貴方だけのお菓子の家、私達のお菓子の町


<オープニング>


 銀誓館学園のクリスマスパーティー。
 毎年、様々な趣向を凝らすパーティーが開催され、学園はクリスマス一色に染まります。
 冬休みを目前としたクリスマスイヴの日は、様々なパーティーが開かれているようです。

 クリスマスパーティーは無礼講。
 たとえ、今まで一度も口をきいた事が無い人とでも、一緒にパーティーを楽しむ事ができます。
 クリスマスパーティーは、新しい友達を作る為のイベントなのですから。

 気に入ったクリスマスパーティーがあれば、勇気を出して参加してみましょう。
 きっと、楽しい思い出が作れますよ。


●スイートクリスマスタウン
 誰もが憧れたことのある、甘い甘いお菓子の家。
 そんなお菓子の家を作って、お好みに飾り付けをして。
 そして、クッキーで出来た大きなクリスマスツリーそびえるクリスマスタウンに。
 貴方の家を、皆の家と一緒に並べてみませんか?
 お菓子の家の作り方は簡単。用意されたクッキーを組み立てて、好きなように飾り付けるだけ。
 飾り用のお菓子や食べ物の持ち込みも自由にOK。飲み物も各種用意してあります。
 皆で談笑し作業しながら、楽しく材料のお菓子を摘む、そんなパーティー。
 甘くて美味しいお菓子なクリスマスの町に、貴方も自分だけの家を建ててみませんか?


●貴方の家はどんな家?
 複数のチラシを見比べては首を傾げて、また別のチラシと睨めっこ。
 そんな状態がもう随分長く続いている水無瀬・詩杏(中学生運命予報士・bn0212)に。
「あんみな、おまえさっきから何見てるん……っ!?」
 五十嵐・右京(紅い火狐・bn0248)は声を掛けて彼女の集めたチラシを覗いてみたが。その内容を見るやいなや、思わず大きく瞳を見開いてしまう。
 そんな右京の様子にも構わず。詩杏はもう一度首を傾けて言った。
「クリスマスの催し物、素敵なものが沢山で。どれに参加しようか悩んでますの」
「ど、どれに参加って……」
 右京はそっとチラシを手にし、言葉を失う。
 彼女がチョイスした催し物の殆どが、料理関係のイベントであったからだ。
 詩杏の料理がどのような類のものか、右京は身を持ってよく知っている。
 このまま彼女に料理させようものなら、聖なるクリスマスが恐怖へと変わってしまう。

 そこで右京は、クリスマスの平和を守るために。
 慌てて、自分の持ってきたイベントのチラシを、詩杏へと手渡した。
「り、料理するのも確かに楽しいけどよ……普段できないような、こういうのはどうだ?」
「……貴方だけのお菓子の家を作って、みんなでお菓子の町を作りませんか? ですか」
 甘いものや可愛いものが好きな詩杏は、興味深そうにチラシに目を向けた。
 そんな様子に、右京はさらに続ける。
「お菓子の家って言っても、すでに屋根や壁になるクッキーは焼かれて用意されてるみたいだから、あとは組み立てて好きに自分らしく飾りつければいいみたいだぞ」
「そして作った各々のお菓子の家を並べて、お菓子の町を作るイベントなのですね」
 乗り気になった詩杏に、右京はホッと胸を撫で下ろす。
 これならば不器用な彼女でも、出来はともかく、被害者が出るような状況にはならないはずだ。
 そんな右京の心境も知らず。詩杏は詳しくイベント内容を眺める。
「基本的な飾りつけの材料はあるようですが、持参したものをプラスしてもいいようですね。作りながら皆様とお話したり、持ち寄ったお菓子を摘んだりするのも楽しそうですの」
「それに、皆で作るお菓子の町の名前も募集してるらしいぞ。採用されれば嬉しいけど、考えてみるだけでも楽しいかもな」
 詩杏と右京はそれぞれ、お菓子の家にどういう飾りつけをしようかと。
 早速、頭の中で思い描いてみるのだった。

 貴方はどんな家を、お菓子のクリスマスタウンに並べますか?

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参加者
NPC:水無瀬・詩杏(中学生運命予報士・bn0212)




<リプレイ>

●貴方だけのお菓子の家
 窓の外に舞う雪――今日は、ホワイトクリスマス。
 そして皆が作る、世界にたったひとつだけのお菓子の家にも。
 甘い甘い雪が、ふわりと舞い落ちる。

「雪を降らせる……神様になったみたいだな」
 冬っぽい家をと、月吉は組み立てた家に白砂糖の雪を舞わせてから。生クリームの積雪の上にマシュマロ雪だるまを置いた。そしてクッキーの看板に、『我が家』とアイシング。これぞシンプルイズベスト。
 うーん、組み立てはちょっと難しいの……そう呟くエルレイの手は、震えてがくがく。そしてこっそり味見しつつも何とか建った夢の中の家に、七色の金平糖や飴細工を飾って。仕上げにふるわれた粉砂糖の雪が、屋根に降り積もる。
 石垣は少々不揃いな苺、壁はチョコ。クッキーの屋根には苺チョコを削って、しゃちほこ風の飾りを乗せると出来上がり。花火の家の見目は、まるで東洋風の城の様だ。だが、何だか苺が炎の様で。何者かに制圧されたみたい。
 器用な右京と一緒に家を組み立てて。瑠璃羽はカラフルなお花と、黒髪の男の子と蒼髪の女の子の人形を飾りつつ頬を染めて。そして右京の口に、スミレの砂糖漬けをひとつ入れた。そして口に広がる甘さに笑む彼に、美味しい? と瞳を細める。
 自作する時の為に各パーツを携帯カメラで撮った後。遥日は組み立て前に飾りつけから始める。屋根に雪を降らせ、ジャムクッキーで窓を。そしてキャンディーを飾りつつ、苦戦中の詩杏に気付いて。彼女の作業をお手伝い。
 作り込むのは部屋の内装じゃなくて家の外装? と。ちょっぴり勘違いしていた茂理だが。用意した飴細工の家具一式をきっちり飾り始める。そして詩杏はそんな茂理に、どうぞと笑んで。自作の黒紫色なクッキーをお裾分け。
 壁はチョコクッキー、天井にはバタークリーム。瑞希が作るのは、お馬さんのおうち。そしておうちに仲良く入厩するのは、瑞希のレガーロ君と。とても好きだったお馬さんの名前ですのと詩杏が付けた、スズカちゃん。
 一緒に四苦八苦しながら作業をする睦月と詩杏は。何とか建った家に粉砂糖とアラザンで雪化粧するも。
「あ〜……ま、大丈夫ですよね〜」
 どっさりと豪雪に埋もれてしまった、お菓子の家。とっても甘そうです。

 朔のは砂糖菓子、コウのはクッキー。甘い家に住む、お菓子の猫さんたち。朔はチョコビスケットの屋根に煙突を立てて、もくもく綿菓子の煙を。そして猫の足跡を壁に施して組み立てつつ、コウの猫が減っているのを見て。どこかに引っ越したんかいなと笑んだ。そんなコウの家に灯るのは、グミの灯り。マシュマロ雪だるまと猫さんを並べ、朔の家にも粉雪を降らせて、猫さんに被った雪を払ってあげてから。お隣猫さん同士、仲良くご挨拶。
 歌戀の家は、クッキーやキャンディ、ウエハースで飾られた可愛いパステルハウス。三樹も手作りブラウニーズと飴のおうちを完成させるも、ちょっと渋い仕上がりに。歌戀はそんな三樹の家の屋根に、カラフルハートのキャンディを並べて。可愛い仕上がりになった互いの家に、きゃっきゃと楽しそうにはしゃぐ。三樹は歌戀にブラウニーズをお裾分けした後、爽やかな香りのハーブティーを受け取ると。甘いお菓子とピッタリですねと、微かに笑んだ。
 お伽噺のお菓子の家は魔女が住んでいたけれども。馨が作るのは、天使の住む家。水色やピンクのふわふわ綿飴にマシュマロも飾って。ぱくりと、たまに摘み食いも。その隣でひなたも、材料がなくなったらどうしようと思いつつ、つい美味しそうでやはりぱくり。そして苺チョコのピンクの屋根にマシュマロの雪を並べて出来上がり! そんなふたりの可愛い家は、勿論仲良くお隣さん同士。
 祭莉は春葵を誘って彼とお話しながら、お菓子の家作り。春葵は、ちょっと難しいと思いながらも、マシュマロにポッキーを刺して屋根に乗せ、インドっぽい建物を作りつつ。料理があまり得意じゃないという祭莉を手伝ってあげた。祭莉はそんな春葵に微笑んで。彼のことを知りたいし、自分のことも知って欲しいと、そう思う。そして春葵は誘ってくれたお礼を彼女に述べてから、こう続けた。楽しかった、です、と。

 黒猫用クリスマスの家は、チョコとクッキーのおうち。玄関先にはキャンディーリースとマシュマロ雪だるま、そして門前には人待ち顔のチョコ黒猫が。流火は粉砂糖の雪を降らせてから、はしっこだけ、と銀朱の家に手を伸ばすも。摘み食いは駄目だよと言われ、ココアと余ったクッキーをぱくり。銀朱は飴細工で窓やドアを、屋根には生クリームの雪を積もらせ、砂糖菓子の赤薔薇を飾って。ココアをくれた流火に、甘い赤薔薇をお裾分け。
 エルディアは真剣にチョコクッキーの壁を一枚ずつアイシングで固め、煙突を立てて。粉砂糖の雪と一緒に干し葡萄やキャンディーを散らし、可愛く仕上げた後。最後に、マジパンサンタを煙突に。そんなエルディアにどんな家を作るか聞かれたアディドラは、クッキーでサンタさんのおうちを作る。真っ白な壁に、お花と綿飴が飾られた抹茶の三角屋根、おうちの中には沢山のお菓子が。そして二人は完成した家を見て、食べるの勿体無いと笑う。
「家といえばセキュリティ!」
 大砲に防御壁にと、とんでも不恰好な戦闘要塞を大胆に建てるリゼルを手伝って。フィロミアはこっそり要塞の補強をしつつ、クッキー大砲作りに取り掛かるも。
「違う! 僕が求めるのはこんな大砲じゃないんだ!」
 躍動感が足りない、天井を可動式に! と、すっかり作業に没頭している。リゼルはその間に、こっそり彼の飾りをぱくり。それからフィロミアはハッと割れに返って。自分の家の作成を、残り3分で挑む。
 全面チョコにしたい気持ちを抑えつつも、やはりチョコの面積が多くなる奈月のおうち。そして甘い屋根を可愛く飾りながら、慣れない手つきで必死に作業する零を見て、彼を手伝ってあげる。そんな奈月の手助けもあり、零は何とか爆発させずに歪ながらもおそるおそる家を組み立てて。屋根にキラキラの金平糖を散りばめた。出来たお菓子の家は、何だか勿体無くて食べられないけれど。大好きな人と一緒にいれただけで、おなかいっぱい。

 結社【*お菓子の家*】がお菓子の家を作らないでどうする!? と。満を持してクッキーやウエハースやチョコを重ね、家を組み立てる蒼十郎。金平糖のドアノブに飴の窓、綿菓子や粉砂糖の雪を舞わせ、砂糖菓子の兎やモーラットを飾って。仕上げに繋ぎ文字のマジパンを……と思ったが、それは余りと間違えた琴里のお口の中に。そんな琴里はメレンゲサンタを窓や煙突に飾って、クリスマスの夜を作って。レンはどんな家にするか悩みながらもクッキーをひとかじりしたが、それは何とお菓子の家の屋根の部分。ど、どうしましょうです……と慌てつつも、何とか大福を重ねた雪だるまを乗せて誤魔化してみる。雪だるまさんが屋根をかじったのです、ええ。そしてチョコやウエハースの家に煙突と、チョココーティングのゼリーツリーを飾る莱花も。このお菓子の家に棲む事は出来ないのが残念ねと思いつつ、可愛く仕上げて。ユーリリアは板チョコ煉瓦の家の屋根に、ざらめの雪化粧をぱらぱら。そして砂糖菓子のサンタを置いて出来上がり。
 それから皆で楽しくお菓子を摘んだ後、甘いおうちと思い出と一緒に。ぱしゃりと、記念撮影。

 楽しくて美味しいお菓子の家作りは【虹日和】の皆で一緒に、賑やかに。小夏の家は大好きなピンク色の乙女ちっくハウス。苺チョコにパステルキャンディ、ホワイトチョコでリボンも描いて。仕上げにハートクッキーを煙突に巻いて完成。でも、ついおなかがすいてきて。竜樹とともに、こっそりぱくぱくと味見を。
 小夏と摘み食いしつつ、竜樹はホワイトチョコの屋根の上に、カラフルな金平糖を乗せた。でもただの金平糖じゃありません。その一粒ずつにはスマイルなお顔が。竜樹は満足そうに、でも真面目にこう呟く。金平糖星人光臨、と。
 そして味見という量ではない小夏と竜樹の摘み食いに、バレてますよ、と笑う蒼流であるが。彼の前にあったクッキー山もいつの間にか消えている。そんな大食いスキルを発揮しつつも、蒼流はビタークッキーとそれに映える白のクッキーで家を飾って。ブルーベリーやラズベリーでアクセントをつけ、粉砂糖の雪を降らせた。蒼流の家を覗いてみたココナも、ちっちゃなハートが並んだ四葉のカタチの窓を付けて。そしてちょっと歪な沢山の動物さんをチョコペンで描き描き。それからチョコをどこに使おうか考えている天虹に、屋根に並べても素敵かもなん、と言った。そンじゃー屋根に使ってみよーカナとぺたぺた屋根にチョコを張る天虹は、こンなカンジだろかと真剣顔。そんな天虹に何か言いたげな反応をしつつも、渉は大人っぽく且つ凝った家を作っていく。こういう作業はやりだすと面白くて手が止まらない。料理上手な愛が作るのも、ビターで大人なチョコレートの家。そしてぱくりと摘み食いをして笑む。お腹いっぱいになっておけば、素敵なお菓子のお家を食べなくてすむもの、と。

 お菓子の家と聞き、沢山の材料を持参したスイーツ好きの百花だが。思わぬ難しさに首を傾けつつ、ついついカラフルマカロンにマーブルチョコ、ミニドーナツと、好きなものをごてごてと沢山自分の家に飾ってしまう。そして【ルルイエの花】の皆が作る家へと視線を移してみる。
 作った家の横に、マシュマロ雪だるまをくっつけて。
「こーんなおっきいお家に住むなら、大〜分稼がないと厳しいわね」
 透子はそんなリアルなことを言いつつも、百花と同じく他の皆の家に興味津々だ。
 趣味でお菓子作りをするというだけあり、義衛郎は手際良く家を飾っている。ココアクッキーの黒に白のアイシングがよく映えた壁に、口金の形を巧みに変えつつ屋根に生クリームを施して。その上に、色とりどりのドライフルーツを刻んで飾った。そしてジンクが作るのは、花々咲き乱れる庭に佇む、深い緑の蔦が這う西洋館。飾られた食用薔薇が、一層華やかに洋館を彩る。ジンクは、持って帰ってしばらく飾っておこうよと。皆それぞれの家を見て、笑んだ。

「まだ、ペンキじゃなかったチョコ塗りたてだから触らないでね」
 トミィは【†…箱庭天使…†】の皆にそう笑って。氷柱や植木、プールまである、雪の積もった煙突屋根のお菓子の家を見つめた。
 そしてルナが作るのは、苺ジャムの赤い屋根にミルクチョコの白い家。窓の周りには生クリームにカラフルなマーブルチョコを埋めて。雪のようなクリームが乗った家は、とても甘い香り。そして今にも崩れそうに揺れる詩杏の家の様を見て思わず声を上げた。アリスはルナの隣で、星空のお家を作っている。マーマレードのオレンジ屋根に星座クッキー、最後に粉砂糖をぱらり。そして顔や腕にクリームをつけつつ、右京に味見を頼んだ。そして、ぱくりとそれを口に運んだ右京は。マーマレードとクリームのバランスに、美味いなと、優しく瞳を細めた。
 
 鹿苑寺キャンパス6年薔薇組の皆がそれぞれ作るお菓子の家は。
『ヘンゼルとグレーテルのみたいなごーかなの』。
 芽亜は白いクッキーの壁に、庭にブロッコリーを飾って。そしてたっぷりの砂糖と水飴で冬景色を作る。そして屋根から垂れる氷柱を念入りに作り込み、英国風マナーハウスを完成させた。赤は飴でガラスを再現した窓を作って取り付けながら。紗耶の美しい薔薇の飴細工を感心したように見つめて観察する。紗耶は三角屋根の一番上に薔薇を飾ると。バイオリンの形をしたクッキーを、表札代わりに置いた。そして、可愛くて食べられませんわと瞳を細める。
「あと何回こうやってこの面子で集まってなんかやれるんだろうな……」
 星流はそう呟き、物思いに耽りつつお菓子の家を作っていくが。何故か女ものの可愛らしいアルバイト服を着た彼の姿に、優野はその格好の理由を聞けないでいた。
 そして、作り終わったお菓子の家を見せ合って。皆で仲良く品評会。

 榧は、青汁同盟の邸でも作りますかとクッキーを組み立て始めたが。あまり手先が器用でないため、四苦八苦してしまう。そして何とか不恰好ながらも建てた家にクリームの雪化粧を施して。パパ作という砂糖菓子の雪だるまを置いた。
 楪が作るのは、クッキーの社殿に赤い砂糖菓子の鳥居がある神社。そしてクリームの雪を積もらせながら、クリスマスに神社って合わないかな〜? と首を傾けるも。それが自分の家だしねと、作業を続ける。梛はそんな楪の神社を見た後、慌てて自分のも作り始めて。自分だけ不恰好だったら恥ずかしいと思いながらも、少し不自然な煙突が付いたおうちを作り上げた。

 【琉球の風】の面々も、お菓子の家作りに挑戦。奏詩は手にチョコをつけながら、ウエハースをくっつけつつ家を作るが。何だか、とっても傾いている。そして器用な右京の凝った家をチラ見し、まぁまぁじゃね? と苦し紛れに言ってみたり。食べられればいいんです、うん。
 そんな奏詩の斜塔に、それ本当に家なのか? とツッこんだ司も、真剣に手際良く作業を進めて。そして完成した自宅に似たお菓子の家に、砂糖菓子の雪だるまを飾る。
「……食べちゃダメなのよね」
 翠はそう呟きつつ、シンプルな煙突の家に粉砂糖の雪をかけて。どういうバランスか謎な程に傾いた家を作る詩杏を手伝ってあげながら。知り合いに作らせた和ゴスの砂糖菓子人形を、自分の家に飾った。
 そんな翠に、人に作らせたのかよとすかさずツッこんだタンジェリンは作業中かけていた眼鏡を外して。完成した結社小屋そっくりな精巧な家に雪を降らせ、皆に似た人形を並べると。ある意味芸術的な家を頑張って作った詩杏の頭を優しく撫でて、可愛い使役砂糖人形のご褒美を彼女に手渡した。
 そして、詩杏が落としかけた雪だるまっぽい物体を、彼女の様子を気にかけていた蒼馬がナイスキャッチ。それから蒼馬は皆を手伝いつつ、サーターアンダギーやちんすこう、紅芋のパイにサトウキビに黒糖と、持参した沖縄のお菓子を並べた。
 タンジェや右京の器用な様子を見ながらもぐもぐとお菓子を頬張る惑の横で、アイシングを絞ろうとする真名深。だがこれが、なかなか出てこない。
 ――そして。
「って、うおぉ!?」
「どわぁっ!!」
「!?」
「ちょっ!?」
 力任せに真名深が絞ったアイシングが豪快に飛び散って。惑に右京、司と奏詩まで巻き込み、赤い人達を見事な白に染める。メリークリスマス!
 さらに惑の家も無残にぺしゃんこに。さすが伊達に不憫ではない。 
 そして真名深は、そんな赤い四天王の白い様を見て。笑って誤魔化してみるのだった。

●私達のお菓子の町
 親友の蒼馬に声を掛けられて笑んでから。暈人は詩杏や右京と楽しく話をしながら、お菓子の町にマジパンの人形を並べていく。そして今にも崩れそうな詩杏の家と精巧な出来の右京の家の前にも、手作りの人形を置いた。
 龍麻は右京に、ドジっ子な詩杏を甘くみてはダメだと耳打ちしつつ彼女の動向を見る。もしかしたら大怪獣のように、町を壊してしまうかもしれない。そして……その甲斐あって。案の定転びかけた彼女をしっかりとフォロー。
 何故か屋根が欠けている家を見つけて。涼介は摘み食い防止も兼ね、詩杏お手製の黒紫色なクッキーで屋根に開いた穴を補強。そして止める右京を後目に、それを一口試しに食べてみて。意識を何とか保ちつつ、物凄く気を使った感想を嬉しそうに微笑む彼女へと述べる。
 雄太も楽しくお菓子の町を作っていきながら。小さなお城も作ってみようかな、なんて考えていた。
「この辺りが丁度良いかな?」
 ココアクリームクッキーで作ったログハウス風の家を、孔明は町の端の方に並べた後。わたわたしている詩杏に気付き、彼女が家を並べるのを手伝ってあげる。そして余ったクッキーを、詩杏へプレゼント。
 完成したお菓子の家を携えて。希遥の頭を撫でつつ美味しい町作りに挑戦する亮は、屋根にちょこんとモーラットの乗った妹の家の隣に、自分の家を並べた。そして、内緒で準備した秘密兵器を取り出す。
「……わ……。……すごいの……」
 それは――二人にそっくりなマジパン人形。
 目を丸くしてご機嫌に人形を並べる妹の姿に。すっげ似てんだろ? と、亮も満面の笑顔を宿す。

 ティアリスが作ったのは、庭にチョコ薔薇が咲き乱れる家。悠も、とんがり屋根の蔦と薔薇が絡まった外国風の小さな家を作って。風優翔は傾きまくった家を作る詩杏の手助けをしつつも、綿飴の煙が昇る煙突煉瓦の家を作り上げた。それから、色とりどりの蝶が舞いカラーチョコがあしらわれた、本人のマジパン人形が仁王立つ杜松の家や、ティアリスや悠の家とも隣同士に並べて。夢色住宅街です、と笑むと、右京に作らせた精巧なチョコ細工の住人を飾った。
 ティアリスは星の飴が輝くクッキーツリー前の特等席にマジパンオメガさんを置いてから、杜松の側の余ったお菓子をひとつ摘むと。悠の忠告を聞く前にパクリと口に運び、独創的な味ですねと涙目な笑顔。それからみんなでお花畑を作ると、素敵で豪華な甘いお庭の出来上がり。悠は、ほんとにこんな街があったら素敵なのにと呟きつつも。でも美味しそうな香りでお腹が減っちゃうかな、と笑った。

「それぞれ作り手らしいお家ですよね」
 そう言うスバルが作ったおうちは、色とりどりのクッキーで出来た煉瓦の家。そして屋根には少し大きなチョコの煙突が。勿論これは、サンタさんが来られるようにと。かなり大事なポイントです。
 陸はそんなスバルにお菓子のお裾分けをした後で、銀のアラザンの雪花咲くホワイトチョコの窓や扉の家を手にして。ふと、美慧と一緒に困り顔。そして、本当は皆の家とお隣さんに並べたいけれどと、【Meteore】の仲間全員を見回した。
 でも、大丈夫。玖瑠の並べた星型クッキーの『星空通り』がまるで星座のように、皆の家を線で繋いでくれるから。戦は、ちょっと崩れそうな自分の家の屋根を玖瑠のアイディア通りに補強した後、星座のように繋がった家々を眺めて。クリスマスツリーの星みたいに、天辺の光に寄り添う、そんな……と呟くと。格好つけすぎかと笑む。
 そして水澄花は、パウダーシュガーの雪と金平糖のラッキースターをお菓子の町に降らせ、陸と視線を合わせて笑顔を宿して。美慧もスライスホワイトチョコのふわふわ雪を積もらせると、おかしのいえ、いっぱい! と星のように瞳煌くドロシーの様に頬を綻ばせた。ドロシーは、スミレにミモザ、サクラの砂糖漬けを庭に咲かせて。玖瑠が口に放った星型クッキーの味に笑んで、キートスくるちゃん! と礼を言う。そして、住めたらいいのにと、完成した町を幸せそうに眺めた。
 玖瑠はそんな皆の笑顔を見つめて。小さく、こう呟く。
 ――メリークリスマス、と。

 皆で作ったお菓子の町・スイートタウン『マイア』。
 龍麻の付けたその名の通り、大きなクッキーツリーが見下ろすクリスマスタウンは、とても甘くて良い香りがして。
 そして、まるでサンタクロースからの贈り物のように。
 雪と星が降る町を作り上げた皆に届けられたのは、あったかくて、とても幸せな時間。


マスター:志稲愛海 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:76人
作成日:2009/12/24
得票数:楽しい18  ハートフル8 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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