廃寺坊主〜by比丘尼〜


<オープニング>


「へー……ここかぁ……」
 二人男女は、その廃寺を見上げ呟いた。
 彼らはまだ十代の若いカップル。真剣に愛し合っているものの若いという事を理由に、結婚を反対されていた。そんな経緯から、若気の至りでいわゆる愛の逃避行を試みようとしているわけであるが、そんな矢先、小耳に挟んだ廃寺の噂。そこの中にある愛染明王の仏像にお供えをすると、苦難無く駆け落ちが実現できるというのだ。
 二人は自分たちの将来を願い、その廃寺にやってきたわけである。
 夜だということもあり、人気の無い廃寺はかなり不気味だった。それでも二人は迷うことなく本堂へと階段を上がった。壊れ気味の木戸を開けると、大きな仏像が二人を見下ろした。
「早くお供えしよ。夜行電車に間に合わなくなっちゃう」
「そうだな。遅れたらシャレになんないし」
 二人は腕を組みながら急ぎ足で仏像へと向かった。するとどこからかくしくしくと女性のすすり泣く声が聞こえた。
「えっ? 何?」
 キョロキョロと辺りを見回す女性に、男性はからっとした口調で、
「風で枝が揺れた音だよきっと。怖がりだなぁ」
 と、そこまで言ったとき、仏像の前に人影があると気づいた。
 見るからに若そうな尼が一人、涙をポロポロ流しながら、恨めしげな眼でこちらを見ている。
「うらめしや……うらめしや……」
 ゆらゆらと尼服が揺らめいて見えるほど禍々しい邪気が、一般人の彼らにも見て取れた。
 二人は悲鳴を上げる。
「……他の女と添い遂げるなど許しませぬ……!」
 風のような速さで近づいてくると、手に持った独鈷杵を二人の頭へ振り下ろした。何度も何度も強打する音が本堂に響き渡る……。
 
 
 机に座り、ぼーっと空を見上げている千空。能力者たちが横に揃っているというのに、出た言葉。
「たまには大福食べたい……。あ、白玉ぜんざいでもいいかな……」
 ……おい。頭の中は相変わらず団子しかないのか……。たまには趣味のネタとかにしてみようとか思わないのか。
 ともかくもう皆様揃ってるんです。さっさと気づいてお仕事して下さい千空君。
 
 予報士モードに切り替え、千空は淡々と今回の依頼を語り始める。
「今回の現場はとある村外れにある廃寺だ。そこに現れる比丘尼……つまり尼さんの地縛霊退治をしてもらいたい。もうすでに何組かのカップルが犠牲になっている」
 千空はそう言うと、無表情のまま小さく息を漏らす。
「その廃寺、地縛霊が出るというのに、どこでどうなったのかそこの仏像にお供えすると駆け落ちが成功するって噂がたっちゃってさ……。おかげで山奥だというのに犠牲者があとを絶たない。実は駆け落ちが成功しているんじゃなくて、地縛霊に殺されているって知ったらそれはそれでとんでもないことだけど」
 ともかく、このまま放置すれば、噂を当てにしてやってくる恋人たちが次々と犠牲になることは間違いない。早急な解決が必要な事件だ。 
 千空は廃寺への地図を手渡すと、まずは呼び出す方法を語り始めた。
「今回は、恋人同士で本堂の中へ入ることが条件となる。まぁ見た目さえ誤魔化せれば同性同士で向かっても問題ないんだけど……」
 とにかく見た目男と女がいちゃつきながら本堂に上がり込めばいいわけだ。実に単純である。残りの待機班は本堂の入り口付近で待機していれば見つかることは無いし、すぐに駆けつけられるので、ここまでは特別厳しい要素は無い。
「それと、向かうなら昼間のほうがいい。光源は必要ないし、人目を忍ぶような恋人たちが現れるのは大抵夜だからね」
 要である囮役の選定は能力者たちに任せるとして、一番の気になるのは地縛霊の能力がどれほどのものかということだ。
「ボスである尼の地縛霊は、もとが女性だけあって素早いけど、力はそれほど高くは無い。だが支援ゴーストの存在が厄介だ。男女の三組の地縛霊、つまり計六体も出現する。ちょっと数が多いんだよね」
 きっと、今まで尼の手によって殺されたカップルなのであろう。苦しみに繋がれ、共に冥府へと旅立つことができずにいるのだ。
「攻撃に関してだけど、尼の地縛霊は独鈷杵で殴りつけてくる近距離一体と、恨み言を呟いて20m以内の対象1体に猛毒付ダメージを与えてくる。支援ゴーストは男のほうは殴りかかる近距離一体のみ。女のほうは恨み言による20m以内の対象1体のみ」
 支援ゴーストに特別なバッドステータスはないし、尼よりは弱いのでいくらか倒しやすいといえる。
 

「まったく……尼さんがなんで地縛霊になっちゃったんだか……。事情があるにせよ、人に仇をなすゴーストであることには変わりない。数が多いが、あんたたちの力なら解決できると思ってる。吉報待ってるよ」
 千空はそう言って、能力者たちを見送った。

マスターからのコメントを見る

参加者
渕埼・寅靖(縛鎖のキマイラ・b20320)
覚羅・葵(誓いを刻みし刃・b27583)
相馬・真理(絆を結びし蛍火・b29620)
御影・ありす(漆黒薔薇の娘・b30953)
白神・楓(月光の騎士・b46213)
四条・禍月(往く先は風の向くままに・b51362)
富田・真琴(手探りの道を往くヒト・b51911)
香月・風音(月光輪舞・b52865)
稲葉・和音(翠雷の頸刎ね兎・b68065)




<リプレイ>

 草木茂る山奥にひっそりと佇む廃寺。今回はここが戦闘の舞台となる。
「尼が地縛霊になるとか……世も末だな……」
 廃寺を見上げ、ため息混じりに呟く白神・楓(月光の騎士・b46213)。
「全く、碌でもねェ尼サンも居たモンだな」
 イグニッションを済ませ、稲葉・和音(翠雷の頸刎ね兎・b68065)はロケットランチャーを肩に担ぎながら目を細めて言った。
「仏門に帰依する比丘尼が、何の因果で男に恨みを抱いたものか……」
 まぁ知りたくもないがなと言い捨て、渕埼・寅靖(縛鎖のキマイラ・b20320)は廃寺へと足を進める。
「そうそう。地縛霊である以上俺にとっては倒すべき敵、そんだけだわな。さっさと倒してこれ以上犠牲者が出ないようにしますかねっと」
 四条・禍月(往く先は風の向くままに・b51362)は、軽く口笛を吹きながら本堂の階段を軽快に駆け上がる。
 今回の囮役を買って出た覚羅・葵(誓いを刻みし刃・b27583)と相馬・真理(絆を結びし蛍火・b29620)は決意を新たに固く手をつなぐ。
「用意はいいかい?」
 葵にそう尋ねられ、こくりと頷く真理。
「地縛霊、に、何が、あったのかは、詳しくは、分からない、です、が……よっぽど、悲しい思い、したんでしょう、ね……きっと」
 本堂を見上げると呟いた。尼となっても払拭することができぬ想いなのだから相当なものだろう。
「でも、その悲しみ、に、巻き込まれて、命を、落とさなくては、いけない、のは、たまった、ものでは、ナイです……!」
「ああ。幸せになろうとしている人達の邪魔をするのは許せないな。それがゴーストなら尚更だ」
 地縛霊を呼び出すべく、一緒に本堂への扉を開けた。ギシリと古めかしい音が本堂の中に響き渡る。そして腕を組みながらゆっくりと進んでゆく。他のメンバーは入り口付近に張り付き待機。
「葵くんは、私が、守りますから、ね? だから、安心、して、くださいっ」
「おい、それは普通、男の台詞だろ」
 だがそう言いながらも、真理の気持ちはとても嬉しいので、微笑むと更に引き寄せてくしゃりと優しく頭を撫でる。
 見ているこっちもほわんとするほど、微笑ましいカップルぶりである。それもそのはず本当に恋人同士なのだからそのラブラブっぷりはリアルなものだ。
 その時、か細い女の声がどこからとも無く聞こえてきた。
「……うらめしや……うらめしや……」
 本当に、いつの間にそこに現れたのか、仏像の前にすすり泣く尼の姿。頭巾の隙間からのぞく顔は若く美しい。だがその瞳から発せられる毒々しいほどの邪気は、常軌を逸していた。まるで鬼の如きである。
 作戦成功の合図として真理が悲鳴をあげるのと、尼が何かを叫びながら使役ゴーストを呼び出すのは同時だった。
 尼は独鈷杵を振り上げながら二人に襲い掛かってくる。現れたカップルの地縛霊たちも同時に襲い掛かった。
「早い……!」
 予報士の言葉通り、尼に限っては確かに素早い。真理を背に庇うようにしながら、葵はその攻撃を受止める。更に後方に位置していた女の一人からの恨み言もくらってしまった。真理は男の一人の攻撃をかわしたものの、女の一人から攻撃を受けてしまう。二人は自己回復を行いながら後ろから駆けつけてくる仲間たちとの合流を図る。
「それ以上させません!」
 葵たちと地縛霊の間に割り込むように富田・真琴(手探りの道を往くヒト・b51911)は飛び出し、男の攻撃を受止めると旋剣の構え。
「恨みは無いが……ここで消えてもらうぞ!」
 楓も男の一人へと詰め寄ると、黒影剣にて攻撃。漆黒の刃が男の胸元に真っ直ぐと走りぬける。
「お前の相手はこの俺だ」
 寅靖は虎紋覚醒を行いながら男の一人の前に躍り出て、二人がこれ以上の集中打を受けないよう、その攻撃を受け持った。
「アンタたちを理不尽に縛る鎖、断ち切ってやる」
 香月・風音(月光輪舞・b52865)は固まっている尼と地縛霊二人に向けて暴れ独楽で果敢に攻める。まるで演舞のように均整の取れたジャンプから高速回転。追撃もお見舞いし、なかなかの好スタートである。
「さぁて、ぼちぼちいくとすっか」
 戦闘が始まっている中、未だにイグニッションせず、飄々と現れた禍月。だがイグニッションと同時に雰囲気が一瞬にしてがらりと変わる。
 まるで陽が陰へと転ずるように、完全にスイッチが切り替わった。感情というものが一切消え、冷ややかとも言える眼差しで地縛霊を見据える。
「覚悟するんだな……」
 剣舞のように剣をひらめかせ、旋剣の構え。
 三体目の女地縛霊が恨み言を放とうとしたとき、朱色の闘気を纏った鎖が一直線に空を切る。
「かかったねェ!」
 鎖を引き寄せるように力をこめると、和音はにっと笑みを浮かべた。
「さァ、どっちが先にくたばるか、勝負しようじゃねェか!」
 女は怒りをあらわにし、和音へ恨み言を解き放つ。
 寅靖も女の行動を阻害すべく、土蜘蛛の檻を発動。後方で攻撃を仕掛けている女はいい具合に固まっている。
「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られるぞ」
 皮肉げにそう言い放つと、女の足元から白くしなやかな糸が出現。一体だが巻き込むことに成功。
「皆様。お怪我をなさったらこちらにお任せください」
 御影・ありす(漆黒薔薇の娘・b30953)はまず遊撃役の風音に白燐奏甲を施すと、地縛霊の様子に細かく注意を払いながら楓のほうへと移動する。指示役を担っている彼女は、遊撃班に的確な指示を送らなければならない。数が多いため、素早く数を減らさねば不利になる。
「葵様、風音様、まずは中央のものを!」
 二度ダメージを受けているのは寅靖が受け持っているその男だけだ。指差しながら、大きな声で指示を送る。
「了解した」
「任せてくれ」
 二人はすぐさま攻撃へと転じる。
「援護、します……!」
 真理が吹雪の竜巻を発動する。足元から凍て付く風が流れ出す。そしてそれは急速に集まり、大きなうねりとなって本堂の中を余すことなく飲み込んだ。
「送ってやるよ。本来行くべき場所に」
 葵のインパクトで衝撃を受けているところへ、風音のクレセントファング。プラチナに輝く月ように、神秘的な光を纏いながら蹴り上げた足は、男の鳩尾にめり込んだ。
 まずは難なく一体撃破。尼は、自分が殺した他人すら奪われることが憎いのか、風音に向けて恨み言を発射。猛毒の力が襲いかかる。動ける地縛霊たちも呼応したかのように次々と攻撃を仕掛けてくる。前線のメンバーの消耗がやや激しいものも出てきた。
「回復する。大した回復量ではないが無いよりはましだろう」
 禍月が浄化の風を発動させる。器用に指先だけで剣を閃かすとそこから神秘なる風が辺りへと吹きぬけた。仲間の状態がいくらか立て治る。
「これ以上、悲劇を繰り返させる訳にはいかない」
 真琴は剣の柄をしっかりと握り締めると、流水のように滑らかな動きで接近。なぎ払うように黒影剣を放つ。
「次はあちらを!」
 楓に白燐奏甲を施しながら、ありすは真琴の前にいる地縛霊を攻撃指示。
「了解。こいつで引き裂いてやる……!」
 楓は目の前の敵の動きを妨害しつつ、ターゲットに向かってダークハンドを繰り出す。
 メインの回復役はありすだけなので、能力者たちは自身の体力に気を配りあいながら、交代を行いつつゴーストへと攻撃を仕掛けてゆく。数が多いとはいえ、焦ってもいいことはない。とりあえず男たちの殲滅は完了し、残るは尼と女のみだ。
「今度はそちらをお願いいたしますわ!」
 動き回りながらも、ありすは的確な指示を皆に伝えてゆく。
 狙いを定めて肉薄する寅靖に女の恨み言が炸裂。
「眼前で相方を倒されたんだ、恨みはいよいよ深いだろうが……」
 怯むことなく詰め寄ると、深紅の炎をそのこぶしに揺らめかせた。
「悪いが、その恨み言は聞いてやれんな!」
 勢いよく振り上げる。見た目は女とて容赦せずのアッパーだ。伸び上がるように後ろへと飛ばされながら、魔炎に焼かれて女は一体消滅。
「下がりな! 戻るまであたしが耐えてやらァな!」
 和音はダメージがたまり気味の寅靖へとそう声をかけ、戦列を交代。ありすが次に指示した女へむけて大きく跳ねると、懐へと降り立った。
「零距離、貰った……こいつで仕舞ェだ!」
 しゃがんだ状態から、心臓めがけてインパクトを叩き込む。女はまるで電撃に痺れたかのように激しく震えながら、ぼろぼろと崩れ去る。
 ありすは素早く寅靖へ駆け寄ると、白燐奏甲。
「数も減ってまいりました……。そろそろ決着を!」
 ありすの言葉に頷くように真琴は女へと詰め寄ると、黒影剣で攻撃。女が仰け反りよろけた瞬間、禍月の目が冷たく光る。無言のままダークハンドを発動。黒き影が黒龍の如く地を這い、噛み付くようにその鋭き刃を振り下ろす。
 三枚に下ろされた女は、はらはらと紙切れのように散ってゆく。
 一人となったことを生前の思いに重ねたのか、尼は据わりきった目でぶつぶつと積年の憎しみを呟いている。
 まるでお経のように、一定のリズムで繰り返される言葉は聞き取りにくいものの、憎悪の言葉であることは間違い無い。
「……他の女と……添い遂げるなど……許しませぬっ……!」
 男に裏切られたことが地縛霊となった理由なのか、叫び声を上げながら美しい顔を般若の様に歪ませて、独鈷杵を振り上げ襲いかかる。強烈な打撃を受けながらも、楓は黒影剣でカウンターを浴びせる。
「……だから尼になったのか、尼になってからそうなったのか……いずれにしろ報われないな」
 口から流れ出た血を拭いながら呟く。
「大丈夫か? 少し下がって回復するといい」
 禍月は楓にそう言うと冷たい視線で尼を見据え、ダークハンドを発動。
「何があったか、分かり、ませんが……ここで、終わりに、しま、す!」
 真理は光の槍を頭上に召喚する。金色の光を纏う神秘の槍は合図と共に矢のように放たれた。尼の大腿部を縫うように刺さりこむ。
「恨み言は、あちらで本人に伝えるがいい」
 回復を済ませた寅靖が前線へと飛び出し、紅蓮撃を叩き込む。そこから葵と風音が絶妙なコンビネーションで尼に攻撃を仕掛ける。
「これは……取って置きだっ!」
「想いあう人たちを毒牙にかけた報い……くらえ!」
 魔炎を振り払いながら声を上げる尼の脇へと詰め寄ると、鋭いインパクトの一撃を胸元めがけて発射。重い衝撃に身を震わせる尼。そこへ風音のクレセントファングが、鋭利な三日月の弧を描き、延髄に振り下ろされる。
「……何故私を……遠ざけるので御座いますか……!」
 頭を抱え悲鳴を上げる尼。憎しみに顔を歪めながら、血色の涙をはらはらと流した。
「皆様! もう一息ですわ!」
 楓の回復を手伝いながら、ありすが叫ぶ。
「己の恨みに誰かを巻き込もうとは思いませんが……」
 真琴はぐっと両手で剣を握り締めると、振り上げながら高々と飛び上がる。
「愛する人の幸福を願うなら、時に許す事も必要です……!」
 縦一線に引き裂き、その後ろから、楓が同じく黒影剣で尼へと攻撃を仕掛ける。
「この一撃で……止めだ!」
 漆黒の安らぎを纏う剣身が、毒々しく揺らめく暗黒を切り裂いた。
「……あっ……あぁぁ……」
 見開いた目から血色の涙がはじけ、ぶしゅっと憎しみの気が噴出すると、空気中に飛散して清められてゆく。朽ちかけた愛染明王が静かに慈愛の目で見下ろす中、尼は霞のように消え、やがて一つの小さな光となって天へとゆっくり昇ってゆく……。
「届かぬ想いが憎しみとなり仇をなす……悲しいものだな」
 その光を見送りながら、寅靖は切なげに目を伏せた。
 全てが消え去ったあとに残るは、静寂に包まれし本堂だけ。
「ッたく、仏サンの所へ死者を送る尼サンが、死者を縛ってちゃ世話ねェぜ……」
 和音は悪態をつきながらも、尼が消えた場所に片膝を付き、心の中で冥福を祈る。
「まー安らかに眠るといいさ。俺にはそれぐらいしか祈ってやれんからな……」
 いつの間にやら素に戻っていた禍月。持参した花を供え、パンと手を合わせると黙祷。さっきのほうがクールでかっこよかったかも……と思った人がいるとかいないとか……。
「次に生まれてきた時は……こんな寂しい所に縛られないよう、幸せになってください」
「悲しみ、いっぱいで、ここに、留まるのは……もう、終わり、です。生まれ変わって……今度は、幸せに、なって、ください、ね」
 葵と真理はそう言葉を添えると、固く手を握り合った。
 能力者たちは全員で、亡くなった犠牲者と……そして悲しき尼に黙祷を捧げたあと、寂しい廃寺をあとにした。
 もうここで、愛を誓い合う恋人たちが命を落とすこともない。
 どうか今度こそ、愛染明王の眼差しが、恋人たちに慈愛をもたらすことを……。


マスター:那珂川未来 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:9人
作成日:2009/11/16
得票数:せつない10 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。