森の中のお城


<オープニング>


「城と言えば城だけど……ま、あいつらを食べる為だし贅沢は言えないわ」
 黒を基調とした豪奢なドレス――良く見るとあちこち解れていたり、破れていたり――を纏った一人の少女。
 彼女が立っているのは、かつて宿泊施設として営業していたらしい建物。
 童話の中に出てくるようなお城をモチーフにしたそれは、使われなくなり、廃墟と化した今では逆に不気味な雰囲気を漂わせていた。
「さ、王子様に謁見といきましょうか」
 少女は臆するそぶりも見せず、廃ホテルの中へと歩み入る。

「今日も暑いわね。……早速本題だけど、とある廃ホテルに巣食う地縛霊をあなた達に退治して欲しいのよ」
 柳瀬・莉緒(中学生運命予報士・bn0025)の話によれば、十年以上前に廃業したらしい国道沿いのホテルに地縛霊が出現したのだが、そこにリリスが一人訪れて地縛霊と共生し始めた。
 このリリスは以前、銀誓館の能力者達によって撃退され、這々の体で逃げ延びた経験が有る。能力者達の力は十分に理解しているだろう。
「リリスは道を通る人間をホテルにおびき寄せて、地縛霊に殺させたりしているわ。放置すれば犠牲者は増える一方よ」
 これ以上の被害を出す前に、地縛霊を退治しなくてはならない。

「地縛霊達はホテルの宿泊客や従業員ね、ただし部屋数が多いからどこにどんな風に出現するかは解らないわ。あ、二階部分はまだ改装中だったみたいで地縛霊は出現しないみたいね。戦場になるのは一階部分だけと考えれば良いと思うわ」
 個々の戦力は決して高くないが、今回はリリスがあちら側についている事で、配置や編成等にも知恵を使っている可能性がある。
 個室はそれぞれ、入室して扉を閉める事で特殊空間と化し、地縛霊が出現する。
 それぞれの部屋は割と広いがベッド等がそのまま残っており、一度に大人数が戦うのは少し手狭かも知れない。
「このリリスは例によって、自分の保身が第一よ。地縛霊達を戦わせるだけ戦わせて、旗色が悪くなればさっさと逃げ出すと考えるのが自然でしょうね」
 ホテルの出入り口は正面、勝手口、非常口の計三カ所。

「そうそう、知っての通りリリスは能力者達の接近を感知できるわ。だからこちらからの奇襲や、ホテル外でリリスを退治すると言った作戦は不可能ね」
 不利ではあるが、ホテルに乗り込む以外の選択肢はなさそうだ。
「あ、それとあくまで今回の作戦目標は地縛霊の殲滅よ。リリス退治は可能なら、で良いわ」
 地縛霊さえ殲滅すれば、当面の犠牲は防ぐことが出来るのだ。

「それじゃ、気をつけて行ってきて頂戴。暑いから水分補給を欠かさずにね」
 そう言うと、莉緒は手を振り能力者達を送り出す。

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参加者
真田・幸奈(お茶目な言霊使い・b20804)
雪村・雪花(高校生雪女・b45363)
ディアナ・レットムーン(月天使・b47834)
アリエッタ・ギベルティ(モルトヴィヴァーチェ・b52519)
蕭・天河(中華風ピロシキ娘娘・b53167)
河本黒羽根・ロリイーズ(烏飼い・b62627)
アーデルハイト・エーデルヴァルト(珠森の貴姫・b65770)
小少女・琥檻(さいきょうへのみちのり・b66540)



<リプレイ>


 脇道を歩く事暫く、廃ホテルの前へとたどり着いた一行。
 まず彼らは、このホテルの出入り口である3つのうち、2つを外から封鎖する作戦に出た。

 こちらは封鎖役のA班。
「今度は逃がさないですのよ」
 真田・幸奈(お茶目な言霊使い・b20804)にとって、この中に居るであろうリリスは多少因縁の有る相手。
 かつてねぐらとしていた館へ攻め入り、撃退した過去がある。リリス側にしてみれば不倶戴天の敵であるし、幸奈からすれば仕留め損ねた敵と言う事になる。
(「奏は、複雑な心境なのかもしれません。私と共に戦ってくれる事は、何れこうなると解ってるとは思いますが……」)
 雪村・雪花(高校生雪女・b45363)は自らの使役ゴースト、サキュバスである奏の心中を思い遣る。
 どうあれ確かなのは、奏は雪花の指示、願い……それらを遂行する為に全力を尽くすであろう事。
 能力者と使役ゴーストの絆は限りなく深い。
(「これ以上被害を広げる事……それは絶対に、止めないと……!」)
 アリエッタ・ギベルティ(モルトヴィヴァーチェ・b52519)も扉の前に障害物を運びつつ、強い決意を固める。
「これでそう簡単には逃げられませんわね。もう二度と悪さが出来ないように懲らしめてあげるのですわ! 覚悟しなさいゴスロリリリリス!!」
 リリスが待ち構えているであろうホテルを指さし、高らかに告げるのは河本黒羽根・ロリイーズ(烏飼い・b62627)。
 リが若干多いが……。

 一方、待機中のB班。
「蕭様、何かホテルの情報は掴めましたの?」
 アーデルハイト・エーデルヴァルト(珠森の貴姫・b65770)は双眼鏡でホテル内の様子を窺いつつ尋ねる。
「駄目ネ、それらしい情報は無かったよ」
 肩を竦めながら答える蕭・天河(中華風ピロシキ娘娘・b53167)。
 あいにく、ネットや図書室などからこのホテルの情報を掴むことは出来なかった。営業していた時期も短く、閉鎖されて長い年月が経過していたせいだろう。
(「一度逃げた以上はもう一度逃がしたくは御座いませんね。確実に此度で終わらせたい所で御座います」)
 ディアナ・レットムーン(月天使・b47834)も静かに建物を見上げ、決意を固める。
「A班のみんな遅いな、さっさと殴り込もうぜ!」
 小少女・琥檻(さいきょうへのみちのり・b66540)は、やる気満々の様子。初めての依頼という事もあって、かなり気合いが入っている様だ。

 やがて合流した一行は、ホテル内部へと進入してゆく。


「このリリスさんは、大きい建物が好きですのね。お化け屋敷みたいなので、嫌なんですけれど」
 きょろきょろと周囲を警戒しながら歩みを進める幸奈達。
 ホテル内部はさすがに埃が積もったり、蜘蛛の巣が張っていたりはするが、人為的に荒らされた形跡はない。
 廃墟を荒らすのが趣味の珍走団も、この物件には興味を示さなかったようだ。
「あ、あそこに案内板が。お部屋ごとに内装が違うんですね……王様の部屋、女王様の部屋……」
 壁に案内板が掛かっているのが目に入る。アリエッタはリリスが好みそうな部屋に当たりをつけようとするが、どの部屋もリリスが好きそうと言えば好きそうに思える。
「予定通り、一部屋ずつ行くしかないですね。では、まずは警備室からでしょうか」
 警備室と言うプレートの貼られた扉に視線を移すディアナ。
「最初はどっちが入るんだ? 俺はいつでも行けるぜ!」
 片方の班が部屋を調べ、もう片方の班は廊下で待機するのが基本方針。それならば特殊空間での戦闘中に、リリスが逃走する事は避けられる。
 ただ、能力者達も半分の戦力で戦闘に挑まなければならない。これが吉と出るか凶と出るか……。
 結局、最初の部屋……警備室に入るのはA班の役目になった。

「皆様、宜しいですか? 奏」
 皆の準備が整ったのを確認し、雪花が奏に扉を閉めさせる。
 ――ブツンッ。
 唐突に、無数のモニターに電気が点く。
 無論電気はすでに止められているはずなので、原因は一つだ。
「暇……だなぁ……客もこないしさぁ……」
 モニター前の椅子に青白い燐光が揺らめき、やがて制服を纏った警備員が2人出現する。
「たった2体ですの? ちゃっちゃと片付けましょうですの」
 ――ヒュッ!
 電光石火、幸奈は地縛霊が身構えるより前に間合いへと踏み込み、短刀を一閃。
「暇だなぁ……ヒマ……ガフッ!?」
 ワンテンポ遅れて、地縛霊の首から噴き出す鮮血。
 ――シャッ!
 雪花の手から放たれた結晶輪が、もう一体の地縛霊の頸部を深々と切り裂く。
「客……コイヨ……ォォ……」
 呆気なく2体の地縛霊は消滅した。
「歯応えがないですわね! こんなんじゃ汗もかきませんわ!」
 構えていたライフルを下ろし、不満げなロリイーズ。
「では、次に参りましょう。まだ大勢いらっしゃる筈ですし」
 雪花が開くようになったドアを開け、4人は警備室を後にする。


「次は私たちの番ですわね」
 何事もなく厨房から出てきたA班の4人を見て、アーデルハイトは次の部屋のドアノブに手を掛ける。
 いよいよ客室だ。
「ここは……騎士の部屋ネ。良くわからないセンスよ」
 ちょっと呆れつつ後に続く天河。
 中世ヨーロッパを意識したのか、ファンタジーを意識したのか、いずれにせよどの部屋も無駄に凝った作りで、廃業に至ったのも無理からぬ気がする。
「おっしゃ、閉めるぜ。今度こそ出てこいよ!」
 気合いを入れつつ、バタンと扉を閉める琥檻。
 騎士の間と言うだけあって、室内には鎧甲冑やらスピアやら、訳のわからない小道具がふんだんに配されている。
「……」
 数秒待つが、室内に目立った異変はない様に思える。
「ここもハズレか?」
「いえ、お待ち下さいませ……シュトラウス!」
 ――ガァン! ガァン!
 真ケットシー・ガンナーのシュトラウスが、クイックドローで抜きはなった拳銃を2発立て続けに撃つ。
 弾丸は部屋の隅に有った西洋甲冑の胸部に風穴を開けたが……。
「……オォォ……」
 うめき声を上げながら、ぎこちなく動く甲冑。
 どうやら既に地縛霊は現れていた様だ。
「姫君……我々が必ず……」
「お守り……致します」
 立て続けに、更に2体の騎士が姿を現す。
「私も槍の扱いには多少の心得が……」
 ――ビュオッ!
 ディアナが数歩歩み出し、身の丈以上もある長槍を軽々と振るう。
 頭部に強烈な一撃を浴びた甲冑は、アルミ缶の様にぐにゃりと歪み、そのまま床に崩れ落ちた。
「敵は……我々が……」
「仕留めて……ご覧にいれましょう……」
 残りの地縛霊がスピア、剣を手に襲いかかってくる。
 ――ギィンッ!
「その姫様はどこあるか? ……と聞くだけ無駄ね」
 ――ジャーン!!
 バチで騎士達の攻撃を難なく受け流した天河は、そのまま銅鑼を打ち鳴らす。
「よっしゃ先輩、俺も手伝うぜ!」
 嬉々として間合いを詰めた琥檻は、騎士の背後に回ると魔道書を振り下ろす。
 この部屋の地縛霊を片付けるのにも、さほどの時間は必要なさそうだ。


「次は……女王様の部屋ですのね。参りましょうか」
 アーデルハイトが次の部屋のドアノブに手を掛ける。
「お気をつけて、そろそろかも知れません……」
 部屋に入ってゆくB班の4人に、少し心配そうに声を掛ける雪花。
 残る部屋はここと王の間の2つ。そのどちらかにリリスは居る。そしておそらく、能力者達を倒す為、また自分を守らせる為に、これまでとは比較にならない戦力を揃えていると考えるのが自然だ。
「お気遣い、有り難うございます」
「なぁに、俺たちに任せておけって!」
 微笑と共に礼を述べるディアナ、相変わらず自信満々の琥檻。
「ま、行ってみるネ」
 天河の手によってドアが閉められる。

「この、待ってる時間がちょっとだけ不安ですの」
 数分が経過したが、女王の間に入った4人は出てこない。幸奈はドアを見ながらぼそりと呟く。
「皆さんなら大丈夫ですよ……」
 特殊空間の中に引き込まれてしまえば、様子を外に伝える事も出来ない。逆に外から乱入する事も不可能だ。アリエッタは微笑を湛えて言うが、そう信じて待つより無い。
「それにしても、これであの4人がリリスを退治してしまったら、不完全燃焼ですわ!」
 逆に、ロリイーズは少し別方向の心配。
 今までに相手にした地縛霊達はいずれも小物ばかり、初陣の彼女にとっても些か役不足と言う所。
「……ご心配には及びませんわ」
 どういう訳か今回の能力者は上品な口調が多い。敵が敵だからと言うのもあるかも知れないが……。
「え?」
 一瞬聞き流し掛けた一同だが、仲間の中の誰とも違う声。
 見れば、そこに居たのはドレスを纏った少女。
「あなた方が私を退治するなんて事、あり得ませんもの。おーっほっほほ!」
 口に斜めに手を当て高飛車に笑い、纏っているのは所々ほつれたゴスロリ調のドレス。
「いましたのね。今回は逃がさないですの!」
「あら、どこかで見たツラですわね……。それにしても、退路を封じた上に部屋に入るのは半数ずつ……最初から勝った気で逃走阻止とは大した自信ですわね? たかだが4人ぽっちで私に勝てると思っているなんてちゃんちゃら可笑しいですわっ! 前回は卑怯にも大勢で一気に掛かってきたから戦略的後退を致しましたけれど、今回必死で逃げるのはあなた方の役目でしてよ!」
 身構える幸奈達へ、見下し口調でぺらぺらと良く喋るリリス。
 そんな彼女に従って、ルームキーパー風の中年女性や、訳あり風の男女連れが廊下の隅に出現する。
「もっとも、逃がす気はありませんけれど」
「それはこちらも同じです」
 不敵に笑うリリスに、凜とした口調で言い返す雪花。
「……そうそう、そちらのお仲間の事でしたら心配要りませんわ。選りすぐりの者達がもてなして居る所でしょうから。退屈はさせていない筈ですわ」
 リリスの言い分が本当なら、女王の間に入った4人もそれなりの強敵と対している事になる。速やかな援軍は期待しづらいと言う事か。
 リリスを倒す為にリスクを背負った能力者と、そこを突いて各個撃破を目論むリリス。
 後はどちらの力が上回るか、だ。


「シュトラウス、後ろですわ!」
 アーデルハイトがホーミングクロスボウを放ちつつ、声を上げる。
 女王の間は他の部屋と異なり、部屋中央に小さなステージのような物が存在し、やや戦いやすい地形と言えた。
 ――ビュオォッ!!
「それにしても……これだけの数を集中させながらリリス本体が居ないとは」
 氷の竜巻を起こしながら、ディアナは少し首を傾げる。
 鞭を手にし、レザーの衣装を身に付けた女王地縛霊は居るが……。
「とにかく、目の前の敵に集中ネ」
 天河は周囲の気を操り、八卦迷宮を形成させる。
 地縛霊達は一時的に動きを封じられた。
「これでも、食らいなっ!」
 地縛霊の一体へ、琥檻の手から放たれた雷弾が直撃する。
 ――バシィッ!
 激しいスパークと共に、霧散する地縛霊。
「私に逆らうのかい? 生意気だねぇ」
 先端部が数条に分かれた鞭を手に、ギリギリと歯軋りする女王。
「お仕置きだよっ!」
 ――ビュッ!
 空を裂きながら広範囲に渡って襲いかかる鞭。
「っ! ……これはちっと、本気出すか」
 外の状況が解らない4人にとって、この後でリリスとの戦闘がある可能性は当然考慮せねばならず、その為には全力で戦う事は躊躇われる所。ジレンマだ。

「アリエッタさん、いきますのよ」
「はい、逃がしません……!」
 一方部屋の外、幸奈とアリエッタは共に穏やかな旋律を紡ぎフロアに響かせる。
 数体の地縛霊が、眠りに誘われる。
「ちっ、相変わらず小賢しい術を……しかも女ばかりでっ」
 舌打ちしつつ吐き捨てるリリス。得意とする魅了も、こう女性ばかりでは効果は期待出来ない。
「奏、起きている敵を」
 奏が投げキッスを放つと同時に、雪花の吐息が空気を凍てつかせる。
「うおぉ……ぉ……」
 苛烈な攻撃の前に、燐光を放ちながら消えてゆく地縛霊。
「覚悟は良くて? レッツパリィィィィですわ!!」
 ――ガガガッ!!
「ちっ! そこのお前っ」
「ぐあぁ……っ……?!」
 ロリイーズの降らせた無数の弾丸がリリスに襲いかかる――が、地縛霊の一体を盾代わりにしてこれを防ぐ。
「この役立たずども、さっさと起きなさい!」
 更にリリスは眠っている地縛霊を蹴りつけて強引に目覚めさせると、能力者達へけしかける。
 しかし地縛霊も、最も力を発揮しやすい部屋の中が戦場ではない事もあってか、4人の前に次々と打ち倒されてゆくばかり。この辺はリリスの作戦上の綾という物だろう。


「私自ら手を下して差し上げる必要がありそうね」
 地縛霊が全滅すると、リリスはそう言ってドレスの袖口から数匹の蛇を出現させる。
「ところで、貴方お名前はありませんの?」
「有りませんわ……あなた方風情に名乗るような名前は、ね」
 幸奈の問いかけに、鼻先で笑いながらそう返す。
「口が減りませんの」
 ――シュッ!
 問答は無駄と判断した幸奈は、水の刃を放つ。
 極めて鋭利な手裏剣に姿を変えたそれは、リリスめがけて一直線に飛ぶ。
「くっ!?」
 髪とドレスの一部、そして蛇数匹の胴が切断されて床に落ちる。
「奏、それに皆様、参りましょう」
「ええ、ここで終わりにしてみせる……!」
 狙いを定める雪花と奏。アリエッタも呪詛呪言の詠唱を開始する。
「今度は盾はありませんわ!」
 更にはロリイーズのライフルが火を噴く。
「ぐっ……ああっ!!」
 集中砲火にさらされ、よろめくリリス。
「……ま、まだ……あなた方さえ倒せば……」
 ――ガチャッ。
 いまだ抵抗の意志を見せるが、言葉を遮って開く扉。
「あら?」
「おや……」
「あっ、リリスよ!」
「え? 何、見えないぞ。俺にも攻撃させろ!」
 女王の間の地縛霊を片付けたアーデルハイト達。
 目の前にいたリリスに驚きながらも、次の瞬間には攻撃に転じていた。
「なっ、こんなに早く……ぐあぁっ!」
 瀕死のリリスに、この集中攻撃を耐えられる筈もない。
「……計算違い……でしたわね……」
 微かに自嘲する様な笑みを浮かべたリリスだったが、間もなく事切れた。


「これにて一件落着ネ」
 手の埃をぽんぽんと払う天河。
 ホテル内の不浄の気も、彼女によって祓われた。
「俺ってばまた最強に一歩近づいたぜー!」
 琥檻は腰に手を当ててのけぞりながら高笑い。
 最強への道はまだ長そうだ。
 アーデルハイトとシュトラウス、幸奈とロリイーズの4人は手を繋いで輪になり飛び跳ねている。
「本当に、よかった……!」
 最良の結果に胸をなで下ろすアリエッタ。
「お疲れ様、奏」
 雪花は静かに、奏の労をねぎらう。
「それでは参りましょうか、長居は不要で御座います」
 恭しく言うディアナに促され、一行は帰路につく。

 廃ホテルに巣食う地縛霊、そして彼らを扇動するリリスは、無事殲滅された。
 この地で悲劇が繰り返される事は、もう無い。


マスター:小茄 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2009/07/31
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
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