学園祭終了……と見せかけてぇ!


<オープニング>


 7月19日、20日の両日に行われた銀誓館学園の学園祭2009は、無事に終了の時を迎えた。
 今年の学園祭も、大きな盛り上がりを見せ、2日間の学園祭はあっという間に過ぎ去っていった。
 毎年大盛況の水着コンテストは、総参加者が2400人を超えたため、候補者の水着を見て回るだけで日が暮れる程であったし、多数の能力者同士が最後の一人になるまで戦ったバトルロワイアルもまた、熱戦に次ぐ熱戦が繰り広げられたのだ。
 勿論、結社の仲間達と共に準備した結社企画も、例年以上に趣向をこらしたものが多数あり、盛況のうちに幕を下ろしている。

 そして今、一般客は全て家路につき、校舎の明かりも消え、下校を促すアナウンスが流れている。
 だが、まだまだ学園祭は終わらない。
 そう、学園祭の最後を飾るイベント、打ち上げパーティーは、これから始まるのだから。

 さぁ、学園祭終了後のお楽しみ、結社ごとに行なわれる打ち上げパーティーへ、仲間と共に出かけましょう!
 
●打ち上げ会場、特設屋台村跡地
 数多くの屋台が並び、学園祭期間中、多くの学生と来賓の方々の胃袋を満たしてきた屋台村。
 その屋台村も学園祭が終わり、既に多くが片付けられてしまっています。
 しかし、閉店した屋台村の中で、そこかしこに灯りのついた屋台が見受けられます。
 そう、そここそが、屋台村の打ち上げの会場なのです。
 売れ残った料理やお菓子、余った食材などを持ち寄ったり、或いは、残り物で一工夫した特別料理を作ったり。
 美味しい料理を前に、学園祭の成功を祝って、乾杯の音頭を取りましょう。
 なお、場所によっては、残り物の大食い・やけ食い大会になどもあるかもしれません。

 あなたの結社は、どんな打ち上げをするのでしょう?


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参加者
NPC:アーダン・ディンドルフ(漆黒の剣・bn0186)




<リプレイ>

「さて、学園祭の総仕上げだ! これよりKingsportの後夜祭を始める!! さぁ、みんな食べて飲んで歌ったりして騒げー!!」
 高らかに響く禊の開会宣言で、Kingsportの宴が賑やかに始まる。
「お疲れ様でした、かんぱーい!」
 ジュースを一息で飲み干す光希。
 食べ飲み放題の大騒ぎの中、章と剣護の男二人は何やら実験中。
「これが……カオス……!?」
 出来上がったのは様々な液体を混ぜたカオスドリンク。二人はソレを一気に飲み干す。
「ふむ、こんなものか。まだまだ改めていく必要がありそうだな、章殿」
「まだまだ改良の余地が有りすぎますね、剣護」
 蒼迩は仲間にお酌をして回る。
「アーダン先輩。せっかくの後夜祭、こちらでも楽しんで行きませんか? 余り物ですが美味しい料理もありますよ」
 美味しい料理という言葉に誘われアーダンがやってくる。
「賑やかだな、邪魔させてもらおう」
 禊手製のクッキーや碎花のぷりっぷりんのプリンに愛すべきアイス、チョコをちょこっとトッピングしたパーフェクトなパフェを食べるアーダン。
「頑張って、作ってみたのですけど……お気に召しましたでしょうか」
 その味に仏頂面の彼も、笑みを浮かべる。
「みんな、追加のデザート持ってき、あっ……」
 瑠美那がつまずいた。かに見えたが、章が彼女を受け止める。
「えーと……大丈夫?」
「だいじょぶだよ。ありがとねっ、章先輩♪」
「一番、緒方光希歌います! 私の歌を聞けー!」
 光希が立ち上がり歌い出す。
「やんや! やんや!」
 誰もが知ってる歌に、場の盛り上がりは最高潮に達する。
「ありがとうございましたー」
「お疲れ様でした。ふふ、ノリノリでしたね。とても上手でしたよ」
「お、お粗末様でした」
 微笑みかけるアシュレイに赤くなる光希。
「さすがだな、禊殿。上手いじゃないか、合わせ甲斐があるというものだ」
 禊が歌って踊れば、剣護がそれに合わせて琵琶を弾く。
「……よし、それじゃあ綺沙ちゃんデュエットしようか♪」
「……ふぇ? わかったのですよー……♪」
 蛍と綺沙は二人手を繋ぎ、懐かしい曲を歌う。そこはもう二人の世界だ。
 歌に合わせて踊る蒼迩と章、そして瑠美那。
「こういう時は楽しんだもん勝ちですよね♪」
「ふぅ……ボクの踊り、どうだったかな?」
 着物の裾がはためいて、色々、見えそうでした!
 古武道部の悟とイーリィは売れ残ったロシアンアイスをアーダンに差し出すが、そこかしこにアイスで無い物も混じっている。
「こ、これは……最後の最後にとんでもないボスが待ち受けていたといいますか……食材への冒涜此処に極まれりといいましょうか……」
「これは、食えるのか?」
「まぁ元は食材なので死にはしないでしょうが……少々覚悟がいりますね……」
 いざ、実食。
 アーダンは開口一番、
「……不味いな」
「もうロシアンアイスはこりごりや!!」
「にゃにゃ!? あそこにいるのはアーダンにゃん♪」
 ティロルによって連行されていくアーダン。
「……なんか凄い恥ずかしくないですか?」
「華呼おねーちゃん……人間、開き直りって大事だと思うんだ」
「皆さんとても良くお似合いですわね♪ ……わたしもちょっとだけ」
 連行先では、皆一様にネコ耳をつけた集団――魔王結社アヴァロンが集まっていた。
 目の前には108種のドジッ子おにぎり。
 これらを処理しなければならないのだが、いつきは厨房での光景を思い出し恐怖した。調理中、およそおにぎりに入るべきではない物が入っていたからだ。
 事実、隣ではティロルがチョコ入りおにぎりを食べているし、舞雪のおにぎりに至ってはブルーベリーの果汁が白米に染み込んでいる。
「普段、まともなもの食えてないからなぁ〜」
 九郎などはおにぎりの味をかみ締めているが、中身はタバスコである。
「これは……うん、まあ独創的ってことにしとこうか。うん、そうしよう」
 禍月と透也から差し出される明らかに怪しいおにぎり。
「いつき、彼女のおにぎりは食わなきゃ駄目だろ」
 当然、恋人が見ていたら食べないわけにはいかないわけで。食べる。食べる。食べる……。
「う!!」
 中は餡バターでした。
 おにぎりを手に取り翼は後悔した。中から苺ジャムがはみ出ていたからだ。とはいえ手をつけてしまっては、食べなくてはならない。
「……華呼先輩。この組み合わせは、ちょっと再考の余地があるかと思います……」
 飲み物を求める翼だったがドジッ子珈琲の正体に気付き、ドジッ子料理にまともな物など無いと認識した。
「取りあえずショウキ……一気に飲めよ」
 ショウキに件の珈琲を差し出す透也。それを期待の眼差しで見つめる舞雪。
「どうせまためんつゆなのだろう!」
「あん? ショウキ、これは誰がどう見ても珈琲だ。めんつゆではない。ミルクと砂糖が足りなかっただけだろ?」
「なぁ〜んだ」
 信じました。
 ゴクリ、と飲み干せば、喉を焼く塩分と鼻孔を突き抜ける追い鰹の香り。
「最後の最後までめんつゆかぁぁぁぁッ!? 貴様等ァァァ、覚えておけえええええ……っ!?」
 絶叫と共にショウキ撃沈。
 アーダンはクラスターに差し出された、中がバターだけのドジッ子サンドをもそもそと食べる。
「とにかく記念にこれもあげるにゃん。着けてにゃー」
 ネコ耳を手に歩み寄るティロルとその弟子、そして華呼。
「ぬ、ぬぅ……」
 アーダンはネコ耳を手に入れた。ちゃっちゃら〜♪
「皆さん、お疲れ様でした」
「学園祭の終了と親睦会を兼ねて、乾杯」
 カタナの言葉を合図に、星の銀貨と居合道部の親睦会が始まる。
「お疲れ様ー!!」
 清流は労いの後、仲間や他結社の人間にカキ氷や杏仁スフレを振る舞い、レイは残った材料で焼きそばを作る。
「他の皆さんも良かったら食べてー」
「星の銀貨の皆さんもお疲れ様でした」
 そこに仲間と食事があれば、何気ない会話にも自然と花が咲く。
 銀誓館での初めての学園祭に明彦の心は未だに落ち着かない。だからこそ、今夜は楽しまなければ損というものだ。
 その気持ちは彼等も同じ。
「ふむ、メシは沢山残っているようだな? ならば」
「……勝負ッ!」
 食事と会話の親睦会はいつの間にか、フードファイトになっていた。
 その身体のどこに入るのか、カタナにも負けず劣らず澪や心和はよく食べる。
「まだまだ食べれますよ? カキ氷があまっていますので、良ければどうぞ」
「レインボーカキ氷はオススメだぜ?」
 結社企画で余ったカキ氷だ。
 清流が七色のカキ氷を手渡せば、それを食べた途端、カタナの目の色が変わる。
「フッ……見るがいい! レインボーの力を得た俺の食いっぷりをよッ!!」
 更に白熱するバトル。
 明彦の給仕でわんこ蕎麦のように次々と消えてゆくカキ氷。
「本当に良く食べるな。お前ら……」
「もぐもぐ……お腹壊しても知らないよ」
「さて……誰が勝つかな」
 煉、レイ、明彦。三者三様で勝負の行く末を見守るのだった。
「ご馳走様でした」
 そう言って両手を合わせる心和、澪はお茶を片手に、清流はメロン味のカキ氷を持って一休み。
 風が心地良い夜だ。
 深刻な表情の闇夜への扉の面々。
「あまりにも……そう、あまりにも多くのやきそばが残ってしまった」
「という訳で、余った食材をどうにかしないといけません」
 そんな折、つづらの横をネコ耳アーダンが通りかかった。
「ディンドルフ様、これ、ほめて下さったそうで、ありがとうございます。よろしかったら、もらっていただけませんか?」
「うむ、焼きそばの為ならば協力しよう。それに。『わんだら』は美味かった」
「さぁ見るがいい……この血沸き肉踊る熱きパッションをッ」
 後ろではタッパー戦士こと鳳駆が凄まじい勢いで焼きそばを焼き、タッパーへと詰めていく。
「どんどん追加入りますよー、焼きそばいかがですか?」
「くださーい♪」
 そう言ってやってきたのは月詠奏鳴曲の食料調達班ウルスラとストレリチアだ。
「やっぱ屋台っちゅーとヤキソバとかタコヤキは外せんやろ!」
 焼きそばを受け取った二人はカキ氷に杏仁スフレ等、両手いっぱいに料理を抱えて屋台村を練り歩く。二人はリンゴ飴やケバブ、見たことの無い食べ物に興味津々だ。
「って、スープに合うとか考えてへんかったな。……まあ、気にせんと片っ端からゲットや!」
 集合場所ではポムのアレンジした屋台の料理が並んでいた。
「ちょっと飾ってみただけじゃが、どうかのぉ?」
 人懐っこい笑みを浮かべるポム。
 カフェで販売したスープや料理を持ち寄って、月詠奏鳴曲の面々が集まる。
「皆のも美味しそうなのじゃ。このようなパーティーをするのは初めてなのじゃ。中々たのしいのぉ〜」
「みんな学園祭お疲れ様でしたっ!」
 龍志が乾杯の音頭を取り、スープパーティが始まる。
 ストレリチアは友の姿を見つけて傍に座ると、集めた食べ物を渡す。
「はい、式夜さん、頼次さん。お疲れさまですっ」
「終わってみると2日間とはあっと言う間ですね」
 楽しいひと時、そこにあるのは何気ない会話といつもの仲間だ。
「ほれ、どう? 以外といけるっしょ?」
 椋の紫キャベツを煮込んだ紫スープに驚く龍志。
「スープの他にデザートが欲しくなりましたわ……疲れた時には甘い物、ですしね」
「おっ、食って良いの? ……うん、うめぇうめぇ」
 奏音の作った苺のムースに一同舌鼓を打ち、
「記念に一枚、よろしいでしょうか……?」
「写真かぁ、良いね! 是非撮ろう♪」
 折角の思い出だからとレンフェールがカメラを取り出し、思い出の瞬間を一つ一つ、 写真に収めていく。
「学生生活最初で最後の学園祭ですが、とても楽しめたのでよかったです……」
 そう呟くと式夜はこの夜の下、遠い誰かに思いを馳せる。
「……来年もまた、素敵な思い出が作っていけると良いですねっ」
 ウルスラは親友の言葉に満面の笑みで、
「来年も、その先もずーっと、こんな風に思い出作ってこな♪」
「何か食べませんか?」
 いつものように頼次が隅で大人しくしていると、克至が話しかけてきた。
 手渡されたスープは温かい。
「こういう時間……本当に楽しいですね♪」
「……少しだけ、楽しいかも…」
 頼次はスープを啜りながら、幾年ぶりかの感情に身を任せてみる。
 ほんのちょっとだけ、来年が楽しみだ。
 がっしゃがっしゃと会場を闊歩する鎧武者の姿があった。
「あ、いたいた。おーい、アーダン君」
 紫郎と雅樹、幻桜の灰の二人は目当ての人物を見つけてやってきた。異様な光景である。
「結社企画はおかげさまで成功裏に終わったようです。たいへんにめでたいことですよねぇ」
 紫郎は結社企画で撮った集合写真を手渡し、ついでにと藁で束ねた鮎を渡す。
「ボルサリーノ、盛況おつかれさまーっ!」
 帽子屋ボルサリーノのメンバーも加わり、アーダンを囲んでの打ち上げが始まる。
 目の前にはジュースとラーメン、蒼馬のフルーツソルベが並んでいる。
 煉司の勧めで、アーダンは購入した2種類の帽子を被ってみせる。
「おー渋くてアーダンさんにとても似合ってます」
「そ、そうか」
 笑顔で褒められ、本人も満更でもないらしい。
 解の提案で、全員で記念写真を撮ることになった。
「今回に限らずいつもありがとう、それと学園祭お疲れ様」
 ぽつりと、煉司は気恥ずかしそうに呟いた。
「……って、え、ロシアンおにぎり今年もやるの? た、食べるよ。食べますよ」
 結社のっぺらのメンバーは、ロシアンおにぎりに阿鼻叫喚したり、たこ焼きを食べたり。
「あ」
 真の手から零れ落ちたたこ焼きが、地面に着地する。
「………………ぱく」
 今、落ちたの食べましたよね?
「3秒内」
 10秒は経ってたような。
「3秒内」
 隣では爪楊枝の扱いが下手な勢が、たこ焼きと格闘している。
 温かい目で見守る遥。だが、サーナの顔には『断固阻止!』の文字が浮かんでいた。
「止められるモンなら止めてみろ! 勝負だ!」
「のりのりせんぱい〜ほら、ひげー」
「ぶはっ」
 彼女の揉み上げギャグに、勢のたこ焼きは無常にも地に墜ちた。
「最年少なのに頑張ってくれてどうもありがとね、お疲れ様!」
 最後にはサーナへの感謝と少しの悪戯心が籠もった、心からの胴上げが待っていた。
 青空の下の大きな樹の面々は、
「学園祭お疲れ様。では早速、もう一度フランレンジャーになってみよう〜♪」
 そう言うとシーリウスはヒーローショーでの衣装を取り出した。
「ん、む、むぅ……し、シー殿。こ、これは流石にす、スカートの丈が短くあらぬかの……」
 必死に足を隠す神楽。
「良く似合う似合う。俺の見立ては間違いじゃなかった♪」
「と、とにかく料理でも頂くと致すかの」
 フランレンジャー最後の任務は、カフェで余った激甘&激辛メニューの処理である。
「うぐ……まじで辛いっ!? だがここで負けるわけにはいかん!」
 必死に辛さと戦う真誇の横では、夏奈美と神楽が何食わぬ顔で激辛のフランシルバーカレーを食べている。
 大好きなシュークリームにご機嫌の槇名を見て、真誇はこっそり彼女のパフェと激辛パフェを取り替えようと、
「……私に辛い物を食べさせたりしたら、正拳突きです」
 すいませんでした。
「いかがで、す、か、火をふけます、が……」
「辛い物は……無理ですから♪」
 カレーを勧める夏奈美と拒むフランレーゼ。彼女達の目の前でこれ見よがしにシーリウスがカロリー計算を始めると、食べ物へと伸びる少女達の手が止まる。
 が、彼はすぐに夏奈美に羽交い絞めにされた。
「ぐっ。これが乙女の底力!? は、離せ!」
「あー……本当辛かった……。口直しに甘いものを……ってない!?」
 賑やかで楽しい思い出の締めくくりに槇名は笑顔で、
「……皆さん、学園祭企画お疲れ様でしたっ!」
「夏なのにっ!! あっついよー!」
 文句を言いつつ黒にゃこ団特製闇鍋の準備を手伝う瀬葵。
「何故闇鍋なんだ……」
 鍋の下ごしらえをする光紀の横で、瀬葵は用意した具を見つめ……深くは考えない事にした。
「……む?」
 そんな時、またしてもアーダン(獲物)は通りかかってしまった。
「はーい、他の人の具は見ちゃダメだよ〜」
 拓篤の仕切りの下、闇鍋の仕上げが行われる。
 光紀の入れた具がぐつぐつと煮える中、渉の具からは良い出汁が出ている。トミィの具がぼとぼとと投入され、更に要がどこからか調達した謎のソレを投入。
 笙乃の具が黄色の色合いを加え、拓篤と瀬葵の具が汁に溶け出し、パステルな色味になる。この瞬間、鍋の味付けはほぼ決定した。
 かくして闇鍋は完成。
 いざ、何が当たるかはお楽しみ。
 アーダンの野生の勘が警報を鳴らす。
 各々覚悟を決めて鍋の中に箸を入れ、具材を取り出し、口に運ぶ。
「……」
 無言で箸を置くトミィと渉。取り皿には豆腐と鮭の切り身。一見普通の食材だが?
「バニラの匂い……? 美味しいものも美味しくない気がする……」
 バニラアイスを入れた張本人、瀬葵の一言がそれらの味を物語っていた。
「く、これは料理人である僕への挑戦ですね」
 バニラ味松坂牛に闘志を燃やす光紀。
「ち、はずれでもいいポニョ。俺はッ、気合で食うポニョー!」
「誰だっ、こんなのいれたのっ!」
 叫びつつリンゴ飴を食べる要と芋羊羹を食べる拓篤。
「うん、これはうまいな♪」
 そんな中、一人だけ美味しそうに謎のマンガ肉を食べる笙乃であった。
「団子もいけるぞ」
 訂正、笙乃とアーダンの二人であった。
 アーダンが会場を彷徨っていると莱花のギター演奏が聞こえてきた。
「音楽を聞いていってちょうだいな」
 そこでは*お菓子の家*によるロシアンスイーツが始まろうとしていた。
「アーダンくーん? お久しぶりね! ソフトボール大会で二度もデッドボール喰らわしてくれた事、アタシ忘れられないの」
 リュンさん、目が笑ってません。
「ロシアン大会には付き合ってもらうわよーオホホホホ」
「了解した……」
 ずらりと並べられたお菓子はどれも普通の物に見える。……但し、中に何が入っているかは食べてみてのお楽しみ。
「さあ、とくと味わうが良いのですよ!」
 不敵に笑うユーリリア。
「どんなものでもどんとこいですよ」
「今度こそ、普通のお菓子を食べるのです」
 本日無敗の泉水と、負け続けのレンの運命やいかに!
「日頃の行いは悪くないしきっと大丈夫じゃ!」
 凪の言葉で一斉に思い思いのお菓子を食べる。
 ほっと胸を撫で下ろす凪とユーリリア。普通のお菓子を引き当てたのだ。
「……甘い、です」
 泉水はコンデンスミルク入りの激甘シュークリームに喉を焼かれる。
 レンがシュークリームにかじり付くと、途端に全身から滝のように汗が吹き出る。唐辛子入りシュークリームだ。
「辛いのは……だめなのです……」
 悶絶するレンを横目に、莱花はジンジャークッキーを一口。
 次の瞬間、たっぷり入った香辛料に彼女は火を噴いた。
「こんなものを入れたの誰!? 口の中が火傷しちゃうわ!」
 水を求めて校内を走り回る莱花。
「うお、すっぱ!! シュークリームの中に梅干って何でやねん!?」
 叫ぶ蒼十郎。どうやら人には与えられた役目と言う物があるようです。
 リュンが口にしたマシュマロからは青い梅が。
「……みんなどうして喜々としてこういうもん作っちゃうかな」
 口直しにとベリーベリージュースを差し出すユーリリア。
 アーダンは見た目グラタン、味ムースのお菓子に打ち震え、琴里が食べたミニアップルパイからは納豆が顔を覗かせている。
「……これ作ったの誰ですか? 怒らないから手を挙げて〜?」
 笑顔が、怖いです。
 この日、六芒星同盟では素敵な出来事があった。
「……メイベルさん、水着コンテスト優勝おめでとうございます」
 そう、団員のメイベルが水着コンテスト小学生女子部門で1位を獲得したのだ。
「此は是非とも皆でお祝いしなければです♪」
 というわけで、折角ですからその水着を披露していただこーじゃあ〜りませんか。
 馨麗達の拍手と共に、パーカーを羽織ったスク水女王がやってくる。
「ひゅーひゅー♪」
「よっ、スク水女王!」
「この人気者め、ひゅ〜ひゅ〜」
 ひゅ〜ひゅ〜♪
「メイベルさん、1位おめでとうございます」
 後ろから抱きつく朔耶は、問答無用、容赦無用でメイベルの上着を脱がしにかかる。
「上着脱がなきゃダメか? さすがにこの場では晒し者のような気が……」
「さあさあ、隠してないで楽しみましょう」
「ポーズ下さ〜い♪」
 紅潮する少女の水着姿を写真に収める桜依。
「やっぱり小学生はスク水がベストなのでしょうか〜?」
「コンテスト会場ならともかく……屋台のど真ん中で水着って、物凄く恥ずかしいのだが……」
 屋台のフランクフルトをかじりつつ、弄……祝われるメイベルを眺める秀一。
「……おお。メイベルが珍しく照れている」
「あ、あまり間近でじろじろ見るな?!」
「よかったらこれ使ってくださいにゃ」
 汀はメイベルにパーカーを着せる。そのパーカーを羨ましそうに見つめる琴音。
「こちらにおわすが優勝者のメイベル殿なのじゃ〜」
 琴音は無理矢理パーカーを剥ぎ取ると自分で着ちゃいました。
 ここでサーシャのデコレーションケーキが登場。メイベルの飴細工人形まで付いた彼女の自信作だ。美雪の色鮮やかな金平糖がケーキを飾る。
「まぁ……本物の魅力には敵いそうにありませんけどね」
「祝辞ありがとう。皆が応援してくれたおかげだよ」
 嬉しさに自然と笑みが零れる。
「色々飲み物は用意してきておるのじゃ〜みんな好きなのを飲むのじゃ〜」
 琴音がジュースを配ると桜依は慌てて、
「はっ、写真だけじゃなく、さえもお料理やケーキを食べるですよ」
「……それにしても、今年も賑やかでしたね」
 美雪の言葉に頷く紗枝。初めての学園祭を、最後まで皆と一緒にいられて満足に思う。
「みんな、これからもよろしくねー!」

 さぁ、明日はどんな思い出を作ろうか。


マスター:かなぶん 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:85人
作成日:2009/08/05
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
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