＜第14回　【打ち上げをしよう！】打ち上げパーティ♪＞

【むげふぁんサマースクール】打ち上げパーティ♪　リボンの紋章術士・エルル(a90019)

日曜日に私が皆さんに持ちかけた、打ち上げパーティへのお誘いには、沢山の人が応えてくれました。 　最後に皆さんと、どんな風に打ち上げパーティを行なったのか……私の元に届いたプレイングを元に、リプレイを準備しましたから、確認してみて下さいね♪ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ●パーティの始まり 「打ち上げの会場はここだね」 　ストライダーの武道家・ヒリュウ（a12786）は、サマースクールの打ち上げパーティが行われる会場を訪れていた。 　打ち上げの開始までは、まだ少し時間があるが、会場には既に多くの者達が集まっている。 （「……参加しよう。交友は、これから深めれば良いのだから」） 　参加するか悩んでいたリザードマンの重騎士・モート（a13301）も、そう決断すると、会場に足を運んでいた。 　人に話し掛ける事が苦手なモートは、あまり他の者達との会話には参加していなかったし、故に交友も少ない。だから、参加は止めようかと……そう最初は思った。 　けれど、ふと脳裏に皆の笑顔が浮かび上がって……モートは、交友はこれから深めればいいのだからと、会場にいた他の冒険者の方へ、一歩踏み出して声をかける。 「私は……こういう賑やかなのは、少し苦手なのですが……」 　同様に、エルフの武人・フェリス（a12923）も、参加を悩みながら会場に足を運んだ一人だった。 　物心付いた頃から戦場に育ち、一般の生活にはあまり馴染みの無い自分……けれど、フェリスは、たまにはこういうのもいいだろうと、会場内の賑やかな皆の輪の中に入る。 「これで装飾はバッチリだね。グラスも……よしっと」 　そんな中、ヒトの翔剣士・シェイ（a12634）は、パーティの準備を手伝って、会場内を慌しく行き来していた。テーブルを並べ装飾を施し、出来上がった料理を運ぶと飲み物を並べ……一通り準備が終わると、ホッとした様子で胸を撫で下ろす。 　ちなみにテーブルに並んだ料理は、前日から仕込みを行い準備していた、昼下がりに彷徨う双芹・ジィーン（a12348）を始めとした冒険者達による力作ばかり。 　大きなピサにサンドイッチのタワー、美味しそうに焼けた分厚いステーキ……大量に用意された料理は、どれもこれも、全て美味しそうだ。 「コレで最後なんだ……」 　どこか寂しそうに、けれど少しだけ誇らしげに……会場内を見回した、銀朱の猫戦士・シュリシキ（a12509）は、ジュースの注がれたグラスを手に取ると、乾杯しようと皆を振り返る。 「そうだな、それがなくっちゃ……さ、エルル団長。乾杯の音頭を」 「え、私？」 　シュリシキの言葉に頷いて、ストライダーの狂戦士・ティム（a12812）はエルルを見やる。その言葉にエルルは瞬きすると、何をどう言ったら良いのかと、困った様子で右往左往する。 「ははは。そんなに気負わなくて大丈夫だよ」 　タキシードで正装し、胸元に薔薇を飾った、ヒトの翔剣士・ライ（a13175）は、ワイングラスを手にエルルへ近付くと、じゃあ一緒に言いましょうかと微笑みかける。 「皆さんの、これから先が幸福である事を祈って。また今日という日が、素晴らしい思い出になるように祈って……」 「――乾杯！」 　ライの言葉に続けてエルルが声を上げると、他の者達が一斉に「乾杯！」と声を上げる。そして、あちこちでグラスを合わせる音が鳴り……パーティが始まる。 「サマースクール、お疲れさま〜！」 　ヒトの武人・ゼロス（a12997）は、一気にグラスを空にすると、そう口を開いた。 「いろいろ学べてよかったよ。さー、これから頑張るぞ！」 　これから冒険者としての長い道のりが待っているはず……そうゼロスは気合を入れる。 「短い間だったが、かなり楽しかった」 　リザードマンの忍び・カオス（a12612）も、そう言いながら他の者達とグラスを合わせると、その中身を喉に流し込む。 「いや〜、何て言うか……友達募集します。つくるの忘れてた。もしなっても良いって人がいたら、そのうち手紙くれないか？」 　一気にグラスを空けたからか、カオスはほろ酔い状態になりながら、そう皆に呼びかけている。 「わぁ……沢山の料理！」 　色々と忙しくてサマースクールには殆ど参加できなかったけれど、折角のお招きだから……とパーティに参加していた、ストライダーの牙狩人・ウェルツ（a12412）は、テーブルに並んだ料理に視線を走らせると、次々と切り分けて自分の皿に盛る。 「ん〜、ウマイ！」 　紋章術的鼠爆竹・アルミッド（a11767）も、次々と料理に手を伸ばすと、それを口に運んでいる。実に美味しそうな様子で、料理を平らげていくアルミッドだったが…… 「！　※△◆☆＃■％！！！」 　ふとした瞬間アルミッドは目を白黒させると、物凄い勢いで胸をドンドンと叩く。……どうやら次々と料理を食べるうちに、喉が詰まったらしい。 「………」 　そんな皆の様子を見ながら、思わず笑みを零したのは、最終防衛機構・リーヴァ（a11346）だった。 　各所で楽しそうに過ごしている冒険者達……最初はみんな、どことなく頼りない印象を受けた。 　けれど、今は違う。もうすっかり、誰もが一人前の立派な冒険者……そうリーヴァの目には映ったから。 「ああ……すまない。これはどんな風に作るんだ？」 　料理を片手に、他の者達とサマースクールの感想を語り合っていたエルフの翔剣士・シェルト（a11554）は、これなら自分でも作れるかもしれないから、調理法を教わって帰ろうとリーヴァに声をかけ……そんなシェルトに、リーヴァは丁寧に作り方を説明していく。 「あのね、木の実入りのホットケーキを作って来てみたの。食べてみて？」 　一方、ホットケーキを持参したエルフの武人・ラミル（a11173）は、それを皆に配って歩いていた。そして、その足はエルルにも向かう。 「わ……美味しい♪」 　じゃあ、と手を伸ばしたエルルは、ホットケーキを口に運ぶと笑みを零す。そんな彼女に、ラミルはおずおずといった様子で語りかける。……もっともっと、これから仲良くなっていきたいから、友達になってくれないだろうか、と。 「え？　勿論よ。これからも仲良くしていきましょうね」 　彼女の言葉に最初は驚いたエルルだったが、すぐに微笑みを浮かべると、ラミルへと頷き返した。 ●楽しいひととき 「よぉし、じゃあ一つ芝居でも……」 　やがて、ホールの前方のあるステージに上がると、ストライダーの武道家・タツキ（a11170）は上機嫌な様子で、皆に聞こえるよう大声で語り始めた。 「――さぁさぁ、ついに同盟諸国はリザードマンの聖域・キシュディムに対し、電撃戦を仕掛けた！　”さぁ、来るがいい。リザードマン！”ドリアッドの援護を受け、同盟軍はぐんぐんと進軍し……」 　同盟諸国の少し前の出来事を元に語る、タツキの演技は堂に入っており、皆は思わず彼女の芝居に目が釘付けになる。 「ならば、わしも一つ話をしようかのう」 　ヒトの邪竜導士・アヴディリア（a13401）は、周囲にいた冒険者達に何やら熱を込めた口調で話し始める。この世界を、古き邪神や支配者達が、今もなお虎視眈々と狙っているという予言……というより、妄想に近い、その内容を。 「さ、次は何にする？」 　そこから少し離れた場所では、給仕役を引き受けた、笑壺で企む罠魔神・グラーティア（a08565）が、皆にカクテルを作り配っていた。 「わぁ、綺麗だねぇ……」 　大好物のフグを使った唐揚げを見つけた、エルフの吟遊詩人・ハイド（a11497）は、もぐもぐと口を動かしながらカクテルを覗き込み……一体どんな物なのだろうかと、そのグラスを手に取り一気に傾ける。 「んー……あれぇ？」 　その途端にハイドは頭がクラッとするのを感じ……思わず近くの椅子に座り込む。 　だが、まだ彼女の行動は大人しい方だった。 　そのすぐ近くでは、皆の前で一演奏したストライダーの吟遊詩人・エスニャ（a12470）が、カクテルのグラスを空にすると見事に酔っ払ってしまい……通りかかる冒険者達に、何やら絡んでいたから。 「……その辺にしておきなよ」 　そんなエスニャに近付いた、ヒトの忍び・アヤ（a13417）は、ダガーを引き抜くと、その刃をエスニャの首に添えつつ薄く笑う。 「……すいません」 　そのひんやりとした感触に、エスニャは背筋に冷たい物を感じて正気に戻り……反省の言葉を聞いたアヤは、無言でダガーを納めると、元いた場所へと戻って行く。 「僕、エルルちゃんとお別れしたくないにゃ〜」 　一方、泥酔してエルルに背後から抱きついているのは、天雷の導き手・エル（a12614）だ。彼女は目に涙を浮かべながら、いやいやと首を振り……「離れたくないにゃ〜」「嫌にゃ〜」と連呼している。 「え、エルさぁん……」 　サマースクールは終わりでも、二度と会えない訳じゃないんだから……と宥めるエルルに、エルは涙を止めると、そうだねと頷いて大人しくなる。 「ん。じゃあ……また遊んでにゃあ？」 「ええ、勿論」 　その返事に満足したのか、エルはこくりと頷くと、エルルの側を離れるのだった。 　そんな中……いつしか、会場の中には綺麗な歌声が響いていた。 　皆の前で歌い始めた、ストライダーの紋章術士・ユクス（a13003）の声である。 　サマースクールが終わっても、みんなに覚えていて貰えるように……そう願っての歌声は、他の者達の耳にしっかりと届く。 「じゃあ……」 　エルフの翔剣士・ジュン（a13435）はウキウキとした様子でユクスの側に移動すると、その音色に合わせてダンスを始めた。 「いいですね。では僕も」 　色とりどりの花を沢山抱えた、紫色の狐火使い・シンリ（a09898）も、移動すると踊りを披露する。 　他の者達も演奏や手拍子、同じようにダンスで彼らの中に加わり……会場は次第に盛り上がっていく。 「折角だしさ、団長サンも踊らない？」 　ヒトの吟遊詩人・オパール（a13455）は、そう誘いかけながらエルルに手を差し伸べる。 「そうね……そうしましょう♪」 　エルルはにっこり微笑みながら頷くと、オパールの手を取る。その返事にオパールも微笑みながら小さく頷き……２人はダンスの輪の中に入り、楽しく踊る。 「これからの、僕たちの未来に！」 　やがて迎えた最後の一節と同時に、シンリはそう高らかに声を上げながら……赤や白、紫といった、抱えていた数々の花を散らし、皆の頭上に降らせた。 「……みんな、テンション高いぜ」 　そんな彼らの様子に圧倒されたストライダーの紋章術士・シェルティ（a12731）は、苦笑しながら呟くと、端の方へと移動し、同様に輪の中に入れずにいる者達と、静かに談笑するのだった。 ●そして時間は過ぎて 「団長」 　しばらくして、エルルの側に冒険者の姿が少なくなって来た頃……静かに酒を傾けながら、彼女に話しかけるタイミングを計っていた、ヒトの紋章術士・ヴィルガスト（a10769）は、エルルに近付いて声をかけた。 「今日まで、世話になったな」 「そうですね。……ありがとうございました」 　その近くで、今まで美味しい料理に舌鼓を打っていた、エルフの牙狩人・レイル（a13493）は、ヴィルガストの言葉を耳にすると、小さく頷いてエルルに一礼する。 「私達に大切な事を教えてくれて、本当にありがとうございます……♪」 　ずっと、ウェイトレスかのように皆に給仕を行っていた、ヒトの医術士・シルフィーナ（a12144）は、足を止めると、そうにっこりと微笑み。 「……ありが……とう、ござい……ました」 　一方、グラスを片手にサマースクールで学んだ事を思い返していた、ヒトの狂戦士・ガルファード（a12674）は、エルルに歩み寄ると、その正面に立ち深くお辞儀を行う。 「このサマースクールで、私は沢山の事を知る事が出来ました。エルルさんに教えていただいたこと、忘れないよう、冒険者として頑張りたいと思います。本当にありがとうございました」 　ストライダーの翔剣士・サクヤ（a11733）も、エルルの傍らに立つと、そう心からの感謝を述べる。 「……本当に、あ、ありがとう……」 　照れた様子で口を開いたのは、エルフの紋章術士・ザイダー（a13371）だ。 　その懐には、貰ったばかりの金メダルがある。先日の大運動会で貰った物……けれど、きっとエルルの「やってみよう」という一言が無ければ、大運動会に参加する事も、このメダルを貰う事も無かっただろう。 　大勢の集まりは苦手だけれど……ザイダーは最後に一言だけでもお礼を、と、エルルの目を真っ直ぐに見ながら、感謝を口にする。 「みんな……ううん。私の方こそ、ありがとう」 　まさか、こんな風に礼を言われるだなんて、想像すらしていなかったのだろう。驚いた様子で皆の言葉を聞いていたエルルは、やがて大きく首を振ると、とても嬉しそうに笑みを零す。 「本当にお世話になりました。……お疲れ様でした♪」 　そんなエルルに、ストライダーの武人・サクヤ（a13250）は笑みを向けながら言うと、更に他の者達へと視線を移す。 「みんなもお疲れ様。今まで楽しかったよ♪　また、どこかで会おうね」 「ええ。またどこかの冒険などで一緒になったら、その時は宜しくお願いします」 　サクヤに頷いて、ヒトの牙狩人・マイト（a12506）も同様に皆へ声をかけると、お互いに頑張りましょうとエールを送る。 「ボクは冒険者になって、色々な世界を見て、聞いて、感じて、そして護りたい！　……冒険者の先輩達にも負けない位、皆で力を合わせて頑張ろう！」 　双翼の銀剣・リュキア（a12605）は、これまで色々と教えてくれた事への感謝と、そしてこれからの決意を込めて、そう高らかに誓いの言葉を宣言する。 「おう！」 「頑張ろう！」 　そんなリュキアの言葉に、周囲の者達も大きく頷きながら、口々に声を上げる。 「ねぇねぇ。みんなで、寄せ書きを作ろうよ！」 　ストライダーの忍び・レイリス（a13191）は、皆に誘いかけながら、両腕に抱えていた色紙とペンをテーブルに置く。その言葉に一人、また一人と冒険者達が集まり……やがて、それぞれの言葉が刻まれた、寄せ書きが完成する。 「……そろそろ、お開きの時間かな」 　その頃には、もうすっかり夜も深まっていて。ストライダーの忍び・ユン（a12043）は、そろそろ後片付けを始めよう……と、空になった食器を運び始める。 　準備の段階から料理作りに参加していたユンは、後片付けまでキッチリこなしてこそ、料理人だから……と、そう思っていたから。 「じゃあ、グラスは私が」 「僕は飾りを外そう」 　他の者達も順に後片付けに加わり……見る間に会場は片付いていく。 「エルル」 　それまでずっと、部屋の隅で一人静かに過ごしていた、白銀の鬼神・レツヤ（a12580）は、最後にエルルに歩み寄ると、感謝の言葉を口にしながら、握手を求めて右手を差し出す。 「ううん。私の方こそ」 　エルルは首を振りつつ、それに応じて右手を出し、レツヤと握手を交わす。 「……みんな。また、どこかで会いましょうね」 　そして、エルルは皆の顔を順番に見ながら、笑顔でそう語りかけ……冒険者達は「また、いつか」と再会を誓い合いながら、それぞれ、ゆっくりと会場を後にしていった。 【おしまい】