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―――――我の、勝ちだ!―――――

 戦いは決した。ドラゴン界に、ドラゴンロード・パラダルクの咆哮が響き渡る。
 勝因は極めて単純、パラダルクと碎輝(さいき)の、圧倒的な実力差であった。
 力尽き、毒沼に墜落したドラゴンロード・碎輝。パラダルクはその頭上に舞い降りると、碎輝の頭蓋を踏み砕き、首筋に喰らいついた。
 とどめを指すためではない。中枢に直接『享楽』の力を注ぎ込み、碎輝を自らのしもべとする為だ。

貴様の武器に我が『享楽』が浸透するまで、あと1日といったところか……。

 パラダルクは碎輝を踏みつけ、静かに精神を集中し始める。支配をより完全なものとする為だ。
 パラダルクは、いかなる状況でも決して油断をすることが無い。
 『享楽』の能力が、己の慎重な性格と相性が良い事を、長い時を経て存分に理解している為だ。

 やがて、ガルベリオンからパラダルク配下のドラゴンとドラグナーガール達が降り立ち、支配に没頭する主人の警護を始めた。
 しかし、その必要すら無かった。ドラゴンロード・碎輝配下のドラゴンとドラグナー達は、パラダルクが放った享楽のブレスの余波を受け、既に魅了されてしまっていたのだ。

 碎輝配下のドラゴンとドラグナー達は、何をするでもなく、無表情でパラダルクが碎輝を蹂躙する様を眺めている。
 皆一様に、何事かを呟きながら。

 「「「昨日より今日、今日より明日……」」」