Many Cat Christmas


     



<オープニング>


 銀誓館学園のクリスマスパーティー。
 毎年、様々な趣向を凝らすパーティーが開催され、学園はクリスマス一色に染まります。
 冬休みを目前としたクリスマスイヴの日は、様々なパーティーが開かれているようです。

 クリスマスパーティーは無礼講。
 たとえ、今まで一度も口をきいた事が無い人とでも、一緒にパーティーを楽しむ事ができます。
 クリスマスパーティーは、新しい友達を作る為のイベントなのですから。

 気に入ったクリスマスパーティーがあれば、勇気を出して参加してみましょう。
 きっと、楽しい思い出が作れますよ。


 扉を開けると、そこにはたくさんの猫がいた。
「わっわっ! どうしたのこの大量の猫さん?」
 初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)が思わず目を丸くする。
 それほどに、猫、猫、猫!
 足の踏み場はあれども、高いところは軒並み猫に占領されていた。
「すまんな、クリスマスのパーティ用なんだ。少しの間なんで我慢してくれ」
「クリスマス用?」
 山田・大五郎(高校生運命予報士・bn0205)の言葉に、ひなたが反応した。
「ああ、猫カフェというやつをやるんだ」
「なるほど。でも、よくこんなに集まったもんだね」
「秋に生まれたヤツや、野良ばかりだ。まあ、他にも猫を連れてくる人はたくさんいるから、当日はもっと増えるぞ」
「ふむふむ、里親探しも兼ねてるんだね」
 ちょうど秋口に生まれた猫が、大きくなった頃。
 それでも里親が見つかっていないとなれば、さぞかし困っていることだろう。
 今回はそんな要望も重なったわけである。
「それに、案外こういう第三者はカップルの助けになってくれるかもね」
 顔をのぞかせるなり、百地・いろは(高校生呪言士・bn0209)が一匹の猫を抱き上げた。
 猫は喉を鳴らして「ニャー」と一声。
 確かに場を和ませてくれそうだ。
 少しぐらいはハプニングを起こすかもしれないが、それはそれで良いアクセントになるかもしれない。
「まあ、猫を撫でにきてくれるだけでも構わんがな」
 大五郎が目を細める。
 猫を抱いたり、膝に乗せたり――なんと素晴らしき癒しの空間!
「……ああっ、大ちゃんがトリップしちゃったよ」
「幸せそうだし、そっとしておこう」
「そうだね。しかし、面白そうだから、ボクも手伝うよ」
「構わんが、カップルや運営の邪魔だけはするなよ」
「大丈夫、大丈夫。ボクに任せてよ」
 ぽんと、ひなたが胸を叩く。
 対して、いろはは不安げな視線をおくった。

 こうして、クリスマスイベントのひとつとして猫好きの有志達による猫カフェが開かれることになった。
 果たして、いかなる物語が生まれるのか。
 いかなる出会いが待っているのか。
 さあ、期待を胸に扉を開こう。

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参加者
NPC:山田・大五郎(高校生運命予報士・bn0205)




<リプレイ>


 扉を開けるとたくさんの猫が目に映った。
 出迎えるように猫達が口々に鳴く。
 キミに構って欲しいと言っているかのように。
 さあ、足を踏み出そう。素敵な出会いがキミを待っているはずだ。


 早速、リヴィニアが猫に飛びついた。
「やわらかいーきもちいいーあったかいー」
 大量の猫に囲まれて幸せ気分。
「……あー、ちょっと落ち着け。リヴィー……聞こえてますかー」
 で、ジェットの声なんて聞こえやしない。
 止むを得ず、ジェットは仔猫を肩に乗せてスタスタと出口へ。
「………っは、ジェットがいない!」
 まあ、猫と遊ぶのもほどほどに。


 流我が愛くるしい子猫達に囲まれて、あることに気付いた。
 そう、可愛いものが好きであることに。
「あら?」
 視界の隅に一匹の黒猫が。
 はぐれたのだろうか。自分に重ねて、流我が近付いて行った。


「家にいる子猫も可愛いけど……どの子も可愛いな〜」
 澪奈がつぶやく。
 これだけたくさんの猫、初めて見るだけにそれだけで嬉しくなってくる。
「肉球って、触るとすっごく気持ちいいんですよ? 澪奈ちゃんも触ってみません?」
 そこに、みゆが猫を抱き上げて前足を、澪奈に、
「……えと」
 猫の温もりと共に、二人の時間が過ぎていく――。


「……可愛い」
 これほどの猫達を見るのは初めてで、五十鈴が声をこぼした。
 じゃれついたり、遊んだり、猫達の様子を見ていると心が和む。
 彼女がひと休みするには最適な場所であった。


「ひなた先輩、流石にここまで盛況だと3人じゃ大変でしょ、手伝いますよ」
「ありがとう♪ 葬くんはやっぱり頼りになるんだよ」
 盛況に伴って、店員も忙しそうだ。
 猫の毛が付くことを考えてエプロンや私服姿の店員が行き来している。
「俺がかわるから大五郎、少し休んでてくれよ」
「すまんな」
 交代も適当に。
 レイジが代わりに店頭に出たところで、
「ほー……」
 猫一杯の光景に癒されている、那由他の姿が目に入った。
 六匹の猫に囲まれて至福のひと時。
「(猫は地球を救う……言いすぎか)」
 思わず、そんなつぶやきが漏れるほど。
(「って那由他……そんなに癒された顔をして……猫じゃなくてお前に癒されてどうする、俺」)
 と、そんな一幕もあった。


「普段は祢子ちゃんが撫でられる側だから、撫でるのは久しぶりにゃ!」
 そんな彼女の膝には猫が二匹。
「ねこさんいっぱい!」
 イーライの周りには黒猫、白黒のぶち猫、白キジ猫など。
 思わず頬が緩む。
「ぐるるるる……」
 近くでは、灯が猫と威嚇勝負を始めていた。
「……くすぐったい」
 それもいつの間にか打ち解けて、
「おまえ……なまえ、なにが……いい?」
「ニャー」
 今は仲良しだ。
 隣では、祢子が三毛猫のオスを見つけて驚いていたりと、幸せな光景ばかり。
「猫の扱いが、お上手ですのね」
「好きだからな」
 その少し離れた場所に、珠樹と、賢吾の姿があった。
 賢吾は、珠樹に微笑みを向けると、目を閉じ黒猫を撫でる。
「猫が羨ましい。大好きな人の膝の上で撫でられて、わたくしも猫になりたいわ」
 珠樹が返すように三毛猫模様のマフラーをふんわりと巻いた。
 触れ合う視線。
「……長く探していたものが、腕の中にある気がして、心が安らぐな」

「……見つけた」
 それを見た、メイの頬を涙がつたう。
 もう二度と会えない大事なヒトからの魔法のプレゼント。
 同じ頃、イーライも三毛猫と出会い。しんみりとした思いが胸を通り過ぎて行った。


「……こ、これは」
 スバルが驚く。
 はっと気付いたときには抱き上げて、頬ずりしていた。
「お前犬派とか嘘じゃねー?」
 すかさず、欅がツッコミ。
 上手い言い訳を探すも、
「惹かれたら心のままに愛でれば万事解決です。そして猫の万歳ポーズは無敵です。ですよね、猫さん」
 柳がひと声。
「ニャー」
 更に誘惑の魔手。
「……う。いいです。認めます。メロメロですよ」
 と、スバルが諦めたところに、
「って司、猫が集まって身動きとれねー!?」
「……どうやら……動物に好かれるらしい」
 欅が驚き、司がわりと冷静に答える。
 そこには司をベースにしたキャットタワーが出来上がりつつあった。

(「しかし、先程から気になるのですが」)
 笹羽の前に、丸くなった猫が一匹。
 抱えようとすると、
「に゛ゃ゛ー」
 と威嚇。
「離れないと、このまま連れ帰ってしまいますよ?」
 されど動かず、そんな状況がしばらく続いた。

「いてててチクチクする。あと背中からニャーニャー聞こえる」
 いつの間にか、勘三郎の背に子猫が数匹。
「はっ! 勘兄さまの頭上は、私のものなのです!」
 慌てて、九日が捕獲に向かう。
「そっちのにゃーさんもダメなのですっ! にゃ、にゃあああ!!」
 ――戦いの果てに、
「……家族になるならば、勘兄さまの頭上を許しましょう!」
「ああ、纏めて仲良くしようぜー♪」
 抱え上げられた一匹の猫。
 こうして、次々と新たな家族が生まれていった。


(「ああいうのって下の猫ほど潰れていて可愛いよね」)
 カメラ越しに、弥琴が重なり合った猫を捉えた。
 そこに少し揺れが、
「って……カメラストラップがっ!」
 いつの間にか、猫が狙っていたようだ。


「わぁ! ふわふわだぁ」
 アディドラが猫を抱き優しく頬擦り、
「ねこさん、いっぱい……」
 隣では、悠氷が目きらきらさせていた。
 とりあえず、目の前の丸まっている猫に触れてみる。
 もふもふ。
 更にもふもふ。
「……とっても、かわいいの」
 悠氷に浮かぶ満足の笑み。
 そこに、
「快適ねこまくら! ……なんてな♪」
 陽菜が丸くなっている猫のお腹に顔をうずめた。
「ねこまくら楽しそー♪ ボクもー!」
 シュネーもそれに飛びつき、目の前の猫を観察。
「……なんか、猫パンチがとんできそうなんだよぅ」
 まあ、さすがに猫も苦しかろう。

「ほらほら、気持ちいいかー?」
 陽菜が猫の喉を撫でる。
 近くでも、和泉がひたすら猫の喉元や頭を撫でていた。
 どさくさ紛れて、悠氷や、シュネー、アディの頭も撫でれば、
「仲良くなったネコちゃん……おうちで……飼ってあげるんだ」
 猫を抱いてアディがつぶやく。
 和泉も愛猫のちーちゃんの遊び相手が気になるところであった。


「あはははははは、くすぐったいくすぐったい♪」
 茂理が羽織っているのは、大量の鰹節の欠片を忍ばせたコート。
 猫達が集まって、匂いを嗅いだり、舐めたりと。
「やはり、あれです!」
 それを見た、朝霞が思うのは喫茶「sole」の店長が体現した人間猫タワー。
「なら、膝に肩に背中に頭に……どんどん猫を載せていってあげようっ!」
「……ちょっと待て、私は」
 真名深がそれをお手伝い。
 何か、いろはも巻き込まれている。
「とりあえず30匹ほど」
「待て、だから私は」
「了解。あとで記念撮影だね♪」
「「ニャーニャー」」


「にゃんこさん、遊ぼうにゃーっ♪」
 猫耳バンドを付けた、小夏が猫に混じる。
 祐理はそんな様子を見ながらマタタビ茶でひと息。
「……私達までにゃんこな気分になってきますねっ」
 ついでに猫を、撫で、撫で……?
 何か違和感。
「て、いつの間にかひなたちゃんが混じってますっ!」
「ごろにゃ〜ん♪」
 喉仏を撫でたら面白い反応。
「ああっ、私もっ!」
 小夏も混じった。
「……はう! いつのまにか凄い状況です。う、羨ましいですの〜」
 紗耶がそれに気付き、
「うう、猫さん、こっちも対抗するですよ。……じーーーお前、うちの子になりますか?」
「ニャー?」
 猫に問いかけた。猫が問いかけた。


「すごい、にゃんこさんがいっぱい……っ!」
「にゃんこかわいーっ、ボク幸せっ!」
 李緒が、蓮が声をあげた。
「もふもふのふかふか、気持ち良い……です」
 真由も一匹抱いて感触を確かめていると、
「東雲さん……っ。ほら……肉球ぷにぷにですよ……っ」
「わぁ、肉球ってほんとにぷにぷにだぁっ♪」
 李緒と、蓮の声。
 不思議な感触に二人ともご満悦の様子。
「私も私も……!」
 それに、真由も加わり、
(「猫好きとしては幸せすぎますわ。普段の殺伐とした雰囲気から解放されますもの」)
 吟奈はそんな仲間や猫の様子を見て和んでいた。
 ふと、横を見るとヴェーグが止まっている。
「……はぅ!?」
 彼の前には一匹の猫。
「毛の長さと云い……尻尾の太さと云い……体のフォルムと云い……。ま、まさに、逸材の、にゃんこ……。早速、もふもふ、させて、もらい、ますっ」
 緊張に震える手が猫に触れる。
(「良い出会いが出来たようですわね」)
 吟奈がそっと微笑んだ。


「こんなに猫がいるのを見んのは初めてだ」
 コノハが目を見張る。
 彼らの目的は猫達と遊びながら、結社の専属猫を探すことで、
「モテモテになるには、やっぱりこれですよねー」
 デイヴィッドが生鰹節パックを取り出した。
 集まってくる猫達。
「せめて写真だけでも――」
 コノハが全部連れて帰るのは無理だからと、その姿をデジカメに収めていく。
「みゅぅ〜ん♪」
 その猫達の中に、流火が腹這いになって加わった。
「ねえねえ、この黒と灰色のしましまの子なんてどうかなー?」
 流火が猫を抱いて仲間に見せる。
 蒼馬も自分の希望するものを伝え、
「グラッセも選んでくれよな?」
 と愛猫に声をかけた。
 そうして相談は続き、
「にくきうとにくきうが触れ合った日から運命の糸が繋がることも」
 デイヴィッドが助言を与えたりして、更に相談。
 そして遂に!
「みにゃさんのおかげで見つかりましたにゃ〜!」
 みーけが猫を高く持ち上げる。
「さ、猫のお祝いとXmasのお祝いに。乾杯」
 続いて、蒼馬がカップを持って呼びかけた。


 ケーシィが猫と遊んでいた。
 キャットタワーの上からボールを落とせば、猫達がそれに気付いて慌てて駆けだす。
「ニャー、ニャー!」
 その様子に周りの客達も興味が移ってきたようだ。


 芽亜の煮干しに猫が群がってきた。
 その一匹を、小雪が抱き上げてゆっくりと撫でる。
(「か、可愛い……!」)
 遊恵も同様に抱き上げて睨めっこ中だ。
 抱きしめて思い切りモフりたいが、結社の仲間がいる。我慢するしかない。
「な、なんでー!?」
 そこに、遊姫の元から一匹の猫が逃げてきた。
「なら、撫でますか? いい手触りですの」
 芽亜が猫の喉を撫でながら言えば、遊姫が早速それに飛びつく。
「えへへ」
 お腹を撫で撫で、肉球をぷにぷに。
 小雪も夢中のようで、
「にゃーにゃにゃ……はぅっ!?」
 仲間の問いにも、つい猫語で答えるほど。
「にゃーにゃー♪」
 面白くて、遊姫も猫語で追随。
 くすりと、遊恵が笑う。
 幸せな時間。
「うゅ……だんだん眠たくなってきちゃった」
 楪は可愛い白猫を着物の懐に入れたまま、目がとろり。
 猫の方も小さくあくび。
 すやすやと、寝息が漏れだし、仲良くおやすみ。
 こうして和やかな時間が過ぎていく。


「ほなけんど、そん前に先輩等に許可はもうとるんか、猫を飼うって……」
「大丈夫、おねーちゃんはOKしてくれてるっぽい!」
「っぽいって大丈夫なんかい?」
 猫達を前に、始と、とものが言葉を交わす。
 その傍らでは、
(「……しかし連れてくる子はみんな女の子ばかりかぉ!」)
 ライスが猫の面倒をみていた。
 早くも世話を焼かねばいけない予感がひしひしと。
 その間も話は進み、
「おねーちゃん、飼っていい? くりすますぷれぜんといらないからー」
「1匹くらいおねだりするかなと思っていたら一抱えですか! 縁側を何匹の猫さんが占拠していると――」
 黒田・桜子にお願い中。
 反論はあがれども、後が続かない。
 姉の性か、どうやら通りそうな感じであった。
「……メリークリスマス」


「……猫にゃん♪」
 いつもの風情はどこへやら、龍一朗が甘い声を零し、
「おとなしくて可愛い猫だな」
 珪がそっと抱き上げる。
「誰か予備の猫じゃらしを持っている方はいませんか!」
 そこに、八重が声をあげた。
「予備だと? 無論ある!」
「あるんだ!?」
 龍一朗が懐から出し、八重が思わずツッコミ。
「あ、持ってこなかったから、これで遊ばせてた」
 そう言った、珪が使っているのは髪の一束。
 揺れに合わせて猫の前足が泳ぐ。
(「犬派ですが……猫も大好きです。だが……勝てる気がしねぇ!」)
 その様子に、天がごくりと喉を鳴らした。
 ひょこひょこ。
 気付けば、天の足元にマンチカンが。
「うぉ!」
 天が即座にメロメロに。

「お前、家に来る?」
 今度は、八重が問いかけている。
「ニャ〜ン」
 甘えるような声。
 返事はそれで十分で、
(「猫は可愛いし、和むが、猫で馬鹿になっている……友人というのを眺めるのも楽しいな」)
 朔が頬を緩める。
 心残りはあるけれど、それはまた出来ること。
 今はこうして、猫との時間を。
(「腰を落ち着けていれば………ほら、自分からお膝の上に来てくださいますわ」)
 躑躅が真の通とはこうであると猫を撫でながら思うのであった。


「大量の猫! 一度でいいから埋もれてみたかったんさ」
 冬夜がさっそく猫と戯れる。
「に、にゃ!?」
 そこに、香が声をあげた。
 突然重くなったと思えば、
「埋もれたいって言ってたしね?」
「猫に埋もれて潰れるなら本望ですよね」
 久遠と、鷹夜が二人を埋めていく。
 冬夜が悔しそうな声を出すが、これも本望。
 そして、それはカメラに収められていった。

「あ、この猫かわいーんだよ!」
 香がふわふわの茶色い猫を抱き上げた。
「ねーねー、この猫連れて帰ろ!」
「ダンナ、いーだろ!? な?」
 冬夜が、香が懇願する。
「む……一緒にくる?」
 久遠が猫に問えば、
「ニャー」
 答えが返ってきて思わず、微笑。
「どんな名前にしましょうか? 今から考えてしまいますね」
 そして、再び楽しい声が響き始めた。


「ラナは猫の女王になるのにゃ♪」
 高らかに宣言。
 されど、そこに敵(猫)が、
「実力で分からせないといけないようにゃ! 猫の女王候補の力、存分に味わうがいいにゃ!」
 大乱闘が始まった。


「はあぁ〜。肉球が、肉球が……!」
 愛香の背中には猫。
 とてとて、と歩く感触が何ともいえない。
「うぉっ! やったな〜♪ れっどの反撃!」
 されど、反撃しなくては。
「……ぐっ、肉球なんて反則っ」
 ももきの頬に肉球が押し当てられた。
「はぅ、何て恐ろしいれっどの反撃……まだまだ〜」
 悠良も受けるが即座に反撃!
「……ぶるーの攻撃〜えい」
「猫まみれ攻撃!」
 それに、ももきも続く。
 エンドレスに回り回る三人と猫達。
 でも、三人ともとっても幸せそうだ。


「お誕生日おめでとうございますですよー」
「えーっと、気持ちはとってもありがたいなー。ケーキの形が気になるけど」
 夜半と、流刃がケーキを見つめる。
 またたび入りのせいか、場所のせいか。
「……えーと、どんまいなのです……よ?」
「まあ、猫もたくさん集まって来ているからな」
 言葉どおりで、遊ぶのに不自由はしなさそうだ。


「なんて猫天国なんだろー……けしからん猫のしぐさにメロメロ〜。このまま昇天してもいいよ〜」
 ユーリは既に骨抜き。
 対し、セイカはせっかくのクリスマスデートだというのに複雑な気分だ。
 おまけに、
「必殺・正義のねこぱんちなのですにゃ〜!」
 気付いて欲しいと、猫の肉球を押し付ければ、
「ぷにゃーん?」
 更に恍惚な表情へと変わる始末であった。


 カイルが荒十朗にならって、白猫を抱き上げてみたものの……。
 感心は三つ編みにあるようで落ち着きがない。
 荒十朗はそんな彼女を静かに見つめる。
「三つ編みのせいか変に懐かれたな……コウ……こいつの世話、手伝ってくれるか?」
「俺も抱いていた猫に懐かれたようだ……まぁ丁度良い。一緒に、二人で面倒見ていこう」
 二人の絆がまた強くなった瞬間であった。


 零の持った紅茶が気になるのか、猫が匂いを嗅ぐ。
「どうした?」
 様子を見に顔を近付けば、鼻先が軽く触れた。
 それが面白くて苦笑が漏れれば、
「あ、ずるい。俺もー」
 と、輝流が身を乗り出し、
「ほら、これでいいだろう?」
 零が猫を差し出した。
 ぷにゅ。
 見事に猫の両前足が、輝流の顔に埋まる。
 その様子に零が腹を抱えて笑い。
 輝流は苦笑する他なかった。


 朔之助の目に、猫とじゃれている陽が映った。
 衝動のままに抱きつけば、
「出来るならずっとこのまま……してほしいな」
 陽はそう言って照れた様子。
「な、何でもない!!」
 だが、朔之助は離れて猫を抱きなおす。とても猫に嫉妬したなんて言えない。
「うぉ、ちょっと……ぎにゃー!」
 とか、思っている間に、陽が猫に襲われ始めた。


 紫唖がソファーに埋もれてごろごろしている。
 猫を周りにはべらせて、自分の世界に浸っていた。
「なんというイケメン!」
 時折、猫バカな声もこぼれるが幸せならばそれでいいのだろう。


「こっちも可愛いのですよ♪ あ、ちょっと活動的な猫はヒナっぽいのですよ♪」
「わー、そのこもかわいいのです。あ、この子見てください。銀の毛色も赤っぽい目もミリアみたいでかわいいのですよ」
 黄色い声を弾ませる、ミリアと、陽太。
 試しに猫を抱き上げれば、
「きゃ♪ 舐めてきたのですーとっても可愛いくってくすぐったいのですー」
 更なる幸せが、二人を包んだ。


「柔らかさと暖かさが幸せ……癒される」
 ウィルの両腕にはそれぞれ猫が。
 一度してみたかっただけに感慨もひとしおで、
「あんまり無理に猫抱くと逃げられるぞー」
 それに、玲紋が軽く笑いながら忠告。
 確かにちょっと黒猫がじたばた。
「コッチの黒いの、玲紋の生き別れの親戚じゃね?」
「んなワケねぇ」
 と言って、玲紋は受け取ると猫の頭を軽く撫でた。


 エルレイが猫達と一緒にころころと寝転ぶ。
 もふもふしたり、顎を掻いてみたり、柔らかくて暖かい猫を堪能中。
 それもいつしか、
「……くぅ」
 暖かくて気持ち良くて、一緒にすやすや。


「ふは、くすぐってぇ」
 桃弥の身体をよじ登った子猫は首筋でうろうろ。
 小さく「ニャーニャー」
「………えらい、仲良さげやなぁ。懐かれちゃってまぁ。顔、にやけとるし」
 誡矛が笑い。
 自分もと猫じゃらしを振れば、周りの猫が一斉に飛び掛った。
「うわ、すげぇ! 桃弥っ! ほら、猫釣れた!!!」
「ん? うわ、なんだそれすげぇ!」
 うん、本当に凄い状況だ。


「うぉわあぁぁ!?」
 直人が狼狽。そして硬直。
 単に猫が膝の上に乗って来ただけなのだが、動くのも悪そうで。
「ずりィーッ。俺も俺もッ」
 そこに、春一が飛びついてきた。
「猫はともかく犬(篠田)は呼んでねぇッ!! つーか重い!」
「せ、瀬崎のばーかばーかッ。ンこーーッ! ぱんつーッ」
 子供の喧嘩のような展開に、猫が小さなあくびをした。


「わ、その子は唯羽さんの頭の上がお気に入りみたい、です」
 繭の視線は、頭の上に陣取った猫に注がれ、
「懐いたなぁ」
 唯羽がそのままの姿勢で猫の脇腹を爪で掻く。
「あの……ねこさんより、わたしを構って、ください……ねこさんばっかり、ずるい」
「ああ、私に一番可愛い猫は、繭かもしんねぇなぁ」
 唯羽が口元に笑みを作り、膝の上を空けて――。


 和んでいた。
 環奈の声が聞こえるまでは。
「あー……これはだな! ……あの、偶然落ちててだな!」
 悠治が猫じゃらしを手に上手い言い訳を探す。
「ひっ、ひーちゃん?」
 そこに、環奈が驚きの声をあげた。
 子猫の群れが、悠治をよじ登っているではないか!
「だっ、大丈夫ですか?」
 慌てて駆け寄る。
 しかし、ここまで猫に好かれるのも少し羨ましい環奈であった。


「ほらほら、にゃんにゃーん」
 エルデが、ねこじゃらし持って右へ左へ。
 猫もそれに飛びついてくる。
「可愛いですね。……むしろこの中に埋まりたいです!」
「OK♪ じゃあ埋めてあげるね」
 言った途端に、肯定の声。
 見れば、ひなたが猫をひと抱え持っていた。


 教室の隅っこでは、律が大量の猫を集め、夢の癒し寝具を実現させていた。
「ああ〜……重い……重いけど幸せ……」
 猫布団。
 その癒しの力たるや、言葉で言い表せないほどであった。


 悠と、大五郎が話をしている。
「あの子が可愛いですね。あの毛並みとか」
「うん、そうだな」
 猫談義は尽きることがなく、それだけで癒されてくるから不思議だ。
 そこに、
「大五郎せんぱーい、私が引き取った仔猫がこんなに大きくなりましたよー」
 クロランタが猫を抱いてやってきた。
「どうぞ、撫でてください」
「……いいのか」
「フーー」
「ゴッホ大丈夫だよー、怖くないよー?」
 それから十分後、大五郎の手に柔らかな感触が伝わった。


「猫はこの世で一番可愛い動物だね! 猫ってツンデレなんだけど、そこがいいんだよ!」
 熱弁を振るう、玲樹の膝には猫が乗り、話の最中も撫でることを欠かさない。
「そうですねぇ、凛としているところは美しさも感じますよね」
 蓮明が相槌を打てば、黒猫が通りかかり、ふと目が合った。
 そのまま、蓮明の膝に飛び乗る。
 これは運命だろうか。


「いろは先輩もねこさん好きですか?」
「ああ、可愛いしね」
 夏美が猫を抱っこしながら問えば、いろはがそれに微笑を浮かべる。
「えと、飼ってくれる人が見つからないとこまりますよね? わたしも1匹なら飼えますけど……」
「無理はしないようにね。必要とされるから、そこにいる。それでいいんだよ」


「わたくし、この仔だけの里親になりますわ。ええ、例え全てのネコを敵にまわしても、この仔だけは立派に育ててみせますわ!!」
 菜々香が黒猫を抱えて宣言する。
「あらあら〜、よほど気に入ったんですね〜♪」
 リヒャルダが目を細め、
「私も〜、時々その子の所へ遊びに行きますよ〜♪」
 口元が笑みを形作る。
 楽しみがまたひとつ増えた瞬間であった。


「なんて可愛いのかしら……ね、凍輝くん」
 綾華・桜子が頬をほころばせれば、
「はい、どの子も可愛らしいですね」
 凍輝が強くうなずいた。
 そして、綾華・桜子の目に留まったのはスコティッシュフォールド。
 撫でても嫌がる様子はない。
「とても懐いているみたいですね」
 凍輝がその様子に和み、
「私……あなたの里親に、なれるかしら?」
 綾華・桜子が問いかけた。


 夜那が膝の上の猫を構いながら、じーっと見つめる。
「珍しいか?」
 遥斗が猫を抱き上げながら尋ねれば、
「気にしたらだめですよ〜」
 と微笑みが返った。
 そうして和やかに時間が過ぎ――夜那が目付きの悪い黒の長毛猫を引き取りたいと言えば、
「共に住む家に一匹増えるのはそれはそれで良いものだろうしな」
 その言葉に、猫の首にリボンが巻かれた。

 絶奈が、大五郎に声をかけている。
「猫って連れて帰っても良いんですか?」
「もちろんだ」
「うーん……私なんかにちゃんと飼えるでしょうか?」
「手間は掛からん。それに触れ合えば分かるかも知れんぞ」
 そこにちょうど猫が通りかかった。


 風音が猫を堪能している。
 もふもふに埋もれているうちに、
「ん? あはは。くすぐったいってばこら。うん、里親にならせてもらうなら、おまえがいいな」
 一匹の猫と目が合った。まるで運命のように。


「……あなた、さてはわたしのことが好きなのね!?」
 波那が懐いた猫に話しかけていた。
 猫はミルクを飲んで喉を鳴らしている。
「よろしくね、フーニャ」
 その言葉に反応してか、猫が顔を上げた。


「……なんて幸せなのだろう」
 ヴィランが懐いた子猫を抱いてつぶやく。
 あとは、
「もしよければ里親になりたいんだが……いいだろうか?」
 明日以降も一緒にいられるように――。


「ここなら運命の出会いがあるかなぁ?」
 龍麻が辺りを見渡す。
 すると、一匹の白猫が。
「はっ! 君が俺の運命の……猫さんかい?」
 直感。運命の糸。
 ともかく出会いは確かであった。


「元気なヤツいます? 三毛猫以外で」
「いると思うがどうして?」
 希平が、いろはに尋ねていた。
「後輩が三毛猫に変身するんですけど、見分けがつかない、とか言ったら怒られそうで」
「なるほど、な」
 銀誓館ならではの事情もあるようだ。


「あの〜、大五郎さん? 名前を付けて頂きたいのですが〜」
 サーシャがそう言ったところに、
「……先輩。この子の名付け親になっていただけませんか?」
 セレナも真っ白な子猫を連れてきた。
 方や黒猫、方や白猫。
「こういうのは得意ではないのだがな」
 大五郎は思案して『クロ』と『シロ』の名前を挙げた。
「単純ですまんな」
「いえ……素敵なお名前ですね」
 サーシャが礼を言って猫の肉球をぷにぷに。
「大五郎先輩、ありがとうですの」
 セレナが大五郎の頬に軽いキスをした。


 こうして、幾多の出会いと癒しが生まれた。
 閉店はもうそろそろ。
 されど、その僅かな時間も楽しもうと、未だ喧騒は途絶えることがなかった――。


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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:113人
作成日:2009/12/24
得票数:楽しい9  笑える1  ハートフル23  ロマンティック3 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。