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 くたばれ、碎輝(さいき)よ!

 それは、突然の一撃だった。
 飛天大王ガルベリオンを駆り、超高速で碎輝のドラゴン界へと飛来したドラゴンロード・パラダルクは、瞬時にドラゴンロード・碎輝の居所を見つけ出し、強烈な先制攻撃を加えたのだ。
 パラダルクの口から放たれた、凝縮された『享楽』のブレス。それは、あらゆる生命体・無機物・自然現象をも瞬時に魅了する、恐るべき「完全なる支配の光線」であった。

 ドラゴンロード・碎輝も瞬時に雷電の紋章を描き、パラダルクに応戦しようとする。
 しかし、パラダルクのブレスは全てを支配する。
 碎輝の放った雷電すらも、ブレスによって瞬く間に『魅了』され、エネルギーの牙へと進化して、逆に自らを傷つける結果となってしまった。
 そして、雷電の裏切りによって無防備となった碎輝の肉体に、今度は直接パラダルクのブレスが浴びせられる。碎輝の全身は次第に主への反逆を初め、新たなる主人であるパラダルクへの忠誠を示すべく、次々と自死を始める。

 しかし、まだ油断はならん。我は確実な勝利のみを得る。

 パラダルクは、圧倒的な優勢で戦いを進めながらも、敵からの反撃を最小限に止めるべく、慎重に攻撃を加えていく。
 たしかに、碎輝の攻勢は肉体が自死し雷電に反逆されながらも、いささかも衰えることがない。
 まるで、『享楽』の力によって死期が近付く己の肉体になど何の興味も無いかのようだ。

 パラダルクのブレスが炸裂し、碎輝の雷電が視界を埋め尽くす。
 戦いの余波で眼下の毒海は沸騰し、大地が裂けてゆく。
 これが、ドラゴンロード同士の戦いなのだ。