≪大神の棲み処≫骸人魚の唄を聞け


<オープニング>


 何かに似ている。
 彼らの目の前に立つ女の、長い黒髪はしっとりと水に濡れている。風もない中で着物の白い袖が靡く。廃墟の冷えた空気は息苦しいほど濃密に肺を満たす。地縛霊の白い指が、静かに掲げられる。
「危ない!」
 フゲ・ジーニ(永遠に続く幸せの迷宮回廊・b07584)の頬を掠めて飛んだつぶてのような何かは、背後の壁に当たって砕ける。
「……水か」
 九十九尾・宮呼(彩の都の化け狐・b60704)が眉をひそめた。
 廃墟の床には、空のケージや割れた水槽があちこちに転がっている。かつては整然と並べられていたのであろうそれは、大半がもはやその用を為さない。
 一歩を踏み出したメルニア・ジェラジフィエル(原初の水と叡智の守護御魂・b59755)の足元で水音がする。見れば、先ほどまで乾いていたはずの床に水が零れていた。いや――それだけではない。檻の陰からこちらを見つめる何かの気配。まだ鮮やかな緑色をした水槽の中の水草。気がつけば周囲はすっかり変貌している。そう、「彼女」に出会ったその瞬間から、ここは既にただの廃墟ではない。
「特殊空間……ね」
 上条・楓(ガリ勉どら娘・b56813)が呟いて、冷静に一呼吸。「彼女」のリズムに溺れてはいけない。
 水槽からしたたり、床を濡らす水は異臭を放つ。そこに入り混じる赤黒い液体。それが何なのかは、勝手に想像することしかできない。
「この店の人だったのかな」
 武器を構え、そう口にするのは貔子・豺牙(豺の牙・b28481)。「この店」。もはや見間違いようもない。ここはかつて、ペットショップだった場所。
 ペットショップが閉店し、この建物が廃墟となった理由も、ここにいたであろう動物たちの行方も、「彼女」がどういう立場の人間だったのかも、分かりはしない。ただ、少なくとも愉快な話ではないのだろうと思う。
 右手から音もなく現れたのは、猫とも兎ともつかぬ風体の妖獣。やわらかい毛並みとつぶらな瞳。夢覇・霞(ミルキーボーイ・b36607)が目を伏せる。人間を恨んでいるよう、などと考えるのは、それすらも人間の傲りだろうか。
 左手からうなり声。一見すると犬のように見えるが、大きな尾や前歯は栗鼠を思わせる。ジンク・ネームレス(ボールライトニング・b46260)が眉根を寄せ、油断なく周囲に気を配る。猫も犬も一匹ではない――似たような風体の妖獣が、あと四匹。あわせて六匹か。右手に猫が三、左手に犬が三。そして正面に、死装束の女。
「さて、それでは……始めましょうか」
 白銀山・丹羽(バステトと踊れ・b32117)の言葉に、フゲが頷く。
 女の足は床を踏まない。白い装束を翻し、冷たい空気の中を泳ぐ。人のかたちをしているが、「彼女」の姿が想起させるのは人ではなく――
「……ああ、そうか」
 何かに似ている。
 ようやく、その答えが見つかった。
「人魚だ」
 ゆらり揺れる肢体は細く、その身から伸びる鎖さえも無粋には見えない。
 骸人魚はくるりと舞い、声なき声を張り上げた。

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参加者
フゲ・ジーニ(永遠に続く幸せの迷宮回廊・b07584)
貔子・豺牙(豺の牙・b28481)
白銀山・丹羽(バステトと踊れ・b32117)
夢覇・霞(ミルキーボーイ・b36607)
ジンク・ネームレス(ボールライトニング・b46260)
上条・楓(ガリ勉どら娘・b56813)
メルニア・ジェラジフィエル(原初の水と叡智の守護御魂・b59755)
九十九尾・宮呼(彩の都の化け狐・b60704)



<リプレイ>

●骸人魚の唄を聞け
 「人魚」はふわりと宙を泳ぐ。仮初めながら在りし日の姿を取り戻した廃墟に、ジンク・ネームレス(ボールライトニング・b46260)が顔をしかめた。
「恨みを持ってるからって……嘘をつき続けるのは、許せないな」
 敵と距離を取り、和弓の八卦に指を這わせながら、上条・楓(ガリ勉どら娘・b56813)も白装束の女を見つめる。無念に思うこともあっただろう。その彼女の恨みのために生まれた新たな悲劇は、もしかすると防ぐことができたのかもしれない。
「でも、これはもう過ぎ去ってしまったことなのよ……しっかり対処して、すべてに幕を下してあげましょう」
 呟く。過去を悔いても詮無いこと、今はただ、戦うだけ。
「空を泳ぐ人魚とは、奇怪なものだな……しかし、美しい。この地に縛り付けたままとは勿体ないものだ」
 薙刀を構え、九十九尾・宮呼(彩の都の化け狐・b60704)は静かに言葉を紡ぐ。
「せめて鎖だけでも外してやろう。それが我に出来ることよ。……兄上様」
「助かる」
 ジンクの得物に祖霊が宿る。一見すると何も変わらないが、確かな気配を肌が感じる。
「偽人魚、か……これを人魚とは語るに落ちる」
 二丁の詠唱ライフルを操りながら、メルニア・ジェラジフィエル(原初の水と叡智の守護御魂・b59755)が何か遠い記憶を思い出すように目を細める。
「如何にせよ、このまま魂を迷わせた状態は忍びない……疾く葬送せしめる」
 その声は落ち着いているようだが、よく聞けば内に潜む情動が僅かに滲み出ている。
「ふわもこ可愛い……!」
 フゲ・ジーニ(永遠に続く幸せの迷宮回廊・b07584)の視線の先には愛らしい妖獣達。貔子・豺牙(豺の牙・b28481)は姿勢を低くし、栗鼠尻尾の犬に対抗するように喉を鳴らした。狼頭の面の奥の表情は窺えないが、犬栗鼠に向ける彼の感情は、可愛がりたいだのなで回したいだのというよりもむしろ、獣が餌となる獲物に対して向けるそれに近いようだ。
「俺、頑張っちゃうもん!」
 やる気満々の豺牙。ペットショップの幻影から獣の臭いをかぎ取ろうとするように狼頭の鼻面を檻に押しつければ、ふっさりとした付け尻尾がぱたぱたと揺れた。そのしなやかな肢体は、なにか大型犬を思わせる気配を纏っている。
「嫌だな豺ちゃん、そんなだからわんこって言われるんだよ。もっとクールにいかないと」
 フゲが明るく笑う。大ぶりの念動剣を一振りすると、その周囲に正八面体のコアが浮かび上がる。
「俺は犬じゃなーい!」
 豺牙があまり説得力のない叫びを上げる横で、夢覇・霞(ミルキーボーイ・b36607)も笑って七支刀を握った。「人魚」の泳ぐ空気の中に、炎を思わせる刀身が輝く。彼が纏うのも狼を思わせる闘気だが、アビリティがもたらすそれは、豺牙の気配とはまったくの異質。
(「ふわもこの敵さんって、何だか気乗りしないなぁ……」)
 ううん、と首を振って、かたわらのケットシー・ガンナーを下がらせる。
「そんな事考えちゃダメダメ……僕達で、ゴーストを止めるんだから!」
 ケットシー・ガンナーの二丁拳銃は、七支刀の切っ先が指すのと同じ猫兎に向けられている。
(「ゴーストはいるけど、幽霊なんて居ない。どんなに綺麗だろうが可愛かろうが、ゴーストである限りは、私の敵」)
 白銀山・丹羽(バステトと踊れ・b32117)が大鎌を握り一歩前へ。
「世界を傷つける者を、私は許さない」
 骸人魚の声が響く。歌うように紡がれる言葉は意味を為さない。なにがしかの想いがあったとて、それはもう聞く者の耳には届かない。
 豺牙が低く唸り、鋭く床を蹴った。

●獣牙
 「人魚」が飛ばす水の塊が壁に当たって弾ける。鎖がさらさらと音を立てる。フゲは猫兎を見つめる。愛くるしい瞳。ちらりと白装束の女にも目をやって。
「この人も動物達も、次に生まれ変わった時は暖かな愛情に包まれますように……」
 光の槍と、真モーラットピュアの閃が放つ火花が猫達を襲う。一匹の猫兎が苦しそうな鳴き声を上げ、ぐったりと床に倒れて溶けるように消える。戦闘中でなければ、目を逸らしてしまいたい光景。閃が心配そうな、けれどどこか拗ねたような目でフゲを見る。
「あ……大丈夫! 真面目に戦うから心配しないで」
 それはそれ、これはこれ。大丈夫――分かっている。
 ジンクのエアシューズが鋭く猫兎を切り裂く。足元に滴るのは偽物の、嘘の、水。人なつこそうな妖獣の姿も、本来ここにあるべきものではない。
 そのジンクの横から飛びつくように、栗鼠尻尾の犬が襲いかかる。鋭い牙がジンクの鼻先を掠める。ほんの一瞬だったが、この牙は毒を持っている、とジンクは気づく。
「ダメ、可愛くても、この子は……!」
 霞の足に猫兎がまとわりつく。か弱い鳴き声に一瞬心を奪われる。冷気を纏う七支刀の刀身が、豺牙の身を飾る牙とぶつかって音を立てる。
「夢っ!」
「何を呆けている、目を覚まさないか」
 その直後、霞を正気に引き戻したのはケットシー・ガンナーの祈り。先を越された宮呼は薙刀を振るい、豺牙の元へと祖霊を降ろす。まだまだ行ける、と豺牙が再び身を低くする。
 メルニアがライフルの引き金を引く。狙うはあえて犬栗鼠、あまり残しておいては厄介だ。回転動力炉が唸り、連射機構が浮かび上がる十字架の中心目がけ次々と銃弾を吐き出す。左手のスナイパーライフルが、止めを刺すように火を吹いた。
 豺牙がその身を躍らせる寸前、楓が短く声を発する。同時に周囲の気が乱れ、生まれるのは不可視の迷宮。動けなくなった犬栗鼠へと、豺牙が真っ直ぐ向かっていく。
「あいつむかつく、俺の事いぬー! って言ってる!」
 確かに犬栗鼠が豺牙を見つめる視線は、なにか同類へ向けるそれと似ているような気もする。動かず光の槍を放つこともできたが、今の豺牙には宮呼の呼んだ土蜘蛛の魂が力を貸している。ならば、とそのまま、噛みつかんばかりの勢いで――頭突き。
「させません」
 再び水の塊を放とうとしていた「人魚」へと、丹羽が作り出した茸の弾丸が飛んでいく。女の腕が藻掻くように震える。どうやら今の一撃を受けて麻痺しているようだ。
「有り難いわね」
 戦場を見回しながら楓が呟く。一時的にでも、地縛霊の動きを止められたことは幸いだ。
「もうやられないよっ!」
 霞の刀は再び冷気を纏い、今度こそ猫兎を斬り伏せる。丹羽の元へ飛びつこうとする犬栗鼠を、彼女は大鎌で待ち受ける。
「この戦いが終わったら、ケットシーのしーちゃんとまたパートナー組むんです」
 見た目に似合わぬ力任せの一撃が、ざくりと妖獣へ突き立てられる。
「しーちゃんの方が、256倍可愛いですよ」
 吠えようとでもいうのか姿勢を低くした犬栗鼠。その尻尾を引き裂くように、ジンクの放つ弾丸が突き刺さる。ふう、と短く息を吐く。
「速さは力……走り回るだけが俺の領分じゃないぜ」
 見れば、彼の側にいたはずの妖獣の姿は既にない。楓は敵と味方の様子を確認しながら、再び迷宮を作り出す。
「しっかり頑張らないと……動物たちを供養する為にも」
 だからこそ、撫でてみたかった、などという我が儘は呑み込んでおく。楓の八卦迷宮陣もさすがに全ての敵を足止めするには至らず、妖獣達は獲物を求めて駆け回る。その背後で、どうにか麻痺から逃れた地縛霊がその身に水を纏わせた。どこか、御伽噺に出てくる人魚の鱗を思わせる。
「食い物!」
 豺牙にかかれば、その足を尾のように覆う鱗も、ただの魚のそれでしかないのだろうが。
「囓ったりしたらお腹を壊しますよ」
 丹羽の手から再び茸の弾丸が撃ち出される。「鱗」を剥いだり、動きを止めたりするには至らないが、傷を与えているのは確か。とは言え彼女の「鱗」は、彼女の力を強化している。その白装束の袖に防がれれば、今度は止められてしまうかもしれない。
「奴らは知性は低くとも、それ相応の凶暴性と強さを持っている筈――」
 だからこそ、残る妖獣の数が減ったとしても気は抜かない。メルニアはライフルの照準を残る犬栗鼠へ。その妖獣が狙うは宮呼。傷一つとて彼女にはつけさせまい、と息を吐くメルニアの前で、宮呼は真っ直ぐに獣の瞳を見つめ、唇に笑みを浮かべる。
「……我に、喰われたいのか?」
 寒気がするような美しさ。薙刀が勢いよく跳ね上げられると同時、メルニアは二丁のライフルの引き金を引く。
「絶対にやらせん」
 そう、絶対に。この身体を、その仲間を、守り抜くこと――それが己のすべきこと。

●骸
 フゲの光の槍が「人魚」に突き刺さる。数をたのみに、一瞬たりとも手を緩めず攻撃を加える。美しくないだの、卑怯だの、そんな言葉を吐く余裕すらない。自らの傷の様子を確かめながら、ジンクは「人魚」の元へ。地縛霊の気を惹くように。
「後ろががら空きだよ……?」
 霞の刀が鱗を引き裂くように振り下ろされる。一瞬その鱗を凍らせたかに見えても、魔氷はすぐに砕かれてしまう。けれどそれがどうしたというのか。戦いは一人でするものではないのだ。ジンクの蹴りが三日月の軌跡を描く。
「お前は強い……悪いけど、チームワークで戦わせて貰う」
 「人魚」の鎖がさらさらと音を立てる。着物の袖が翻り、ぐるり、空中で踊るように回れば、近づいていた者達の身体に傷が刻まれていく。先ほどまで、丹羽が地縛霊の動きを止められていたのは僥倖と言えよう。刃を交えれば分かる。彼女は、強い。
 楓の舞が、宮呼の降ろす祖霊が、仲間を癒していく。丹羽の茸がジンクを、メルニアの描くヤドリギの祝福は閃を癒す。その閃が舐めるのは霞の傷。ケットシー・ガンナーも彼の傷を塞ぐべく祈る。霞は三歩下がり、「人魚」の袖の届かないところへ。前衛に固執せず、きちんと回復支援を受けること。ジンクの戦い方を見ながら、霞もあくまで慎重に事を運ぶ。
 豺牙の周囲にはリフレクトコアが浮かぶ。攻撃の手が緩む隙に、再び「人魚」の袖が一閃する。
「――貫き光れ、天の槍」
 フゲの八尺瓊勾玉は、その核の奥底から回転動力炉の鼓動を伝えてくる。輝くリフレクトコアがさらに光の槍へと力を与える。
「無茶だけはしないように」
 宮呼の治癒符が飛ぶ。楓の舞が少しずつ皆の傷を癒す。
 深呼吸をひとつ。ジンクがその身に強い風を纏う。
「俺の全速を見せてやるよ。……お前が何者かは知らないが、お前の嘘を正すためには、こうするしかない。消え去れ!」
 ばさり、と女の袖が、脇腹が、切り裂かれる。一瞬、地縛霊の女と目が合う。その身を地に縛る鎖が凛と鳴る。ほんの一瞬、静寂が走る。
 意を決したように、「人魚」が両手を広げる。思いの外強い力で丹羽の身体を抱き締める。丹羽が眉をひそめたのは一瞬だけ。短く息を吐いて、口を開く。
「抱き締めたいのは寂しいの?」
 嫌な予感は丹羽だけのものではないようで、けれど丹羽を抱く地縛霊へと安易に攻撃を仕掛けることもできない。
「独りが寂しくて、誰かを捕まえたいのね。……やってみる? この意志が従う事などないけど」
 動物に囲まれていれば温かいだろう、けれどそれは人の温もりとは違う。
 そして今の彼女を囲んでいたのは、動物の温もりですらない。
「……さあ」
 「人魚」の腕から解き放たれ、ぐらりと丹羽の身体が傾ぐ。けれどその身を包んだ炎は彼女を灼いてはいない。鎌で凌ぎきれなかった痛みが、彼女の限界を超えただけ。
「貔子さん――急いで」
 骸人魚が、再び偽物の鱗を纏う前に。
「任せろ、魚は俺が食う!」
 伸びやかな肢体が「人魚」を捉え、床へと引き倒す。
 がつん、と力に任せた一撃。
 人間の形が崩れ、やがて空気の中に消えていく。骸人魚を縛り付けていた鎖も、共に消え去って。
「思いは、留まりすぎてはいけないの」
 フゲの指が鎖のあった場所を撫でる。
 濡れていたはずの床は、もう元の廃墟の姿を取り戻していた。

●餞
「……お腹、壊さないでね」
「あいつ、囓る前に消えた!」
 ちょっぴり不服そうな豺牙の様子に、フゲが思わず笑い出す。
「……ありがとうございます」
 他の者には聞こえない小声で、メルニアが胸に手を当てて呟く。何かを続けようとしたその時、背後で大きな音がして彼女は振り返った。
「これでいいかしら……」
 空のケージに割れた水槽、不要なものを取りのけ、使えそうなものを取り出して、楓が何かを始めている。
「それは……祭壇ですか」
「ええ。除霊建築学で、この場を浄化できないかと思って」
 メルニアの問いに頷く楓。少なくとも、これで今後、この場所に地縛霊が出ることはなくなるだろう。楓の頼みに従い、フゲ達も祭壇作りを手伝う。
 組まれた祭壇に、宮呼が花を供えた。
(「これで、報われたのか?」)
 内心でつぶやき、そっと黙祷する。
「ペットって気軽に言うけど、命を僕達は預かってるんだよね……大切にしなきゃ」
「女の人も、きっと動物さん達が好きだったと思うの……今度は皆、幸せに生きられますように」
 大切にしたくて、けれどそれが叶わなくて。だからこそ、彼女の想いは強くこの場に留まったのだろうか。……今となっては、事情など分かるはずもない。できるのはただ、想像し、思いを馳せることだけ。宮呼の横で、フゲと霞も目を閉じ、祈りを捧げる。
「仕上げは俺がするよ」
 楓に代わり、豺牙が祭壇に向き合う。碑を刻み祈りの言葉を捧ぐ、その姿はまさに祈祷師のもの。清めの塩を撒く彼の姿は、その身を飾る装飾品と相まって、どこか近寄り難いほどの清冽さを感じさせる。
 霊が迷うことなく進めるように。
 この場に未来を導けるように。
 彼らの想いを、忘れないように。
 人が祈る理由は様々だ。人が戦う理由が様々であるように、人が旅立つ理由が様々であるように。
「……行こうか」
 廃墟の中に、ふわりと涼しい風が吹き込んできた。
 最後に一度だけ、小さな祭壇を振り返って……ゆっくりと、歩き出す。


マスター:田島はるか 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2009/07/19
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