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ランララ聖花祭〜今年は新婚さん〜
「さてさて、ミリィは何処かな……、と」
花園をぐるりと見渡しながら、ヨウが待ち合わせの相手であるミリィを探す。
ミリィとは数年の付き合いを経て、今年のフォーナ祭で、ついに結婚。
新婚ラブラブな状況で、ランララ聖花祭を迎えたため、いつも以上にテンションが高くなっている。
ランララ聖花祭の試練も今年で4回目。
試練で苦戦するような事もないので、ミリィもそろそろ来ているはずだと思った、その時……。
ピンク色の綺麗なドレス姿のミリィを発見した。
「お待たせ、ミリィ」
爽やかな笑みを浮かべ、ヨウがミリィのところまで歩いていく。
「ふふっ、今年もお疲れ様」
その場でヨウの事を待っている事が出来ず、駆け寄るミリィ。
「はい、それじゃ今年もどうぞ♪」
満面の笑みを浮かべながら、ミリィが『はいっ』とチョコレートを渡す。
「ん、ありがとな」
笑顔を浮かべてチョコレートを受け取り、ヨウがさっそく包みを開ける。
「食べさせるのは私の役目ですよ、あ・な・た♪」
今年は妻っぽく人妻の色気を振り撒き、ミリィがヨウに抱きつき、口渡しでチョコを渡す。
最初はヨウも戸惑っていたようだが、特に断る理由が無いため、彼女が求めるまま、チョコレートが溶けるまで、濃厚なキスを続けていく。
「ん……あっ……」
ようやく互いの唇が離れ、ミリィがクスリと笑う。
そこでヨウの脳裏に、ふとした疑問が過ぎる。
「何だか俺、毎年ここにチョコ貰いに、じゃなくてキスしに来ているような気が……」
大粒の汗を浮かべながら、ヨウがランララ聖花祭に参加した時の事を思い出す。
「……そう? どっちも同じだと思うけど♪」
くすっと笑いながら、ミリィがさらりと答えを返す。
そして、ふたりはもう一度キスを交わし、お互いの気持ちを再確認するのであった。
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