どちらにしても、1を選んでしまったのだから、いまさら答えを変えさせるわけにもいかなかった。
「まっ、仕方ないよね」
 むりやり自分自身を納得させ、ルミナがちょっと拗ねた様子で、ミズチにトリュフチョコを食べさせる。
「おしいしい?」
 先ほどの事があったので、少し心配な様子で、ルミナがミズチに問いかける。
 自分なりに上手く出来たと思っているが、彼女が望んでいるような答えを、ミズチが答えるとは思えない。
 いや……、思えなくなっていた。
 ……緊張の一瞬。
 相手にも聞こえるくらい心臓の音が高鳴っている。
「ああ、イケるぜ! 去年より腕を上げたんじゃないか?」
 チョコレートの味を堪能しながら、ミズチが躊躇う事なく答えを返す。
 もちろん、その表情に嘘はない。
 途端にルミナの表情がパァッと明るくなり、自然と笑顔がこぼれてきた。
「ほ、本当に?」
 思わず口にしてしまった言葉。
 ミズチが嘘をついていない事は分かっているが、実際に本人の口から答えを聞きたかった。
「ああ、随分手が込んでいるみたいだしな」
 ルミナからもう一個トリュフチョコを食べさせてもらい、ミズチが照れたようで恥ずかしそうに頬を染める。
「やったぁ!!」
 そして、ルミナは全身で喜びを表現し、ミズチにギュッと抱きついた

イラスト:摩宮靄羅