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『ほれ。欲しいか?』『マジでござるか!?』
夜空で美しい星々が煌く中。
ホノカとメイヨウが並ぶようにして、月明かりが照らす丘を歩いていた。
その途中でホノカが何か思い出し、意味ありげに小包を取り出す。
一瞬、メイヨウにはそれが何か分からなかったか、今日がランララ聖花祭であった事に気づき、ようやく小包の正体が何なのか理解する事が出来た。
「そ、その小包は、まさかっ!?」
ハっとした表情を浮かべながら、メイヨウが瞳をランランと輝かせる。
小包の正体が何なのか分かっているが、実際に彼女の口から聞きたいというのが本音であった。
しかし、ホノカがその事を察してしまったため、含みのある笑みを浮かべてメイヨウに視線を送る。
「ほれ。欲しいか?」
メイヨウの顔色を窺いながら、ホノカが小包を見せつけた。
「マジでござるか!?」
驚いた様子で目を丸くさせ、メイヨウが小包に飛びつこうとする。
その途端にホノカがひょいっと小包を掲げ、メイヨウのションボリとした顔を見つめてクスリと笑う。
「ほれ、小包はここじゃぞ」
メイヨウを挑発するようにしながら、ホノカがイタズラっぽく小包をフリフリした。
それに合わせてメイヨウが頭を揺らし、全身を使って『小包がほしい』事をアピールする。
「……ん? でも、よくよく考えてみたら、ありえない事でござる。ひょっとして、拙者は夢でも見ているのでござろうか。そうでなければ、何か罠とか……。それとも、もしやギャグとか!」
未だに信じる事が出来なかったため、メイヨウが冷静に分析をし始めた。
もちろん、ここで素直に小包を受け取る事も出来たのだが、あまりにも話が出来すぎているので、逆に怪しくなってしまったらしい。
「……やはりやらぬ」
生暖かい視線を送りながら、ホノカが小包を遠ざけていく。
「あ、ああっ! じょ、冗談でござるよ!!」
その途端にメイヨウがおあずけを食らった犬のような表情を浮かべ、慌てた様子でホノカの機嫌をとろうとする。
そのため、ホノカはメイヨウに小包を手渡し、『ギャグがどうか自分の目で確かめるが良い』と言って微笑みかけるのであった。
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