真夏のダイヤモンド 〜Third〜


<オープニング>


 カキーン。
 黄昏時のグラウンドに、金属バットの澄んだ音が響き渡る。
「よし、センターへのフライ。いい高さだ」
 ボールの行方を目で追って、年若き教師は満足げな笑みを浮かべた。
 大好きな野球部の顧問となった以上、生徒達に無様な姿はみせられない。そんな思いから、部活終了後にひとりコツコツと続けていたノック練習。その甲斐あってか、今やかなり変幻自在に打ち分けられるようになっていた。
「さてと、もう大分暗くなってきたな……」
 彼は軽く肩を回すと、最後に、サード方向へやや速い打球を飛ばした。

 ……が。
 彼の打球は、サードベース手前で何故か忽然と消え去った。
「あれ?」
 イレギュラーバウンドでもしたのだろうか?
 これがラストでは締まらないと、彼はもう一球、今度は綺麗なライナーを放った。
 だがこの打球も、やはりサード手前で消えてしまった。
 流石に違和感を覚えたのか、彼はバットを持ったまま、サードベースの方へ歩み寄った。
 すると突然、彼の目前に泥だらけのユニフォームを着た青年が姿を現した。
『ヒドイヨ……何デ俺バッカ……』
「な、何のことだ……?」
 青年は、落ち窪んだ双眸で顧問の教師を睨みつけ……まめの潰れた血塗れの手で、彼を特殊空間へと引きずり込んだ。
 
 
「ハァイみんな、集まってくれてアリガト。あのね、今回お願いしたいのは、高校のグラウンドに現れた地縛霊の退治と、地縛霊に捕まっちゃった野球部顧問の先生の救出なの」
 久慈・久司(高校生運命予報士・bn0090)は、集まった能力者達を軽く一礼して迎え入れると、早速机の上に地図と何枚かの写真を広げた。
「場所は、地方の公立校のグラウンドね。ここで、部活時間終了後にノックの練習をしていた野球部顧問の先生が、サード付近に現れた地縛霊に捕らわれちゃったの」
 彼は特殊空間内で軽いパニック状態に陥っているらしく、早急な対処が必要となっている。
 とにかく、のんびり構えている時間はないのだ。
 
 
 地縛霊は、打球がやや見えにくくなってくる時間帯に、サード方面へノックを行うと姿を現すらしい。
「泥だらけのユニフォームを着ていて、手には血が滲んでて……それと、青痣も沢山あるみたいネ」
 特殊空間に入るには、地縛霊に歩み寄ればいい。但しその際、必ずバットを持った者がいなくてはならない。
「なんだ? バットに恨みでもあんのかな?」
 何故だろうと、首を傾げる武田・愛一朗(ノンストップ爆風小狼・bn0070)。
「それは分からないワ。けど、ひとつのキーになってる事はたしかネ」
 特殊空間内でも、地縛霊は、最初にバットを持っていた者を集中的に狙ってくる。複数人いた場合、まず狙われるのは、年齢の高い男子のようだ。
「地縛霊の攻撃は、硬球、土煙、それとグローブでの強打だワ」
 硬球は落下地点で大爆発し、土煙には魔蝕の霧と同じような効果がある。また、グローブでの強打をまともにくらうと、下手をすれば気を失ってしまうかもしれない。
 また、空間内には、野良犬のリビングデッドが2匹いる。どちらも噛み付くくらいしかしてはこないが、地縛霊と同じ標的を狙うため、油断は禁物だ。
「それと、捕らわれちゃってる先生なんだけど……さっきも言ったとおり、ちょっとパニック状態に陥っちゃってるみたい。とりあえず、地縛霊との距離はちょっと離れてるみたいだけど、放って置いたら大変なことになっちゃうかもしれないワ!」
 
 この学校の野球部では、以前、虐めまがいの厳しいしごきが行われていたことがあるらしい。
 それと地縛霊との因果関係は、生憎だが分からない。
「けど……とにかく放ってはおけねーよな」
「エエ。だからみんな、お願いね!」
 久司はそう言って、能力者達の手を強く握りしめた。

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参加者
木村・小夜(内気な眠り姫・b10537)
レイ・ヤン(余音繞梁・b11470)
遊佐・霧雨(いつも夏服・b13986)
桂木・亜季(ルールオブデンジャー・b26189)
シン・メイフィールド(やわらかな牙・b37067)
レン・ファーリア(夜明けの牙・b39357)
白姫・みやび(シャイニングプリンセス・b42885)
鬼灯・遙(彩雲のサーブルダンサー・b46409)
常陸・朝霞(はすべてを土蜘蛛のために・b50975)
六桐・匳(吹き荒ぶ力・b66454)
NPC:武田・愛一朗(ノンストップ爆風小狼・bn0070)




<リプレイ>

●召喚ノック
 能力者達は、夕暮れ時のグラウンドに立っていた。
「今回の地縛霊はどういった背景なのでしょうか? 予報士さまからは特に聞いた覚えがないですが?」
 グラウンドという場所にはあまりにも似つかわしくない、甘ロリファッションに身を包んだ白姫・みやび(シャイニングプリンセス・b42885)は、首を傾げて考えた。だがすぐに割り切ったのか、気にしていてもしょうがありませんですわねと呟いて、小さな吐息をひとつ零す。
「えと、運動部って、学生生活の、全て、だったり、しますよね」
 大好きな野球を、大好きだと言えなくなってしまった境遇。それを思うと、木村・小夜(内気な眠り姫・b10537)の胸はちくりと痛み、サードベースを見つめる常陸・朝霞(はすべてを土蜘蛛のために・b50975)も、きっと虐めがあったのでしょうと、ほんの僅か瞳を伏せた。
「……異形になっちまう程の悔しさか」
 それが一体どれ程のものか、自分にはちょっと分かんねぇと、六桐・匳(吹き荒ぶ力・b66454)が肩を竦める。しかし、その矛先を無関係な人達に向けるというのは、それ以上に理解できない……いや、理解したくもない行為。
「それにしてもさ、1人で残って練習とは、良い先生だなー」
「はい、野球が大好きで、生徒のために頑張ってる素敵な先生ですよね」
 それ故に尚更、レン・ファーリア(夜明けの牙・b39357)も鬼灯・遙(彩雲のサーブルダンサー・b46409)も、そして皆も、彼を助けたいという思いが強くなる。
「何としても、無事助けたいですね」
 遊佐・霧雨(いつも夏服・b13986)の呟きに、仲間達は頷いた。そして地縛霊を呼び出すために、金属バットを握りしめた桂木・亜季(ルールオブデンジャー・b26189)とともに、バッターボックスの周りへと集まった。

 懐中電灯が照らす中、武田・愛一朗(ノンストップ爆風小狼・bn0070)がトスを上げる。
 キィンと澄んだ音を残し、サード方面へと飛ぶ白球。
「へー上手いもんだね」
「スポーツは何でも得意だからねっ」
 レイ・ヤン(余音繞梁・b11470)からの讃辞を受け、亜季はニッコリ微笑むと、2球、3球と続けてサードに打球を放った。
 そして4つ目の白球が、美しい放物線を描いて飛び……。
「あっ」
「消えた?」
 更に続く5球目も、サードを目前として忽然と消える。
 地縛霊の現れる前兆を感じ取った能力者達は、イグニッションカードを握りしめ、ゆっくりとサードベースに歩み寄った。すると……。
『何デ俺バッカ……ヒドイヨ……』
 啜り泣くようなか細い声、三遊間に浮かび上がる白い影。
「きみがボクのノックを受けるの? ボクは厳しいよ」
 バットの先を挑発的に突き出しながら、影に歩み寄って行く亜季。
『僕、バッカリ……!』
 影は亜季をぎろりと睨むと、彼女を周囲に立っていた能力者達もろとも特殊空間へ引きずり込んだ。

●最終死合
 そこは、内野のみがボンヤリ浮かぶ、何とも奇妙な空間だった。
 すぐさま詠唱兵器を身に纏い、ぐるりと周囲を見回せば、見える影は11人の能力者達以外に4つ。
 ひとつは、三遊間に佇む泥だらけのユニフォームを着た地縛霊。
 ふたつは、地縛霊のやや手前で吠えている野良犬のリビングデッド。
 そしてもうひとつは、ピッチャーマウンド付近で狼狽している野球部顧問の教師。
「さぁて、プレイボール!」
 シン・メイフィールド(やわらかな牙・b37067)は試合開始の鬨の声をあげると、そのての中に生みだしたドリンク剤を匳に向かって投げ、遙も霧で己の像をだぶらせながら、自身により近い位置にいる野良犬へと駆け寄った。
『ヒドイヨ……』
「うわぁ、うわぁぁ!!」
 震える声で呟いて、土煙を上げてくる地縛霊。それは、まだ陣形を整え終えていない能力者達には勿論、マウンド上の教師にまで及んでしまった。だが、殺傷力のない土煙は、ある意味幸運だったかもしれない。
「先生、悪いけどちょっと眠っていてね」
「ぁ……うぅ……」
 レイは即座にヒュプノヴォイスを響かせて、教師を眠りに誘った。しかし同時に教師の身柄を確保することは流石に難しく、ひとまず愛一朗に眠った教師の退避を託す。
「えと、今、治します。援護、お願いしますっ」
 機能を封じられてしまった武器を元に戻すため、小夜が赦しの舞を舞う。
 レンは遙に駆け寄って黒燐虫の力を付与し、霧雨は2人とやや距離を置きつつ、虎紋を己の身に刻んだ。
『ガゥゥ!』
「雑魚がっ、散れっ!」
 1匹の野良犬が、亜季に牙をたてようとした。だがそれよりも一瞬早く、朝霞の巨大な猫じゃらしに似た鬼棍棒が、野良犬をファウルゾーンまで吹き飛ばした。亜季は朝霞に礼を言い、黒燐蟲を纏いながら地縛霊の至近へ移動。そこにもう1匹の野良犬が襲いかかってきたが、彼女はそれを難なくかわした。
「茨よ我が敵を締め付けよ」
 地縛霊と片方の野良犬に狙いを定め、茨での拘束を計るみやび。野良犬は茨に絡まった。しかし地縛霊を捉えることは叶わなかった。
「……吹き荒れろ。気侭にな……」
 匳は、ファウルゾーンに飛ばされた負傷の大きい方の野良犬に狙いを定め、上昇気流を巻き起こす。ギャウンと吠えて僅かに浮き上がった野良犬に、シンがすかさずデフォルメした野良犬の絵を嗾ける。
『ギャ、グゥゥ……』
 犬同士の戦いはデフォルメ犬の勝利に終わり、まずは1匹の野良犬がただの屍へと帰した。
「行きますっ! 風の一閃避わせますか!?」
 目にもとまらぬ速さで振られた、銀で出来た細身のナイフ。それは、茨に拘束されている野良犬の背を瞬時に裂いた。
『モウ、イヤダ……!』
 ごつごつとしたグローブが、亜季の腹を殴りつける。身を屈め、幾分衝撃を緩和させはしたものの、その一撃はとても強く重かった。
 愛一朗とバトンタッチで、教師の護衛に走るレイ。愛一朗は魔狼のオーラを纏いながら爆発の巻き添えにならぬ位置を陣取り、レンは今度は自身の呪髪『+節黒仙翁+』に黒燐蟲を纏わせた。
 亜季の負傷を祖霊を降ろし癒す小夜。野良犬は、まだ締めから逃れられずにいる。朝霞と霧雨はその機を逃さず渾身の一撃を叩き込み、これで邪魔者は消え去った。
「ボクらの熱い魂でキミも燃え上がらせてみせるよっ」
 地縛霊の気を少しでも教師から逸らすよう、亜季はファースト付近に保護されている教師と対極の位置に移動して、漆黒のオーラを纏わせた大鎌『赤光』を横に薙ぐ。
「いまのうちに、森よ我が敵を貫け!」
 みやびの放った森王の槍は、地縛霊のユニフォームを僅かに破いた。続いて匳も気流で地縛霊を引き裂くが、足止めにまでは至らない。
「何があってここに留まってるのかは分かんないけどさ……!」
 けれど、青春を捧ぐ白球を汚していいのは、汗と土と努力であって、たとえどんな辛いことがあったのだとしても、妄執と血で穢して良いものではない。
 そんな強い思いを込めて、シンはSD化した地縛霊……可愛らしい野球少年を描き出す。
「悲しみの連鎖は生んじゃいけないよ……」
「苦しかったんだろうけど……でも、もう解放されて良いんだぜ?」
 遙とレンも強く頷き、瞬断撃と呪いの魔眼のタイミングを合わせる。
『ゥ、アァァ!』
 続けざまの攻撃に、地縛霊は大きく傾いだ。だがすぐに体勢を立て直し、またも亜季をグローブをはめた手で殴りつけた。
「……!!」
 凄絶な一撃を受け、バタリとその場に倒れる亜季。幸い小夜の舞の力で、すぐに意識は取り戻したが、受けたダメージはちょっとそっとでは消せそうにない。
 愛一朗は後方から水刃手裏剣を放ち、霧雨もクロストリガーで地縛霊の背を撃つが、どちらも威力は殆ど殺されてしまった。
「……ならばこれでっ!」
 紅蓮に燃える朝霞のオーラが、ごぅっと唸りを上げて地縛霊を炎に包む。その隙に、みやびは亜季にヤドリギの祝福を与え、亜季自身も黒燐装甲を使用。僅かでも……と匳も浄化の風を吹かせるが、まだまだ回復は追いつかない。そして遂に……。
『モゥ……嫌ダ!』
 3度目は、流石に耐え凌ぐことが出来なかった。
 亜季はその場に昏倒し、彼女の手を離れた金属バットは、ころころと転がってサードベースにぶつかった。

●最期の一球
 唇を強く噛みしめて、ナイフを素早く振り抜く遙。険しい表情を浮かべたまま、野球少年を描くシン。
(「桂木、ありがとうね」)
 身動ぎを始めた教師に再度ヒュプノを聴かせながら、レイは心の中で呟いた。
 彼女がここまで耐えていてくれたお陰で、他の仲間達は殆ど無傷なままでいられた。その頑張りを無駄にしないため、愛一朗は一層の気合を入れて水刃手裏剣を放ち、レンもより強い念を込めて地縛霊を睨みつける。そして小夜は、その隙に白燐蟲を『琥珀剣≪黎明≫』を纏わせた。
 次の囮となるために、霧雨は、金属バットに駆け寄った。朝霞は再度紅蓮撃を叩き込むが、今度は地縛霊を炎に包み込むには至らず、続けて放たれたみやびの巨槍、匳の気流も、今ひとつ狙いが反れてしまった。
『嫌ダ嫌ダ!!』
 地面に叩き付けられた白球が、どぉんと音を立てて爆発する。地縛霊に近接していたそれは、バットを握りしめた霧雨もろとも、朝霞、遙をも巻き込んだ。
 回復役だけでは間に合わないと考えたシンは、すぐさま霧雨にギンギンパワーZを投げる。
「みんな大丈夫!?」
「うっ……すいません、ありがとうございます」
 レイの歌声に幾分傷を癒して貰った遙は、彼を振り返り礼を言うと、自身も再度霧影の力を発動させた。
 小夜は祖霊で朝霞を癒し、愛一朗とレンはとにかく攻撃に専念する。新たな囮となった霧雨は、万全を期するために虎紋覚醒で受けたダメージを完全に消し去り、朝霞はみやびに回復を託し、紅蓮の一撃で再度地縛霊に炎を浴びせた。
(「想像以上……ですわね」)
 もしも自分が攻撃を受けていたならば、ほぼ間違いなく一撃で地に伏していただろう。
 さほど強い相手ではないだろうと高を括っていたみやびだが、それは大きな間違いであったことに気付き、気を引き締めなおして朝霞にヤドリギの祝福を与える。
「もうちょい粘ってくれ、な」
 浄化の風で皆を癒し、朝霞の力を回復させる匳。
『ヴゥ……ウワァァ!』
 慟哭とともに、土煙が巻き起こる。しかし、この程度のことに怯んでいては人狼騎士の名折れとばかりに、シンはライカンスロープで己の底力を上げた。
「まだまだっ!」
 土煙の影響からすぐに逃れることの出来た遙は、瞬断撃で地縛霊の腕を斬り、レイは教師がまだ眠っていることを確認すると、皆のために癒しの歌声を響かせた。
「えと、後、少し、ですっ!」
 小夜の舞が、仲間達の詠唱兵器を正常な状態に戻す。
「助かったぜキムラ!」
 レンは彼女にニッと笑ってみせると、それとは正反対の、禍々しくも鋭い眼光で地縛霊を内から射抜いた。
『ウ、ウゥ……!』
 毒に冒され、苦しげに蹲る地縛霊。そこに霧雨が、日本刀のような電光剣を振り下ろす。
「この送り火で……還れ!!」
 朝霞が、今日一番大きな紅蓮の炎を迸らせる。
『ァァ、イヤ、ダ……俺、ハ……!』
 地縛霊は呻き、悶えた。そこに、匳とシンが同時に攻撃のモーションにはいる。
 ジェットウィンドとスピードスケッチ。それはまるで、小さな少年が風と共に駆け抜けたかのようでもあり。
『………ァ……』
「残念だけど、ラストゲームだよ」
 少年の手から、ころりと白球が転げ落ちた。
 そして気が付けば、そこはもう、元いたグラウンドだった。

●ゲームセット
 ゴーストとの試合は、能力者達の勝利に終わった。
 亜季も意識を取り戻し、皆で無事に戻ってこられたことにホッと胸を撫で下ろす。
「なれない防具を使ったからでしょうか? 少し動きづらかったようなきがしますわ」
 巫女服から元の甘ロリファッションに戻り、心地を確かめるように軽く腕を振ってみるみやび。
「そういえば先生は?」
「大丈夫、まだ寝てるよ」
 そう言ってレイが指差した先には、ファーストベースを枕にして眠る教師の姿があった。
 出来ればベンチに寝かせてあげたかったが、生憎近くにベンチはなく、また、下手に動かして目を覚まさせてしまうのも宜しくない。
「まぁ……このまま寝かせておいてもいいんじゃねーかな」
 とりあえず、今の季節なら風邪をひくこともないだろうということで、教師はそのまま眠らせておくことにした。
「野球の事、嫌いにならないで下さいね。これからも頑張って先生」
「これからもさ、良い野球部にしてってくれな」
「……野球、これからも、大好きで、いてくださいね」
「目指せ、甲子園!」
 起こさぬように、激励の言葉は小さな声で。
「そういえばこの先生は普通に良い人だと思うんだけれど、地縛霊の子の「先生」は怖い人だったのかな……?」
「……かもしれませんね」
 レイのそんな疑問の言葉に、霧雨がぽつりと呟きを漏らす。
 ただ単に厳しいだけだったのか、それとも他に何か訳有りだったのか……しかし今となっては、もう知りようがない。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか?」
「そうだな、誰かに見つかるわけにはいかねぇし」
 まだ誰も気付いていない、今のうちに。
 能力者達は、静かにグラウンドを後にした。

 ……途中、朝霞はほんの一瞬立ち止まって考えた。
 そして、僅かな黙祷だけを捧げると、またすぐに皆とともに歩き出したのだった。


マスター:大神鷹緒 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2009/08/07
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