≪弁当屋【樹雨の虹】≫桜の宴


<オープニング>


 ゆるりと吹いた風が頬を撫でると、小さな花弁を運んで肩に落としていった。それぞれ思い思いに花を咲かせた山桜の木々は、視界一面に広がってなお花弁を降らせている。
 両手で抱え込むようにして持っていた星祭・祭莉(虚ろなる空よりの使者・b21661)のシートが、ぽとりと地面に落ちた。
 落ちたシートの上にも、ひとつ花弁が。
「すごい……これ全部貸し切りだよ」
 嬉しそうに紫雨・未玲(お気楽思考の魔弾術士・b17742)が祭莉を振り返ると、そっと視線を落として祭莉はシートを拾い上げた。
 ソメイヨシノとは一足早く咲く山桜は、花見に来るには少し肌寒く、花見客も見あたらない。
 すなわち、『樹雨の虹』の貸し切り状態であった。
 思わず駆けだしていく未玲のあとを、祭莉もシートを持ったままついてゆく。桜に包まれ、祭莉は不思議そうに上を見上げた。
「いい天気で良かったね」
 風に泳ぐ『弁当あります』の幟を肩にひょいと掛け、芦夜・恋月(縛鎖の中で足掻く狗・b10866)が大きく深呼吸をした。
 それを見てリヴァル・ローレンス(ブラッディクロス・b18553)がくすりと小さく笑う。
「幟を持ってくるまでもなかったわね、誰も居ないもの」
「これはうちの看板だからね。……月ちゃん達の見送りはこの幟の下でやりたいじゃない?」
 恋月が見る先には、笑って桜を見上げている美原・月(闇に放つ月輝・b15609)と獅子吼・響慈(響き合う永遠の旋律・b15316)、そして蓮華院・優花(アンノウンズ・b49546)の姿があった。
 三月で卒業式を迎えた彼らは、四月になるとそれぞれ別々の未来へと向かって旅立ってゆく。特に月は、樹雨の虹をこれまで頑張ってまとめてくれていた……卒業する事を一番感慨深く思うのは彼女かもしれない。
「つ……」
 彼女の背に声を掛けようとした都築・アキ(ターンコート・b16871)の手が止まる。なにか、変だ。
 一面の桜の園は、自分達から影を抜き出してしまったようだ。そこにあるのは、まるでどこかの映画から抜き取ったような、一コマだった。
「だ……れ、だ?」
 アキの口から漏れた言葉に、ゆっくりと彼女が振り返る。
 その表情にアキは違和感を感じていた。ただ、どこか悲しいような諦めのような感情が感じられる。月だけではない、彼女とともにいる響慈も、そして優花も。
 ひときわ強い風が吹いて、桜の花びらを散らせた。
「こいつは……」
 アキが鋭い視線で、残像を見やる。
 鏡の作った、写し身。
 桜の花の下に立っている三人は、ただじっとこちらを見ていた。彼女達を囲む人々の中には、自分の姿もある。
 そこにある月たちは、ぽつんと時間の狭間に残された心の欠片のように無表情だった。
 このまま卒業せず、このまま見送らずに済む、このままの学園生活を送りたいという気持ちが心から離れて現れたような、コピー。
「ボク……」
 優花は彼女を見て、そして自分を見下ろす。鏡が作った、もう一人の自分をまじまじと優花は見返した。
 もう一人の自分は、ただ去りがたそうにそこにいた。
 月が歩き出すと、後ろを響慈たちも歩き出した。まるで、誘うように。
「追いかけましょう」
 本物の響慈が声を上げた。
 もう一人の響慈は、ちらりと時計に視線をやって背を見せる。時の止まった影たちは、桜の園で永遠の時を過ごすのだろうか。
 永遠に、高校三年生のまま……。
「行かなきゃ」
 月が言った。
 凛と彼らを見つめ、そして手をぎゅっと握り込む。
 もう、いかなきゃ。そして三年生の自分とさよならをしたら、今度こそここでみんなでお花見をしよう。
 卒業祝いの花見をして、そしてみんなであの弁当屋に帰ろう。
 みんなの笑顔を受け止め、月は笑って頷いた。

マスター:立川司郎 紹介ページ
リクエストありがとうございます。立川司郎です。
相手はヤヌスの鏡、出現ゴーストは各参加者の出発時と同じ能力同じ技を使ってきます。
最後はヤヌスの鏡の本体となる鏡を発見し、さくっと破壊してくださいね。
もちろん戦闘だけでなく、お花見が肝心です。
フィールドについては桜林の中の広場なので、特に邪魔になるようなものもありません。

参加者
芦夜・恋月(縛鎖の中で足掻く狗・b10866)
獅子吼・響慈(響き合う永遠の旋律・b15316)
美原・月(闇に放つ月輝・b15609)
都築・アキ(ターンコート・b16871)
紫雨・未玲(お気楽思考の魔弾術士・b17742)
リヴァル・ローレンス(ブラッディクロス・b18553)
星祭・祭莉(虚ろなる空よりの使者・b21661)
蓮華院・優花(アンノウンズ・b49546)



<リプレイ>

 笑顔の美原・月(闇に放つ月輝・b15609)と、無言の月と。
 散る桜の中に、月は自分と対峙していた。双方武器を構えたのは同時、同じ人間同じ力の自分の写し身……月が見ていたのもまた、自分自身であった。
 そんな中で真っ先に月の前に飛び出したのは、都築・アキ(ターンコート・b16871)。
 それはまるで、卒業していく自分を追い越していくかのように見えて、月の心に少しじんわりと切ない思いがこみ上げる。
 アキが向かっていったのは、奇しくも芦夜・恋月(縛鎖の中で足掻く狗・b10866)。
「安心して卒業してください」
 アキの凛とした声に、月ははっとさせられた。
 もう一人の自分は、置いて行く月達のもう一つの心なのだ。それは月にもあって、そしてアキにも恋月にもある。
 恋月とサシの戦いを挑んだアキは、これからの自分への決意をも込めていた。卒業していく自分は、立ち止まらずにいかなきゃ。
「……じゃあ行くよ、祭莉ちゃん」
 月は星祭・祭莉(虚ろなる空よりの使者・b21661)に向き合い、手の中に虫籠をしっかりと掴んだ。
 蟲籠はりん、と澄んだ鈴の音を響かせた。

 写し身達の月が蟲籠から蟲の力を呼び起こすと、恋月が幟を風にはためかせて踏み込なだ。
 各人が武器を構えて攻撃に備える中、まず皆が目配せをして位置取りをする。
「散開して、来るよ!」
 恋月が声をあげると、各人後衛を守る為に前へと飛び出して行った。
 動きは大きいが、恋月は幟を使って流れるような動きで月を横薙ぎに叩く。踏み込みの一歩は強烈な力となり、恋月の周囲にいた写し身の月と恋月を強打した。
 しかしそれは我が身、向こうの恋月もまた幟で同じように……。
「まずは偽物の私を叩いて」
「どうもやりにくいですねぇ」
 ぽつりと獅子吼・響慈(響き合う永遠の旋律・b15316)が後ろで呟くと、ギターに手をかけた。同数と戦うという事は、集中攻撃の際に敵が余るという事。
 集中砲火を受ける恋月とアキ、リヴァル・ローレンス(ブラッディクロス・b18553)はやや後ろに下がって写し身のアキを見やっている。
 響慈はギターの波動で月の力を削りながら、その月の顔を見ていた。
 ……弁当屋なら食いっぱぐれない。
 自分は確か、そんな事を考えて月の所に転がり込んだんだっけ。むろん響慈の理由はそれだけではないが、響慈にとってそれだけ月は頭の上がらない相手なのであった。
 明るく振る舞う月を見ていると、響慈も泣き言なんか言えないではないか。
 春になると辛いのは、響慈もまた同じだ。
 吐息をふうっと吹きかけられた恋月の体が凍り付いていくと、即座に紫雨・未玲(お気楽思考の魔弾術士・b17742)が風でその冷気を吹き消していく。
「月先輩からね、了解!」
 未玲はやや混乱した様子で、声を上げる。
 前衛を皆にまかせ、未玲も月に炎の弾を放った。
 今日だけは、あなたに遠慮なく手を上げさせてもらいますよ。響慈が言うと、月も後ろを振り返って笑った。
 悲しげな顔の月は、ざあっと風の吹き消されるようにして消えていく。
 炎に焼かれ、響慈の旋律に見送られて月はふうっと桜の向こうに消えた。

 さしもの恋月も、偽月から受けた傷と前衛に立った自分の写し身を相手にするのは、容易ではなかった。
 ただ、相手が自分だけに受け止めやすいのが救いだった。
「無理そうなら言ってください」
 そう恋月に声をかけた響慈の歌に少し力を取り戻し、幟を握りなおす。少し声が焦って聞こえるのは、未玲であろうか。
 自分と同じように炎を使い、恋月を狙っている偽未玲に気をもんでいるようだ。味方と同じ姿の相手を攻撃するのも、未玲には気が引けてならない。
「次は蓮華院先輩を……」
「ダメ、これ以上後ろから狙われたら恋月さんが保たないよ!」
 未玲を先に倒すべきだという月と、皆それぞれ仲間と同じ顔の『影』を相手にして混乱しているようだった。
 目の前の相手を食い止めるだけで、今は精一杯である。
 恋月はふと笑って、幟を構える。
「それじゃあ未玲ちゃんから、行こうか」
 迷いなく、恋月は敵陣に突っ込んでいった。後を追うようにして月も突っ込み、未玲は二人に合わせて自分の影に攻撃をしかける。
 そこに居るのは本当に自分そっくりで、未玲は思わず攻撃の手を躊躇ってしまう程。
 自分や仲間が傷ついているのは、あまり長々と見ていたくはなかった。
「……これからは貴方達の時代なんだから、頑張って託されちゃって……ね」
 ぐいっと自分の頬に伝う血を拭い、恋月が言った。
 影の未玲に言った言葉だろうか……いや、きっと後ろに居る自分に向けて言った言葉なのだ。
 だから安心して未玲も、全力で炎を自分へと叩き込む。
 消え去る自分はしっかりと見据え、それから視線を蓮華院・優花(アンノウンズ・b49546)の影へと向けた。もう手は止めない、もう迷わない。
「早く終わらせて、お祝いしないと♪」
 仲間と写し身と、ちゃんと未玲の目には見えているんだから。

 一人、そしてまた一人と消えると少しずつ戦いが楽になって来た。
 アキと向き合う偽恋月の後ろでは、優花が恋月に力を注ぎ続けている。恋月の懐に入り込んで牙を立てるアキと、幟で牽制しつつアキにそれを突き立てる恋月の写し身。
 お互い得意とする戦い方が違う為、壮絶な削り合いと化している。
 優花はそんなもう一人の自分と向き合っても、動揺する事は少ない。少なくとも、傍目にそれがはっきり見える事はなく、アキに力を送りながら周囲にも目を配っていた。
「ごめんね、蓮華院先輩」
 謝りつつ炎を優花の影へと放つ未玲を、不思議そうに優花は見た。後ろに回り込んだ恋月も、未玲に合わせて優花を幟で貫く。
 既に皆、傷だらけであった。
 冷たい視線の偽恋月がアキの攻撃をふわりと後ろに一歩下げて避け、そして幟を前に突き出す。
 優花の影が貫かれたのと同じくして、アキの体を幟が貫いた。
「……いいね」
 アキは偽恋月の攻撃を受けて、ふと笑った。
 僕のご主人様……貴方に負けるようじゃ、月達が安心して卒業出来ないんだ。アキは受けた傷にも怯まず、突っ込んでゆく。
「…芦屋先輩を、倒すまでは、支える」
 優花はアキの後ろに立って、ファンガスの力を使い続けた。優花から見ると、アキは嬉しそうに見えた。
 それは、優花に一瞬そう見えただけで気のせいなのかもしれない。
 だけど消耗戦となってアキも傷だらけなのに、恋月と戦うのを楽しんでいるように思える。
 自分と戦うのは不思議なものだが、果たして優花であれば楽しいと感じるだろうか。
「……覚悟。そして意地」
 ちら、と振り返ったアキが優花に言った。
 戦う二人の姿は、無残というよりむしろ美しい。
 優花は桜の花の下で死闘を繰り広げるアキと恋月に、目を奪われていた。ただ……不思議で、ただ綺麗。
 アキが『越える』のを、自分も支えようとしている。
 その牙が恋月の喉元深くに食い込むと、もう一人の恋月がゆっくりとその力を失っていった。
 はっとアキが視線を上げると、桜吹雪の向こうにもう一人……本物の恋月が居た。その側では、今まさにもう一人の優花が力尽きた所であった。
 ……もう一人の優花は、最後に優花を見た。

 桜色の風の中、リヴァルの視線の先でアキが食らい付いたレオンがゆっくりと消えていくのが見えた。
 写し身のリヴァルとレオンの前には、祭莉が。
 さすがにアキ相手では、レオンも長くは保たなかった……。レオンだけではない、リヴァルとレオンに迫られた祭莉はかなり深手を負っている。
「無理をさせたわね、レオン」
 消えていったレオンにそう一言謝り、リヴァルはアキに向き直った。本物のアキが、二人の間に入ると背にリヴァルを守る。
 怪我をしているようだが、大丈夫なのだろうか。
「レオンが削ってくれたからね」
 そうアキは軽く言って返したが、自分と同じ力が相手ではなかなか間合いを詰める事が出来ずに居るようだった。
 しかし既に月、未玲、恋月、優花の写し身が消えている。残り四人、あとは押していくのみである。
「ねえ、止めは譲ってもらってもいいかしら?」
「おねだり?」
「たとえ鏡でも、アキ君は譲りたくないの」
 リヴァルのお願いには、アキも肩をすくめた。
 彼女にそう言われば、譲るしかあるまい。アキが突っ込んだ隙に、リアヴァルはその死角に回り込む。
「フォロー、お願いね」
 未玲達に攻撃のフォローを頼むと、リヴァルはアキの後ろ姿に目を止める。偽物でもそこにあるのは……アキと同じであった。
 すうっとリヴァルはアキの背中を指し、力を吸い取って行く。アキの残った力を全て吸い尽くすと、リヴァルは満足げに目をそっとふせた。
 どうやら、偽者の自分に邪魔されずに終わったらしい。祭莉がちらりとアキの方を見たが、そちらも月達の加勢によって片付いていた。
「あとは……ボクと響慈さん、ね」
 祭莉は大きく息をつくと、桜の花弁が舞い落ちた地面を踏みしめた。
 果敢に攻め込む自分の影に、祭莉も飛びかかってゆく。響慈の方を向き祭莉に背を預けた月は、傷を癒やしながら祭莉に声をかけた。
「やっぱりそうだ」
「……?」
「祭莉ちゃんは、やっぱり笑顔が可愛いんだ」
 ここに居る写し身の祭莉は、無表情で立ち尽くしていた。そう言われてあらためて自分のコピーを見るのは、何だか恥ずかしい。
 懸命に月や恋月達に付いていこうと、普段訓練しない自分を悔やみながら祭莉も立ち上がりつづける。
 写し身の自分から受けた一撃は、重く冷たかった。
 荒く息を吐きながら、祭莉は再び立ち上がって自分の写し身を睨むように見据える。魔方陣が彼女の傷を癒やし、手がじんと熱くなった。
「本物が勝つんだから」
 月は、笑っている自分が良いと言ってくれた。ここに居るのは、自分じゃない……だって、本物の自分は笑ってみんなでお花見をするんだから。
「そうですね、こんな無表情では誰も笑顔に出来ません。誰かを笑顔に出来るのは、笑顔だけなんですから」
 響慈が祭莉に言うと、二人は目をあわせた。
 最後に残った二人の影は、桜吹雪の下にかき消えていく。
 そう、やっぱりみんなの笑顔を作りたいんだと響慈は消えていった自分を見て思い直す。消えていった彼らは皆、ちっとも笑っていなかった。
 そんな顔をしている自分は、とても殴る気にもなれない。
 月が祭莉の笑顔が可愛いと言ったように、響慈も笑っている皆が好きだった。
 その為には、どんどん自分が前に進んで、大切な人や皆の笑顔を作っていきたい。だから私も笑えるんだ。
 響慈は笑顔を浮かべて、仲間を振り返る。
「じゃ、宴だ花見だ宴会ですよ!」
 明るい響慈の声に、皆ほっとして笑顔を取り戻した。

 特等席を独占した樹雨の虹の八人は、散る桜の花弁の下で特製のお弁当を広げる。こうして皆で花見をしながら食べるお弁当の味は、格別であった。
 優花もランチョンマットを祭莉と二人で広げ、鞄から焼き菓子を取りだして並べる。双を開けたケースの中から、焼き菓子の甘い香りが漂って食欲を誘う。
 月は五目稲荷を取りだし、皆に振る舞った。
「まだまだあるから食べてね。ほら響慈くんも食べなきゃ無くなっちゃうよ?」
「ああ、大丈夫です。私の分なら、まだここに」
 ひょいと響慈が取りだしたのは、なんだか見た事のある弁当屋のお弁当が沢山……。それを横からひょいと取り上げ、アキが皆の前に配った。
「はい、これはみんなで食べる」
「ええ、せっかく沢山持って来た私のお弁当が……」
「あはは、五代目の言葉なら聞かなきゃね響慈くん」
 アキに弁当を取り上げられて残念がる響慈を、月が笑った。月の五目弁当に特製弁当、それからいつもの樹雨の虹の弁当。
 これは早く食べなければ無くなりそうだ。
 伸ばした響慈の手をぴしゃりと恋月が叩き、きちんと座り直す。ちらりと彼女を見返し、そして響慈も座り直した。
 まずはジュースが配られ、八人で杯を合わせる。
「卒業、おめでとう」
 恋月が言うと、リヴァルも微笑した。二人は既に卒業している為、見送り……というよりも出迎えに近いかもしれない。
 しかし、卒業してしまうと心寂しいのはリヴァルも同じである。
「私が言うのもおかしいかしら。……でも、これからも宜しくお願いします。卒業おめでとう」
 リヴァルの後に、ぎゅっと膝を握った未玲が言葉を続ける。
 口にしたお弁当のだし巻き玉子は、相変わらず美味しい。でもじんわり涙がこみ上げてくる。
 それをこらえ、未玲は笑う。
「卒業しても、頑張っていってください」
「また……月さんや優花さんには、ボクに料理教えてほしいよ」
 にこりと笑って、祭莉も卒業を祝う。
 来年からはアキが料理を作るのだから、アキと一緒に祭莉も料理を習おうかと考えて居た。
 まずは、月さんの特製五目稲荷の作り方を教えてもらわなきゃならない。それから、優花のお菓子を。
「ああ、僕も五代目として精一杯努力するよ。明日から、特訓をお願いする……祭莉と一緒にね」
「ふふ、アキ君が追い越されるかもしれないわね」
 リヴァルは笑うと、傍らでうとうとと横になっている優花にブラン・ケットシーを掛け直してやった。
 ちら、と降った花弁が優花の頬をそっと彩る。
 取るでもなくその寝顔を見下ろし、くすりとリヴァルは笑った。
 桜をぼんやり見上げているうち、優花の瞼が重くなって行く。とてもいい日和で、桜の花びらが綺麗で……みんなの笑い声が聞こえて。
 優花は手に横笛を握り閉め、すうっと眠りについた。


マスター:立川司郎 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2010/03/30
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