<同盟探検隊ができるまで>


〜2005年1月13日。どこかの酒場。食事に訪れたユリシアが、リゼルに出会う〜

エルフの霊査士・ユリシア 「こんにちは、リゼル様。お隣よろしいですか?」
ヒトの霊査士・リゼル 「(もぐもぐもぐ)あらユリシア、もちろんよ!
 (ぐびぐびぐび)どう? 最近の円卓の調子は」
エルフの霊査士・ユリシア 「活発ですよ。最近はリザードマン王国への食糧支援について話し合われています。
 他にも、『世界情勢をもっと簡単に知る方法は無いか』という点についての議論がありました」
ヒトの霊査士・リゼル 「そうねえ。今世界で何が起こっているのかをしっかりと知る為には、各地の護衛士団をつぶさに確認しなきゃならないし……」
エルフの霊査士・ユリシア 「なので、各護衛士団の動きを定期的に纏めて報告しようかと思っているのですが……」
ヒトの霊査士・リゼル 「へぇ、大変そうだねぇ。ん、待てよ……?」
ヒトの霊査士・リゼル (「皆が必要としている? それってひょっとして、儲け話の予感?!」)
エルフの霊査士・ユリシア 「?」
ヒトの霊査士・リゼル 「確かにそれはいい考えね! でもユリシアも疲れてるでしょ?
 その役目は、このリゼル様にまっかせときなさい!」
エルフの霊査士・ユリシア 「え? あ、はい、そこまで仰って頂けるのならお任せしますけれど……」
ヒトの霊査士・リゼル 「よしっ、そうと決まったら善は急げよ! またね、ユリシア!」
(物凄い勢いで走り去っていく)
エルフの霊査士・ユリシア 「あっ、一緒にお食事を……なにか思いついたようですが、一体何を?
 微妙に不安なような、そうでないような……」

〜2005年1月20日。どこかの酒場〜

 (リゼルに呼び出されたプルミエールが、席について待っている)
はじまりは・プルミエール 「うーん、あの人助かったのかなぁ。エルドールは大丈夫かなぁ。心配だなぁ……」
ヒトの霊査士・リゼル 「お待たせー! ごめんごめん、資料とか用意してたら遅くなっちゃったわ」
はじまりは・プルミエール 「あ、センパイ。一体なんの用事なんですか? それに資料ってなんの資料です?」
ヒトの霊査士・リゼル 「まあまあ、順番に説明してあげるからそんな急がないの。まずはこれを見て頂戴」
(袋から一枚の紙切れを取り出してテーブルに置く)
はじまりは・プルミエール 「ふむふむ……『リゼルの同盟探検隊』? なんですかこれ?」
ヒトの霊査士・リゼル 「これから私達が作るモノのタイトルよ。同盟諸国で起こった出来事を月1回皆にわかりやすく紹介していくの」
はじまりは・プルミエール 「おおっ、そうなんですか! 楽しみです、頑張って下さいっ!」
ヒトの霊査士・リゼル 「何言ってるのよプルミー。作るのは私『達』よ」
はじまりは・プルミエール 「……もしかしなくても、私はその中に入ってますか?」
ヒトの霊査士・リゼル 「いえーす。プルミーには各地のグリモアガードへインタビューに行ったりとかしてもらうわ。プルミーの報告を私が纏めて形にしていくワケね」
はじまりは・プルミエール 「うう、なんで私がそんな大役を……」
ヒトの霊査士・リゼル 「そりゃあ私は霊査士だから戦闘が起こると気絶しちゃうし、危険な場所には行けないもの」
はじまりは・プルミエール (危険な場所と聞いて固まっている)
ヒトの霊査士・リゼル 「大丈夫大丈夫、インタビューに行くのは何かが起こった後だから。そんなに危険じゃないわよ……多分」
はじまりは・プルミエール 「多分、ですか」
ヒトの霊査士・リゼル 「勿論報酬もちゃんと用意しているわ」
(袋の中から一回り小さいお菓子の詰まった袋を取り出す)
はじまりは・プルミエール 「頑張らせていただきますっ!!」
ヒトの霊査士・リゼル 「(お菓子作戦成功、と……)」
はじまりは・プルミエール 「センパイの為ならなんでもしますよ! 何をしましょう♪」
ヒトの霊査士・リゼル 「それじゃ、まず1月号を出す前に、資料を元に過去の歴史を振り返って纏めるから手伝って頂戴。今を知る為には過去を知らなきゃいけないもんね」
はじまりは・プルミエール 「わかりました、早速振り返りましょう!」