<リプレイ>
見上げれば見渡す限りの紅。 色づいたもみじの隙間から抜けるような青と、銀杏の鮮やかな黄が透けていた。柔らかな木漏れ日が注ぐ小道には、風で舞う紅葉と銀杏が降り積もる。地面でも混じる紅と黄。 道に積もる紅葉を拾い、月吉はこれぞ天然の紅と呟く。くるくると回る小さな紅葉。ふと見上げた空に広がる一層深い紅に、美しいと思わず月吉は感嘆した。 道がオレンジ色だと鋭司は感嘆の声を上げ、朔は降ってくる可愛い紅葉を追い掛けた。二人に「ぶつかるなよ」と注意をしつつ、寅靖の表情は思わず緩む。傍らの唯はそっと胸ポケットに添えて、相棒と仲間達に綺麗だなと笑った。 「朔さん、唯さん笑って笑ってー」 カメラを手に鋭司は寅靖の表情の堅さを指摘して、それならばと朔は彼の脇腹をくすぐる。一緒にくすぐったりするなよと寅靖に言われれば、唯もくすぐらずにはいられない。 「ほら、今一番笑ってるんよ!」 朔の声に鋭司はすかさずカメラを人に手渡して。写真に残る、四人の幸せなこのひととき。 「……グリコでジャンケン?」 色鮮やかな落ち葉を手に、澪は首を傾げた。栄華はこくりと頷き『このジャンケン四天王の最初の一人であるこの私が相手になるのです!』のポーズ。ルール教えてくれと苦笑する澪の隣で、深澄は舞い落ちてくる紅葉を見事にキャッチ。それから「やるなら受けて立つぜっ!」と笑う。 女子に負けても本望だけど男子に俺の前は歩かせねぇ! と最下位フラグを思わせる一言を宣言しつつ、蔵人はお菓子を手にやる気満々。折角だし付き合うかと紫苑も頷く。 冬が過ぎ、春が来ればそれは彼らの別れの時。けれど楽しいこの時は、確かに思い出となって心に残る。 楽しげに紅葉トンネルを抜けていく星宮3-1。トンネルの中をこうして騒がしく通り抜けるのは俺らくらいなんじゃないかと、思わず竦めた紫苑の肩に、ひらりと紅の葉が落ちた。 はらはらと舞う紅葉に手を伸ばした翠月に、相変わらず翠月は紅葉が好きだなと慧夜は笑う。 「綺麗な紅葉を少し持ち帰りませんか?」 栞に、思い出に、そして家にいるあの子のお土産に。 そう言った翠月に「あぁ、持ち帰るのもいいかもな」と慧夜は呟く。綺麗な落ち葉を拾い上げて、二人はゆっくりと待月橋の方へと歩みを始めた。 「まるでお花のシャワーですの……!」 エレオノーレは紅葉に合わせくるくる、くるくる。夕陽みたいと思わず見蕩れた風凜の髪に、一枚の紅葉がふわりと落ちる。 「おぉ、皆綺麗な髪飾りして、可愛くなってるぜ?」 そう言った千夏はきゃっきゃする皆を笑顔で眺め、ふと眞一郎へ「オレにもついてる?」と問いた。 眞一郎は「千夏と俺、同じくらい頭に乗ってると思うぜ」と述べて、紅葉がたくさん降り注いだ頭を見せる。皆、紅葉の簪だらけと言葉を添えて。 のんびりと紅を楽しむ笹羽は、皆の髪飾りにお似合いですよと微笑む。 少し恥ずかしいけれど、折角の紅葉だからとキースは紅葉をそのままに。天然物のお揃いは、そうそう手に入らねえからなとキースが呟く。銀に輝く髪に赤はよく映えると、眞一郎とエレオノーレ、笹羽が笑った。 皆の姿を写真に納める千夏の傍で、風凜もバシバシ撮るぞと気合いを入れてシャッターを切る。「エレ、ゴッツ可愛いー!」と叫びつつ。 一方回りすぎたか、あら? と倒れるエレオノーレ。笹羽は彼女の肩にそっと手を添えた。――紅葉もエレさんも、地面に取られる前に松風がキャッチ、です。 思わず静羽の服の裾から手を離し、小躍り気味にはしゃぐミナセの傍らで、静羽は無表情ながら感嘆の息を吐く。 ミナセは静羽の髪に落ちた紅葉に手を伸ばした。静羽の髪に赤は映えると微笑むミナセ。紅白で単に目出度く見えるだけじゃないだろうかと思ったけれど、静羽はただ「うん」と頷いた。純真な彼女は茶化せない。 ゆらゆらと落ちる紅葉を手に取り、テオドールはリヒターの髪に紅葉を添えた。紅葉の如く頬に赤が差すリヒターに、よく似合うとテオドールは微笑む。溢れる想いを込めてそっと手に触れれば、テオドールの掌の暖かさに、リヒターの表情も緩んでいく。二人の心に宿る願いは同じ。ずっと隣りに、ずっと一緒に。 綺麗な秋色、その艶やかな彩に雨は見惚れた。一方哲太はそんな雨に見惚れてしまう。一緒に来れて嬉しかったよと微笑む雨に、哲太の胸は最高潮に高鳴って、 「友情が深まったかな?」 雨の一言に、ばっさり。 「お、オレも雨と友情を深められて嬉しいぜ!」 ――って、何言ってんだよ、オレっ! 哲太の恋の、ハッピーエンドはまだ遠い。 「お店に飾るれすよ〜っ!」 黄色、赤色、茶色、橙色。色鮮やかな葉を手に、コルネリアは嬉しそうにくるくると回って。皆が拾うならと静流も赤く色づく紅葉を一つ。紅葉の艶やかに感嘆しながら、静流はトンネルをのんびりと歩く。 気心しれた仲間達を過ごす、緩やかな時間。 紅葉が楽しそうにじゃれて遊んでるようにも見えて、僕の気分が弾んでるからかなと優は思う。 栞にしようかと紅葉を拾う日向の傍らで、鳴海もまた栞にしようと紅葉を一枚拾いあげ、頭上の紅葉を見上げた。そこに広がる深い赤。 不意に鳴海の脳裏を掠めたまどかの魔王蕎麦の色。そういえば、紅葉おろしってあるよなぁとタイミングよく優が呟いた。何枚かの紅葉を手に、まどかも紅葉おろしを脳裏に思い描いていて、 「なんだか、紅葉おろしでお蕎麦食べたくなっちゃった♪」 お蕎麦食べにいかない? と楽しそうに言うまどかに日向は安堵の息をつく。やっぱり一人より皆で遊んだ方がずっと楽しい。
待月橋と藁葺き屋根の茶屋を横目に、紅葉トンネルを抜けた先は屋台村。所々に植えられた紅葉と共に、雑貨、食事、甘味と揃う山鳩色の屋台が足助屋敷前の広場に並ぶ。 花より紅葉より団子より五平餅。真っ先に五平餅を手にし、斎は全品制覇を目指して屋台を巡る。 優しい秋の陽が降り注ぐ中、柳はもち麩田楽を頬張りつつ、来年も色づく紅葉に想いを馳せた。その時は、御一緒しませんか。携帯で撮った紅葉に、柳はその言葉を添えて送信する。 紅葉と屋台をカメラに納めた後、「おすすめとかある?」と問いた弥琴は、湯水の如く言葉を並べた桜介に瞬く。一緒に食べた個性的な麺は美味しくて、何だかお得と呟き、弥琴は微笑んだ。 屋台で食べ物を買い込んだ桜花は、ふと兄に剣の修行になると言われ、刀削麺のような物を作っていたことを思い出す。本格的にやり方を覚えようかと、桜花は刀削麺の屋台へ向かった。 屋台の一つに、刀削麺の屋台は存在する。白の塊に小刀が奔れば、斜めに削がれた麺が舞った。湯に落ちていく麺は葉片の如く。淡々と繰り広げられる技はまさに職人芸。そうして、刀削麺は出来上がる。 「見てて楽しい?」 麺作りに夢中のこはるを見て、基は思わず問いかけた。あの塊から、あの速度でと、こはるが返す言葉は熱い。二人の姿に「なんかなごみます」と式夜が呟いていたとはつゆ知らず。 刀削麺のパフォーマンスに眼を奪われた燈子は、傍らでやけどしないようにとふーふーしてくれたエイゼンに気がついた。 「美味い! けど熱い……!」 叫ぶエイゼンにこくりと頷き、おいしいと燈子は微笑む。 また来年も一緒にと言う燈子にエイゼンも笑った。来年も、そのまた次も、ずっとずっと二人で紅葉を見れたらいい。 テレビで見た刀削麺を口に含み、その弾力と食感にシノは瞬く。もう一方の手にはシノの一番のお目当て、もち麩田楽。傍らの壱丸はやっぱり一番は甘味噌と胡麻と、口に広がる郷土の味に目元を緩めた。二人を交互に見やった左璽は「こんだけあると迷っちまうなあ」と幸せそうにへらりと笑み。 一緒だから美味しくて、楽しくて。 微笑む左璽と、紅葉を手に乗せて感嘆する壱丸を、シノは一眼レフで一枚ぱしゃり。 ふと名前を呼ばれた気がして、咲と桜介は顔を上げた。気のせいか。 そんな二人によい笑顔で近付いて、涼司は彼らの刀削麺を覗き込む。「あ、一口だけだよー。僕もまだ食べてないんだから」と言いつつ、もち麩田楽を差し出して、わけっこした麺に涼司は笑みを浮べた。とても美味と笑い合う。 「さぁ、一口くださいませ」 あーんしてくれても良いのですよーとによによする式夜に、によによとあーんを返す桜介。お土産にと屋台で買った物を手に、ウルスラも「あーん」と桜介から刀削麺をもう一口。満腹はどこいったのと笑う桜介にウルスラも笑った。まーこんなんオウスケにしかお願いできんしなと。 ほらほらここにもありますよーと基は刀削麺を机に置き、桜介へ紅葉を一枚浮かべた菊花茶差し出した。秋の風情も楽しめよと言葉を添えて。当の桜介はおかわりもらってきますと言うこはるに、眼を輝かせていたけれど。 「モラ怪談を話されたく無ければ無償で麺下さ……うや、冗談だから!」 脱兎の如く逃げかけた桜介を捕まえ、陸は紅葉を添えた鮎の焼お握りを差し出した。一緒に食べた刀削麺は暖かく、陸は柔らかな笑みを浮べる。 「うん、この食感がすっごくいい♪」 加えて仄かに広がる味噌の匂い。もち麩田楽を頬張り、悠樹はほんわり笑みを浮べた。刀削麺は交換で一口。紅葉と美味な食、幸せーと悠樹は思う。 「行くぞーオー!」 声を上げた要にルイは「おーっ」と小さく拳をあげ、すっかり屋台に心惹かれていた匳は瞬いた。羽目を外さない程度に、けれどしっかりのっかる春樹の隣で、「転ばないよう気をつけて」と彩は勢いに驚きつつも頷く。志乃はその傍らで楽しそうに微笑んだ。 一口くれよ〜と要は桜介に突撃。うめぇ。でしょ。桜介、刀削麺についてちゃんと知ってかー? いや全く。 俺も混ぜろよーと顔を覗かせる春樹の手には焼きそば、そして林檎飴。笑みを躱す三人と共に、ルイも刀削麺を一口ぱくり。紅葉の下で食べる麺も悪くないねとルイは呟く。 美味しそうに食べる姿を見て、彩も刀削麺に手を伸ばした。穏やかな葉ずれの音に耳を傾け、それに落ち着くのは性分かと彩は口元を緩める。 仲間達を横目に見つつ、匳は舞う紅葉を捕まえた。反対の手にはみたらし団子。それから匳は屋台を巡るかと動き出した要を歩み寄り、「たこやきはどう?」 と言うルイに頷く。志乃は桜介から聞いた名物を伝えた後、手元のカメラを皆に見せた――写真を取りませんか? 食べる分あるんかと気遣いを見せる戒璃に、桜介達は目を輝かせる。大げさやなぁと戒璃は笑って、刀削麺を手に隣に座った。花より団子も仕方が無くなる食欲の秋やねと呟く戒璃に、こくりと桜介は頷く。 チョコバナナ、ソフトクリーム、栗や、スイートポテトも楽しみたいねぇと、玲樹の手には大量の甘いもの。 お菓子は結社の土産にするかと呟く悠斗の手には、必須のラムネと玲樹から譲ってもらった可愛いクマのぬいぐるみが握られている。 もち麩田楽を手に「誰かへのお土産、だとか?」と問う舜。悠斗は妹の土産だよと頷いた。 舜は「子分のために何かぬいぐるみ狙ってみるかな」と悩み、玲樹は紅葉を土産にと拾う。綺麗に保存して飾ったら綺麗だよねと笑って。 二つ目のもち麩田楽を頬張れば、トキと叉夜の頬が緩む。見上げれば青に透く鮮やかな紅と黄。 ゆっくりと歩きながらトキは、話したい事が沢山あるんですと呟いた。旅先での出来事、帰国後の話、そして今のこと。言葉を並べたトキに叉夜は柔らかく目を細めて、今日は沢山話をしようなと微笑む。 もち麩田楽やみたらし団子、五平餅。両手が塞がった鼎に鮎雑炊のあーんをねだられ、蒼玄は気恥ずかしさで顔が染まる。どうしてもというならやらないことはないけれど。 鮮やかな紅葉、溢れる暖かな日差し。鼎は青の眼を細めて、来年もまた蒼玄さんも一緒にきてくれると嬉しいっすよと。鼎の言葉に蒼玄の表情が緩んだ。 今年は食べ過ぎてしまって体重が。手で頬に触れる風音は、色々気になるお年頃。女心は複雑だと首を傾げて、団子を頬張る沙雪は次に雑貨へと目を向けた。木皮で編まれたケースを見つけ、筆入れになりそうと遥日が沙雪を呼ぶ。 沙雪と一緒に団子を食べて、紅葉が綺麗だねと遥日は笑みを。紅葉に視線を向けて、風音と沙雪も笑みを返した。 りんご飴に五平餅、紅葉のから揚げ。あれも美味しそうと屋台を回る瑠璃羽は、桜介達とわけっこを。思惑通り色々な屋台物を口にして、瑠璃羽はご満悦な笑顔を浮べた。 綺麗な紅葉と美味な食。ここで一句と歌を詠み、龍麻は揃いの五平餅を頬張った。――赤黄色、山を彩る、宝石を、見ながら食べる、美味しいご飯♪ きゃっきゃと楽しそうな声を上げ、三月と麻花はあっちこっちと駆け回る。 藁葺き屋根の茶屋の脇。緩やかに流れる巴川と、其処へ枝垂れる紅を見つめる蒼馬の傍ら、「茶屋といえば団子じゃね?」と翔太はみたらし団子を頬張った。 気心知れた仲間達をカメラに納め、彩翔の胸を過るは懐かしさと嬉しさと。カメラににぱっとピースを返し、田楽を持った三月は翔太の団子と分けっこを。麻花もあーんと鮎雑炊をお裾分けして、代わりに団子を一口ぱくり。 最後は恒例の記念撮影。ありがとうですと微笑む麻花に笑みを返し、彩翔は記念撮影用にカメラをセットする。また来年も、一人じゃなく誰かと一緒に。願う翔太の隣で、懐かしい場所で新たに生まれる想い出に三月は笑った。 桜介へ、ありがとうと蒼馬は微笑む。麺のあーんのこと? と桜介は首を傾げて、いやいやまぁそれもだけどと蒼馬はツッコミを。 桜介はふにゃりと笑みを浮べた。――嘘。わかってる、ありがと。 『何ですかその食べ物の量……!』 鮎のお握りを手にした鈴女は、隣の煌夜を見て驚愕した。屋台の食べ物全てを並べた煌夜は、紅葉も絶景で食が進むと頷いて。その後、自分のお握りを差し出す鈴女に首を傾げる。見てるだけでお腹いっぱいですと項垂れる鈴女。けれど煌夜のカラオケのお誘いには満面の笑み。――音楽の授業になるかもですよ?
「うわぁ……! 見て見て! すっごい綺麗……!」 赤の欄干に手をかけて、くるりは待月橋の下を流れる巴川と、その両側を赤く染める紅葉を見回した。はしゃぐくるりに服の裾を引かれながら、白は思わず笑みを浮べる。 綺麗なのはわかるがはしゃぎ過ぎて橋から落ちるなよと言う白に、くるりはそんなどぢっこじゃありませんよーだと言葉を返した。これも、二人の大事なひと時。
落ち葉を踏みしめれば音が鳴り、楽しげな声は遠く、遠くに響いていく。暖かな日差しが注ぐ、香嵐渓。 鮮やかな景色を思い出に残し、風は次の季節に移ろい始める。次の季節もまた幸せな思い出になることを願って。
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参加者:77人
作成日:2009/11/21
得票数:楽しい21
ハートフル5
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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