オレンジorブラック


<オープニング>


 新しくオープンした郊外型ショッピングモールがあった。
 大型スーパーマーケットとアウトレットショップをキーテナントとして、家電・飲食・遊戯施設など、あらゆる小売業が集まった場所である。
「あれ? おかしいわね?」
 その中の一店舗、スイーツの専門店で店員が首をかしげていた。
 陳列するはずのチョコレートの数が足りないのだ。
 伝票をチェックし、何度も数を数えてみるものの……あれ? また少なくなっている。
「おかしいわね……店長に聞いてみよう」
 店員は隙をみて、そのチョコレートをいただいている白いふわもこには気づいていないようだ。

「え、えっと……ゴーストがあらわれました……」
 栗栖・優樹(小学生運命予報士・bn0182)はゴーストが現れたと言うが、彼ががんばって描いてきたスケッチブックのイラストは、なんだか見覚えあるものだった。
 ふわふわもこもこな、あいつ。
「モーラットです……」
 たしかに妖獣だし、パチパチやられると普通の人はたまったもんじゃないけど……。
 どうやら、モーラットが最近オープンしたショッピングモールに紛れ込んで、いたずらをしているらしい。
 おもに、モーラットは食べ物などを物色して、つまみ食いをしているようだ。
 放っておけばいろいろ問題もあるので、このショッピングモールに出向いて捕まえてきて欲しいと優樹は言う。
「え、えっと……スイーツ? おかしとかのお店ですかね……このあたりに、モーラットはいるようです……」
 甘いものが好きなのだろうか。
 モーラットはスイーツショップなどの周辺をうろついているようだ。
 能力者達がいれば近づいてくると思うので、一般の人に見つからないように捕まえてほしい。捕まえたあとは、甘いものをあげて、バスケットにでも入れておけば大人しくしてくれるだろう。
「え、えっと……四月十四日はオレンジデーっていうみたいで、オレンジのスイーツとかが今売り出し中みたいですよ」
 優樹がショッピングモールのチラシを広げる。
 二月十四日はバレンタインデー、三月十四日はホワイトデー、そして今月十四日は……バレンタインデーにチョコレートを贈り、ホワイトデーにお返しをして仲を深めたカップルが、その愛情を確認しあうために、オレンジやその色をした贈り物をする日である。
 が、まだ認知度は低く、ただいま絶賛PR中といったところ。
 でも、この機会に銀誓館学園で仲を深めた二人が……ぐしゃ。
「あ、すみません。無意識に……」
 白河・アイリス(高校生呪言士・bn0084)がチラシを握りつぶしていた。
「オレンジデー? 私には関係ありませんけど」
 そこで一つ、アイリスが提案する。
「四月十四日はブラックデーでもあります」
 この日は、お隣の国でブラックデーとして親しまれている。バレンタインデーにチョコレートをあげれなかった人、ホワイトデーにお返しできなかった人……寂しい人同士が黒い服を着て街に出向き、チャジャン麺を食べてお互いをなぐさめ合うという日なのだ。
 さすがにここでチャジャン麺はないので、寂しい人同士でカフェに集まってブラックコーヒーを飲んで傷をなぐさめ合わないか、という提案。
 あなたはオレンジ? それとも、ブラック?

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参加者
風見・玲樹(の弱点は虫・b00256)
篠田・春一(空を見上げるワンコ・b01474)
環薙・紅吏(夢見花の奏刃・b02220)
柳・深龍(翠龍・b19303)
天領・ハルナ(絞殺連鎖・b34157)
森屋・虎狐(こねこねこ・b42451)
奇亜求・清和(光影の七星軍曹と白にして天雷・b46167)
釣・克乙(風来坊・b52353)
待雪・氷雨(一陣の黒き疾風・b54355)
紫焔・黒夜(宵闇の刃・b56467)
NPC:白河・アイリス(高校生呪言士・bn0084)




<リプレイ>

●ショッピングモール
「ここかァ、スイーツのフロアは」
 篠田・春一(空を見上げるワンコ・b01474)が案内板を確認すると、そのフロア一角を見渡した。
 そこは様々なスイーツショップがあり、少し歩くだけでも甘い香りが漂ってくる。
 春一はスポーツバッグを開く……中にはバターたっぷりのカップケーキとクッキーが入っており、周りに負けないくらい、おいしそうな香りを放った。
「ボクも準備しなきゃね」
 待雪・氷雨(一陣の黒き疾風・b54355)と森屋・虎狐(こねこねこ・b42451)もベンチに腰掛け、バスケットを開いた。もちろん、中にはクッキーやチョコたっぷりのお菓子がたくさん。
「氷雨先輩の手作りなんですね。おいしそうです……」
 虎狐はその中からクッキーをつまんだ。
 おいしそうな見た目と甘い香りが誘惑なって、辺りに流れ出していく。
「甘いものは苦手なんだ……バレンタインは町を歩くだけでも辛かった」
 そんな中、紫焔・黒夜(宵闇の刃・b56467)は憂鬱な表情をしていた。
 そもそもあのべたつく甘さが……と、洋菓子について何か愚痴をこぼしている。
 黒夜の服装は黒い服であったが、これは普段の服装でもあった。
 他にも、黒い服を着た者達がいる。
「ああ、みんな幸せそうですね」
 この後、もう二回同じ言葉を繰り返す天領・ハルナ(絞殺連鎖・b34157)。
 黒のチャイナドレスに漆黒の髪を上げて団子状にまとめ、シニョン・キャップでとめている。
 ……はぁ。
 なぜか、ため息しか出ない。
「なんで同じ日に正反対のイベントが重なってるんだろうね」
 ……はぁ。
 風見・玲樹(の弱点は虫・b00256)も、ため息一つ。
 西洋貴族みたい真っ黒なゴシックウェアで、ダークな雰囲気をより一層強調している。
「べ、べつに、うらやましいなんて思っていませんからね……」
 ……はぁ。
 白河・アイリス(高校生呪言士・bn0084)も心の奥底から、嘆息を吐き出した。
 黒いゴシック・アンド・ロリータな服の彼女。
 表情にも黒い何かが浮かび上がっていた。
 オレンジデーに沸くモールと大半の能力者達。
 ブラックな数人は、特殊な雰囲気を漂わせながら、その後をついていくのであった。

●作戦実行
 野良モーラット捕獲任務が進行した。
 能力者達はお菓子による誘き寄せ作戦を実行。
 柳・深龍(翠龍・b19303)と環薙・紅吏(夢見花の奏刃・b02220)は周囲を見回しつつ、ターゲットの出現を待っている。
「俺もペットキャリー持ってきましたから、これで捕まえましょう」
 釣・克乙(風来坊・b52353)はペットキャリーにお菓子を入れて、作戦の準備をしていた。
「しかし、オレンジやらブラックやら、いろんな日があるんですね……」
「うきゅきゅ〜♪」
 克乙がオレンジデーにまつわるスイーツを見ていると……お菓子入りペットキャリーを置いたベンチの裏側に、見慣れたふわもこがあった。中に入っているお菓子を取り出そうと、必死に手を伸ばしている。
「……」
「……きゅ?」
「微妙な場所にいるな」
 黒夜もそのふわもこを確認した。
 仲間に知らせようとするが、そうする間にモーラットは取り出したお菓子をくわえて逃げ出そうとする。
「僕の手作りのお菓子だよ。これをあげるからこっちへおいで」
 それに気づいた玲樹が手作りクッキーを餌に、モーラットを呼び止めた。
 すると、モーラットは動きを止め、振り向く。
「同じお菓子ばっかりで飽きたでありましょう。こっちの方がうまいでありますよ」
 奇亜求・清和(光影の七星軍曹と白にして天雷・b46167)もチョコレートのお菓子で誘惑。虎狐もつまんだクッキーをモーラットにチラチラと見せて攻撃(?)する。キョロキョロと能力者達が手にするお菓子を見定めるようにするモーラットだが、ふと後ろを向くと、勢いよく走り出した。
「あっ!」
 追いかけようとするが、モーラットが走りこんでいったのは、さりげなく置いてあるスポーツバッグの中。
「捕獲完了ッと。コレ、あっちのバスケットに入れといてよ、な」
 春一がカップケーキをおいしそうにほおばっているモーラットを捕まえると、瀬崎・直人に渡した。ちょっと撫でたりモフったりしつつ、氷雨の用意したバスケットの中に。
「いっぱいお菓子あるからね」
「うきゅ♪」
 喜んで中に入り、お菓子を両手いっぱいに抱えるモーラット。
「こいつは和菓子は食うだろうか。一応、持ってきたんだが」
 黒夜がモーラットに和菓子を与えてみる。
 クンクンとにおいをかぐと、一口かじり……あっという間に平らげるモーラット。
 まだないのかという目に、持って来た和菓子を全部バスケットに入れる黒夜。
「イタズラなんかしちゃだめだからね。さ、一緒に帰ろう♪」
「しばらくの間、おとなしくしていてくださいね」
 玲樹もクッキーを中に入れ、克乙はモーラットの頭をそっと撫でると、バスケットを閉じた。
 いたずらモーラット捕獲任務、完遂。

●オレンジデー:黒夜と朔羅の場合
 さて、ここからが本番。
 能力者達は甘い香りが漂うフロアで、思い思いのひと時……それぞれのオレンジデーを楽しむ。

「……甘党の人間には天国なんだろうが、俺にとっては悪夢の世界だ」
 ぼそっと独り言をつぶやいた黒夜に、スイーツショップのメニューを覗いていた紫焔・朔羅が振り向く。
「いや、何でもない……たしか、ここで売り出し中のスイーツはオレンジのスイーツらしいぞ」
 平然を装っている黒夜に、朔羅はくすりと微笑んだ。
 ……ばれてるか。
 注文したスイーツはオレンジのケーキ、タルト、ムース……まさにオレンジずくし。
 おいしそうに食べる朔羅を、黒夜はコーヒーを飲みつつ眺めている。
「黒夜義兄さまも食べないんですか?」
「あ、そうだな……」
 甘いものは……でも、かわいい義妹が微笑んでいるし。甘さをコーヒーの苦さでごまかしつつ、一緒のケーキを食べる黒夜。
「……朔羅が喜んでいるなら、よかったな」
 注文した大半のスイーツは朔羅が食べたが、その満足そうな表情に、黒夜も笑みを漏らした。

●春一と直人の場合
 春一と直人が向かったのは、お洒落な雰囲気漂うカフェ。
「な、瀬崎チャン。コレも美味そうなんじゃ無ェ?」
 メニューを覗きながら、オススメというオレンジのムースやタルトを注文。
 直人は運ばれてきたオレンジなスイーツに目を輝かせた。
 スイーツを口にしつつ、二人はプレゼントの包みを取り出す。
 春一が用意したのは、白とオレンジの地にと赤、青のラインが入ったベッドシーツと枕カバーのセット。
 それぞれの気持ちを交換し、それを確かめるように袋を開ける二人。
「瀬崎チャンはどんなのかなァ」
 包みを覗く春一の目に入ってきたのは……どこかで見た色と柄。
「ッて何でネタ被ってんだ! てめーとお揃いかよ……ッたく」
 思わず噴き出す二人。
 お互いに同じものを贈り合った二人。
 それは、互いの気持ちを知り尽くしているから、といえるだろうか。
「……これからもよろしく、な? 相棒!」
 オレンジのスイーツに舌鼓を打ちながら、二人の時はゆっくりと過ぎ去っていくのだった。

●深龍と紅吏の場合
 紅吏は深龍を誘い、ケーキ屋に入った。
「それにしても、オレンジデーって、あまりなじみがないわよねぇ」
「俺も知らなかったけど、いろいろ調べてみたんですよ」
 深龍のインターネット情報を、紅吏は耳を傾ける。
「隣の国では来月がローズデーで、六月十四日はキスデーがあるらしいです」
「え……き、きすでー!?」
 おもわず力を入れて説明し、紅吏はちょっと照れた。
 二人は席に案内されると、テーブルが埋まるくらいのスイーツをオーダー。
 紅吏は運ばれたスイーツをおいしそうに口に運ぶ……が、フォークをとめると、深龍のテーブルの前に運ばれたオレンジのケーキじっと見る。
 それに気づいた深龍は、一口分とり分けると、彼女の口元へ……。
「え、食べるの……!?」
 ちょっと恥ずかしけど、食べてみたいという欲求が口を開かせる。
 赤面しつつも、「あーん」とばかりに差し出されたケーキを口に運んだ。
「あ、あたしのもいる?」
「じゃぁ、食べさせてもらえませんか?」
 皿を渡そうとした紅吏だが、深龍も同じことをご要望。
 そんなこと……恥ずかしさとの葛藤。
 しばらく硬直した紅吏は、一口分ケーキをとると、恐る恐る彼の口へ……。
「おいしいです」
 その言葉に胸が爆発しそうになる。

 スイーツを堪能し、二人は買い物に出かけた。
「オレンジデーって、恋人同士で愛を確かめ合う日なのよね」
 アクセサリーショップで携帯電話のストラップを見ている深龍の耳元へ、紅吏が唇を近づける。
 誰にも聞こえないように、小さくささやいた。
「(りゅー君、大好き。好きにさせてくれてありがと)」
 甘い吐息を耳に感じる。
「俺も大好きです、紅吏さん」
 ちょっと声が大きいよ……紅吏の心臓はずっと高鳴りっぱなしだった。

●氷雨と虎狐の場合
 氷雨と虎狐はオープンカフェに立ち寄った。
 虎狐はせっかくのオレンジデーということで、オレンジのケーキを注文。
「氷雨先輩、どうしたんですか?」
 氷雨は店員と何やらオーダーについて話しこんでいる。
「あ、ちょっとね」
 先に運ばれて来たオレンジをふんだんに使ったケーキを口にしつつ、談笑する二人。
「あ、氷雨先輩。ほおに……」
「え?」
 虎狐が手を伸ばすと、彼のほおについたクリームをぬぐった。
 手にとったクリームを口に運び、ペロリと食べる。
 さすがに直接は……恥ずかしさで、ほおを赤らめる虎狐。
「ありがとう。虎狐のケーキも気になるな」
 え、こんなオープンな場所で……もしかして、あーんっていうあれを!?
 氷雨はにっこりと微笑むと、大きく頭を縦に振った。
 お互いにケーキをフォークでとり、それぞれの口元へと交差させるようにもっていく。
 そこへ、さらなるカップル専用アイテムが運ばれてきた。
 オレンジジュースに、二本のストローが交差してハートマークのようになっているのが刺さっている。
「こ、これを飲むんですか……」
 グラスは小さく、ストローに顔を近づけると……息さえも感じられる距離で、自然と目と目が合う。虎狐は視線を下ろし、少しうつむき加減に恥ずかしさをごまかした。
 誰から見ても甘い、スイートなカップル。
 二人は心行くまでオレンジデーを堪能するのだった。

●清和とフェイラの場合
 清和とフェイラ・ノースウィンドは、近場のスイーツショップでオススメというオレンジのタルトを注文した。
 店員の説明によれば、オレンジは結婚と深い関係があり、多産の象徴でもあるという。
 そして、「純粋」「愛らしさ」「花嫁のよろこび」という花言葉を持つ。
 お互いの愛情を確認しあうという点では、ぴったりだ。
「なるほど、それでオレンジなんだな」
 清和は説明を聞きつつ、オレンジのタルトを口にする。
「うむ、おいしいな」
「シトラス系のデザートは、すっきりした感じがおいしいですよね」
 談笑しつつ、甘いひと時を過ごす二人。
「これならば、もう少しオレンジデーも大きくやればいいと思うな」

 いまいち認知度不足なオレンジデーだが、その意味を理解すれば、ホワイトデーに並ぶ記念日となるかもしれない。もちろん、来年もこうしてお互いの気持ちを確かめるために……オレンジは心を繋ぐアイテムとして、重要なものとなるだろう。

●ブラックデー
 一方、ある種の黒いオーラを漂わせている一部の能力者達は、カフェの隅に集まっていた。
 テーブルにはブラックコーヒーと、ビターなチョコレート。黒尽くし。
「幸せそうですねー……幸せそうですねー……」
 ハルナはオレンジなカップル達の背中へ、射る様な視線を浴びせると、ぶつぶつとつぶやきながら、チョコレートを少しずつ崩しながら食べていた。
 ……随分、しょっぱいのは気のせいだろうか。
「……私も恋人がいないわけではありません……彼が恥ずかしがり屋で、モニターの中から出てこないだけなんです……」
 アイリスも涙で味付けされたチョコを食べている。
「……ああ、そういえばアイリスさんとは初対面でしたね。初めまして、よろしくお願いします」
「……こちらこそ、よろしくお願いします」
 二人とも周波数が合うのか、どこかうつろな目で、ぼそぼそと会話していた。
「僕なんてさぁ、もうモテて困っちゃったね。貰ったチョコなんて数え切れない程でさぁ! それに、LOVEって書いてある大きなハートのチョコまで貰ってさぁ! もう、モテる男は辛いねぇー! ホワイトデーのお返しが大変だったよ♪」
 玲樹はバレンタインデーのことを、自分がさもモテているように話すも……貰ったチョコなんて義理だし、ラヴな字なんて自分で作ったんだし、ホワイトデーは全部三倍返し……結局、恋人なんていないわけで。
 どんどんむなしくなる玲樹はコーヒーに手を伸ばすと、それを一気に飲み干した。
「飲まずにやってらっれかー! オレンジデーなんてオレンジデーなんて! うわ〜ん!」
「私達はオレンジデーを仕掛ける企業の魔の手から逃れた、と考えましょう……」
「そんな記念日、なくなればいいですよ……」
 黒い三人の中に、唯一、普通のオーラを漂わせている者がいた。
 釣・克乙。
 この中で、唯一の良心である。
 砂糖の入っていないブラックコーヒーを口に含みつつ、オレンジな人々をうらやむことはせず、自分と使役ゴーストに繋がった運命の糸を例に取り、慰めの言葉をかけた。
「皆さんにも、いつかきっと縁(えにし)の糸が繋がる相手が現れると思います」
 こうしてブラックデーをきっかけに集まったのも、何かの縁かもしれません……克乙はカップを静かに置くと、仲間を見渡した。
 何かのきっかけが、出会いとなることもあるのだ。
「……そういえば、来月十四日はイエローデーらしいです」
「え? 何それ!?」
「その日まで恋人がいない人は黄色い服でカレーを食べないと、ずっと恋人ができないという……」
「そ、そうか……僕に恋人ができなかったのは、その日にカレーを食べなかったせいなんだ!」
 ちなみにこの日、カップルはローズデーとなり、バラを贈り合ってデートをする日でもある。
 玲樹がその日、バラを手にしているかスプーンを手にカレーを食べているかは……彼の努力次第。
「まぁ、隣の国の風習ですから……」
「そうですよ、そうですよ……そんな人を不幸にする記念日なんて……」
「六月はキスデーだそうです……」
「それを口実に堂々と……何て破廉恥な……」
「これ以上は怖くて言えません……そういうのが一年中続くんですから」
「まだ知られてないだけ、日本は平和なのですね……」
 はぁ……ハルナはすっかり冷めたコーヒーを口に含んだ。
 ……苦い。
 いろんな意味で。
 この苦さを分かち合い、お互いの傷をなぐさめあうブラックな能力者達。
 彼らが幸せになるのは、いつの日であろうか……。


マスター:えりあす 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2009/04/27
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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