オトコの娘の館


<オープニング>


 パソコンやアニメなどのサブカルチャー関連の店舗が軒を連ねる、電気街の一角。
 表通りの賑わいに比べて、その場所はなぜか人通りが少なく、静かだった。
 裏道に入れば、ビルが日差しをさえぎり、昼間でもうす暗く、なぜか不気味な雰囲気が漂っている。
 この道を奥に行けば、裏通りに面するシャッター街に出くわす。
 不況の煽りか、人通りの少ないこの場所の店舗は、大半がシャッターを下ろし、営業していない。
 一部、廃店舗が単発イベントで使用されたりしているものの、寂しい通りだった。
「ここだっけ?」
 ビルの前に一人の男がいる。
 イベントのフライヤーを手に、場所を確認しているようだった。
 どうやら、地方から来たようで、この場所にあまり詳しくないようだ。
 この辺りでアニメ関連のイベントがあるらしく、男はとりあえず中で聞けばいいやとビルへ入っていく。
 通りと同じように、このビルも静かだった。
 聞こえてくるのは、男の足音が響いて返ってくる音だけ。
 エレベーターは動いている。
 男はフライヤーを確認すると、場所は四階。
 エレベーターに乗り、目的の階に到着した男の目に見えたものは……。
「いらっしゃいませ♪」
「オトコの娘の館へようこそ♪」
 やけに野太い声の、女の子……に見える人影があった。
 メイド服や女子高生の制服を着た、女装男子……オトコの娘。
 見た目は、まぁ……ぶっちゃけていえば、かわいい……が。
 そんなのには興味はない。
 それに、目的のイベントと全然違う場所だ。
 男は帰ろうと後ろを振り向くが……エレベーターがない!
 そこにあるのは、ただの壁。
 呆然とする男の肩へ、オトコの娘の手が伸びた。
「お客さま、今日は特別サービスデーになっています。たっぷりと、ご堪能くださいませ」
 それ以来、男の姿を見た者はいないという。 

 夕方。
 静かな教室の中が、少しずつ騒がしくなってきた。
「あ、集まってくれたね! 今回は地縛霊退治の依頼をおねがいしたいんだよ!」
 ゴースト事件に携わる能力者達が集まる中、メモ帳を片手に慌しく教室に入ってきた長谷川・千春(高校生運命予報士・bn0018)が、彼らに依頼の内容を説明する。
「その地縛霊は、なんと! オ・ト・コ・ノ・コ!」
 男の子、ではない。
 オトコの娘、である。
 しかも、かわいいらしい。
 特技は魅了。
 男だとわかっていても……魅了されちゃうかもしれないという。
「魅了されたら、すっごいドキドキの展開に! ……じゃなくて、いろいろマズい展開になっちゃうかもだから、注意してね!」
 変態とかの類ではない分、ダメージは少ないかもしれないが……いろいろ危険なので、くれぐれも注意してほしい。
「えっと、場所なんだけど、オトコの娘達はこのビルの四階にいるよ」
 千春がとある電気街の見取り図を取り出した。
 裏通りに面するビルの四階に、地縛霊達は「オトコの娘の館」なる特殊空間を作り出しているという。
 達……ということは、複数いるということだ。
 エレベーターでここに入ると、やさしく出迎えてくれる。
 なんだか、いやだが。
「メイド服とか高校の制服とか、男なのに『どうしてこんなに似合うの!』って思っちゃううし、なんだかすごい『サービス』をしてくるらしいんだよ! ど、どんなことするんだろうね……」
 なにか、千春はドキドキしているように見えるのは気のせいか。
「それはそうとして、ゴーストなんだから、がんばってやっつけてきてね!」
 千春はそうやってごまかすように、能力者達を送り出した。

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参加者
風見・莱花(高雅なる姫君・b00523)
ミライ・モリア(燈色の勇者・b01734)
幸坂・美月(いつでも夢に月の光を・b29150)
蓮見・雪之丞(大和撫子七変化・b31788)
日鷹・雄飛(参角鬼・b47278)
南城・霧冶(誘惑されし者・b47330)
御深井・このは(ケシカラン少女・b48396)
ブッシュロビン・ミルフォード(緑の中の散策者・b57910)
ドール・ゴールド(ゴールド家の最後の良心・b61043)
斥虚・鏈(猛犬につき注意・b63474)



<リプレイ>

 人通りの多い電気街の表通りを抜け、細い路地を進むと、そこは静かな裏通りだった。
 店のほとんどがシャッターを下ろし、廃墟のような寂しい雰囲気がただよっている通り。
 人の姿もなく、路地に響くのは……能力者達の足音のみ。
「こ、ここが例の特殊空間のあるビルだね……」
 なんとも空寂な裏通りの一角にある古びた雑居ビルを、南城・霧冶(誘惑されし者・b47330)が見上げた。薄汚れたテナントの看板は、二階にある消費者金融のものだけ。目的の四階は、テナントは入っていない。かろうじて廃ビルという呼称をまぬがれているものの、ほとんど同じようなものだろう。
「ここにエレベーターがあるよ」
 入口からまっすぐ進むとビルの案内図があり、その右の通路の先にエレベーターがあった。ブッシュロビン・ミルフォード(緑の中の散策者・b57910)が仲間に小さく伝えると、ボタンを確認した。一応、二階にテナントが入っているため、エレベーターは正常に稼動している。
「……いきましょうか」
 エレベーターが到着した合図が鳴った。ドール・ゴールド(ゴールド家の最後の良心・b61043)は複雑な思いが入り混じった表情を浮かべながら、エレベーターの中へと進む。
 彼は女性用の衣服を着用していた。
 似合っている。
 だが、断じて趣味ではない。
 対ゴースト戦における、戦略要素のひとつである。
「男の子を誘惑する『オトコの娘』の地縛霊でしたわよね」
 エレベーターの中でイグニッションしつつ、幸坂・美月(いつでも夢に月の光を・b29150)が仲間を見る。こちらもドールや蓮見・雪之丞(大和撫子七変化・b31788)といった、女性の服装が似合う男性陣が多い。地縛霊はサブカルチャーの言葉で「オトコの娘」と呼ばれ、男性を魅了してくるという。そのターゲットにならないために、可能な者は女装して地縛霊あざむく作戦なのである。
「うう、まさか自らこんな格好をする日がこようとは……」
 と、ドールが嘆いているが、ひどい目にあうよりはましと、自分に言い聞かせていた。
「ドールさんやミライさんは作戦だから仕方ありませんが、女の子の姿になるって、どんな思いなんでしょうね……」
 雪之丞は銀誓館学園高校制服を着たミライ・モリア(燈色の勇者・b01734)やドールから顔をそらした。異性の格好をするゴースト……その心境は「彼」にはよくわからなかった。御深井・このは(ケシカラン少女・b48396)は、囮となるために高校男子冬服を装備している。男装なんてとても……。
「よし、バッチリ決まってるぜ。これで、女だとはわからないだろうな」
 服装のせいか、雰囲気を作るための演技か、口調まで男性なこのはと目が合ってしまい、さりげなく見ないふりをする雪之丞。
「ちょっと心配ダネ……。激しく動いたら、とってもアブナイヨ……」
 その横でミライは、制服のスカートのスリットを気にしている。
 サービスなんてしてしまったら、ちょっとはずかしい。
 ブッシュロビンがケットシーのテイルと一緒に、ドールのケットシーであるアルカインと挨拶を交わしている中、四階へ到着した合図が響く。
「ここか。オトコの娘やらというゴーストがいるのは」
 ビルの四階……「オトコの娘の館」なる地縛霊の特殊空間へ足を踏み入れる日鷹・雄飛(参角鬼・b47278)。そして、斥虚・鏈(猛犬につき注意・b63474)も慎重に中へと入っていく。
「一応、それっぽいところだな。しっかし、なんだ。『特別サービス』ってのは」
 鏈は「本日は特別サービスデー♪」と書かれた張り紙や、奥にある黒いカーテンで隠された怪しい小部屋を見て、足をとめた。一体、ここでなにをされるというのか……ゴーストがしてくれるサービスなんて、絶対に普通なわけがない。
「さて、いよいよだな……相手はどんなヤツなんだろう?」
 このはも二人の後をついていく。
 三人は囮として「オトコの娘の館」に進入し、地縛霊をおびきよせる役目を請け負っていた。
 特殊空間は、一般的な喫茶店のような内装だが、テーブルなどはない。戦う分には、特に問題はないだろう。ゆっくりと内部を見渡しながら歩く三人へ、声がかかった。
「いらっしゃいませ♪」
「オトコの娘の館へようこそ♪」
 目の前にはメイド服、女子高生の制服、巫女服を着た地縛霊が待ち構えている。
「お。なんか、かわいねーちゃん見っけ。しかも、俺より年上で美人さんだな〜」
「俺でも相手してくれんのか?」
 このはと鏈が囮だとバレないようにふるまいつつ近づき、雄飛も甘い言葉をささやきながら地縛霊へ向かっていく。
「とってもかわいい制服だね。似合ってるよ。どうだい、ちょっとお話でも……」
 地縛霊を誘う雄飛。
 こんないかがわしいところで、中学生の制服で誘うなんて、いかがかと思うが、相手はゴーストだし、関係ないだろう。
「それでしたら……」
「本日は特別サービスデーでございます。ぜひ、こちらへいらしてください」
 巫女服を着た地縛霊が深々とお辞儀をすると、怪しいカーテンで隠された奥の小部屋を手で示す。
 あそこで、じっくり……と、いうことらしい。
 ここで油断し、能力者達へ手を出さなかったのは地縛霊のミスである。待機していた仲間達が駆けつけてきたのだ。囮としての役目は果たしたといえる。
「あら……案外、似合っているんじゃないかしら。ちゃんと、お化粧もしてるし、かわいいかも」
 女装コスプレした地縛霊を見て、風見・莱花(高雅なる姫君・b00523)が驚きというか感嘆というか、意外というか……いろんな心境を含んだ目をしていた。
 声とか顔に、どこか男の子っぽさが残っているものの、結構女装が似合っている。ちょっとくやしいかも……莱花は、自分より似合っているのではと、やや嫉妬気味。負けないように今度挑戦してみよう、などと考えたりしている。
「本当に女の子っぽいね……これが、オトコの娘っていうジャンルか……」
 霧冶は並んで待ち構えている三体の地縛霊を見て、重い息を吐いた。
 この手の相手って苦手なんだよなぁ……どうにも、やりにくい相手だ。
 ともかく、地縛霊は次から次へとやってくる増援を冷静に見ると、再び頭を下げた。
「それでは、おもてなしをさせていただきます」

 殺気を感じるようになった。
 背筋が硬直するような、死の空気。
 見た目がかわいかろうが、オトコの娘だろうが、敵はゴーストであるということを肌で感じる。
「本性を出しやがったな……ツラが女だろうが関係ねぇ」
 覚悟しな! 雄飛がレンチとチェーンソー剣を構えると、即座に地縛霊へと殴りかかった。
 狙うは、リーダー格と思わしき巫女服を着た地縛霊。武器にゴーストへ対する敵愾心を思わせる激しい炎を宿し、辛辣な言葉と共に叩きつけていく。
「囮役は誰が一番最後まで残れるか勝負だぜ!」
 あえて囮役としての使命をまっとうするために、このははそのまま前衛で戦う。鏈はなにやら小さくつぶやきつつ、レイピアへ積怨をこめた。
「(見た目だけのオンナにも興味ねぇ。中途半端に生き恥さらしてんなら、果テナ)」
 仲間に配慮し、メイド服の地縛霊へそっと耳打ちするかのようにつぶやき、刺した。レイピアに貫かれ、刺された腹を押さえながら悶える地縛霊に、雪之丞が飛び込む。
「近くで見ても、女の子そのものですね。動きとかもそれっぽいですし」
 感心しつつも、手にこめた水の気を放出し、メイド地縛霊を吹き飛ばそうとする……が、びくともしない。オトコの娘、とあなどるわけにはいかない相手のようだ。その間、このはは女子高生地縛霊へ向けて、ファンガスの力を解き放った。
「男の子なのに、こんなにかわいい服が似合うなんてね……そんなことより、動きを封じて、少しでもみんなを楽にしてあげたいわね」
 莱花も地縛霊を止めようとした。動きを封じることができれば、戦いは楽になるが……二人の共生者が力を合わせても、きのこを生やすことはできない。ちっ、と舌打ちし、反撃に備えるこのは。
「……別にたいしたことないじゃないか。うちのサキュバスの蘇芳の方がまだかわいいよ!」
 このはと女子高生地縛霊の間に霧冶が割って入り、さけぶように言葉を浴びせかけ、強い感情のこもった視線をぶつける。そして、周囲の気を操り、地縛霊を硬化させようとするが……そのおぞましい気を絶することができず、女子高生地縛霊は色をたたえた怪しい目つきで霧冶をにらむ。
「似合っているから、こっちの勝ち♪」
 地縛霊と異性の服を着用している能力者を見比べ、仲間の方へ手を上げるブッシュロビンは、地縛霊達の周囲に茨の群生を発生させた。そして、するどい棘を持つ茨が女子高生地縛霊を縛り上げ、身動きがとれないように締め付けていく。ターゲットにされていた霧冶は、運良く攻撃(恐らくは魅了だろう)から逃れることができた。
「これでターゲットが絞れますわね。メイド服の方を集中いたしましょう」
 美月は手にした光の力を槍と成し、それをメイド地縛霊へ向けた。リフレクトコアの輝きが槍にさらなる力を与え、よりするどくなった穂先がメイド地縛霊を撃ち抜く。
「アル、メイドの方をたのんだよ。ボクは雄飛さんを支援します……偉大なる先達の御業をその身に」
 ドールはアルカインに囮となるように指示した。コクリとうなづくと、アルカインはメイド地縛霊へと近寄り、レイピアでチクチクと攻め立てる。ブッシュロビンのケットシーであるテイルは、弾幕を張るように二丁拳銃を乱射し、足止めしようとした。
 だが、その弾雨を潜り抜けると、巫女地縛霊と共に雄飛へ視線を向ける。
「それでは、とっておきのサービスを……」
 メイド地縛霊が雄飛をはがいじめにすると、巫女地縛霊がなにやら怪しいアイテムを取り出した。
「や、やめろ!」
 メイド服。
 コスプレさせる気か! オトコの娘なんてなりたくはない!
 強引にメイド服を雄飛に着用させる地縛霊。
 これが、特別サービスというやつだろうか。
「オゥ……結構、お似合いカモ……」
 地面に拳を叩きつけ、怒りに震える雄飛へ向けて、ミライが浄化の風をおこす。
 強引にコスプレさせられたとはいえ、メイド服姿の雄飛は……特に腰つきがなんだかそれっぽく、いい感じかもしれない……。もう少し、見ていたいが、封術中だし、かなりお怒りの様子なので、大変なことになりそうだ。
 応援しつつ、清き風を送るミライ。なお、イグニッションカードに封じられていた防具は一般的なステージ衣装なので、ちらりとかは心配する必要はなかった。
「ちょ、おま……なにするんだよ……! やめてくれ!」
 次にターゲットとなったのは、このは。
 地縛霊が手にしているアイテムは……ゴシックロリータな服。
 着せられてたまるか! っていうか、女だってバレちゃう!
 メイド地縛霊が暴れるこのはを無理やり押さえつけるが……なんだか違う。
 男の子……じゃない。
「「ギャー!」」
 地縛霊が声をあげた。驚いたというか、絶叫というか。
 こいつら、女の子は苦手なのか。
 女の子になりたい、男の子をオトコの娘にしたいという願望を持った思念がゴースト化した連中だ。
 まさか、男装女子がいるとは、思ってもみなかったろう。
 隙を見て、巫女地縛霊の頭にキノコを生やし、いろんな意味で危機を逃れたこのは。
「生前、よほどひどい目にあったのでしょうけど……だからといって、どこまで女を通すのでしょう? その執念、晴らしてあげますわ」
「テメェらの執着はその程度かァ!?」
 美月がとどめとばかりに光の槍をメイド地縛霊へ放ち、ミライの支援で再び呪詛を扱えるようになった鏈は再度、災いの念を込めた突きを放った。強烈な一撃で、もとより傷を負っていた地縛霊は崩れ落ちるように消えていく。
「メイド服……ああいうのも、いいかもしれませんね」
 今度着てみようかな、などと考えつつ、雪之丞はターゲットを茨で身をボロボロにされた女子高生地縛霊へ切り替える。水の力を練り、手裏剣へと変え、地縛霊へ放った。
(「気にしないで、がんばって」)
 莱花は雄飛にキノコを投げ、癒しと応援の言葉を送った。すでに怒りは解除されているものの、それでもわなわなと震える手と見開いた目に、怒りが感じ取れる。激情し、行き場のない感情を武器に込めて、女子高生地縛霊へとぶつけた。
「テイル、足止めして!」
 ブッシュロビンは再び茨で動きを封じようとするも不発で、仲間に攻撃を仕掛けようとする女子高生地縛霊をテイルが威嚇するように銃撃。そして、アルカインが赤いマントをなびかせながら、囮となるように攻め立てていく。
「魅了以上に嫌なことして……そういうのは……!」
 ちょこまかと動き、うざったい攻撃を仕掛けるアルカインに業が煮え、大きな隙を作った地縛霊を霧冶が除霊した。気を断ち切った瞬間、地縛霊はただの石像と化す。
「みなさん、大丈夫ですか。最後ですけど、油断せずにいきましょう」
 ドールの舞が仲間達の傷を癒し、封じられた力を再び呼び覚ました。
 残るは、まったく動けないでいる巫女地縛霊のみ。今の能力者達に、無力な敵を嬲ることなど、どうということはないはずだ。

 ゴーストを殲滅し、特殊空間から戻った能力者達。
「みんなお疲れ様なんだよっ」
 このはがようやく元の口調を取り戻す。男になりきるのは大変だったし、なんだかイヤな目にあったし……それでも、ちょっとおもしろかったという感じの明るい声だった。
「今度はきちんと生まれ変わって、女装が似合うかわいらしい男の子になるといいわね」
 莱花が戦いを振り返りつつ、地縛霊の冥福を祈るも……ちょっと、どこか間違っているような気がしないでもないことを言っている。
「やっぱり男の人って、何でも似合うのが一番だよね」
 ブッシュロビンはテイルをやさしく抱き上げると、ちょっとモフりつつ異性の格好をしている仲間を見ながらつぶやいた。
 オトコの娘……サブカルチャー圏では一つのジャンルとして定着しつつあるが、世間からは当然異端の目で見られることが多い。その偏見によって苦しんだ者の末路が、あのゴーストだったのだろう。
「はぁ……疲れた。なんだかいつもより数段疲れた……」
 特殊なジャンルのゴーストともなれば、やはり戦いにくい。霧冶はかなり精神的に疲れた様子だった。
 特別サービスの犠牲となった雄飛も、怒りと疲れが混ざった顔をしている。
「今日一番の勝者はお前ダナ……喜べ!」
 鏈が雄飛の肩を叩き、たぶん励ましの声をかけた。
 まぁ、今日のことは犬に噛まれたとでも思って、忘れよう。
 肉体的より精神的な消耗が激しい能力者達は、口数も少なく、静かにビルをあとにした。
 そんな中、ドールの足取りだけはなぜか重かった。
「帰ったら、姉様に……あぁ……」
 帰らないと、またなにをされるかわからないし……彼の心労は、依頼が終わったあとも続く。


マスター:えりあす 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2009/05/20
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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