≪フローリア学園≫入学者「ヒトの武人・プルミエール」さん

 緑の芝の広大な敷地が、煉瓦の壁に囲まれれている。
 見上げた学舎は重厚だが、どこか優しげなものを感じさせた。
「こちらです」
「……ええ」
「どうかしました?」
「いえ、私、うまくやっていけるかな……と思って」
「大丈夫ですよ。だってみんな、あなたのことを待っていたんですから」
 さあ、と、我は破滅を断つツルギなり・ルビナス(a57547)は彼女の手を引いた。

 ここは麗しのフローリア学園、将来有望な冒険者を育成せんがため設立された機関である。この学園での物語は、しばしばその豪華食堂にて幕を開けるという。
 両開きのドアより、手を叩きながらルビナス学園長が入ってくる。
「はい、お静かにー」
 設置された大きな黒板、その前にある演壇に立つ。
 ざわめきは止みそうもない。新入生が来ると聞いて、皆、期待と好奇心から興奮気味なのだ。
 集まったのは学園のすべての職員と生徒だ。友好旅団から遊びにきた顔ぶれも入り交じっている。
「おっ静かにーっ! 新入生が入りづらいでしょっ」
 頭のリボンがぴんと立つくらいにルビナスが声上げて、ようやく騒ぎはおさまった。
 しかしその沈黙も、ごくわずかで終わることになる。なぜって、
「紹介するわ」
 とルビナスが黒板に書いた名前を見て、爆発的な歓声がわき起こったからだ!
「プルミエール・ラヴィンスさんです」
「よろしくおねがいしまーす」
 ひょこ、と、はじまりは・プルミエール(a90091)が頭を下げた。
 口笛や喝采の波に照れる彼女を、ルビナスが壇上に導く。
「一言抱負をお願いします」
「えっと……いつまでも初心者の私なので、いっしょに勉強していきたいな、と思っています。仲良くしてくださいね♪」
 教師を代表して、闇夜を舞う影・ヒリュウ(a28973)が立ち上がり一礼した。
「お初にお目にかかる。それがしは忍びの教師のヒリュウと申す。よろしくな」
 つづけて我も我もと自己紹介をはじめた。歴戦の勇士あり、可愛らしい少女あり、はたまた謎の人あり――旧知の友もいたが、プルミーにとって大半は初対面、種族も年齢も様々だ。ただ一つ言えるのは、誰もが彼女の入学を歓迎してくれているということ。たくさん友達ができそうで、彼女も期待に目を輝かせている。
「プルミエールさんの歓迎をかねて、ウチの旅団っぽいイベントをしてみたいと思うのだけど」
 ルビナスの声に次々と賛意が上がった。
「プルミエール……かわいいなぁ……彼女をお持ち帰りするってのはOK?」
「だめですっ! それ以外で!」
 ブーイングが湧き起こり、「パンツだけでも」などという謎発言も飛び出す。手を挙げてから発言していたはずなのに、いつの間にやら皆、口々に希望をあげるようになった。
「持ち帰り関係はだめですってば! こらこら、うちの学生を勝手に持ち帰らない!」
 学園長の苦労は絶えない。プルミーはずっと笑っている。
 じゃあ遠足! と決まるまで、まだまだわいわい、騒ぎは続きそうだ。
【マスター候補生:桂木京介

⇒⇒⇒元スレッドを見る