ウソかマコトか、埋蔵金伝説!?


<オープニング>


●茨城県某所
 潮の満ち引きによって、出現する洞窟がある。
 この洞窟には古くから埋蔵金にまつわる伝説があり、金目当てに観光客が訪れていた事もあった。
 噂では洞窟の奥に埋蔵金が眠っていると言われていたが、誰一人としてそれを手に入れる事が出来なかったようである。
 ……それもそのはず。
 この伝説は地元の者達が観光客を呼び寄せるために作ったデマ。
 元々、埋蔵金など存在していない。
 だが、埋蔵金を躍起になって探そうとした観光客が、洞窟から脱出する事が出来ず、命を落とす事があったため、真実が露呈したようである。
 そのため、いまでは忌まわしき場所として地元の者達に認識されており、誰一人として近付く事がない。
 そして、この場所で関係者と思しきゴーストが確認された。

「みんな、集まったな。それじゃ、話を始めるか」
 運命予報士、王子・団十郎(運命予報士・bn0019)。
 今回の依頼は彼の口から語られる。

 潮の満ち引きによって現れる洞窟で、関係者と思しきゴーストが確認された。
 洞窟内には埋蔵金を求めてやってきたリビングデッド達がウロついており、ツルハシを担いで目ぼしい場所を探しているようだ。
 彼らは埋蔵金を自分だけの者にしようとしているため、侵入者達を見つけるとツルハシを振り上げて襲いかかってくる。
 その上、『埋蔵金の伝説が嘘』である事を説明したとしても、お前達が埋蔵金を横取りしようと思っているので、全く信用しようとしない。
 それどころか、お前達が埋蔵金を持っていると次第に思い込み、身ぐるみを剥ごうとしてくるようだ。
 また、洞窟の奥が特殊空間と化しており、地縛霊と化した中年の男性が留まっているらしい。
 この地縛霊が何者なのか分からないが、金塊の山を守っているらしく、侵入者を見つけると猟銃を構えて襲いかかってくる。
 いまのところ、この金塊が本物なのか分からないが、地縛霊がこれを守ろうとしている事は間違いない。
 どちらにしても、特殊空間が崩壊してしまえば、この金塊の山も消えてしまうので、本物であれ偽物であれ、関係ないのかも知れないが……。
 とにかく地縛霊が命がけで金塊を守ろうとしている事は間違いないので、くれぐれも気をつけてくれ。

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参加者
大谷地・康之(超楽天主義者・b09293)
桐生・天音(ギタープリンセス・b14909)
常陸・忍(星詠みソードダンサー・b26319)
玖焔・尋兎(流浪・b50124)
在原・悠月(エピクロスの可能無限・b51460)
如月・狩耶(一人往くモノ・b56011)
エフェクト・ディスコード(哀しき褐色の騒音・b66336)
神代・翼(神討者・b66966)
兒嶋・酢漿草(蒲冠者・b67025)
ラナ・ララサバル(猫の女王候補・b72122)



<リプレイ>

●本当にあるの、埋蔵金?
「あると嬉しい埋蔵金〜♪ 無いと困るよ、埋蔵金〜♪ あんなにあると言ってたのに〜♪ 実はありませんでしたは通用しない〜♪ 国民舐めるなァーッ!! 馬鹿野郎オォーッ!!」
 激しくギターを掻き鳴らしながら、桐生・天音(ギタープリンセス・b14909)がデスボイスでシャウトした。
 今回は『いい加減な事を言うな!』というコンセプトで、自分の思いを歌にしたようである。
「……『潮の満ち引きによって現れる洞窟がある。洞窟の奥に宝物が眠っていると言われていたが、誰一人として、それを手にする事はなかった』 むふーっ♪ かっこいーのにゃ♪ きっと海賊の宝物なのにゃ! にゃふふ、このキャプテン・ラナが、お宝いただきなのにゃ〜♪」
 海賊のコスプレをして依頼に参加し、ラナ・ララサバル(猫の女王候補・b72122)が瞳をランランと輝かせた。
 この辺りに海賊達が暮らしたと噂される無人島があるためか、期待に胸は膨らむばかり。
「洞窟の奥に眠る宝ですか。一体、どのようなものなのでしょうね?」
 少しわくわくとした様子で、在原・悠月(エピクロスの可能無限・b51460)がゴーストの確認された洞窟を眺めた。
 潮の満ち引きによって現れる洞窟の入り口は、どことなく神秘的な雰囲気が漂っている。
 悠月達が洞窟にやってきたのは、ちょうど干潮時。
 満潮になるまでかなり時間があるので、ゴーストを倒して帰ってきても、脱出するための時間は十分にあった。
「……埋蔵金か。昔はテレビの特番とかでも良くやってたね。今までに見つかったって話は聞いた事無いけど、しかも今回は端から嘘の伝説とは……、ホントに信じ込んで来た人達には気の毒な話だ」
 懐中電灯のスイッチを入れ、神代・翼(神討者・b66966)が洞窟の奥に進む。
 悠月は翼達の後を追いながら、洞窟の壁には夜行性のテープが貼っていく。
 このテープを目印代わりにすれば、確実に洞窟の入口まで帰ってくる事が出来る。
「でも、埋蔵金の噂がある限り、ここに来る人達が絶える事はないだろうし、犠牲者を増やさない為にも頑張らないとね! お正月明けだけど、気を引き締めてがんばるのだ」
 自分自身に気合を入れながら、常陸・忍(星詠みソードダンサー・b26319)が拳をギュッと握りしめた。
 埋蔵金の伝説は時が経つにつれて尾ひれがつき、既に話の原型を留めていない。
 それでも、ここに来る者達が埋蔵金の伝説を信じていたのは、それだけ世の中が不況で一攫千金を狙っていた者達が多かったせいだろう。
「埋蔵金なんて、ほんまに求めとる人おるんやな〜。お金の執着心って怖いわ……。つーか、襲うって超こわっっ。お化けほんまに嫌い〜〜」
 ヘッドライトで辺りを照らしながら、玖焔・尋兎(流浪・b50124)が全身に鳥肌を立たせた。
 洞窟内にはおどろおどろしい気配が漂っており、いつゴーストが現れてもおかしくない状況である。
「人を集めるためのデマにより人が命を落とす。デマを信じ、財宝をえるために命を落とす。理由は不明だが、死んでも尚その財宝に心縛られるなど、悲しいことだ。悲しいことは早く終わらせよう」
 仲間達に声をかけながら、如月・狩耶(一人往くモノ・b56011)が腕時計の時間を確認した。
 洞窟の中に入ってから、妙に時間の経過が長く感じる。
 どうやら、単なる気のせいのようだが、狩耶には悪い事の起こる前触れのように思えた。
 次の瞬間、狩耶の予感が的中した事を示すようにして、暗がりの中からリビングデッド達が次々と顔を出す。
「埋蔵金を求めて、この洞窟に迷い込んじまった奴らか。夢やロマンがあって俺も嫌いじゃないんだが、そいつのせいで他人に迷惑かけるのはいただけねぇ。……というわけで、自由の時間は終わりにさせてもらう!」
 すぐさまイグニッションし、大谷地・康之(超楽天主義者・b09293)がリビングデッド達と対峙する。
 リビングデッド達は康之達が埋蔵金目当てで洞窟に入り込んだと思い込み、敵意をあらわにしてツルハシを振り上げた。
「……死してなおありもしない宝を求む、か……。……大した浪漫だとは思うが、他人の身ぐるみを剥ぐのは良くない……。……それではただの盗賊だ」
 少しずつ間合いを取りながら、エフェクト・ディスコード(哀しき褐色の騒音・b66336)がリビングデッド達を睨む。
 リビングデッド達は唸り声を響かせ、次々とエフェクト達に襲いかかってきた。
「元はと言えば、あなた方もデマに踊らされた、ある種の被害者。とはいえ、常世の者たちが、現の者たちに迷惑かける事は許容できん。せめてその未練、雪いで差し上げるのが私たちの役目。精いっぱい務めるよ」
 リビングデッド達の攻撃を避けながら、兒嶋・酢漿草(蒲冠者・b67025)が洞窟の奥へと突き進む。
 その先で待っているであろう、すべての元凶を倒すために……。

●宝に群がる亡者達
「死して尚、黄金の夢に彷徨うか……、哀れな人達だ。ここでその夢終わらせる・・!」
 リビングデッド達に視線を送り、翼がジェットウインドを発動させる。
 だが、リビングデッド達はまったく怯まず、ブンブンとツルハシを振り回す。
「オラオラオラァ! 埋蔵金は俺がちゃっかり手に入れたぞ! 持っていかれたくなかったら、かかってこ〜い!」
 リビングデッド達の気を引くため、康之がわざと大声をあげる。
 その途端、リビングデッド達が眼の色を変え、『俺達にも分け前を寄越せ!』と迫ってきた。
「あんまり俺に近づかんといてーっ!」
 今にも泣きそうな表情を浮かべ、尋兎がジェットウインドを発動させる。
 しかし、リビングデッドは両目を血走らせ、『お前達が埋蔵金を持っていると分かっていて、放っておくわけがないだろ!』と迫ってきた。
「どうやら話をしても無駄なようだな」
 すぐさまデモンストランダムを発動させ、狩耶がリビングデッドを殴りつける。
 それでもリビングデッド達は諦めず、右手を伸ばしてエフェクトの口布を奪い取った。
「……見られたのがリビングデッドで良かった……」
 リビングデッドから口布を奪い返し、エフェクトがミストファインダーを発動させる。
 頭に血が上っているリビングデッド達は殺気に満ちた表情を浮かべ、『まさか、そこに新たな財宝の在り処が記されているのか!?』と勘違いをして襲いかかってきた。
「俺の物は俺の歴史! 相棒! そして魂同然! そいつを剥ぐ自由はお前らにはないッ!」
 リビングデッドが振り下ろしたツルハシを避けながら、康之が間合いを詰めてフェニックスブロウを叩き込む。
 その一撃を喰らってリビングデッドが血反吐を吐き、ツルハシを杖代わりにして膝をつく。
「……つるはしは土を掘る道具だ……。……我達に向けるとは使い方を知らんようだな……」
 リビングデッド達を射程範囲内に捉え、エフェクトが魔蝕の霧を発動させる。
 それに合わせて狩耶がリビングデッドの懐に潜り込み、フェニックスブロウを炸裂させた。
 他の仲間達も次々と攻撃を仕掛け、リビングデッド達を倒していく。
「つーか、ほんま恐かった〜……」
 ホッとした表情を浮かべ、尋兎がその場に倒れ込む。
 もう二度と……、リビングデッド達が動く事はない。
「これで、此処の伝説もやがては風化していくだろう……」
 今まで犠牲になった人達の冥福を祈りつつ、翼がゆっくりと背を向ける。
 偽りの伝説を信じた者達が求めたモノ。
 それは埋蔵金という名の夢や希望だったのかも知れない。
「……埋蔵金か。俺もいつか探しにいこうかな〜? ……待てよ。そうなったら俺もこいつらの仲間入り!? ……な〜んてな!」
 苦笑いを浮かべながら、康之が洞窟から出ていった。
 しばらくの間は埋蔵金の伝説を信じる者が、洞窟に入ってくるかも知れないが、何もないと分かれば誰も近付かなくなるだろう。
「これで、財宝だけじゃない……別の夢を見られますよね?」
 洞窟の方を振り向き、狩耶が口を開く。
 それが彼らにとって、いい夢である事を祈りつつ、狩耶達は歩き出した。

●宝は誰にも渡さない
「奏で歌うは正義の音色! ギタープリンセス・桐生天音参上! 埋蔵金があるという嘘は観光客も有権者も許さない! 騙した事を反省しながら、あの世にレッツゴーだよ!」
 RPGの洞窟っぽい暗い雰囲気の曲を奏で、天音が特殊空間に引きずられたのと同時に、コミカルな曲へと変化させた。
 地縛霊は金塊の山を守るようにして陣取り、天音達に対して猟銃を向ける。
「金塊の山を護っている暇なんてないからね! 背中を気にしながらの戦いで、5人を相手するのは大変だって、思い知らせてやるのだー! いくよー!」
 黒燐奏甲を発動させながら、忍が一気に間合いを詰めていく。
 それと同時に地縛霊が『宝は誰にも渡さん!』と叫び、猟銃の引き金を引いた。
「宝物に幽霊とは黄金パターンなのにゃ! とっとと天国に行くのにゃ! おまえの宝物は、このキャプテン・ラナが貰ってやるのにゃ♪ ……にゃにゃにゃにゃ〜っ!? なんでラナばっかり狙うにゃ!?」
 ハッとした表情を浮かべ、ラナが雷の魔弾を撃ち込んだ。
 ……すれ違う弾と弾。
 ラナが悲鳴を上げてペタンと尻餅をつく。
「その宝……、本物か? 私には作り物にしか見えないのだが……」
 旋剣の構えを発動させながら、酢漿草が地縛霊の顔色を窺った。
 地縛霊はこめかみを……ピクリ。
 それだけで酢漿草には、金塊が本物であるか、作り物であるのか。
 ……理解する事が出来た。
「どうやら、答えるまでもないようですね」
 真スカルサムライの入谷さんを前衛に立たせ、悠月が地縛霊めがけて雑霊弾を撃ち込んだ。
 それでも、地縛霊は猟銃をギュッと握りしめ、悠月達を狙って引き金を引いた。
「やられたらやり返すのにゃ! それが海賊の流儀なのにゃ〜!」
 傷ついた左腕を庇いながら、ラナが再び雷の魔弾を炸裂させる。
 次の瞬間、地縛霊がバランスを崩し、金塊の山に突っ込んだ。
 しかし、金塊の山は地縛霊の体重に耐えきれず、ベシャリと音を立てて派手にヘコむ。
「……あれ? 金塊がペッシャンコなのだ」
 地縛霊にローリングバッシュを放ち、忍がキョトンとした表情を浮かべる。
 我を忘れた地縛霊は、狂ったように猟銃を乱射した。
「入谷さん、ゴースト合体です」
 傷ついた入谷さんに声を掛け、悠月がゴースト合体をする。
 だが、ゴーストは怒りで我を忘れているため、怯むどころかさらに敵意をあらわにして猟銃の引き金を引いてきた。
「あんなにいっぱい探したのに〜♪ 見つからなかったよ、埋蔵金〜♪ いったいどこにあるのよ、埋蔵金〜♪ 実は嘘です♪最初からありませんでした〜♪ 騙される方が悪いのさ〜♪ 悪い奴らがほくそ笑む〜♪ フザケンナァーッ!! 地獄に堕ちろオォーッ!!」
 いつも以上に激しくギターを掻き鳴らし、天音がブラストヴォイスを炸裂させる。
 次の瞬間、地縛霊が何度も衝撃を受け、猟銃を天井に撃って消え去った。
「はぁ……はぁ……、サンキュー!」
 晴れ晴れとした表情を浮かべ、天音がビシィッとポーズを決める。
 もう……、ゴーストの気配が感じられる事はない。
 天音達はその事を確認すると、満潮になる前に洞窟を出ていった。
(「……自分は欲に溺れずにいられるんかね。出来るように頑張らんといかんけど……」)
 ゴーストが確認された洞窟を眺め、酢漿草がゴースト達の事を思い出す。
 自分が彼らと同じにならないという保証はない。
 だが、どんな事があっても、彼らと同じような末路は辿りたくはないと思った。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2010/01/13
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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