<ドラゴン戦争>

■ドラゴンの歴史

 数千年前。神をも凌ぐ力を得た古代ヒト族は、更なる力を得るべく、世界各地にドラゴンズゲートを
建設し、忌むべき研究を繰り返してきました。
 その結果、古代ヒト族の中でも力のある者達が到達した、究極の力。それが『ドラゴン』です。

 ドラゴンへと到達した者達は、神をも凌駕し、世界全てを破壊出来る程の力を手に入れました。
 しかし同時に、究極の力は、ドラゴンへと変異した者達の魂を汚染していきました。
 その結果、ドラゴン達はその力全てを、ただただ己の欲望を満たす為だけに使い続けたのです。
 古代ヒト族は、強大なドラゴンの力を得る事はできても、それを制御する『魂の力』を得るには至らなかった。これが、古代ヒト族の過ちだったのです。

 この強大なドラゴン達は、最後まで世界を護る為に尽くした神々の王『大神ザウス』の力によって、虚無の世界に追放されていました。
 この虚無の世界は、あらゆる生物が死に絶える恐ろしい場所であったのですが、規格外の力を持つドラゴン達は、その中でさえも生き延び、大神ザウスの力が失われた事を契機に、かつての故郷へと帰還を始めたのです。

 これが、現在のドラゴン戦争に至る歴史です。


■ドラゴンの力

●ドラゴンの力
 ドラゴンは、全長100mを優に越える、恐るべき戦闘生物です。
 ドラゴンの戦闘能力は、実は冒険者が持つ「アビリティ」に似ています。
 しかし、その能力の強さは比較になりません。さらに射程は通常のアビリティの10倍を誇り、無限とも思える生命力を誇る肉体は、天空を高速で飛翔する能力まで備えているのです。

●ドラゴンの知性
 加えて、彼らは元々『古代ヒト族』であったので、莫大な知識と高度な知恵を保有しています。
 ただしその知識と知恵は、徹底的に「邪悪な目的」の為だけに使用されます。
 いかに相手を惨たらしく殺すか、いかに世界を破壊するか、いかに他者を虐げるか。
 完全なる邪悪であるドラゴンに対しては、理性的・合理的な交渉はまず不可能です。

●ドラゴンの憎しみ
 そして、全てのドラゴンは『自分達が支配すべき地上でのうのうと暮らしてきた、全ての人間達』への憎しみを持っています。この憎しみの感情が消えることは、絶対にありません。

●ドラゴンの恐怖
 一般人は、その姿を見ただけで意志を打ち砕かれ、命令のままに従う人形と化してしまいます。
 そして、ドラゴンの命令は、他の一般人に「伝染」します。伝染した者も、直接ドラゴンを目撃した時と同じように、ドラゴンの発した命令に従ってしまうのです。
 この効果は、命令を下したドラゴンが死ぬか、或いは自分が安全な場所に保護された事を納得するまで持続します。


■ドラゴンの性質

●ドラゴンの性質
 ドラゴンには、特別な果たすべき役割という物を持っていません。彼らは不老不死の存在ですが、子孫を残す事はできません。その為、自分以外に護るべき何物も持っていないのです。
 ドラゴンは、自分自身の欲求にしたがって自由に行動する事を望みますが、その自由の多くは邪悪なものとなります。尊大な古代ヒト族であった彼らは、民の従属と犠牲とを要求するでしょう。
 最も怠惰なドラゴンであっても、その怠惰な生活を豊かにする為に、多くの一般人を支配して奉仕を受けようとします。
 ドラゴンにとって地上の人間は憎むべき存在ですが、その憎むべき対象を支配して奉仕させる事は、単純に殺戮するよりも気が晴れる娯楽なのです。

●ドラゴンの縄張り
 ドラゴン達は、自分で作った『縄張り』に、他のドラゴンが立ち入る事を嫌う性質もあります。
 この性質から、ドラゴンの多くは『より快適な縄張り』探しを、当面の目的としているように見えます。
 しかし、ドラゴン同士で殺しあうことはまずありません。おそらく、子孫が増えない事が理由でしょう。

●ドラゴンの序列
 ドラゴンは、自分よりも格が上のドラゴンに逆らう事はありません。
 ドラゴンはドラゴンロードの言葉に逆らう事は無く、ドラグナーはドラゴンやドラゴンロードの言葉に逆らう事はありません。
 ただし、同じドラゴン同士ならば、レベルや戦闘力の差があったとしても、逆らう事ができないという事はありません。
 同格のドラゴン同士は、より強いドラゴンに統制されている場合を除き、互いに協力する事はありません。
 邪悪な知性を持つ彼らは、互いを信頼する事はできないのです。