ヒトカタアソビ


<オープニング>


 硝子の向こうに潮騒が聞こえる。
 月光が差し込む広間に飾られた少女人形。
 レースが可憐なベビードールを着せられ、ベルベッドのカウチソファに腰掛けて。
 周りを飾るのは真紅の薔薇。ちらちらと揺れるキャンドルの炎。
 それを正面から恍惚とした表情で眺める美女。
 細められた紫水晶の瞳、月光を弾く長い銀髪。
 そうしてしばらく鑑賞していたが、唐突に表情が消えた。
 なまじ元が整っているだけに無表情と言うだけで恐ろしささえ感じられる、氷の様に冷たい顔。
 女はヒールの音を響かせ、人形の元へ歩み寄った。
 そして、人形の細い腕を掴み。
 力任せに引き千切った。
 何かが切れる耳障りな音がして、女は忌々しげにその白い腕を放り捨てた。
「アシル、アシル!」
 女が名を呼ぶと、隣の部屋からスーツを着た初老の男性が恭しげに現れる。
「は。如何為されましたか、ヴィオレッタ様」
「肩口が腐り始めていたわ、新しいのに挿げ替えて頂戴」
 千切られた内側から見える素材は綿でも空洞でもなく、肉。
 それは人形ではなく、人間の身体。
 人形を良く見ると、至る所に継ぎ接ぎされただろう縫い目が見えた。
「かしこまりました」
 アシルは一礼すると、現れた時の様に下がっていく。
 それに構わず、ヴィオレッタは少女人形の横に腰掛け、蝋の様に白い頬を撫でた。
「美しくなくっちゃ、ねぇ?」

 逆井・理人(中学生運命予報士・bn0216)は自身の肩を抱き、青白い顔で待っていた。
「……済みません、少し寒気がして」
 目を開け、貴方に気付くと手に込めていた力を緩める。いつもの笑顔は無かった。
「今回の敵は見えざる狂気に侵された貴種ヴァンパイア。そして任務はその拠点に踏み込み、捕縛して来る事です」
 海岸線の崖の上に建っている古い洋館。
 そこを住処としている貴種ヴァンパイアと七人の従属種ヴァンパイア。
「貴種であるヴィオレッタという女性の指示の元、アシルと言う男性を含む七人の従属種が、人間の少女を加工して……人形を作っているのです」
 何体も作っている訳ではない。
 球体間接人形の様に四肢をバラバラにし、美しいパーツのみを使い唯一体の人形を作り上げている。
「どこか一部分でも気に入らない所を見付けると、新しく繋ぎ直す様です。……そしてその為の素材として、二人の少女が囚われています」
 洋館は地上二階、地下一階で海を背にして建っている。周囲は鬱蒼とした森で、一般人は寄り付かない。
 二階には大広間と控え室、客室など。一階には食堂やサロン。地下には複数の小部屋がある。
 吹き抜けのホールになった玄関の正面に大階段。そこを上がった目の前の扉の奥に大広間。地下への階段は大階段の裏側だ。
「囚われている少女は地下室の小部屋。分けて閉じ込められていて、各扉の鍵は地下の見張りをしている二人の男性がそれぞれ所持しています」
 その他のヴァンパイアの配置は、ヴィオレッタが二階の大広間。その横の控え室にアシルと二名の女性。そして館の周りを二人の男性が見廻っている。
「まずは見廻りの二人にどう対処するかですね。森の中には隠れる場所は多いですが、相手にも地の利があります」
 上手く奇襲出来れば容易に館へ入る事が出来るだろう。
 逆に相手に先に気付かれてしまったり、戦闘が長引くと館内のヴァンパイア達に気付かれてしまう。
「相手に気付かれたり、戦闘の途中で逃げられたりすると、玄関ホールで全員と一度に戦う事になるでしょう」
 相手の人数が多い為、それは避けたい所である。
「また少女達を先に逃がすか、後で救出に行くかはお任せします」
 人形に損傷が出るまでは殺されないであろうし、さすがに戦闘中に施術し始めるといった事もないだろう。
「一番にお願いしたいのは、ヴァンパイア達の捕縛です。討伐ではありません……が相手は殺す気で向かってくるでしょう。なので、やむを得ずと言った場合は仕方がありません」
 そして捕縛したヴァンパイア達は銀誓館学園縁の者が回収に向かうので、貴方は任務を終えたらそのまま帰還すれば良い。
「敵も強く、注意する事も多い危険な任務です。どうか、気を付けて。――御武運を、祈っています」
 そう言って理人は深く深く頭を下げた。

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参加者
棗・柚榛(緋色夜叉御前・b00918)
黒峨・ピートフーイ(毒鵙・b17735)
楢芝鳥・俊哉(新人な図書室の主・b20054)
早乙女・陽菜(落書女帝・b32003)
遙・蘭(漆黒の月狼・b37605)
巫名・芹(夕暮れに歌う蒼の独奏者・b40512)
山縣・恭介(爪弾き・b44676)
ファルチェ・ライプニッツ(悠久の幻奏・b46189)



<リプレイ>


 月の明るい夜だった。木々の向こうに潮騒が聞こえる。
 森の中は鬱蒼と暗いが、ファルチェ・ライプニッツ(悠久の幻奏・b46189)がヤドリギの力を使い先行する事で歩きやすい小路を作る事が出来た。
 足元を照らすランプ。音を立てない様、慎重に館を目指して進む。
 しばらく歩けば、木々の間から館が見え出した。
 別荘らしき建物。長い間放置されていたのか、外観はひび割れたり蔦が這ったりと老朽化している様に見える。
「随分と貧相な家だな。貴族とは言っても所詮口だけ、か」
 その様を見て黒峨・ピートフーイ(毒鵙・b17735)が小さく零した。
「(……あっ、居たよ!)」
 館の周囲を見回した遙・蘭(漆黒の月狼・b37605)が声を潜めて仲間へと告げる。
 示した先には男の姿が二つ。手にはそれぞれの得物を持っている。
「それでは、僕達の出番ですね」
 楢芝鳥・俊哉(新人な図書室の主・b20054)が呟き前へ出ると、巫名・芹(夕暮れに歌う蒼の独奏者・b40512)も頷いてそれに続く。
 二人の身体は、前に倒れ込む様に小さくなって。次の瞬間には二匹の猫がそこに居た。
 俊哉と芹、二匹の猫は低木に隠れながら見廻りの男達へと近付いていった。
 二人の合図を待つ為に棗・柚榛(緋色夜叉御前・b00918)達はその場に隠れたままで待機する。
「隠れるのはあんま得意じゃないのよ。ドコにいればいいのかしら?」
「気付かれてませんから……このままじっとしていれば多分大丈夫ですよ」
 少し落ち着かない様子の柚榛に山縣・恭介(爪弾き・b44676)が声を掛ける。
 この奇襲は成功させたい。
「さて上手くいくかな?」
 早乙女・陽菜(落書女帝・b32003)は草木の影からそっと見廻りの方を覗いた。

「どうかしたか?」
「…………。否、何でもねぇ」
 突然立ち止まった相方に、鎖付き棘鉄球を持った金髪の男が振り返る。
 チェーンソー剣を持ったスポーツ刈りの男はそう答えるも、何かを探す様に辺りを見回した。
「何か居たか?」
「……何か動いた気がしたんだが」
 気の所為だったかもしれん、と視線を前に戻す。
 そして、歩き出そうとした時だった。
「「にゃー!」」
 叫ぶ様な猫の声。
「「イグニッション!」」
 起動を叫ぶ男女の声。
「……なっ」
 突然の出来事に、男達は動けなかった。


「今よ、みんな、突入!」
 陽菜の声と共に、待機していた六人が茂みから飛び出す。
 一番接近していた芹と俊哉も猫変身を解いて一気に距離を詰める。
 芹がスポーツ刈りの男へ炎の魔弾を撃ち込み、俊哉が二人纏めてスラッシュロンドをお見舞いした。
「ナツメ、行くよっ!」
 蘭が相棒である真蜘蛛童のナツメを従えて、スポーツ刈りの男へと標的を定めると次々に弾丸が撃ち込まれる。
 ナツメも負けじと猛毒を秘めた顎で噛み付いた。
「……っく、何だ、此奴等……!」
 従属種達は突如現れた外敵に対して攻撃を返す事が出来ずにいた。
 その間にも追いついた者達、そして後方からの攻撃が続く。
 柚榛のフェニックスブロウ、恭介のヘビィクラッシュを受けた所でスポーツ刈りの男はがくりと膝を突いた。
「……ッチ」
 倒れた相方の姿を見て金髪の男が舌打ちをする。しかし多勢に無勢、現状彼には為す術がない。
「さあ、痺れちゃいなさい!」
 陽菜が放った雷の魔弾。何とか直撃を免れるが、隙をついたピートフーイの暴走黒燐弾に捕らわれる。
 畳み掛ける様にファルチェが作り出した光の槍が男の胸を貫いた。
「か、はっ……」
 その勢いの侭、後ろに倒れていく身体を見てひとまず終わりかと息を吐いた瞬間。
 男は踏み止まり、腰に下げていたトランシーバのスイッチを押した。
「ッ……凌駕した!?」
 驚きの声が漏れる中、素早く踏み込んだ柚榛が斧を振るって男の身体を薙ぎ倒す。
 男の身体は今度は途中で動き出す事もなく、青い草の上に倒れ込んだ。腰のトランシーバからは耳障りなブザー音が流れていた。
「……全面戦争、か」
 蘭が小さく呟くと、ピートフーイが微かに笑った。
「面白くなってきたじゃないか」
 全員の視線が、館に向けられた。
 こうなったら難しいことを考えるのは終わりだ。
 行くしかない。


 重厚な観音開きの扉を開くと、正面の大階段にその女は立っていた。
 銀の髪、紫の瞳、肘まで被う黒手袋、紫黒のイブニングドレス、同色のハイヒール。
「……あら、奇襲があったと聞いたけど。こんなお子様達だったなんて」
 ヴィオレッタはそう言うと、片手に持つ鋼の薔薇へ口付けた。
 女より数段低い位置に初老の男、アシル。一階ホールにはスーツを着た男が二人と、ヴィクトリアンメイドの格好をした女が二人。
「あら、そっちこそいい年してお人形遊び、なんて。はっきり言って、趣味悪いわよ?」
 柚榛は斧を構えて挑発的にヴィオレッタを見上げる。相手は小さく笑うに留まった。
「ともあれ、人を使った人形遊び……そんな非道な事絶対許せません」
 そう告げるファルチェの周囲にコアが喚び出される。
 続く様に、魔弾の射手やライカンスロープ等で各々が自己強化を図った。
 眼前の敵と全力で戦う為に。

 おさげ髪の女と短髪の女が吸血グローブを構えて踏み込んでくる。
 二人の狙いは前列に立っている芹の様だ。
「そう簡単には……させませんっ」
 芹は一人目の大振りな一撃をかわし、二人目の拳を薄蒼い刀身で防ぐ。
 その横では柚榛と俊哉へそれぞれホームランバットとチェーンソー剣を構えた男が襲い掛かる。
「……くっ」
 柚榛はとっさに重心を低く取って吹き飛ばされるのを防いだ。そして反撃に出ようと構えた所で、不穏な気配に気付く。
 即座に身を引いたが若干間に合わず、刃の生えた花瓶や瓦礫に足を切り裂かれる。
 視線を上げると、アシルが眼鏡の位置を直しながら、僅かに微笑んだ。
 柚榛は小さく舌打ちを零して、体勢を立て直す。
 チェーンソー剣の相手をしていた俊哉は刃を肩に受けるが、下肢に力を入れて体勢を立て直す。
 しかし急に力が抜ける感じがして、倒れない様に慌てて踏み止まった。
「貴方達もパーツにして差し上げましょうか?」
 ヴィオレッタがクスクスと笑いながら薔薇を回す。
「笑えない冗談は結構ですよ」
 毅然と言い返しながら恭介がヒーリングヴォイスで柚榛と俊哉の傷を癒す。
「それに、人形ってね……持つ人の心を映すんだよ? きっと貴方のはゆがみ過ぎてる……」
 蘭はヴィオレッタに対し冷ややかにそう言って、チェーンソー剣を持った男へクロストリガーを撃ち込んだ。
 反動で受けた制約をナツメが祈る事で解いていく。
 それがナイスタイミングだったので、蘭はナツメに笑顔で目配せした。応える様にナツメも小さくジャンプする。
 それを受けて陽菜の魔弾もチェーンソー剣を持った男へ向けられた。
「良し! 皆、あの敵に集中して!」
 敵の数は少ないとは言えない。確実に頭数を減らしていくのが得策だと先の作戦で話していた。
 芹もメイド達を一旦捨て置き、指示された男へ攻撃目標を変更する。
 大丈夫、傷を負っても後ろの仲間が癒してくれる。
 芹が炎の魔弾を放つと同時に、メイド達は吸血噛み付きとローリングバッシュで襲い掛かる。
「きゃっ……!」
 しかし間髪入れずにピートフーイの黒燐奏甲が芹へと放たれた。
「この僕が支援役に回るとはね……だが退屈はしないな」
 ピートフーイは口の端を上げた小さな笑みの侭ヴァンパイア達を眺める。
 チェーンソー剣の男は、この侭ではまずいと思ったのか柚榛へ噛み付こうと間を詰めてくる。
「そうは行かないわ」
 柚榛の斧に、焔の翼が宿る。
「アンタはそろそろ眠ってなさいッ」
 フェニックスブロウが男の腹へと叩き込まれた。
「……がッ、は……!」
 チェーンソー剣を持った男が倒れる、その背後からホームランバットを持った男が飛び掛かって来た。
「――!」
 思い切り振り抜かれたその一撃に、柚榛の身体が後方へと吹き飛ばされる。
 幸いにもすぐ後ろに居た恭介に受け止められ、前線から下がり過ぎてしまう事は避けられた。
「大丈夫ですか!」
「大丈夫……この位、平気よ」
 恭介の言葉に肯定を返して、柚榛は今一度前線へと駆け上がる。
「次は貴方の番ですよ」
 ――嘆きの風音、廻る音。
 俊哉がホームランバットを持った男へ音もなく、舞う様に近寄る。
 翻ったマントから飛び出したナイフが男の腕を切り裂いていく。
「ふぅん……唯のお子様って訳じゃぁ、なさそうね」
 ヴィオレッタが無数の吸血コウモリを放ちながら呟いた。黒い嵐が能力者達を襲う。
「じゃぁ、此方も狙い打ちで行こうかしら――そこのお嬢さん?」
 ヴィオレッタの黒い指は、芹を指した。


「芹さんっ、大丈夫ですかっ!?」
 ファルチェによるヤドリギの祝福が施され、芹の出血が止まる。
「大丈夫、ありがとう、ございます……」
 元よりメイド二人を相手にしていた芹だが、ヴィオレッタのあの言葉の後は全員から狙われる事となっていた。
 後方からの支援がなければ既に倒れている筈の、それだけのダメージを受けている。
「あんたもそろそろ倒れなよねっ!」
 蘭のクロストリガーによる弾丸が男の身体を貫いて行く。それが止めとなって、男の身体は傾いで倒れた。
 しかし一息吐く暇もなく、今度はメイドへと目標を変える。
 吸血攻撃は厄介であったが男達よりも比較的戦闘面は弱いらしく、一人ずつ狙って行けば落とすのはそう難しい事ではなかった。
「んもぅ……しぶといわねぇ!」
 が、その間もヴィオレッタとアシルの攻撃は芹へと向かう。
 取り巻きを倒しきるまでに此方も大分力を使ってしまった。
 数の上では有利だが、傷一つ無い相手と比べるとほぼ互角の気もした。
「さあ、後は貴方達だけよ!」
 陽菜がそんな雰囲気を吹き飛ばす様にマジカルロッドを二人に向かって突きつける。
 そしてそのままアシルへ雷の魔弾を放った。
 アシルがそれを回避した先へ、芹が炎の魔弾を狙い撃つ。
「……っ」
 相手が炎に包まれたその一瞬で柚榛と俊哉が距離を詰める。
 左右から斧とマントのナイフで斬り掛かった。
「……なっ」
 しかしアシルは斧の一撃を紙一重で避け、クロスシザーズでナイフを払い落とした。
 そして軽く間合いを取り直した。
「余所見してると危ないわよ?」
 アシルの動きに視線を奪われていると、ヴィオレッタの愉しそうな声と共に二度目のバットストーム。
 続けて俊哉は背後からジャンクプレスを受けた。
 恭介がヒーリングヴォイスで、ピートフーイが黒燐奏甲での回復に当たる。
「当たって……!」
 ファルチェが光の槍をアシルへ放つ。
 それを背中から受けたアシルは身体を赤に染めながらも、それでも何とか踏み止まり、柚榛へと飛び掛かった。
 首筋へと噛み付き血を啜るが、その状態を利用した至近距離からのフェニックスブロウがアシルの懐へと直撃する。
 アシルの眼鏡がずれ落ち、割れた。
「……アシル」
 ヴィオレッタの静かな呼び掛けに、アシルは無言で微笑み、膝から崩れ落ちていく。
「……面白くないわね」
 薔薇を構えたヴィオレッタが踏み込み、柚榛と俊哉へスラッシュロンドで斬り付ける。
 俊哉からの反撃を捌き、後ろから魔弾が、弾丸が撃ち込まれるのに回避を試みる。
 この侭では削り合い。独りきりの彼女には遠くに敗北が見えていた。
「良いわ、最後まで一緒に踊って上げる!」
 それでもヴィオレッタは、最後まで抵抗すると決めた様だ。自ら敗北を告げるより、それが、彼女なりの美学なのだろう。
 能力者達も、最後の力を振り絞った。


 優雅だったドレスも手袋も、丸で襤褸切れの様になって、ヴィオレッタは崩れ落ちた。
「……終わった、んだよね」
 蘭は息を整えて、ヴィオレッタがの魂が凌駕しない事を確認した。
「長かった、ですわね……」
 ファルチェも一息吐きながらほっと胸を撫で下ろす。
 地下見張りをしていた従属種二人の身体を恭介が調べる。
「捕まってる一般人を、解放しないと……」
 その身体から鍵を二つ、探し出す。
「そうだったな。手伝おう」
 女性が衰弱して動けなかった場合を考えてピートフーイと俊哉が手伝いを申し出た。
「それじゃぁ私達はここでヴァンパイア達を見張っておこうかしら」
 陽菜が一カ所に集められたヴァンパイア達を一瞥する。
「宜しく頼む」
「芹は、身体大丈夫?」
 柚榛が少し心配して声を掛けると、芹は苦笑して返した。
「少し怠いですけど……傷自体は塞がってますし、大丈夫ですよ」
 そして、仲間を見回す。
 誰も倒れなかった事に安堵して。
 その想いは、ファルチェが言葉にして呟いた。
「なんとか無事止めることができて良かったですの。もう二度とこんな事件が起きないことを祈りたいものですの……」

 ――血濡れた鋼の薔薇が、唯鈍く光っていた。


マスター:徒野 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2009/05/10
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重傷者:なし
死亡者:なし
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