幽艶ロマンス


<オープニング>


 静かな空気。
 静かな時間。
 それを楽しむ人たち。
 オシャレなインテリア。
 ゆったりとした空間。
 小さなカフェだが、センスの良さが所々から伺える。 

 静かなのはここにいるほぼ全員が本を読んでいるから。
 オシャレな本棚には洋雑誌や、写真集。話題の小説なんかが置かれている。
 黒い長い髪の毛を一纏めにした、きりっとしたスーツ姿の女性も外国のインテリア雑誌を眺めていた。
 最後まで読み終えたのか、女性はすっと立ち上がり読んでいた雑誌をもとあった場所へと返却し、また違う雑誌を探す。その細い指先は本を辿っていく。
 そうして一冊決めたら、雑誌を抜き取り自分の席へ戻ろうとした時だった。
「………あの、落ちましたよ?」
 すぐそこにいた男性が声をかけてきた。
 何かしらと言うように女性は男性の方を見る。男性の手には一枚の綺麗なハンカチ。それが彼女の元から落ちたと、彼女の方に差し出した。
「あら、ありがとう…………その本、読み終わったら後で貸して欲しいわ」
 ハンカチを受け取りながら、女性は男性が読んでいた雑誌を見て『その本読みたかったの』と続けながら尋ねる。
「えぇ、構いませんよ。それなら一緒に此方でどうですか?」
 趣味が良さそうな女性を男性は何のためらいもなしに誘った。
 その後、自分がどうなるのかなんて、知らずに男性は人の良さそうな笑みを浮かべていた。
 その様子に女性は口端の笑みを深くした。
 
 その後二人は連れ立って店を後にし、男性は逃げることも出来ず、声を上げる間もなく赤い海に溺れた。
 
「リリスがでたわ。場所は下町の雰囲気が残る街の片隅にあるカフェよ。既に一人の男性がリリスの被害にあってしまったわ」
 教室で能力者達を出迎えたのは樟高・匡(高校生運命予報士)。
 能力者たちが集まったことを確認すれば、依頼の話を始めていく。
 ゆっくりとした口調で、詳細について語り出した。
「リリスは黛・倫子と名乗り、外資系の商社で派遣のOLとして普通に働いているわ」
 会社での評判は上場で、仕事をきっちりこなし、仕事仲間のフォローまでも気配りが行き届いているという。
 外見もきりっとした印象を与える、美人な顔立ちにどこか艶かしい色気が漂っているという。

「そんなリリスと戦うには少しだけ注意しなければ習い事があるわ。リリスは離れていても能力者の方向を知ることが出来るの。けれども固まって行動すればリリスはそれが複数の能力者なのか、一人なのかまでは察知できないの。だから、間違っても多数の能力者で包囲して近づくなんてしたら、簡単にばれて逃げてしまうわね」
 リリスと向き合うための注意を匡が説明していく。さらに説明は付け加えられていく。
「しかもリリスは目視するだけで、それが能力者の素質があるかどうかってことが分るわ。この時にもし、複数の能力者が目撃されてしまえば、リリスの方が警戒して逃げてしまう可能性が出てくるわ」
 逃亡されては元も子もない。
 この注意点を踏まえて、匡が能力者に言葉を続けていく。
「囮は一人で大丈夫。その一人がしっかりとリリスに近づくことさえ出来れば、リリスは方向を知ることが出来なくなるから、リリスを逃がさないように包囲網を引くことができるわ」
 本当に、厄介な敵よね。と、匡が吐息交じりに呟く。
 だが、ココさえしっかり抑えておけば大丈夫だからと、匡は小さく笑って話を続けた。
「リリスはある一定の手段を使っているの」
 今回のリリスが現れるのはちょっとこじゃれたブックカフェ。
 出現するのは19時以降。
 そこでリリスは本を読みながら、能力者の素質があるものを探し出し、ターゲットを見つけると、読んでいた本を返しながら新しい本を選ぶ。その時にターゲットとした人物の良く見える場所でさりげなくナニカ落し物をするという。
 その落し物をターゲットが拾えば、必ず今、読んでいる本を後で貸して欲しいといい、一緒に会話する切欠を作り出せば、後はさりげなく食事にでも外へと誘い出す。
「下町という少し入り組んだ地形を利用して、あまり人目につかないコインパーキングにターゲットを連れ出して食事と洒落込むわ」
 匡は説明を続けながら、一枚の地図を取り出し一箇所に赤丸をつけた。
 ついでにカフェはここね。と、カフェには星印を書く。
 その道のりは少し入り組んでいるが、難しくはない。
「ここで肝心なのは、疑われないようにするという事。疑わしいことが続けはリリスも何か感づき逃げてしまうからね」
 しかも仕事が出来るリリス。
 多少頭の切れは良いかもしれない。
「最後にリリスは包囲されて逃げれないと思えば、本来のリリスの姿に戻って戦闘態勢になるわ。こうなってしまえば、気を抜きさえしなければ、簡単に勝つことができるでしょうね」
 リリス自体はさほど強くもない、攻撃といえば体にまとわりつく無数の蛇をまるで投げナイフの様に投げつけ、蛇が噛みついてくるのさえ注意すれば大丈夫だと告げて。
 けれども………。と、匡は続けた。
「そこはリリス、しかも艶やかなんてきてるなら、自分の身が危ないとわかれば、簡単に色仕掛けで命乞いなんてしかけては、逃げようとする可能性も否めないから気をつけてね」
 それじゃぁ、細かい事が大変かもしれないけど、ヨロシク頼むわね。と地図を能力者に手渡しながら、匡は頭を下げた。

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参加者
国津原・梔鬼(淵獄の鬼童子・b07002)
武藤・旅人(微笑年調伏士・b11445)
邑闇・シギ(淫猥カリダーテ・b12949)
クレール・アンリ(碧眼の黒豹・b15435)
篠宮・沙樹(死去何所道託體同山阿・b18858)
芹・鈴四郎(高校生白燐蟲使い・b19675)
璃守・倫之(華化粧の璃豹・b20522)
日和佐・ささら(高校生ヘリオン・b20952)



<リプレイ>


 ブックカフェのある街。
 古くからある昭和テイストが残る果物屋のすぐ隣は、今どきのカフェバーがあるという、そんな下町風情の古さに最近の流行が混じりこの街独特の雰囲気をかもし出している街。
 そんな街の駅前のファーストフード店に、能力者達は集まっていた。
 リリスがブックカフェに訪れる時間までは、まだ十分にある。今のうちに作戦をしっかりと確認しあう。
「これ、コピーしておいたから」
 武藤・旅人(微笑年調伏士・b11445)が運命予報士から貰っていた地図を人数分コピーし、集まった皆に手渡す。
 仲間よりも早く到着していた彼は、リリスが現れるカフェと戦闘場所となるパーキングを下見し、予想される逃走経路、それに包囲班が移動するのに見張り場所からパーキングへのカフェの前を通らない最短の道を調べ、地図にはそれらが書き加えられている。
「リリスが店を訪れる19時頃には店の裏手で待機したほうがいいでしょう?」
「いや、それだと店の中にいる囮のクレールさんと、待機している俺たちの二つの気配を感じ取るかもしれないから、ある程度離れて待機しておいた方がいいと思うよ」
 篠宮・沙樹(死去何所道託體同山阿・b18858)の提案に、何が起こったらどうするかを考えていた璃守・倫之(華化粧の璃豹・b20522)が口を開いた。
「うん、それなんっすけど……」
 カフェから離れた赤丸の場所を指差す旅人。
 どうやらここが今は使われていない雑居ビルらしく、ここからカフェの入り口が双眼鏡で確認できるという。
「それにこの場所からだと、カフェの前を通らずにコインパーキングまでの道のりも、失敗して次の邑闇先輩を芹くんがバイクで送って行く道も丁度いいっす」
 事前の下調べで、カフェとコインパーキング両方に行きやすい場所が見つかり、リリスが現れるまでの潜伏先はそこと言う事に決まった。
「ぱっぱと終わらせてぱっぱと帰ろうじゃないの!」
 邑闇・シギ(淫猥カリダーテ・b12949)は、飲み掛けのジュースを一気に飲み干し立ち上がる。
 
 それから能力者たちは、携帯電話の番号を交換して店を後にした。


 ブックカフェは静かだった。
 ゆったりとした1階の壁側にあるソファにもたれかかって、クレール・アンリ(碧眼の黒豹・b15435)はフランスの雑誌を読みふける。
 耳障りじゃない程度にボサノヴァが流れる店内は、とても良い雰囲気でこの雰囲気を心ゆくまで堪能できないのが残念なことだ。
 そんな事を思えば自然とため息が漏れ出した。
 少し視線を上げて店内の時計で19時過ぎを確認した時、カフェの扉が開く音が聞こえた。
 さりげなく其方を見れば、一人の女性が静かに入店してるところだった。
 一纏めにされた長い髪の毛、それからきっちりと着こなしたスーツの胸元は少し大きく開かれていた。
 その女性は1冊の本を抜き取ると、クレールの隣のソファ席に座った。
 静かな時間が流れる。
 聞こえてくるのはボサノヴァだけ。
 雑誌を見るフリをして、スーツ姿の女性を見て見た。
 おそらく彼女がリリス。騒ぎさえ起こさなければ静かに獲物を選別できるこの場所を選んだことは賢いやり方だと思う。そこまで頭がキレて本が好きで、リリスではなければ是非友達になりたいものなのに残念だ。なんて考えていた時だった。
 店内に流れる曲とは違う音が聞こえた。
 自然と其方に視線が其方に移った。
 そこにはさっきまで座って本を読んでいた女性が立ち上がり、クレールの後ろの本棚で新しい本を選ぶ姿が見て取れ、そんな彼女の足元にはガラスビーズのブレスレットが落ちていた。

 ――――――リリスだ。

 確証が持てたクレールは、さりげなくブレスレットを拾い上げて声を掛けた。
「Excusez-moi…これ、あなたのではない?」
「……あら。そうだわ、ありがとう」
 クレールの声に、初めて今気がついたという様に女性は自分の左手首を確認してから、クレールの手の中にあるブレスレットを確認し自分のものだと受け取った。
「それ、素敵な雑誌ね、良かったら後で私にも見せてもらえないかしら?」
「この本を貸すのは構わないわ。その代わり、今あなたが持っている本を次に貸してもらえないかしら。興味があるのよ」
 女性はクレールが持つフランス雑誌に興味がある風な素振りを見せれば、クレールも相手が同じ興味を持ってくれたことが嬉しいというような、好意的な態度で接し最後の一言を一呼吸置いてから笑みと共に発した。
「その本も…そして、あなたにも」

 息を潜める能力者達がいる雑居ビルは、カフェから3キロは離れている場所だった。
 日和佐・ささら(高校生ヘリオン・b20952)は初めての依頼と言うこともあって、緊張した面持ちで、手の中にある携帯電話を見ていた。
 そこから聞こえてくるのは微かなボサノヴァ。
 クレールの服のポケットの中に、通話状態のまま入っている携帯電話が店内の様子を伝える。
 感度は良好。
 旅人が双眼鏡でカフェの方向を眺めるも、雑多とした建物にその視界を遮られてしまう。
 古典的な手法を使うリリスだなと芹・鈴四郎(高校生白燐蟲使い・b19675)が思う。だからこそ確実なのかもしれないと、気を引き締め直す。
 今頼りになるのは、この携帯電話だけ。
「『Excusez-moi…これ、あなたのではない?』」
「『……あら。そうだわ、ありがとう』」
 突然ボサノヴァとは違うもの、クレールと知らない女性の話し声が聞こえてきた。
 能力者の間に一気に緊張感が高まった。
 国津原・梔鬼(淵獄の鬼童子・b07002)も息を潜める。
 電話から聞こえてくる会話は、運命予報士から聞いていた手法と同じもの。相手はリリスだという確証がもてる。
 リリスがクレールに接触したことにより、待機していた残りの7人は一斉にこの後、リリスが向かうコインパーキングへと向かっていく。
「油断は禁物、だね」
 仲間の後方を歩き辺りを観察しながら、倫之が自分の襟足の髪の毛を弄りながら呟く。
 移動の間も繋いだままの携帯電話から、二人のやり取りが聞こえてくる。
 しばらく二人は何気ない雑誌の話や、本の話などを楽しんでいるような感じの会話が聞こえていた。
「『ねぇ、良かったら、今からお食事でもどうかしら? 素敵なお店を知ってるの』」
「『えぇ。本当に? うれしいわ』」
 二人が揃ってカフェを後にするやり取りが聞こえてきた。
 そこで携帯電話を切れば、後はコインパーキングで待ち伏せればいいだけ。


 コインパーキングの周りに潜む能力者達は皆、戦闘に備えてイグニッションを完了している。
 梔鬼が息を潜めその時を待つ。
 コインパーキングから死角になる場所を選んで、物陰に隠れる沙樹。
 倫之が何か変化は起こっていないか、辺りの様子を伺う。
 旅人がカフェからの道を双眼鏡でチェックし、ささらも望遠鏡で様子を伺っていた。
「ぁ……」
 旅人の双眼鏡に映りこむ、小さな影がふたつ。
 ポケットから携帯電話を取り出し、離れて潜伏している仲間に連絡しようとしたが、繋がるかどうか分からない。戦闘開始の合図もあらかじめ決めておいてあるからと、今はばれないように身を潜める。
 同じ頃ささらも二つの影を見つけた。
「見えました」
 小さな声で発見したことを告げる。近くに身を隠れている、仲間にはそれで分るだろうと。
 
 カツカツと踵の高い靴で歩いている音が次第に近づいてくる。
 呼吸をするのさえ躊躇うほどの、緊張感が張り詰める。
 仲間が隠れている場所の近くを通り過ぎていく、リリスとクレール。
「………おかしいわね…。道を間違えたみたいだわ」
「………」
「…ここから、あちら側に通り抜けてみましょうか?」
 コインパーキングの前でリリスの足がぴたりと止まり、道を間違えたと告げる。
 ここからだと向こうに行く方が近道だという彼女の指先は、目の前のコインパーキングを指差し、向こう側の出口から向こうの筋に出ようと言っている。
 クレールは静かに頷く。
 二人はまた並んでコインパーキングへと向かっていく。
「イグニッション!」
 コインパーキングに足を数歩踏み入れてから、クレールがカードを掲げ起動する。
 一瞬、何が起こったのかわからないリリス。
 クレールの声はパーキングを包囲していた仲間にも届けば、すぐに隠れていた場所から飛び出しパーキングへと向かう。
「とっとと化けの皮剥しな、黛さんよォ!?」
 リリスが向かおうとしてた向こう側の出入り口を素早く陣取り、退路を絶つ鈴四郎。
 そのまま牽制になればと、白燐拡散弾を放った。
 解き放たれた蟲が真っ直ぐにリリスへと向かった。
 白燐拡散弾に勝ち誇ったような、笑みを向け飛び掛ってくる蟲たちを交わすと、きりりとしたスーツ姿ではなく、しなやかな裸体にまとわりつく蛇の姿になっていた。
「……謀ったつもりが、謀られたってわけ、ね」
 梔鬼が宝剣を逆手に構え、リリスへと切りかかる。走りこんできた梔鬼の宝剣を交わすと、素早く蛇を一匹投げる。咄嗟に身を翻した梔鬼の頬を蛇がかすった。
「リリスは初めてっすけど、作戦の考え甲斐があるっすね」
 旅人が皆をサポートしやすい場所を位置につく。
「知的な女性を気取るにしては、少しやり方が安っぽかったかしら?」
 沙樹がリリスとの間合いを詰めながら、雷の魔弾を放つ。飛んでくる魔弾を交わす。その時魔弾が彼女の髪の毛をかすめ、纏めていた髪の毛が解けて宙を舞った。
「大人の色気は素敵だと思うけど、リリスなのよねー、残念。さぁて、いっちょヤってやろーじゃないの!」
 シギが誰入りも前へ出て、死美人を構え攻撃を仕掛ける。その攻撃をリリスはなんなく交わし、長い髪が揺れる。
 そのまましなやかな手つきのまま、蛇をまた一匹シギに向かって投げつける。
「……ちッ。噛まれるのはゴメンなの」 
 攻撃を交わされ、軽く舌打ちするシギ。
 その後すぐに飛んで来る蛇は自分に向かって、大きな口を開けている。それを何とか交わす。
 チラリと見た、リリスは悠然と笑みを携えたまま。

 ささらはリリスが入ってきた方の出入り口前に立ち、こちらからはリリスが逃げれない様にする。
 リリスとは距離はある。しかし雑霊弾なら、そんな距離さえ関係ないから。
「負けませんよ!」
 リリスとはいえあでやかで知的なんて、とても羨ましい事この上ない。だからって負けるわけにはいかない。
 ささらが放った雑霊弾は、真っ直ぐにリリスへと向かう。シギに気を取られていたリリスは雑霊弾に気がつくのが遅れた。
 ささらの放った雑霊弾はリリスの体に命中した。
 激しい悲鳴を上げて、リリスの長い髪の毛が靡く。
 リリスの顔から笑みが消え、睨み付けるような鋭い視線でささらを見据える。
「残念だけど、友人にはなれないわ」
 クレールが炎の蔦を放つ。放たれたフレイムバインディング、リリスの体を捕らえる。
 白い裸体に炎の蔦が絡まりつく。
 
 ―――………あ、あぁぁぁぁぁッ!!

 耳をつんざく鋭い悲鳴を上げ、身を捩るリリス。
「美人のお姉さん、おとなしく調伏されちゃってくださいっす」
 旅人が導眠符を作り上げ、小さな笑みを携えたまま蔦につかまり身動き取れないリリスへと投げつける。
 リリスは符を避けきることが出来ずに、次に眠気が襲ってくる。
 ささらが更なる雑霊弾を放つ。
 沙樹もリリスの隙を狙って、雷の魔弾を放つ。
 自由は奪われての両方からの攻撃は避けきれず、命中していく。
 その度にリリスの身体が跳ね上がり、髪の毛が波打つ。
「あばよ、黛さん。…もっかい美人に生まれてこいや」
 鈴四郎が一気に間合いを詰め、彼お手製の蟲籠を握りなおし殴りか掛る。
「何事もなくてよかったよ」
 何が起こってもおかしくない状況。それゆえ、一歩離れて皆とリリスが戦うのを見ていた倫之が動く。
 自らが予想していたことが外れて安堵する。
 呪殺符を作り出すと、リリスへと投げつける。
 こうなればもう能力者たちの独壇場。
 とめどなく繰り返される攻撃に、退路もふさがれ、命乞いもする暇もなく、白く美しい身体が溶けるように消えていった。
 甲高い悲鳴の余韻を残して。


「楽しかったわよ、美人さん」
 シギがリリスが消えた後を見ながら呟いた。
「じゃぁ、今からカフェで美味いもんでもどうだ?」
「あ、いいっすねー。祝宴を挙げますか?」
 がっしりと旅人の肩を組んだ鈴四郎。
 その言葉に旅人も、笑いながら同意する。
「あら、私もあの雰囲気をもう一度堪能したいから、一緒してもいいかしら?」
「それなら、それなら。わたしも行きたいですー」
 ブックカフェが気に入ってたクレールと、初めての依頼の緊張感から解き放たれたささらが手を上げて自分も行くと意思表示。
「ゆっくり、お茶を楽しめるのは嬉しいですね」
 イグニッションを解きながら、沙樹も少し嬉しそうな笑みを浮かべる。
 それで話は纏った、時間は遅いがささやかな祝宴をさっきのカフェで皆で挙げることにした。
「匡にも珈琲豆かなんか買ってってやるか」
 などと言いながら鈴四郎がカフェに向かって歩き出す。もちろんそれは余裕があればの話だけれども。

 空には白い月。
 これでゆっくりとカフェで読書を楽しんでいて、誰かが被害に合うと言うことは回避された。
 作戦が上手く機能し、無事に依頼が終わった事に、能力者達の顔は晴れやかだった。


マスター:櫻正宗 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2007/03/27
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冒険結果:成功!
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