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「ふ、ふーむ、なるほど。あーなってこーなったのですね」 |
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「別にわかった振りをしなくてもいいのに……要は、ソルレオンは『俺達と戦う気がないんなら、その証として大事な土地のカディスをよこせ』と言ってきたのよ」 |
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「うん、ソルレオンさんとは争いたくないです……強そうですし」 |
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「そういう場合はカディス地方をソルレオンへあげれば良いワケね。まあ色々問題があるわけだけど」 |
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「どんな問題ですか?」 |
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「まずリザードマンが同盟諸国に加入する前からカディスを治めてるリザードマンな護衛士な方々が大反対なわけね」 |
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「うーん、それはなんとか説明して納得してもらうしか……」 |
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「あと同盟の領地をあげるワケだから、同盟諸国のグリモアレベルが下がる」 |
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「それは由々しき事態なのです!」 |
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「プルミーはほんとに素直な子ねぇ……」 |
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「やだなー。そんな褒めないでくださいよ、えへへ」 |
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「……とにかく、そしてカディスをあげたとしてもソルレオンが仲間になるかはまた別問題だったのよね。カディスをくれたら話を聞いてやっても良い、みたいな感じだったし」 |
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「それじゃあ、やっぱりちょっと難しいかもですね……」 |
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「だからって、要求を突っぱねて即戦争ってのもしたくないと同盟の多くの冒険者は考えた。そこで『その要求は受け入れられないけど、交渉は続けたい』って折衷案みたいな方針になったのね」 |
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「なるほど……でもそれって、かなり難しくないですか? ソルレオンさんはカディスくれなきゃ話し合いしないって言ってたのですよね」 |
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「そうなのよ。その辺りは、ノルグランド護衛士達の腕の見せ所って感じね」 |
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「きっと、上手くいきますよね……」 |