命がけのサバイバル


<オープニング>


●栃木県某所
 かつてサバイバルゲームが行われていた場所がある。
 そこで行われていたゲームは厳しいルールの元で、紳士的に行われていた。
 だが、いつの頃からかマナーの悪い参加者が増え、違法に改造したエアガンなどを使用する参加者が増えて言ったらしい。
 そのせいで怪我人まで出てしまい、安全にゲームを行う事が出来なくなった。
 それが原因で参加者達が減っていき、誰も近づかなくなったようである。
 それから、しばらくして……。
 この場所で関係者と思しきゴーストが確認された。

「みんな、集まった? それじゃ、話を始めるね」
 運命予報士、長谷川・千春(高校生運命予報士・bn0018)。
 今回の依頼は彼女の口から語られる。

 ゴーストが確認されたのは、サバイバルゲームが行われていた山中。
 この場所で昔は頻繁にゲームが行われていたようだけど、マナー違反の参加者が増えてしまったせいで、最初からゲームに参加していた人達は次第に離れていったみたい。
 ここでリビングデッドと化したのは、特にマナーの悪かった参加者達。
 彼らは自分達が最強だと思い込んでおり、戦いを求めて彷徨っているわ。
 リビングデッド達が武器にしているのは、改造したエアガンや、ゴムナイフ風に塗装したサバイバルナイフ。
 しかも、相手の事なんてまったく考えていない破壊力抜群の特別製。
 まぁ、こんなモノを使っていたから、愛想を尽かれて誰も相手にしてくれなくなっちゃったんだろうけどね。
 どちらにしても、リビングデッド達は戦いに飢えているわ。
 相手がそれを望んでいなくても、関係なく。
 ……彼らは戦えればいいの。
 常に自分達が最強であるために……。
 それと、彼らがアジト代わりにしていた小屋が特殊空間と化していて、司令官の格好をした地縛霊が留まっているようなの。
 地縛霊はアジトを守るためなら手段を選ぶつもりが無いらしく、ガトリングガンを乱射して攻撃を仕掛けてくるわ。
 それを防ぐためには、アジトに隠された旗を取ればいいようだけど、相手はルールを守った事がないような人達だから、力技で倒しちゃった方がいいかも。

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参加者
アーバイン・シュッツバルト(エッジランナー・b00437)
刈谷・紫郎(見通す者・b05699)
皇・光(デビルズペイン・b16218)
神那岐・キリト(クルーシフィクス・b30248)
伊藤・洋角(百貨全用・b31191)
南雲・レイジ(烈火の剣侠児・b47935)
椎名・健一(六番目の夢からの招待・b51618)
闇憑・氷影(ブラックイルミネーション・b54588)
シュヴール・ルドルフ(ベルンシュタイン・b57139)
裏方・黒衣(ラッツェブレーキング・b57463)
水姫・優希那(おちこぼれ妖狐・b73873)
堤・晴嵐(空は青く晴れやかに・b75096)



<リプレイ>

●命懸けのサバイバル
「サバイバルゲームですか……、鯖威張る……? ん〜? 何か違う気がしますねぇ……」
 かつてサバイバルゲームが行われていた場所を目指しながら、水姫・優希那(おちこぼれ妖狐・b73873)が首を傾げる。
 何となく似ているが……、何か違う。
 ある意味、言葉のラビリンス。
「それだとイントネーションが違うぞ、優希那」
 クールな表情を浮かべながら、南雲・レイジ(烈火の剣侠児・b47935)がツッコミを入れる。
 未だに地縛霊が旗を守り続けているようなので、それさえ奪い取る事が出来れば、ゴーストを大人しくする事が出来る……かも知れない。
「それにしても……、サバイバルゲームですか。勉強不足で僕には良く解りませんが、お好きな方はお好きなのでしょうね。チームに別れてエアガン等で疑似戦闘を繰り広げ被弾した人から脱落していき、双方に設定されている旗等のシンボルを持ち帰ったチームの勝利……、という解釈でよろしいですね」
 仲間達に語りかけながら、神那岐・キリト(クルーシフィクス・b30248)がサバイバルゲームのルールを確認する。
 だが、リビングデッドと化した参加者達は、自分達にとって都合のいいようにルールを捻じ曲げ、勝ち星をあげていったらしい。
「ルールを還元無く緩和していけば、自らの首を絞めるだけなんですけどね。ま、それは我々能力者も同様ですが……。世界結界と言う『ルール』を護るのが、我々の仕事ともいえますしね」
 自分達の痕跡を可能な限り消していきながら、アーバイン・シュッツバルト(エッジランナー・b00437)が口を開く。
 リビングデッドと化した参加者達はマナー違反が問題視されて除名処分になっていたが、彼らはそれを無視してこの場所を占拠していたらしく、多くの参加者が別の場所へと移ったらしい。
「いわゆる一つの『俺ルール』ってやつですか……。自分さえ良ければ、他はどうでもいいと思っている輩という事ですね。寂れてしまったのも納得がいきます」
 ゆっくりと辺りを見回しながら、伊藤・洋角(百貨全用・b31191)が溜息を漏らす。
 リビングデッドと化した犠牲者達のせいで、次第にサバイバルゲームの参加者達が減っていったようである。
「……最強か、戦士なら一度は憧れる称号だな。だが最強には価値など全く無い。最強より上は無いからな」
 何者かの気配を感じ取り、皇・光(デビルズペイン・b16218)が茂みを睨む。
 それと同時に何かが茂みを掻き分け、光に対して凄まじい殺気を放つ。
「自称最強って格好悪っ! サバイバルゲームはゲームなんだから、楽しむ範囲でやんないと駄目じゃん。最強なんて自分を過信した時が一番サバイバルには向いてないんだと思う。ゲームというわけなんで、さっさと負けてもらいますか」
 すぐさまイグニッションし、椎名・健一(六番目の夢からの招待・b51618)がリビングデッドの気配を探る。
 リビングデッド達は気配を消しているつもりのようだが、みんな自意識過剰な性格のためか、殺気が凄まじい。
「最強、なぁ……卒業しても黙示録に出ている身としては、少し耳痛い話だが……」
 険しい表情を浮かべながら、刈谷・紫郎(見通す者・b05699)が茂みに視線を送る。
 リビングデッド達は茂みの中にいくつか殺傷性の高いトラップを仕掛けているようだが、ルールを守って戦闘をしていなかったせいで、すべて容易に見つける事が出来た。
「マナーが悪い人がいるとゲームも成り立たないのに……」
 呆れた様子で溜息をつきながら、堤・晴嵐(空は青く晴れやかに・b75096)がフォーメーションを展開した。
 今までサバイバルゲームと縁はなかったが、こんな状況になってしまったからには逃げるつもりはない。
「どんなスポーツであれ、それが決められたルールの下平等に行われるからこそ楽しいのにね。特にサバイバルゲームはその特異な性質上、一部の人に良い感情を与えないのは明々白々。だからこそよりストイックにルールを守る必要があるんだけど……。だから、おまえらが改造エアガンで蹂躙したのと同じように圧倒的な力をもってしてひねり潰し、その身をもって罪を贖ってもらうよ」
 イグニッションをしてクールな表情を浮かべ、闇憑・氷影(ブラックイルミネーション・b54588)がリビングデッド達をジロリと睨む。
 それと同時にリビングデッド達は改造エアガンをぶっ放し、氷影達に対して攻撃を仕掛けてきた。
「……まるでイノシシだな。まったく、まわりが見えていない」
 冷静に状況を判断しながら、シュヴール・ルドルフ(ベルンシュタイン・b57139)が後ろに下がる。
 次の瞬間、地面にいくつも穴が開き、リビングデッド達がチィッと舌打ちした。
「それじゃ、行きましょうか」
 満面の笑みを浮かべながら、裏方・黒衣(ラッツェブレーキング・b57463)が仲間達にむかって声をかける。
 それに合わせて、リビングデッド達が唸り声を響かせ、改造エアガンを構えて黒衣達に攻撃を仕掛けてきた。

●皆殺しだ!
「これが最強を名乗る者達の実力か」
 クールな表情を浮かべながら、光が旋剣の構えを発動させる。
 それを合図にリビングデッド達が改造エアガンを乱射し、一気に距離を縮めていく。
「……動きがバラバラで、すべてにおいて雑ですね。これじゃ、ルール通りに戦ったのでは、絶対に勝つ事が出来ませんね」
 仲間達と連携を取りながら、アーバインがライトニングヴァイパーを放つ。
 その一撃を喰らってリビングデッドが血反吐を吐き、『そんなモンを使うなんてルール違反だぞ!』と抗議した。
「ル、ルール違反って……。腐ってもサバゲープレーヤーって事かな。でも、自分達の事は棚において、他人を批判するのは良くないよ」
 リビングデッド達に語りかけながら、氷影が黒燐奏甲で防御力をアップさせる。
 それと同時にリビングデッド達が悔しそうな表情を浮かべ、バラけるようにして茂みに散った。
「そんなかっこ悪い武器で粋がるなんて……、恥ずかしくないの?」
 少しずつ間合いを取りながら、晴嵐がリビングデッド達を挑発する。
 その言葉を聞いてリビングデッド達が怒り狂い、改造エアガンを乱射して次々と茂みから飛び出した。
 次の瞬間、晴嵐がバットストームを発動させ、リビングデッド達を巻き込んでいく。
「こちらは遊びじゃあないんで……、早く倒れてくれると助かります」
 リビングデッド達を射程範囲内に捉え、洋角が容赦なく暴走黒燐弾を撃ち込んだ。
 そのため、リビングデッド達が逃げる事が出来ず、洋角の放った黒燐蟲に食われていった。
「目には目をって事で、全力で片付けてやりましょうか。まあ、相手は死んでいる事ですし、問題ありませんしね」
 仲間達に声をかけながら、洋角が茂みに飛び込んだ。
 そのせいでリビングデッド達は行動を制限され、徐々にストレスが溜まっていった。
「……そこかっ!」
 リビングデッドの殺気を感じ取り、氷影がダークハンドを炸裂させる。
 その一撃を喰らってリビングデッドが悲鳴をあげ、『てっ、撤退だああ!』と叫び声を響かせた。
「いまさら撤退……ですか」
 リビングデッド達の逃げ道を塞ぎ、アーバインがクレセントファングを放つ。
 それでも、リビングデッド達は逃げ延びるため、改造エアガンを捨ててゴムナイフ風のサバイバルナイフに持ち変える。
「そんなもので俺達を倒せると思っているのか?」
 一気に間合いを詰めながら、シュヴールがフロストファングを炸裂させる。
 その途端、リビングデッドが悲鳴を響かせ、持っていたサバイバルナイフをポトリと落とす。
「そんな所で群れてないで……早く……消えちゃえ……」
 リビングデッド達に視線を送り、晴嵐がバットストームを発動させる。
 次の瞬間、無数の吸血コウモリが出現し、リビングデッド達の血をあっという間に吸い尽くした。
「お前達は最強を口にした時点で既に負けていたんだよ。まぁ、今更言っても仕方が無いが、な」
 呆然と立ち尽くすリビングデッド達を眺め、光が吐き捨てるようにして呟く。
 だが、リビングデッド達は反論する事さえ出来ず、その場に次々と崩れ落ちていった。

●この旗は命懸けで守る!
「い、いきなりだと!? いい加減にしろよ! ……これはゲームじゃない、本当の戦闘だ!」
 特殊空間に引きずり込まれた途端、地縛霊がガトリングガンを乱射してきたため、レイジが地面を蹴りつけるようにして攻撃を避けていく。
「乱射なんて司令官やることじゃねーぞってんだ!」
 不機嫌な表情を浮かべながら、健一が地縛霊の攻撃を避けて、地面を素早く転がった。
 だが、地縛霊は狂ったように高笑いを響かせ、ガトリングガンを乱射して健一達を追い詰めていく。
「剣にはこういう使い方もあるっ!」
 先陣を切って黒燐奏甲を発動させ、レイジが大剣を盾代わりにして銃弾を弾き落とす。
 それでも、地縛霊は攻撃の手を休める事なく、狂ったようにガトリングガンを乱射した。
「装備が強くないと勝てないってんじゃ、指揮官としちゃ失格だぜ?」
 攻撃するタイミングを窺いながら、紫郎が旋剣の構えを発動させる。
 その言葉を聞いて地縛霊がフンと鼻で笑い、『……違うな。最強を誇る我が軍には強い武器こそ相応しい』と答えを返す。
「いい年した大人なのにルール守れないって……。人として、どうなのでしょう?」
 信じられない様子で地縛霊に視線を送り、優希那が破魔矢を撃ち込んだ。
 その一撃を喰らって地縛霊が派手に尻餅をつき、『お、お前達だって、そんな物騒なモンを振り回して卑怯じゃないか!』と愚痴をこぼす。
「それはお互い様じゃないですか」
 笑顔を浮かべてさらりと答え、黒衣が地縛霊にデモンストランダムを叩き込む。
 それと同時に紫郎がダークハンドを放ち、逆に地縛霊を追い詰めていった。
「オメガ、敵の司令官はあれです。油断せずに倒しましょう」
 ケルベロスオメガのオメガに声をかけながら、キリトがギンギンパワーZを放り投げる。
 それに合わせてオメガがレッドファイアを放ち、地縛霊の身体を一瞬にして炎に包む。
「サバイバルは生き残るっていうのが鉄則。死んだら意味なし。当たり前じゃんか。さぁ、お仕事の時間だ、歌うぜ」
 少しずつ距離を縮めていきながら、健一がヒュプノヴォイスを歌い出す。
 その歌声を聴いて地縛霊が激しい睡魔に襲われ、とろんとした表情を浮かべて膝をつく。
「……そこです!」
 ハッとした表情を浮かべ、優希那が旗を指差した。
 それは地縛霊にとって、命にも等しいもの。
「そこかっ!!」
 勢いよく飛び込み、レイジが旗をガシィッと掴む。
 これで決着がついた……はずだった。
「ま、まだだ! それは本物の旗じゃない!」
 酷く怯えた様子で、地縛霊が激しく首を横に振る。
 地縛霊の言っている事は、明らかに……嘘。
 あまにも地縛霊の言っている事が白々しいため、他の能力者達も冷たい視線を送っている。
 そのため、地縛霊が恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、それを誤魔化すようにガトリングガンを乱射した。
「ゲームですから、ルールは守らなくてはいけませんね。律するべき司令官自ら破るのはどうかと思いますよ」
 オメガと連携を取りながら、キリトがスピードスケッチを放つ。
 その一撃を喰らって地縛霊が悲鳴をあげ、ガトリングガンが空しくカラカラと鳴った。
「ゲームは守ってこそゲームなんだから、偽装している時点で最強じゃなくて最弱じゃん」
 地縛霊にツッコミを入れながら、健一が地縛霊にヘビィクラッシュを叩き込む。
 次の瞬間、地縛霊の頭が砕け散り、糸の切れた人形のようにして崩れ落ちた。
「これが『最強』を名乗るものか。いや……、ただ力に溺れただけの自己満足を、『最強』だと履き違えていただけか」
 特殊空間が崩壊した事を確認し、紫郎が誰かに確認するように口を開く。
 最強を誇っていたはずのゴースト達は、能力者達の前に呆気なく敗北した。
「だが、これで満足したはずだ。自分達を越える相手と戦う事が出来たのだから……」
 地縛霊のいた場所を眺め、レイジが皮肉混じりに答えを返す。
 戦いが終わった後もまったく爽快感はなく、空しさだけがレイジの心を包んでいた。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:12人
作成日:2010/04/25
得票数:カッコいい12 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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