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Eternal Night
普段から忙しそうにしているせいで、なかなか会う機会に恵まれなかったため、エメルディアスが思い切って、イェルツェをランララ聖花祭に誘う事にした。
ランララ聖花祭ならば試練が終わったあとも、ふたりだけの時間を過ごす事が出来るため、今まで会えなかった分の寂しさを埋める事が出来ると思ったようである。
もちろん、イェルツェの都合が悪かった場合は、一緒に過ごす事が出来なくなってしまうのだが、そんな心配をする必要も無かったらしく、彼は迷わずエメルディアスの誘いを受けてくれた。
そうして、迎えたランララ聖花祭。
幾多の試練がふたりの前に立ち塞がった。
だが、ふたりにとっては、簡単な試練。
あっという間に試練を乗り越え、目的地であるさえずりの泉に到着した。
さえずりの泉はその名の通り、沢山の鳥達かさえずる、自然溢れる泉の事。
美しい泉のほとりで、愛を語り合うカップルは数多い。
エメルディアス達はそこで時間を忘れて他愛の無い会話を交わす。
それだけで十分、幸せだったし、それ以上の事は、お互い求めていなかった。
だが、時間が経つにつれて、エメルディアスの心に寂しさが芽生える。
次第に『もう少しイェルツェと一緒にいたい』という気持ちが強まってきたが、いつの間にかすっかり日が暮れ、まわりにいたカップル達も帰った後だった。
「さぁて、そろそろ帰ろうか? エメル」
そんな言葉がイェルツェの口から発せられた。
……当然かも知れない。
はっきりとした時間は分からないが、この様子ではだいぶ夜が更けているはず。
だからと言って、エメルディアスも素直に応じるつもりは無い。
その途端、普段は大人しいエメルディアスが大胆な行動に出た。
エメルディアスがイェルツェの唇を奪ったのだ。
「私は、あなたが私を見捨てるまで、離れませんから……」
薄っすらと涙を浮かべ、エメルディアスが断言する。
『ずっと一緒にいたい』という気持ちが強まってしまったため、いつもより大胆になれたのかもしれない。
少しずつ冷静になっていくにつれ、だんだん恥ずかしい気持ちでいっぱいになってきた。
「やれやれ……、可愛い奴だ」
イェルツェはそんな彼女が可愛いと思い、優しく頭を撫でるのだった。
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