偽りの生 禁断の恋 たまゆらの逢瀬


<オープニング>


 随分と印象が変わったな、と。
 ほのかな赤橙に染まる彼の横顔を眺めつつ、ミナは音楽室に響く旋律に耳を傾けた。
 以前の穏やかで優しい演奏も彼らしくて好きだったけれど。最近の、どこか刹那的で物悲しい印象の演奏も、温和そうだった彼のイメージとはかなり違い意外性があってドキドキしてしまう。
 いや、むしろ……自分の前だけで、内なる感情をみせてくれているようだと。
 ミナは制服のリボンをそっと弄りながら、幸せそうに笑んだ。
「辻先生。もうすぐ、夏休みも終わりですね」
 旋律の余韻がまだ残る中、ピアノを弾き終わった彼に。ミナはふと、そう語りかけた。
 彼――辻先生は、そんな彼女の言葉にポツリと呟く。
「夏休みも、もう終わり……」
 それからミナのそばまでやって来た辻は。
 長く艶やかな恋人の髪をサラリと撫でてから、深い闇のような漆黒の瞳を細めると。
 こう、彼女の耳元で囁いた。
「……ミナ、もう君を帰さないよ」
 いつの間にか赤かった窓の外の空は、彼の瞳と同じ深い黒へと色を変えている。
 そしてミナへと落とされる彼の口づけは、いつも通りの優しい禁断の甘い味から。
 激しさを増し、死の香りがする血の味へと、変化していったのだった。

「お集まりいただき、ありがとうございますわ。運命予報、始めますの」
 水無瀬・詩杏(中学生運命予報士・bn0212)はペコリとお辞儀した後、依頼の概要を語る。
「リビングデッドとなった教師が今日の日暮れ頃、ひとりの女生徒の命を奪ってしまいますわ。その前に、退治していただきたいのです」
 その音楽教師・辻は、生徒のミナと密かに恋仲であった。だが不慮の事故で命を落とし、彼女への未練からかリビングデッドとなってしまったのである。
 そしてリビングデッドとなった後も、人のいない夏休みの学校の音楽室で辻はミナと会い、血を啜っていたが。そんな夏休みももう、終わりを告げる。そのためか、ついに彼は愛する者の血肉を欲する欲求に従い、彼女を喰らい殺してしまうのだという。
「皆様が到着する頃には、もうふたりは一緒に音楽室にいますの。そして辻先生はちょうど陽が落ちる頃のピアノ演奏を終えた直後に、彼女を喰らってしまいますわ」
 夏休みの学校は人の姿は殆どないため、侵入は容易いだろう。能力者達が到着する夕方頃には、すでにふたりは音楽室に一緒にいるが。彼が彼女を襲う日暮れまで、何らかの対策が取れる程度の時間はある。
 だがふたりは、教師と生徒である以上に、恋人同士。目の前で相手に危害が加えられようとすれば、ふたりはお互いを守ろうとするだろう。しかも辻はゴースト、追い込まれて理性を失えば何をするか分からない。
「どう作戦を立てるか、それは皆様にお任せしますの。ですが先生が理性を失った場合、ミナさんに急に襲い掛かったり、また逃亡する可能性も十分考えられますわ。ゴースト退治と、ミナさんへの安全配慮も出来ればお願いいたしますの」
 それから詩杏は、敵の攻撃手段を語る。
「辻先生は戦闘になると、広範囲に鋭利な楽譜をばら撒いて攻撃してきたり、眠りに誘う旋律を奏でたりしてきますの。近付くと、指揮棒で鋭く突いてきたりもするようです」
 また、戦闘になると、スズメのリビングデッド2羽も現れる。そう戦闘能力は高くなくくちばしで突付いてくる程度だが、動きが素早いので注意したい。
 そして戦闘場所となるだろう音楽室は広く、夏休み中のためか机や椅子などは片付けられており、障害物は殆どないという。
 詩杏はすべて説明を終えると、一瞬蒼の瞳を伏せたが。すぐに顔を上げ毅然と口を開いた。
「教師と生徒という関係はともかく、リビングデッドとなってしまった以上、おふたりが同じ道を歩むことはもうできません。愛し合う恋人を引き離すのは心苦しいですが、このまま放っておけば恋人達はもっと悲しい末路を必ず辿ってしまいますの。そうなる前に、ゴーストの退治をお願いいたしますわ」
 詩杏は能力者達を見回した後。もう一度、深く頭を下げたのだった。

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参加者
久遠寺・紗夜(光龍の蒼月姫・b05369)
遊馬・葛(紅蜥蜴・b34841)
プリス・ベルグランデ(腐滅の黄金・b47961)
白神・風優翔(夢色の楽師・b51129)
ミルドレッド・レヴァンズ(迷い子・b57418)
穂宮・乙樹(眠りを誘う霧・b62156)
有珠川・茉莉花(有珠川宮の揺れない震源地・b62582)
雪積・桜紅楽(春を待つ優雪・b67470)



<リプレイ>

●最果てに続く赤
 一日のうちで、ほんの僅かだけ。世界を赤だけが支配する刻がある。
 窓から差し込める夕焼けで眩暈がするほど真っ赤に染まった廊下に、数人の影が漆黒に伸びる。
 そして誰の姿もない静けさが広がる中、微かに耳に聞こえるのは――ピアノの旋律。
 その音色は歩みを進めるにつれて少しずつ大きくなり、赤橙の空へ溶けるように余韻を残しながら消えていく。
 ふたりは今まで何度こうやって人知れず逢瀬を重ね、想いを交し合ってきたのだろうか。
 だがそんな禁断の恋が成就することは、ない。
 例えどういう結果に転ぼうとも、ふたりに待ち受けているのは悲劇のみ。だがその悲劇を少しでも救いようのあるものにするために。
 能力者達は、この場所にやって来たのだ。
(「先生と生徒ですか……立場の枷はあれど、お互いが思い合っているなら応援したい所ですが……」)
 問題は、『教師と生徒』だからではなく。
(「生きている者と死者は住む世界が違うんですよ」)
 ミルドレッド・レヴァンズ(迷い子・b57418)はそう青の瞳を廊下の先の音楽室へと向ける。
(「禁断の愛が悪いとは言いません。先生と生徒でも、好き合っているならばいいのではないでしょうか」)
 死しても尚、此方に留まろうとするほどのミナへの強い想い。辻の彼女への愛は本物であったのだろう。
(「けれどもこのままでは待っているのは破滅……」)
 皮肉にも、リビングデッドとなった辻は、ミナを愛するがゆえにその血肉を欲することになるのだ。
 久遠寺・紗夜(光龍の蒼月姫・b05369)も切なく響く旋律に耳を傾けながら、仲間達と夕焼け色の廊下を進む。
 そんな紗夜の隣を往く有珠川・茉莉花(有珠川宮の揺れない震源地・b62582)はまだ幼い身。正直、禁断の恋やら愛やら、年齢的にそういう色恋沙汰は分からない。
 だが、これだけははっきりと分かる。
(「なんであれ、死人が生者を傷つけることは許されないのじゃ」) 
 能力者として、人害を及ぼすゴーストを放っておくことはできない。在るべき場所へ還してやるべきだと。
(「んー、こーゆー依頼は何つーか、やりきれねぇなぁ。迷わず成仏してくれよ」)
 茉莉花と年のそう変わらないプリス・ベルグランデ(腐滅の黄金・b47961)も、念のため周囲に人の姿がないか注意しながら歩みを進める。
 静かな校舎内に響くピアノの演奏は、どこか物悲しくて。複雑な気持ちにも拍車がかかってしまう。
 だが、しかし。
(「……愛し合ってる二人を永遠に割いてしまうのはとても心苦しいのですが、私も彼女が黙って殺されるのを見過ごすわけにはいかないのです」)
(「教師と生徒、禁断の恋……ただでさえ茨の道だったのに、こんな事になってしまうなんて……胸は痛みますが……この先に待っているのは、悲劇だけ」)
 白神・風優翔(夢色の楽師・b51129)と雪積・桜紅楽(春を待つ優雪・b67470)も複雑な気持ちを抱きながらも。自分達がやるべきことに対し、決して揺るぎは無い。
 ミナを傷付けさせぬように。何より、彼自身が一番望まぬ結果にならぬように。
(「ここで、現世への未練を断ち切らせてもらいますよ」)
(「終わらせましょう……二人の為にも私に出来るのは、ただ撃ち貫く事のみ、です」)
 能力者達はついに音楽室の前へとやって来て、皆で顔を見合わせ頷き合う。
 偽りの生を、打ち砕くために。

●ふたりを分かつ時
(「想い人は既に故人……悲しい話だ。ミナさんにゃ気の毒だが……先生にはここで眠ってもらうほか、ないよな」)
 まずは辻とミナを引き離すべくふたりと接触を試みる役割を担う、遊馬・葛(紅蜥蜴・b34841)。
(「リビングデッドの教師と一般人の生徒の恋、ね。其れは置いといて、死せる者が生きているものを殺すのはダメよね」)
 葛とともに音楽室へと赴く穂宮・乙樹(眠りを誘う霧・b62156)は、待機組の仲間達が身を隠したことを確認した後、ゆっくりと入り口のドアをノックした。
 刹那――ピタリと止む、旋律。
 そして、制服を着用しこの学校の生徒を装う桜紅楽がドアを開け、中へと踏み込む。
「転校生に校内を案内している最中にピアノの音色が聞こえたので、気になったので……」
 思いがけず現れた少女達に、動揺を隠せぬ様子の辻とミナ。そんなふたりに、在校生役の桜紅楽はそう言った。
 それから相手が言葉を発する前に、すかさず乙樹が続ける。
「それが学園の制服なのね……資料とかで見たものより本物の方がわかるわね、やっぱり」
「えっ? あ……」
 桜紅楽も借り物の制服を着ていたものの、ミナは気が動転しているのか、ただうろたえながら辻をチラチラと見ている。
 それも当然だろう。ふたりの禁断の関係を知られるわけにはいかないのだから。
 そしてその思いからか、無意識的に辻から少しずつ距離を取るミナ。
 葛は今度は辻の気を引くため、転校生を演じて彼に話しかける。
「先生。この学校のことを少し聞きたいんですけど、いいですか?」
「……転校生が夏休みに学校に見学に来るなど、今まで聞いたことないが。しかも、こんな時間に」
 赤に染まっていた空も、いつの間にか闇に覆われ始めている。
 自分の愛する者以外との接触を嫌うリビングデッドの特性も相まってか、明らかに辻の様子は好意的なものではない。
 だが、辻は椅子から立ち上がりはしたものの、まだ音楽室に置かれているピアノの位置にいる。
 一方ミナは、辻との関係が表立つことを恐れ、少し彼から距離を取っている状態。
 辻の訝しげな様子を見ると、いつミナの方へ動き出すか分からない。
 そう判断した乙樹はすかさず起動し、ミナの手を引いて。
「……え……っ!?」
 彼女をより安全にと辻から離すと、素早く導眠符を施したのだった。
「悪夢を見る事はないわ、ゆっくりおやすみ……」
「! ミナ!?」
 ふっと眠りの世界に落ちていくミナの様子に、辻は大きく瞳を見開く。
 だが、素早く起動してミナの盾となるように位置取った葛が、ナイフを構えて立ちはだかった。
「アンタに恨みはねェけどサ……好きな女傷付けちまう前に眠ってくれよ」
「なっ!? くっ!!」
 同時彼の腕に絡みつくのは、桜紅楽の闘気を具現化した鎖。
 そして辻の顔に浮かぶのは……歪んだ、怒りの感情。愛する者を欲する感情と、邪魔をす者達に対する殺気をあらわにする。
 そこにはすでに、愛する者のために美しい旋律を奏でていた辻先生の面影は無い。
 在るのは……滅すべき、ゴーストの姿のみ。

●黄昏の葬送曲
 辻を援護するように凶暴なスズメが奇声を上げて現れたと同時に、廊下で待機していた能力者達も音楽室へと駆けつけて陣形を成す。
「身も心も凍らせて上げます!」
 先制の一撃は、巻き起こる嵐。
 風優翔の氷の竜巻奥義がスズメ1体を包み込み、その身を凍らせる。
 葛もミナの方向目掛けて飛ぶもう1体のスズメに退魔呪言突き奥義を見舞い、敵を通さぬよう惜しみなく攻撃を仕掛けた。
 プリスは旋回する光の盾を召還して戦闘態勢を整え、乙樹もミナを守りながらミストファインダーを発動させながら思いの丈を叫ぶ。
「決して傷つけさせない……偽りの生じゃ幸せになんてなれないのよ!」
「先生、あなたは愛する人を手にかけたいと思いますか?」
 ゴーストとなった彼は、聞く耳なんて持たないかもしれない。だが、それでも。紗夜も辻に、そう問いかけてみる。
 案の定、彼からの答えはなかったが。答えなんて聞かなくても、彼の本当の気持ちは分かっているから。
 紗夜から呟かれた呪いの言葉が、煩く飛び回るスズメを捉えて的確に撃つ。
「貴方は彼女を愛していたのではないのですか、教師として、教え導く者として、彼女の未来を誰よりも望んでいたのではないのですか」
 魔方陣を成して自己強化をはかりながら、同じく辻に呼びかけるミルドレッド。
 だが辻は言葉を掛ける能力者達に視線を向けることすらなく。ただひたすらに鎖で繋がっている桜紅楽だけを瞳に映していて。そして鋭い指揮棒を、彼女へと容赦なく振り下ろした。
 桜紅楽は一瞬、その鋭い衝撃に顔を顰めはしたものの。すぐに辻目掛け、青龍の力漲る拳を叩き込む。
「今の貴方をミナさんに近づけさせる訳にはいきません。……この鎖、簡単には切れませんよ?」
 ジャラリと鳴る鎖は、いまだふたりを繋いだまま。
 でも、こんなものがなくても。
(「先生はミナさんを傷つけないと信じたいところなんですけど、ね」)
「しっかりするのじゃよ?」
 辻の攻撃を受ける役を担う桜紅楽をサポートすべく、黒燐蟲の加護で彼女を癒す茉莉花。
 能力者達はまずタイマンチェーンで桜紅楽が辻をひきつけているうちに、スズメの撃破から狙って攻撃を仕掛けていく。辻の怒りが解けても、すぐにまた鎖の呪縛が彼の腕に絡みついた。
 スズメもしぶとく反撃に出て、前に立つ風優翔を突き刺そうと口ばしを向けるが。
「私についてこれるとでも?」
 その動きを見極め、風優翔はすかさず攻撃を回避する。
 葛もスズメの攻撃を受けるものの、逆に封術の解けたタイミングでもう一度退魔呪言突き奥義を繰り出した。
 そして体力が残り僅かになったスズメを撃ち落としたのは、プリスの放つ眩い光を纏う槍。
「弱い奴から潰すのは戦いの定石ですってなァ!」
 その目を覆う程の輝きに貫かれ、声を上げて。1体目のスズメは呆気なく消滅する。
 さらに残り1体のスズメに見舞われるのは、射程の延びた乙樹の目にもとまらぬ斬撃。そして紗夜の呪詛呪言改がスズメを撃ち取ったのだった。
 残るは、リビングデッドとなった辻のみ。
 鎖の呪縛から逃れられていない彼の目は、怒りの感情しかみえない。愛しい人の姿も、もうその瞳には映ってはいなかった。
 そしてタイマンチェーンで辻を引きつける作戦は、かなり功を奏していた。狭くはない音楽室とはいえ、辻に広範囲に及ぶ楽譜攻撃を仕掛けられれば、眠っているミナを巻き込んでしまったかもしれない。
 だが、彼はいまだ鎖を振りほどけずにいる。能力者達は全力を持って彼を滅すべく、攻撃を放っていく。
「思い出してください、彼女との事を、人としての心を。貴方は、貴方を信頼する彼女から未来を奪うつもりですか!」
 雷の衝撃とともに投げかけられる彼の言葉に、辻は反応を示さない。その目は、桜紅楽だけを映している……かと思われたが。
「……!」
 能力者達は、ハッと顔を上げる。
 リビングデッドとなった彼に、人間としての感情はもう失われている。
 だが――そんな彼の目から零れるのは、涙。
 決して人間らしい気持ちが残っているというわけでもなく、投げられた言葉に心揺らいだわけでもなく、彼が能力者達への攻撃をやめる気配はないが。
 でも彼は、確かに泣いていた。
 そして能力者達がそんな彼にしてやれることは、ただひとつだけ。
 桜紅楽は再び振り上げられる辻の指揮棒の攻撃を回避して。
「死者は黄泉の国に引っ込んでおれ!」
 茉莉花の獣撃拳奥義と桜紅楽の獣撃拳奥義が、彼へと全力で叩き込まれる。さらに風優翔の氷の吐息奥義が巻き起こり、葛の退魔呪言突き奥義が彼の身を揺るがせて。
「後はテメー一人です! さっさとやられちまいなァ!」
 プリスの光の槍奥義が彼の身体をモロに貫く。
 そして、最後に彼を縛っていた様々な鎖を断ち切って解き放ったのは、乙樹の瞬断撃。
「悲しみを断ち切る為にっ!」
 切り裂かれた身を捩じらせ、断末魔の声を上げて。辻の身体は、地に沈む。
 そして音楽室を包んだのは。すっかり赤の消えうせた、日暮れの静寂であった。

●別離のとき
 ゴーストを殲滅した後。天井付近に設置してあるスピーカーを落とし、彼が事故死したように装いながら。
 葛は、チラリと眠っているミナを見つめた。
(「……ミナさんはきっと悲しむだろうけど。悲観に暮れることなく、強く生きてほしいと思う」)
 それから説得にあたる者以外が音楽室の外にそっと出た後。
 乙樹はミナのことを優しく起こした。
 そして、彼女に告げる。
 スピーカーの螺子が緩くなっていたのか急に落ちてきて。辻がミナを突き飛ばして庇った、と。
 だが当然彼の死を受け止められず、取り乱すミナ。
 その様子を音楽室の外からそっと見ているプリスは、思わずこう呟く。
「やっぱ、好きな人が死んじまったのはショックだろうなぁ……」
「……他に方法が無いとわかっていても、割り切れないですね。やっぱり」
「伴侶との別れは辛かろうが、乗り越えて欲しいものじゃのぅ」
 ミルドレッドと茉莉花も頷き、静かにミナや説得をする仲間を見守った。
 遺された彼女の気持ちを思うと辛いが。桜紅楽は懸命にミナに声を掛ける。
「ミナさんの中には先生の愛と音楽が残っているはず。どうか、強く生きてくださいね」
「……愛していた人を亡くすのは辛いことです。私も昔両親を目の前でなくしています。それでも、残った人はその人の分まで顔をあげ前に進まないといけないのです。きっと彼もそう望んでいると思います。ですから……強く、生きて下さい」
 自らのことを語る風優翔に続き、乙樹も真摯にミナへと言葉を投げていく。
 彼が愛してくれたこと、それを頼りに強く生きて欲しい……と。

 ミナが立ち直るまで多くの時間がかかるであろうし。
 まして辻のことを忘れることなど、彼女に出来はしないだろう。
 だが、ふたりが過ごした時間や交わした愛情、そして彼の音楽を心に宿しながらも。
 死しても尚、この世に留まるほど愛してくれた彼のためにも、前を向いて歩んで欲しいと。
 そう能力者達は願うのだった。
 少しずつ……ゆっくりでも、いいから。


マスター:志稲愛海 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2009/08/31
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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