死合を望むは、武に死したモノ


<オープニング>


「……随分と懐かしいな」
 男が目を細め、その薄汚れた道場を見回した。そんな男の後ろから、二人の少年がやってきた。
「本当にここ、大丈夫なんですか? 先生」
「ああ、畳はいくらか入れ替える必要はありそうだが、見る限りは大丈夫そうだ。よかったよかった」
 先生と呼ばれた男が、靴を脱いで道場にあがると一つ座礼した。まるで神聖な場に来た聖職者のような佇まいに、生徒である二人の少年が呆然と問い掛ける。
「ここ、先生が子供の頃に通っていた柔道場なんですよね」
「十年ほど前に師範が亡くなられ新しい柔道場に移ってな。今回の合宿で使えるかどうかは五分五分だったが、なんとかいけそうだな」
「いや、何か今にも出そうな雰囲気ですよ、ここ……」
 一人の少年の言葉に、男が意地の悪い笑みを浮かべ、言い捨てる。
「いい勘をしているな……確かに、ここはそういう噂がある」
「ちょっ……!?」
「とはいっても俺がお前等より小さい頃の話だ。いくらか改築などが行なわれているがここの柔道場は歴史が古い、大正明治の柔術の頃にまでさかのぼる。その頃はそれこそ命を賭けての戦いがあったいくつもこの道場で行なわれたって話だ。俺が聞いたのは、そういう戦いに敗れた者達が、現われては戦いをふっかけてくるというんだが――」
 不意に、男の言葉がそこで途切れた。ミシリ、と背中から軋む音がして、男の体が吹き飛ばされた。
「え? せ、んせい……?」
 呆然とした表情で、少年達が倒れて動かない男と――柔術着姿の小柄な白髪の老人を見た。
『――道場に踏み入り、気を抜くとは未熟なり』
 そう吐き捨てた老人は、音もなくすり足で踏み出すと少年達へと間合いを詰めた。
『そして、死合に年など関係なし』
 悲鳴をあげる暇もなく、老人の投げが少年達を地面に叩きつけ――命を奪った……。

「みんな、集ってくれてありがとう」
 放課後の体育館裏で、八重垣・巴(高校生運命予報士・bn0282)が能力者達に厳しい表情のまま続けた。
「今回は、とある古い柔道場に出る地縛霊を対処して欲しいの」
 その古い柔道場は十年ほど前に教えていた師範が亡くなって以来無人となっていたのだが、とある学校の柔道部の顧問である先生がかつてそこの生徒であったツテで部活の合宿に使えるかどうか、下見に来て地縛霊に遭遇してしまうのだという。
「犠牲になるのは、その先生と下見に付き合った生徒二人。幸い、未来に関する運命予報だったから今から地縛霊を処理しておけば、その人達は助かるわ」
 現われるのは、柔術着姿の地縛霊が三体だ。
「その中でもっとも手ごわいのは、小柄な老人の地縛霊よ。柔術、基本的な投げや当身技――ああ、殴ったり蹴ったりの打撃技ね、そういう技を使ってくるわ。自分の周りの相手の体勢を崩して気絶させられるほどの強力な投げ、相手を吹き飛ばし衝撃が残るほどの拳の殴り、後は防御に秀でた構えを使うわ。攻撃と防御、両方とも高いレベルで使いこなす相手だから気をつけて」
 そして、残り二人の柔術着の男は老人の地縛霊と同じ技と構えを使うという。
「地縛霊は、道場に武術の心得や戦闘技能に優れた者がいけば現われるわ。あなた達能力者なら、その条件にはピッタリだからすぐに姿を現すはずだわ。道場はそれなりの広さもあって、足場は畳だけど、痛んでいても腐ってはいなさそうだから問題もないわ。人気もないことだし、思いっきりやっちゃってちょうだい」
 そこまで言ってから、巴が「ああ、そうそう」と言葉を続けた。
「その道場なんだけど、出来れば壊したりとかしないであげて欲しいの。その先生も、きっと思い出の道場で生徒を指導してあげたいって思ってるだろうし」
 これは、個人的な私のお願いね、と巴が小さく微笑んだ。
「相手は、それこそ達人級よ。戦力的なものはあなた達なら問題ないと思うけど、油断せず対処にあたってね――大丈夫、あなた達なら出来るって私は信じているわ」
 そう信頼の笑みで告げると、巴は一つ能力者達に頭を下げた。

マスターからのコメントを見る

参加者
弓張・輝夜(月光闘姫・b01487)
嘉納・武道(柔道番長・b04863)
坂崎・柚子(ひとひらの白光蝶・b15366)
叶・真(中学生ゴーストチェイサー・b15944)
ミハイル・ソールツェフ(翡翠眼のミカエル・b39280)
リース・コンテュール(粉雪の抱擁・b45906)
紫苑寺・紫苑(小学生白虎拳士・b49557)
クリス・アンダーソン(落ち着いた褌娘・b50635)
文月・風華(暁天の巫女・b50869)
シンシア・ノルン(黄昏を告げる娘・b55866)



<リプレイ>


 ――その道場は、人目を避けるかのようにひっそりと建っていた。
 パンッ、パンッ、とよく響く二つの拍手に一礼――二拍手一拝した坂崎・柚子(ひとひらの白光蝶・b15366)が小さく呟いた。
「死してなお武に生きるとはなんと言う執念でしょうか……厳密には生きてはいないわけですが」
「死者が死合いを望むとは滑稽ね。それは既に死合になっていないじゃない」
 クスリ、と冷たい微笑を浮かべながら、シンシア・ノルン(黄昏を告げる娘・b55866)が言い捨てる。その隣では、珍しげに古い柔道場を見回すクリス・アンダーソン(落ち着いた褌娘・b50635)がいた。
「柔術とは……始めて戦うので……とても……楽しみです……」
「死合か……狂った武術家の行き着く先と言いたいですが、心の奥底では其れを望む己が居るのも事実――武に足を踏み入れし者の救われない性根か」
 呟く途中で、嘉納・武道(柔道番長・b04863)の口調が変わった。その気配は、その場にいた全員が感じられた。
 既に、三体の地縛霊の姿がそこにあった。柔術着に身を包んだその者達を代表してか、老人の柔術家がボソリと呟いた。
『誰一人気を緩めぬか、武術家としての資質、十二分と見える』
「……武道を嗜む者として当然です」
 相手から目を離すことなく、紫苑寺・紫苑(小学生白虎拳士・b49557)が答えた。それに、摺り足で三人が一歩踏み出すと、身構えた。
「強さとは……人を護る力であり……誇示する為のものではないと想います。例え誇示する為であっても、人を傷つけてはいけないと思います」
「力なき人にその武を向けるなら、討たれる覚悟もしてよね」
 静かに、だが凛とリース・コンテュール(粉雪の抱擁・b45906)は言い放ち、ミハイル・ソールツェフ(翡翠眼のミカエル・b39280)が言い捨てる。
「武の高みへ目指す心意気はわかりますが、あなた達は現世では存在してはなりません。そんなに死合いが望みでしたら私がお相手します」
「申し訳ありませんが、より高みに向かうため、僕の糧となっていただきます」
 巫女として語る文月・風華(暁天の巫女・b50869)に、一人の戦う者として叶・真(中学生ゴーストチェイサー・b15944)が言い放つ。
「長い時間をかけ、己の心身を鍛えてきたのでしょうね……ですが、その力を人を傷つける為に使って欲しくはないです……これ以上、戦いに縛られる事もないのです――最後の相手として手合わせをし、その鎖から解放するのです」
 穏やかな口調でそう告げた弓張・輝夜(月光闘姫・b01487)が、イグニッションカードを手にした。
『――イグニッション!』
 十一人の能力者の叫びが重なり、それを開始の合図に死合が始まった。


 老人を中心に間隔をあけて横一列に並ぶ地縛霊達に、能力者達も素早く対応していく。
 老人に相対するは風華と武道が、紫苑とクリス、ミハイルと真がそれぞれ残り二体と接敵し、残る輝夜と柚子、リース、シンシア、彼方が後衛に位置取った。
「先手必勝! 受けよ! 我が一撃!」
 風華が一気に老人の柔術家へと間合いを詰めると低い体勢から青龍の力のこもった拳を突き上げた。その龍顎拳に対して老人の柔術家は半歩前に踏み出した。
「なっ!?」
 老人の突き出した左手によって、突き出そうとした右肩が抑えられた。肩を基点として体のひねりを拳に伝える拳打も伝える前に止められては威力が激減する。そのまま、左手で襟首をつかまれ風華が引き寄せられた。
「講道館柔道弐段、嘉納武道。推して参る!」
 そこへ武道が組み付いた。自分が得意とする柔道の体勢に持ち込み敵の実力をはかろうとしたのだ。
「――ぐっ!?」
 だが、武道が奥襟を取った右手に電流のような激痛を感じて動きを止めた。老人が行なったのはただ武道の右肘を拳で軽く叩いただけ――だが、肘の的確なツボを叩く事が出来れば腕に痺れが走りほんの一瞬だが力を弱める事が出来る。
 ――そして、達人にとってはその一瞬があれば事足りる。
「きゃうっ!」
「ぐ、おっ!?」
 天地が逆転した――そう思った瞬間には、風華と武道が畳へと叩きつけられていた。受身を取ることも出来ず、思わず意識が飛んだ。
「凄、まじい……な……少しの、気の緩みで……ここまで……」
 フラリ、と朦朧としながらも武道は立ち上がる。既に老人は最初と同じ構えに戻っている――その構えにも表情にも油断を一切感じさせない。
 ――その頃、残りの柔術家との戦いも熾烈なものとなっていた。
「行くぞ――!」
 獣爪を構えた真が大きく踏み込んだ。インパクト――その狙いを済ました一撃か、柔術家の防御を掻い潜り叩き込まれた。
『グ……』
 だが、それだけでは柔術家は倒れない。
「白燐蟲……お願い」
「大丈夫ですか?直ぐに治癒を…」
 リースは自身を白燐奏甲で強化し、輝夜の治癒符が風華を回復させた。
「龍撃砲――!」
 ドン、と強く踏み込んで放った紫苑の衝撃波に、柔術家が小さく膝を揺らした。だが、その程度では揺るがぬと言わんばかりに踏み込んで来る柔術家に、一つの人影が飛び掛った。
「ヒハハハ!古流サバットのクリス・アンダーソンだ!消えろカス共!」
 相手をえぐるようにしなる爪先での回し蹴り――クリスの龍尾脚が、柔術家の首へとめり込んだ。だが、次の瞬間にその足首を掴まえた柔術家が紫苑の手首を投げを放った。
 クリスの長身と紫苑の小柄な体が宙を舞い、畳へと叩きつけられた。
「足止めって言ったって、倒してしまっても構わないんだよね?」
 剣を正眼に構えたミハイルが摺り足で間合いを詰めれば、魔氷を刃に宿しながら突きを繰り出した。
「フロストファング――!」
 その突きを受け、ピキピキ……と魔氷に蝕まれながら、柔術家が動いた。ミハイルの剣を持つ手首と真の手首を掴み――そのまま左右に背中から畳へと叩き付けた。
「ぐ、……やるね……」
「投げるタイミングが難しくて、受身が取れないね……」
 衝撃に咳き込みながら、真とミハイルが立ち上がった。
「眠りなさい。氷のなか、静かに」
「凍り付きなさい!」
 柚子とシンシア、二人の吹雪の竜巻が三体の地縛霊を飲み込み吹き荒れた。そこへ彼方の赦しの舞による回復が飛んだ瞬間――吹雪を貫き、一つの小柄な体が飛び出した。
「油断されましたね」
『――!?』
 密着するほど近く踏み込んだ紫苑が、極限まで気を練りこんだ指先で柔術家の腹部へと触れた――次の瞬間、衝撃に震えた柔術家の体が吹き飛び消滅した。
 白虎絶命拳――白虎拳士が誇る最強の一撃だ。
「子供だと思って油断し残心をおこたった、それがあなたの敗因です」
 静かに紫苑は言い放ち、すぐに意識を残りの戦いへと切り替えた。
「インパクト――!」
「ヒハハハ! 神と悪魔の拳くらってみるかぁ?!」
 残った柔術家へと真の獣爪によるインパクトとクリスのリボルバーガントレットによる龍顎拳が叩き込まれた。それを柔術家は受けによってかろうじて受け流すが、そこへ再び吹雪の竜巻が巻き起こった。
「……全て、凍り付きなさい……」
「眠りなさい。氷のなか、静かに」
「聞きなさい、白き眠りの物語を」
 リースと柚子、シンシア――三人の吹雪の竜巻による魔氷にさらされ、柔術家が白く染まっていく。
「嘆きの川の冷気をその身に受けるといい」
 その吹雪に合わせ、ミハイルが水平に刃を振り抜いた。その一撃が止めとなり、柔術家は凍て付きながら砕け散った。
 残りはこれで一体――そう思った時、武の一文字を描かれた背が宙を舞った。
「くそっ……!」
 ズサ、と着地しながら、自分の体の奥まで残る衝撃に武道が吐き捨てた。
 その視線の先――そこには、一人の老人が中指の第二間接を突出させた一本拳を繰り出した姿勢で能力者全員を見ていた。


「ナイトメアよ、皆を守る盾となれ!」
 ミハイルの叫びと共に、能力者の周囲を幻夢のフィールドが包んだ。
「ハアッ!」
「ドラゴンの咆哮! 聞き惚れんじゃねぇぞ! ヒハハハ!」
 ドドンッ! と紫苑とクリスが老人へと龍撃砲を放った。その衝撃波に対して、老人はひねりを加えた左の掌打で受け止め、受け流す。
「すみません回復をお願いします……!」
「はい。これで大丈夫ですよ……まだこれからです」
 後方に退いた風華が肩で息をしながら虎紋覚醒で自己回復し、更にリースの白燐奏甲が回復させた。
 老人の柔術家が左半身前の構え――柔の構えを取った瞬間、戦いが激化していった。その硬い防御の前に攻撃がガードされる中、近付けば柔投げで投げ飛ばされ時折交じる拳打で大ダメージを受ける。能力者達はそれに輝夜の治癒符やリースの白燐奏甲、ミハイルのサイコフィールドや彼方の赦しの舞、そして個々の自己回復で戦線を維持していく。
「叶さんッ!」
「……くっ!」
 後衛の柚子が思わずその名を叫ぶ。老人が真の手首を掴んだ瞬間にわずかな引き、同時に拳打が放たれた。体勢を崩した分だけ、防御が遅れ――真の体が吹き飛ばされ、畳の上を転がった。
「……大人しくして置いて欲しいです」
『ぬ……!?』
 朗々と放たれる輝夜の呪詛呪言に、老人が初めて表情を変えた。ギシリ、と身を軋ませる老人に前衛が一気に自己回復していく。
「本当に、とんでもない奴ですわね。クリス、大丈夫ですの?」
「ヒヒヒッ! 師匠から日本の柔術の話は聞いてたけど、本物はすげえな!」
 ほとほと呆れた、という表情で溜め息をこぼすシンシアに、問われたクリスは上機嫌で返す。
「確かに、これほどの達人が過去にはいたのですね……」
 風華が小さい溜め息と共に、感嘆の声を漏らした。ゴーストとしての能力ではなく、その技の一つ動きの一つに修練と工夫が見てとれた。その域に達するのに、どれだけの練磨を続けてきたのだろうか? ――今の風華には、想像もつかなかった。
「でも、負けられないんです。此処で下がれば、犠牲になる人達が居るから!」
「はい――坂崎柚子、参ります」
 リースが大きく息を吸い凛と言い放つと同時、柚子と合わせた吹雪の竜巻が巻き起こった。その吹き荒れる吹雪の中、老人は魔氷にその身を蝕まれながらもその場に根を張ったかのように微動だに動かない。
「師匠直伝の蹴りぃ! ヒハハハ! 砕けろぉ!!」
「汝の全てを止めてやろう」
 クリスの龍尾脚とミストファインダーによって後衛からシンシアの氷の吐息が放たれた。老人がシンシアの氷の吐息を左手でねじ伏せるとそれに合わせて回り込んだクリスの蹴りが老人の側頭部へと叩き込まれた!
 ズ、と老人が、ほんの半歩程度だが体勢を崩した。
「呪詛呪言よ――」
「嘆きの川の冷気をその身に受けるがいい!」
 それに続き、輝夜の呪詛呪言が紡がれミハイルのフロストファングが大上段から振り下ろされた。老人は呪言にユラリと膝を揺らしながらもミハイルの長剣の腹を横手で払い、軌道をそらした。
「龍の力を受けよ! 龍顎拳!」
 そこへ、風華が踏み込み龍顎拳を繰り出した。ミハイルの長剣を払った老人の手が防御に来るが、一瞬遅い――角度、スピード、体重の乗せ方、どれもが今の風華が放てる最大の一撃を老人は胸に受けながらも、倒れない!
「……フッ!」
 その風華の影から、紫苑が飛び出した。その指先に気を集中させた白虎絶命拳を放つ――!
「――ッ!?」
 紫苑が目を見張った。老人の右手が、自分の右手の前にあった。もう軌道修正は出来ない――紫苑の白虎絶命拳は老人の右腕を破壊するが、その動きを止めきれない。
 紫苑の背筋に、悪寒が走る――この達人は、一度だけ見たこちらの技を腕一本を引き換えに受け切ったのだ!
『オ、オオオオオオッ!』
 老人が吠え、呪いを打ち破った。紫苑が、風華が、ミハイルが、武道が、老人の左腕一本と足払いによって畳へと叩きつけられる!
 鬼神のような表情で、老人が動き続ける。足元で意識を刈り取るほどの衝撃を受けた前衛の中で一人だけ、武道が素早く立ち上がっていたのだ。
「何度も投げられれば、受身のタイミングぐらい覚える……!」
 柔道の基本である右回り受身――数え切れないほど繰り返した柔道が、武道を今突き動かしていた。老人へと組み付き――指先に込めていた気を開放した。
「手合わせした者の業を背負っていく……其れが俺の柔道だ!!」
 武道の白虎絶命拳と共に放たれた背負い投げに、老人は大の字に畳の上に転がった。
『――よい、死合であった』
 その言葉と野太い笑みを漏らし、武に死した達人の地縛霊が消滅した。


「叶さんの方は、大丈夫みたいですね」
「そうですか、よかったです」
 倒れた真を看た輝夜の言葉に、柚子も安堵の笑みをこぼした。
「素晴らしい……体験でした……。次は……骨法という……武術と……戦って……みたいです……」
「本当、クリスにも大きな怪我がなくてよかったですわ」
 強敵との戦いに満足した、といった表情のクリスにその腕に抱きついてシンシアも上機嫌に笑った。
「思い出の道場……どうにか悲劇にさせずに済みましたね」
「これで先生も思い出の道場で生徒を指導できます」
 リースの笑みに、道場の損傷を確認していた風華も笑みをこぼした。歳月による古さはあるが、きちんとすれば十分に稽古には使えそうだ。
「今回は、己に進む道を再認識させられる一件でした」
 深々と老人が消えた場所に一礼し、武道が感慨深げに呟いた。
「最後まで納得の行く戦いができたのでしょうか……」
「良き試合でした。その黄泉路に迷いあらんことを」
 黙祷する輝夜の横で柚子が祈りと花を一輪添えて、能力者達は道場を後にした――武に死した者から今武に生きる者へ、確かなものを心へ残しながら……。


マスター:波多野志郎 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2009/11/24
得票数:カッコいい17 
冒険結果:成功!
重傷者:叶・真(中学生ゴーストチェイサー・b15944) 
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。