ルミちゃんのチョップを止めろ!


<オープニング>


 土曜の夜、休日を前に楽しく語らうカップル……ばかりとは限らない。
「どうして、どうしてそんな事いうのヒロタカくん!!」
「いいかげんに分れよ! はずかしーんだよ!!」
 涙目の彼女に迫られて男はとうとう叫び返した。
「なんたらレンジャーだのなんたら仮面だの! 休みの度にそんな格好してられるか!!」
「そんな…今日だってこんなにカッコイイ超ジャスティス剣を作ってきたのにっ!!」
「もうこんなことやってられるか! 別れる別れてやる!!!!!!!!」
 おずおずと差し出された超ジャスティス剣を引っつかんで棚を殴りつける男。
「きゃー!!」
 さすがにびっくりして叫び声を上げる女。
「ちょっとまちなさーい!!!」
 だがそこに新たな女が現れる。そいつはマンションの二階の部屋に窓からふわりと入り込んでくる。
 ひらひらふわふわの白いロリータファッションに真紅のマフラーとサングラス、両手には篭手かと思うような派手な手袋を装着して女は二人の間にピタリと降り立つ。
 その姿は変身ヒーローのような妙なポーズだ。
「ぎゃー!」
 あまりの事に叫び声を上げる男。
「きゃー!!」
 男の乱暴に続いての奇怪な出来事に動転して慌てて逃げ出す女。
「あら? 逃げちゃったの? ルミちゃんが折角仲直りさせてあげようと思ったのに……」
 マフラーの女はそれを見送って指をくわえるが、まあいいかと男に向き直る。
「じゃあ、まず君から説得を……」
 とそこに向かって振り下ろされる超ジャスティス剣。
「サトミが俺に変な格好させるのはおまえのせいかー!!!」
 男はどうやらルミちゃんを彼女の同類と思ったらしい。
「もう! 暴力反対!!」
 ルミちゃんはあっさり超ジャスティス剣をかわしてえいやっとチョップする。
 だがその一撃が巻き起こした風圧で男は吹き飛び窓から落下していく。
「え、あれ? ええぇぇぇー!!!」
 その様にルミちゃんはひたすら大慌てするのだった。

「という事で以上が私の見た未来だ」
 集まった能力者達にこれから起こる出来事を説明した唐津・恋子(高校生運命予報士・bn0069)はこれを阻止しなければならない理由を語り始める。
「今回の事件はとある女性、今回で言えばルミちゃんが天女の羽衣のメガリスゴーストを手に入れたことで発生する」
 ルミちゃんはメガリスゴーストの強大な力を得て男女の問題で困っている女性を助けようとしている。
 だがその力でとうとう男性を殺害するに至ってしまうというわけだ。
「女性の味方というのはかまわないが……メガリスゴーストが関わり犠牲者が出るとなれば放ってはおけない」
 つまりルミちゃんには悪いが彼女を倒してメガリスゴーストを破壊し、男性の死亡を回避しなければならないという事だ。
「方法としては色々あるだろうが……手っ取り早いのはマンションの近くの公園で痴話喧嘩でも行えば釣られてくるだろう。そうすれば件のカップルも救われるしな」
 最近は物騒だし夜の痴話喧嘩に顔をつっこんでくるのはルミちゃんぐらいのものだろうと恋子。
「最終的な手段は任せるとして状況を説明しよう。ルミちゃんが現れる時刻は夜9時頃。マンションの部屋は1LDKでもしここで戦うなら狭さや男性の扱いに注意する事、逆に公園は周りに木が植えてあり外からの視界は悪く広さも十分だ」
 地図を見せて部屋と公園の場所を教えて、恋子はルミちゃんの戦闘能力について語る。
「彼女はとりあえずチョップ攻撃を行ってくる。これは能力者をも吹き飛ばす威力があるだろう。だが追い詰められればメガリスゴーストの支配が彼女をより好戦的にしていく」
 そうなれば空気を操り本気になる。
 近づいた者全員を吹き飛ばす強力な衝撃波攻撃と当たり方によっては能力強化をも破る空気の弾丸による射撃攻撃を繰り出してくるのだ。
「あとはまあ、女性の味方のつもりのようだから……男が狙われやすいだろうな」
 恋子はふむと頷いて付け加えた。
「さてあとはメガリスゴーストと初めて対峙する者もいるかもしれないな。メガリスゴーストは相手を戦闘不能に追い込んで初めて所有者から引き離し破壊する事が出来る。操られている一般人はメガリスゴーストの力が守っているので大怪我をする事はないのでその点は心配しなくていい。もっとも世界結界の効果で忘れるまでの短期間、操られた人物は自分のやった事を覚えているようだがな」
 まったく能力者は大変だなといった風に恋子は視線を向ける。
「余裕があったら男女のトラブルに変に首を突っ込まないようにアドバイスしてやるといい」
 そんな風に言うと彼女はいつも通りスカートを翻して去っていくのだった。

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参加者
黒木・摩那(深淵なる碧き鏡の剣士・b12406)
冬麻・耶神(闇夜に灯る焔月・b13248)
坂田・あずき(青碧・b20610)
白道・沙夜(久遠の記憶・b24167)
朝日奈・護(絶壁の小虎・b24524)
鳳凰院・火穂(鳳雛姫・b31770)
十六夜・蒼夜(インフィニティゼロ・b44935)
河本蛸地蔵・エロイーズ(名前負け狼娘・b51747)
ユウ・メルフィージ(金煌虎が奮迅鬼・b59264)




<リプレイ>

●おいでよ♪ルミちゃん
 夜の公園は周りの家々やマンションの明かりを木々がさえぎりなんともいえない寂しさに満ち溢れている。
 野良猫の一匹すら見当たらず、当然通りかかる人影もない。
「本当にどなたもいらっしゃらないようです」
 一応辺りを確認してきた白道・沙夜(久遠の記憶・b24167)達が駆け戻ってくると十六夜・蒼夜(インフィニティゼロ・b44935)は腕時計に視線を向ける。
「九時五分前、そろそろよさそうだよね」
「うん、それじゃあ河本ちゃんと護君と耶神君の三角関係に期待して俺達は隠れなきゃだね」
 囮の三人に意味ありげな視線を向けてから坂田・あずき(青碧・b20610)が言うと、残りのメンバーがそれぞれ物陰に移動していく。
「イグニッション」
 黒木・摩那(深淵なる碧き鏡の剣士・b12406)もカードから能力を開放しいつ黒いレインコートの詠唱防具で暗がりにそっと潜む。仲間も猫に変じて隠れたり、使役ゴーストと共に潜んだり色々だ。
「これでうまくおびき寄せられるといいんですが」
 合図を聞き逃さないように耳を澄ます鳳凰院・火穂(鳳雛姫・b31770)も囮をする仲間達の演技にルミちゃんが引き付けられる事をそっと祈った。

「(では……いくぞ)」
「(ああ、いつでもこいだ)」
 古ぼけたベンチに冬麻・耶神(闇夜に灯る焔月・b13248)と朝日奈・護(絶壁の小虎・b24524)が腰掛ける。
 それを見計らって河本蛸地蔵・エロイーズ(名前負け狼娘・b51747)は飛び出すと驚愕の表情を演じ始める。
「なん……じゃと? のぅお主? その可憐で綺麗な男性はどこのどちらさまなのじゃ?」
 護、耶神、護と視線を動かしわなわなと震えながら問うエロイーズ。
「だから、そんなんじゃないって言ってんだろ」
「……」
 それに対してぞんざいな言い方で答える護。耶神は黙して語らずだ。
「浮気じゃと!? ワシとのあれはお遊びじゃったのか!?」
 浮気とは一言も言っていないが口調をヒートアップさせていくエロイーズに護もオーバー気味に声のトーンを上げていく。
「それは勘違いだって、俺はそもそも真剣にだなっ」
 ベンチから立ち上がり身振り手振りも加わっていく護。
 だがその言葉をさえぎってエロイーズの罵声が飛ぶ!
「このロリコンハニワ野郎!!」
 中学に上がったばかりのエロイーズに対して高校二年の護。確かにロリコンかもしれないが、耶神という浮気相手の設定はどうなったのか?
「(……というかハニワはどっからでたんだろう……)」
 ポツリともらすのはブランコに腰掛けて三人に生暖かい視線を向けるユウ・メルフィージ(金煌虎が奮迅鬼・b59264)。あれ? 完全に休憩モードっぽいよユウ?
「むぅ。どの男が一番悪いのかしら……」
 上空からそんな公園の騒ぎにルミちゃんも首をひねる。そもそもあれは痴話喧嘩なのだろうか?聞き取れる会話からも状況が分りにくい。
「あっちの窓からも喧嘩っぽい声がしてるし……もー、どうしよう!!」
 いやんいやんと首を振るルミちゃんの目にふとある男が映る。
「そうよ! あいつが男らしく行動すればルミちゃんは悩まなくて済むのよ!!」
 結論が出れば動くのは早いルミちゃん。彼女はその男に向かって非常階段から急下降するのだった。

●来たよ!ルミちゃん
「君がそこの痴話喧嘩っぽいものを止めてればルミちゃんは迷わずあっちにいけたのにー!」
 風を切って舞い降りたルミちゃんのチョップに生命の危機を感じたユウのイグニッションカードが力と詠唱兵器を解放する。
「ぐはぁ!」
「きゃー!!」
 予想外の攻撃に大ダメージを被るユウの苦悶の叫び。
 詠唱防具の関係で水着一枚になったユウを見て上げるルミちゃんの羞恥の叫び。
「ぬあぁ!? わしの合図が取られたのじゃ!?」
 さらに悲鳴を上げて仲間が飛び出す合図にするはずだったエロイーズが演技ではなく驚愕する声がかぶさる。
「と、とにかく誘き寄せられた事は確かです!」
「はい! ルミちゃんを、メガリスゴーストを止めるチャンスだね」
 一瞬、繰り広げられる光景に気が動転したが結果的にはこっちに来たのだと自分を納得させていち早く飛び出す火穂と蒼夜。
「な、何あんたらーっ!?」
 蒼夜が慌ててユウをかばう位置に割り込み、火穂の能力が生成した栄養ドリンクがユウの口にスポンとはまる。
 んぐんぐんぐっ。
「しかも男の味方をするわけ!?」
 回復していくユウと火穂を交互に見てみるみる顔を赤くするルミちゃん。今にも怒髪天を突きそうな勢いだ。
「くくっ、まんまと引っ掛かったわね。美少女戦士ルミ。犬も食わない、人のラブラブ喧嘩を勝手に止める、その存在は目障りよ。我々がここでお前を倒してあげるわ」
 放たれた数発の弾丸を手袋でガードしたルミちゃんに摩那がその場のノリで出た言葉を突きつける。本人曰くは「作戦だ」らしいが……。
(「趣味だろう」)
 ユウをはじめ何人かがあの時心の中で突っ込みをいれずにいられなかったと後に語ったとの噂だ。
 とにもかくにもそれにルミちゃんの怒りが大・爆・発!!
 周りを見回し他にも飛び出してきた能力者達を確認して啖呵を切る。
「女の子すら巻き込んで悪の組織を作った男共め! もう本気で怒ったわよ!!」
 ピンチになるまでもなく本気モードにさせたようだ。
「……本気か。いいぞ。こっちも…準備完了だ」
 黒燐蟲が宿った呪髪の奥で耶神の赤い瞳に闘志が見える。
 あずきと真グレートモーラットのアサリがヤドリギの絆で結ばれ、スカルロードのゆきとが沙夜の援護で前に詰める。
「ふはははは、お前の怒り、俺がしっかと受け止めてやる」
 笑う護の頬には虎縞模様が浮き上がり戦いの準備は整った。
「ゆきちゃん、頼みます」
 ゆきとが振り下ろす大鎌にルミちゃんの気がそれた隙にエロイーズも距離を取り直し狼の力を我が物とする。
「のこのこ集まったわね! ルミちゃんのすごさ見せてあげるっ」
 前衛後衛の配置取りを単純にそう評してルミちゃんは気合と共に両腕をばっと広げる。
 同時に彼女を中心に巻き起こった衝撃が近くの者達に見えない巨大な塊となって襲い掛かる。
「もきゅー!」
「くぬっ……」
 それぞれにダメージを受けアサリと護が風圧に押し下げられる。が同じ方向に吹き飛んだのはちょうどいいとばかりに護の傷を癒すアサリ。
「さすがアサリだね。転んでもただでは起きぬ根性って! 自分の傷も気にしなきゃ駄目だよ!!」
 結構ギリギリっぽい自らの相棒に慌ててあずきが回復を施す。
 その間にも開いた前線には火穂とユウが入って激しい攻防が繰り広げられる。
「ルミちゃん、あなたのやってることは間違ってます」
 至近距離から放たれる火穂の呪殺符と拳が交錯する。
「よかれと思ってやってるんだろうけど被害は出させるわけにはいかないんだ」
 蒼夜の雷を纏った弾丸がルミちゃんの動きを一瞬止める。。
 それをこなくそ!と打ち破って次に飛来したエロイーズの破魔矢をルミちゃんはギリギリガード。
 どっこいさすがに後ろへの注意がそれたところに沙夜のガンナイフKAGUYAから放たれた雑霊の圧縮弾が赤いマフラーに穴をうがつ。
「あ、こらぁ!」
 衣服に穴が開いて抗議の声を上げるルミちゃん。
「…油断、大敵だ……今すぐ目ぇ覚ませえッ!!」
 ユウの指先がそっと額に触れた瞬間、ルミちゃんの体内で気が傍若無人に暴れまわる。
「お、ぐぅっ。このH男ーっ!!」
 痛みより触られた事に怒ったのかすぐさま反撃の空気弾が、今度はユウの額に叩き込まれる。
 強烈な一撃に首ががくんと後ろに反れ、その勢いで半回転して倒れこむ。
(「やはり強敵じゃのぅ」)
 遊具や木々の影を利用し相手の死角に回るエロイーズは攻撃のタイミングこそ減少するが今回はそれもやむ無しと移動と射撃をしっかりと繰り返す。
「何回吹き飛ばされても私達はあきらめないわ」
 その一方で前線は激しく入れ替わりながら常に攻撃が行われる。
 摩那の武器に宿った魔氷が牙となりルミちゃんの衣装を切り裂く。
「こちらもそろそろ……本命だ。避けられるか?」
 耶神の妖気が紅蓮の炎となって燃え上がりルミちゃんの頭上から振り下ろされる。
「その年でカツラ使うような男なんかにー!!」
 ダメージを受けながらも本当にそうだったら心に傷を負いそうな暴言を吐くルミちゃん。戦意はまだまだ衰えていないようだ。
「く、だがこれは……」
 何度も攻撃を引き付けぼろぼろになったその身を今一度虎紋覚醒の力で奮い立たせながら護の脳裏に一抹の不安がよぎる。
 遠距離からの回復に専念しているのはあずきだけだがそれは先ほど尽きたところだ。
「ゆきちゃん!!」
 沙夜が使役ゴーストを癒す奥義でゆきとの傷を消すがその力は仲間を癒すことは出来ない。
 エロイーズはそのままずっと射撃に徹している。
 が、それ以外の者達には前線を埋めるという高すぎる意識があった。結果として衝撃波によって傷を受ける人間が増え過ぎている。
「ルミちゃんフルパッゥワーー!!」
 あちこちボロボロになりながらも今日一番の叫びと共に暴風雨のような衝撃が巻き起こる。
「間に合って……わぁっ」
 せめて目に付いた仲間を癒すべく栄養剤を投げた火穂が、耶神、アサリと共に吹き飛ばされる。
「火穂お姉ちゃん!」
 ドリンクで傷を癒された蒼夜の叫びに微笑んでから火穂は意識を手放す。アサリもあずきの足元近くまで転がり消滅していく。
 あまりの事に一瞬公園に静寂が訪れる。
 打ち破ったのは血肉通わぬ蓋骨の上げた振るう大鎌の風きり音。
「もう後がないのじゃ攻めきるのじゃ!」
 今までと一転して姿を現したエロイーズが動揺を誘うべく突っ込むがルミちゃんの空気弾が小さな身体に叩きつけられ悶絶する事になった。
 だがエロイーズの言葉は真理をついている。もはやここは攻めきるしかない。
「水鏡、流渦討つわよ」
 すでに癒される事のない身である摩那が両手の武器に宿らせた魔氷をルナちゃんが受け止める。
「アサリのがんばりに答えさせてもらうんだよ」
 あずきの言葉に従って生い茂る茨がルナちゃんの足を絡める。
「今、汝をメガリスゴーストより解き放つのじゃ」
 傷ついた仲間の姿に小さな怒りを混めた沙夜の雑霊弾が夜を切り裂いてルミちゃんのど真ん中に着弾する。
「きゃぁ───っ!!」
 そしてそれが決着の一撃となった。
 こちらにも相応の被害を出したがルミちゃんはついに大の字に倒れたのだ。

●さよならルミちゃん。おはようルミ
「ひどい目にあったのじゃ」
「……がんばってくれたんだな……」
 ぽんぽんと埃をはたいて立ち上がるエロイーズに向かって何とか上体を起こしただけのユウが苦笑する。
 それを助け起こしながら護がルミちゃんのすぐ傍に落ちた、マフラーが縫い付けられたボロボロのロリータ衣装に視線を向ける。
「舞台とかで使ってたのかしらね?」
 とりあえず着ていた服が脱げたわけではなくルミちゃんは幾分大人しい感じのロリータファッション姿になっている。
 それを見て一安心する摩那の言葉に当のルミちゃんは弱々しく空に向かってつぶやく。
「女の子達を助けてあげられるはずだったのに……」
「ごめんね、大丈夫?」
 あずきが遠慮がちに声をかけると、ルミちゃんも迷った挙句答える。
「不思議と身体は痛くない……」
「ルミ様の傷は心、にあるのでしょう」
 沙夜の言葉が確信をついた。当然だ、天女の羽衣のメガリスゴーストの力を得た女性なのだから。
「その痛み悲しみを味合わせたくないのかもしれないけど当人同士の問題に他人が入ると余計こじれることがあります。そしてルミさん…あなたの痛みも当人の問題なのです」
 いつの間にかあちこち擦りむいて血だらけ、立つのもやっとの火穂が耶神に手伝われやってきていた。
 不思議そうに見返すルミちゃんに火穂が苦笑いする
「経験談」
 そっけなくそう付け加える。
(「うまくいってるのかな?」)
 何かが和らぐ雰囲気を感じながら蒼夜はメガリスゴーストの衣装を預かると皆から離れてそれを破壊する。
「手袋が……」
 同時にルミちゃんのボロボロの武装も完全に消滅していく。
「まあ、それも無くなったし人のアレコレに首を突っ込むのはやめることだ。小さな親切大きなお世話となりかねんぞ?」
 耶神の言葉を聴きながらルミちゃんは手の平を見つめている。
「それでももやもやするなら正しく暴れるのが一番だ。俺ならいつでも付き合ってやるぜ」
「なに、いざとなったら男などぽいじゃ。女性同士の道だってあるのじゃ!」
 護とエロイーズが多少独創的なアドバイスを送るとルミちゃん、いやルミはなんて変な人たちだろうとくすくす笑う。
「……とにかく他人の問題よりまずは自分自身の事を心配する方が大切だと俺は思う……」
 ユウが最後に言うとルミはそっと上半身を起こす。彼女の顔には生気があった。
 怪我人も出たが依頼は達成されたのだ。
 もっとも、そんな公園の傍を鉄パイプらしき何かを抱え失恋の涙を堪えて走る少女がいた事は誰にも知られる事がなかったという。
「ん? 今誰か通ったかしらね。長居は無用ね」
 摩那がポツリとつぶやく。

 ああ、どうか全ての恋する少女に幸あらん事を!!


マスター:九部明 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:9人
作成日:2009/04/13
得票数:楽しい15  笑える3  カッコいい1  知的1 
冒険結果:成功!
重傷者:鳳凰院・火穂(鳳雛姫・b31770)  ユウ・メルフィージ(金煌虎が奮迅鬼・b59264) 
死亡者:なし
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